広報あつぎ 平成21年11月1日 第1074号
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今月の表紙

江頭さん(左から2人目)の手助けで、再び食事を
楽しめるようになった健二さん。家族にも笑顔が戻った



台所で調理の指導を受けるミツ子さん(左)
 彩り豊かな料理が並ぶ食卓で、寿町の福田健二さん(77)が野菜の牛肉巻きを口へ運んでいます。7年前、くも膜下出血で倒れた健二さんはそしゃくや飲み込みができなくなり、気管を切開し管で栄養を取っていました。この何げない一場面は、倒れた直後には想像もできなかった幸せな瞬間なのです。
 健二さんの食を支えるのは、「地域栄養ケアピーチ厚木」の管理栄養士・江頭文江さん(38)です。健二さんが食べる喜びを失いかけた6年前から、月2回の訪問を続けています。
 「誰だっていつまでもおいしく食事がしたい。生活から食事がなくなるのはつらいですよね」。人間が人間らしい生活を続けられるよう、1人1人に合った食の在り方を提案する江頭さん。健二さんの妻・ミツ子さん(74)と娘の順子さん(48)に、ミキサーを使った軟らかい料理を紹介しています。「食事を楽しんでみたら」と、食器や料理の彩りにも心を配るよう助言します。
 福田家では、食感や見た目は異なりますが、みんなが同じ食材を口にしています。一時期は33キロまで落ち込んだ健二さんの体重は、いつの間にか50キロ台にまで回復しました。
 「食べることがこんなに素晴らしいことだなんて、父が倒れるまでは想像したこともありませんでした」と順子さん。江頭さんが伝える食べる喜びが、食卓に笑顔という花を咲かせます。




あつぎ自然歳時記
クロコノマチョウ(ジャノメチョウ科)
 ミツカドコオロギ(コオロギ科)

 幼虫の食草は、ジュズダマやススキ、ヨシなどのイネ科植物。成虫は、樹液やカキの実などを吸う。初めて見たのは宮崎県。温暖化の影響で北上しつつある。
写真・文/吉田文雄
 紅葉の季節、夏にクロコノマチョウの幼虫がいた湿地に来た。
 幼虫がいたジュズダマの葉は枯れかけていたが、つやのある実がたくさん付いていた。山々は美しく染まり、秋を楽しむように鳥たちの声が聞こえる。帰ろうとした時、どこからともなく来た黒っぽいチョウが落ち葉に止まった。
 そっと近づいたが、フワフワと遠くの黄葉した木に止まった。今度は息を殺して近づくと、羽の縁が突き出たメスのクロコノマチョウだった。褐色のチョウと黄葉した葉による美しい秋の演出。おかげで充実した一日になった。

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