厚木市被保護者等の金品等管理取扱要綱

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

目的

第1条

 この要綱は、生活保護法(昭和25年法律第144号。以下「法」という。)による保護を実施するにあたり、法に基づき支給決定した保護費及び被保護者等の遺留金品等(以下「金品等」という。)の管理及び取扱いに関し、必要な事項を定めることにより、金品等に係る紛失等の事故を防止すること及び適正な管理等を実施することを目的とする。 

用語の定義

第2条

 この要綱に定める用語の定義は次のとおりとする。

  1.  被保護者 法に基づく生活保護を受けている者及び法第18条に基づく葬祭扶助を適用し、葬祭が行われた者
  2.  福祉事務所 厚木市福祉事務所
  3.  返納金 法第63条及び法第78条並びに地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第159条の実施に基づく保護費の返還金及び徴収金並びに戻入金
  4.  預り金 金銭管理の困難な被保護者等の依頼に基づき、福祉事務所が預かり、管理する金銭
  5.  遺留金品 死亡した被保護者等が所持していた金品
  6.  市 厚木市
  7.  課 生活保護主管課
  8.  経理担当職員 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第15条第1項第3号で規定する事務を行う所員のうち経理を担当する職員
  9.  現業員 社会福祉法第15条第1項第2号で規定する現業を行う所員の職員
  10.  査察指導員 社会福祉法第15条第1項第1号で規定する指導監督を行う所員の職員
  11.  扶養義務者等 民法(明治29年法律第89号)第877条に規定する扶養義務者及び同法第882条により開始された相続に基づく相続人
  12.  施設等 医療機関及び社会福祉施設並びにこれらに類推する施設
  13.  家主等 被保護者の居宅の貸主若しくは持主及び居宅を管理する不動産管理会社
  14.  預貯金 預金及び貯金
  15.  被保護者等 被保護者及び行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第1条に規定する行旅死亡人並びに墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第9条に規定する者 

金品等の取扱方針

第3条

 福祉事務所が行う金品等の取扱方針は次のとおりとする。

  1.  福祉事務所が、被保護者等の金品等を預かることができる場合は、業務上やむを得ない場合で福祉事務所長が認めた場合に限るものとする。
  2.  被保護者から金品等を預かった場合は、当該金品等における管理を行うとともに、第5条に規定する金銭等管理台帳(第1号様式)に記載し、預かり開始から保管中を経て預かりを終了するまで、金品等の現在額及び所在等を常に明らかにしなければならない。
  3.  預り金は、依頼人ごとに保管しなければならない。
  4.  被保護者の印鑑、通帳又はキャッシュカードを預かることはできない。ただし、被保護者にやむを得ない特別な事由、または被保護者等が死亡した場合は、この限りでない。

保護費の支給方法等

第4条

 被保護者に対する保護費の支給方法は、安全、確実及び効率を期すため、被保護者の預貯金口座に振り込む方法(以下「口座振込」という。)を原則とする。ただし、次の各号に定める場合は、被保護者を生活保護費受給票又は保護決定通知書により確認し、課の窓口で直接保護費を支給する方法(以下「窓口払い」という。)によることができる。
 なお、代理人に対し、窓口払いにて保護費を支給する場合は、事前に被保護者から相談及び連絡を受けた上で、被保護者の印鑑、生活保護費受給票又は保護決定通知書及び代理人の写真付きの公的な身分証明書を確認し、支給するものとする。

  1.  保護を開始した場合
  2.  被保護者の事情により金融機関に口座開設ができない場合。ただし、現業員は、被保護者に対し速やかな金融機関への口座開設に向け支援するものとする。この場合は、その事情等をケース記録票に記載するものとする。
  3.  保護の決定又は変更により、口座振込日前で緊急かつ随時に保護費を支給する必要がある場合
  4.  被保護者の金銭管理能力等に疑義がある場合などの事情により、保護費の支給を口座振込によることができない場合。この場合は、その事情等をケース記録票に記載するものとする。
  5.  被保護者から返納金の返還が遅延又は納付されない場合であって、被保護者に対し、訪問等により催告及び納付指導を行うことができないとき。

2 前項における保護費の支給は、原則複数の経理担当職員が対応するものとする。ただし、複数の経理担当職員で対応することが困難な場合は、経理担当職員及び経理担当職員以外の職員で対応できるものとする。
3 保護費の支給にあたり、口座振込、窓口払い及び現金書留以外による支給方法の場合は、生活保護費支給事務従事許可・報告書(第2号様式)により課長の許可及び課長への報告を要するものとする。
4 被保護者から保護費の支給方法等や返納金に関する問合せがあった場合は、経理担当職員又は担当現業員が生活保護費支給明細書又は返還金・徴収金納付管理簿により回答するものとする。

金品等の預かり

第5条

 被保護者が遺留金品以外の金品等を福祉事務所に預ける場合は、被保護者は委任状(第3号様式)を福祉事務所長に提出するものとする。
 なお、被保護者から要望がある場合、福祉事務所長は、預り証(第4号様式)を被保護者に交付するものとする。
2 前項の金品等を預かる場合は金銭等管理台帳において管理する。
3 被保護者が預けた金品等について、被保護者からの申し出がある場合は、その旨を記載した金品等引渡依頼書(第5号様式)を福祉事務所長に提出するものとする。
4 金品等の預かりを行うことができる第3条第1号に規定する業務上やむを得ない場合は、次のとおりとする。

  1.  金銭管理支援を行わなければ、生活に支障が生じると認められる被保護者
  2.  公共料金を滞納してしまうなど生活保護費等を適切に管理することが困難な被保護者
  3.  高齢・障害のため、銀行口座から生活費の引出しが困難な被保護者
  4.  医療機関に入院中又は施設等に入所中のため、金銭管理が困難な被保護者
  5.  心身上の理由により、自ら金銭管理を行うことが困難な被保護者

現金書留による支給

第6条

 被保護者が現金書留による支給を依頼する場合は、委任状の徴取を要さないものとする。
2 現金書留(施設等入所者も含む。)による支給対象者については、第5条第2項の規定に関わらず、生活保護費支給明細書兼領収書(第6号様式。以下「領収書」という。)にて毎月、管理するものとする。
3 福祉事務所は、領収書を同封し現金書留を郵送し、被保護者は、福祉事務所が定める期日までに、当該領収書に領収印を押印し、福祉事務所に返送しなければならない。

現金書留による送金が可能な施設等

第7条

 現金書留による保護費の支給が可能な施設等は次の各号に定めるとおりとする。

  1.  各種医療機関
  2.  介護保険法第5章第5節で規定する介護保険施設
  3.  その他課長が特に必要と認めた施設等及び被保護者の居宅

2 前項第3号に支給する場合は、ケース記録にその理由等を記載するものとする。

保護費の分割支給

第8条

 被保護者が、保護費を分割して受給する場合は、生活保護費分割支給依頼書(第7号様式)を福祉事務所長に提出しなければならない。この場合において、福祉事務所長は、生活保護費分割支給通知書(第8号様式)を被保護者に交付するものとし、会計課提出書類への押印は、当該月の初回分割支給日に押印する。
2 前項による分割支給は、一月4回を限度とする。
3 本条の手続を適用する際は、厚木市社会福祉協議会における日常生活自立支援事業(厚木あんしんセンター)のサービスの適用可否や、成年後見制度の適用を併せて検討する。

金品等の取扱い等

第9条

 被保護者が、第5条第3項及び第8条第2項に基づく金品等を受領する場合は、福祉事務所長に対し、金品等受領書(第9号様式)を提出するものとする。
2 被保護者は、第5条に規定する遺留金品以外の金品等の取扱手続を終了する場合は、金品等の取扱手続終了依頼書(第10号様式)を、福祉事務所長に提出しなければならない。この場合において、福祉事務所長は、金品等の取扱手続終了通知書(第11号様式)を交付するものとする。
3 前項の手続において、被保護者が金銭を管理することが困難な場合は、担当現業員又は査察指導員は必要な指導、助言をすることができる。

各手続が困難な場合の取扱い

第10条

 被保護者が認知症、精神疾患、昏睡状態等により第5条、第6条の手続が困難な場合は、親族(扶養義務者等)による申請で行うものとする。ただし、協力する親族が不在若しくは遠距離に居住し、手続きができない場合は、職権により手続ができるものとする。
2 前項に規定する職権により手続をする場合は、その理由をケース記録に記載するものとする。
3 第1項の手続を行う場合において、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、民法第7条に基づく後見開始の審判、もしくは同法第11条に基づく保佐開始の審判を検討するものとする。

失踪後等の保護費の取扱い

第11条

 第5条第2項に規定する金品等のうち保護費を福祉事務所に預けている被保護者が失踪し、保護が停止又は廃止となった場合は、停止又は廃止後速やかに戻入処理又は市の歳計外現金で保管するものとする。

預り金等の保管

第12条

 遺留金品以外の金品は、原則として市会計管理者が管理する金庫にて保管するものとする。ただし、定期又は随時にて支給決定した保護費については、福祉事務所内において施錠ができる手提げ金庫に保管し、かつ、当該金庫を福祉事務所内に設置してある耐火金庫内にて保管するものとする。
 なお、未支給の保護費がある場合は、被保護者に対し、随時連絡し、1箇月を経過した後、戻入処理を行うものとする。
2 前項により金品を市会計管理者が管理する金庫にて保管する場合、必ずその出入金等の経過を金銭等管理台帳に記載しておくこと。また、出入金等に当たっては、複数の経理担当者で対応するものとし、複数の経理担当者で対応することが困難な場合は、経理担当者以外の職員が対応できるものとする。
3 第1項の手提げ金庫及び耐火金庫の鍵については、生活保護主管課長が保管するものとし、保管場所については、施錠ができる場所とする。

遺留金品の取扱い等

第13条

 被保護者等の遺留金品の取扱いについては、原則として複数の経理担当職員が行うものとし、複数の経理担当職員で取り扱うことが困難な場合は、経理担当職員以外の職員が行うことができるものとする。ただし、この場合は、事前に課長の承認を得ることとする。
2 被保護者等の死亡を把握した場合は、速やかに査察指導員又は課長に死亡日時等の状況を報告するとともに、遺留金品の有無が判明している場合は、その有無を報告するものとする。
3 被保護者等に遺留金品があり、被保護者等に連絡可能な扶養義務者等がいる場合は、当該扶養義務者等に遺留金品の確認を依頼し、その結果の報告を受けるものとする。
4 被保護者等に連絡可能な扶養義務者等がいない場合は、次の各号に定めるとおりとする。

  1.  被保護者等が施設等で死亡し、施設等から遺留金品の引取要請があった場合は、当該施設等の管理者に遺留金品の確認を依頼し、当該施設等の管理者からその結果の報告を受けるものとする。
  2.  被保護者等が居宅等で死亡し、警察署長の確認が必要な場合は、警察署長に遺留金品の確認を依頼し、当該警察署長からその結果の報告を受けるものとする。

5 被保護者等の遺留金品の報告を受けた職員は、速やかに査察指導員又は課長にその旨を報告するものとする。
6 被保護者等の遺留金品の取扱いに関する経過は、被保護者等の死亡報告を受けた時から遺留金品の保管完了までの経過記録を作成し、福祉事務所長の決裁を受けるものとする。
7 遺留金品に出納がある場合は、遺留金品管理台帳(第12号様式)に記入し、その都度課長の決裁を受けるものとする。
8 遺留金品管理台帳は、原則として経理担当職員が記入するものとし、経理担当職員が記入できない場合は、課長の決裁を受けた上で、現業員が記入できるものとする。
9 死亡した被保護者等の居宅に福祉事務所の職員(以下「職員」という。)が立ち入る必要がある場合は、家主等、警察官又は扶養義務者等の許可を得た後、査察指導員又は課長の許可を得た上で立ち入るものとする。

  1.  居宅内への立入りは、原則として複数の職員により行うものとする。
  2.  居宅内の確認は、原則として家主等、警察官又は扶養義務者等の同伴により行うものとする。
  3.  前号の規定により、職員が遺留金品を確認した場合は、第1項及び第8項の規定を準用する。

10 死亡した被保護者等に多額の遺留金があり、葬祭扶助等を適用しなかった場合、原則として福祉事務所は、遺留金品の全てを扶養義務者等へ引き渡すものとする。

  1.  扶養義務者等が遺留金品の引取りを拒否した場合、又は扶養義務者等がいない場合は、その旨を記録し、速やかに当該遺留金品のうち遺留品は売却又は廃棄するものとする。
  2.  扶養義務者等が遠方在住等の理由により被保護者等の死亡後一月以内に遺留金品を引取りに来ることができないと見込まれる場合は、現金書留等により送付することができる。
  3.  同項第1号に規定する遺留金については、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、相続財産管理人選任の申立てを行うものとする。
     なお、遺留金が少額で、相続財産管理人選任の手続きに要する費用に満たない場合は、所定の手続きを経て、市の歳計外現金として一時的に保管するものとする。

11 前項第1号の場合において、換金価値に疑義あるものは、その都度福祉事務所内で検討し、判断するものとする。ただし、換金価値があるものについては、その保管や売却手続き等に要する費用等を勘案して換金又は処分等の手続きを行うものとする。
12 遺留金品に預貯金通帳がある場合は、複数の職員においてその残高を確認することとするが、残高に疑義が生じる場合は、法第29条に基づく調査を実施するものとする。
 なお、当該通帳については、速やかに扶養義務者等に引き渡すものとするが、扶養義務者等が引取りを拒否した場合又は扶養義務者等が不明等の場合は、当該通帳の金融機関に引取りを依頼するものとする。ただし、金融機関が引取りを拒否した場合は、その旨を遺留金品管理台帳に記録した上で廃棄処分とする。
13 遺留金品を扶養義務者等に引き渡す場合は、遺留金品受領書(第13号様式)を扶養義務者等から徴取するものとする。

定期点検

第14条

 金銭等管理台帳は、毎月、課長、査察指導員、経理担当係長及び経理担当職員による検査を実施し、現金との照合を行うものとする。
2 遺留金品管理台帳は、随時、課長、査察指導員及び経理担当係長による検査を実施するものとする。
3 課長は必要に応じて、随時に検査を命ずることができる。

報告義務

第15条

 前条に規定する検査において不備があった場合は、課長は福祉事務所長にその旨報告するとともに原因を究明し、是正するものとする。この場合において、福祉事務所長は不正等が見受けられる場合は遅滞無く、次項に規定した事故発生時の対応に基づき、関係者から事情を聴取するものとする。
2 遺留金品、遺留金品以外の金品及び金銭等管理台帳等に事故が発生した場合は、直ちに査察指導員、経理担当係長及び課長に次に掲げる事項について口頭にて報告後、文書をもって福祉事務所長に報告しなければならない。

  1.  事故の概要(発生日又は発見日、金額、場所等)
  2.  事故発生時の状況(保管状況等)
  3.  事故の原因等(報告時点で明らかになっている事項)

福祉事務所長の対応

第16条

 福祉事務所長は、前条の報告後、速やかに関係部署に報告しなければならない。
2 事故発生時の原因究明手順については次の各号に定めるとおりとする。

  1.  忘失等の内容及び全ての金品等の確認
  2.  金銭等管理台帳等の確認

文書等の保存期間

第17条

 本要綱に規定する文書の保存期間は、厚木市行政文書取扱規程(昭和49年告示第82号)第46条に基づき、次の各号のとおりとする。

  1.  金銭等管理台帳 当該受給者の廃止後5年
  2.  遺留金品管理台帳 被保護者等の死亡後10年
  3.  それ以外の文書については、金品等の取扱手続終了後5年

外国人に対する適用

第18条

 「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について(昭和29年厚生省社会局長通知社発第382号)」に基づき保護を実施している外国人に係る金品等の取扱いについては、本要綱に準じて取り扱うものとする。

決裁事項

第19条

 本要綱における決裁区分については、別表第1に定めるとおりとする。

附則

この要綱は、平成29年4月1日から施行する。

関連ファイル

この記事に関するお問い合わせ先 inquiry

福祉部 生活福祉課 経理給付係
〒243-8511
厚木市中町3-17-17(市役所第二庁舎2階)
電話番号:046-225-2213
ファックス番号:046-221-0289

メールフォームによるお問い合わせ