No.41 歌川 国経

更新日:2025年05月03日

歌川国経

歌川国経「文を読む女」

国経は、市内上荻野田尻の斎藤家に生まれで、本名は斎藤源蔵(源三とも)。江戸に出て、役者絵や美人画など広い分野に筆をとった初代歌川豊国(1769~1825)の門人となり国経と号しました。江戸に出たのがいつであったか定かではありませんが、国経24歳の寛政12年(1800)正月2日、師豊国が画初めに描いたという「宝珠図」が斎藤家に残されています。

また、彼は、講釈師(講談師)としての顔も持ち、伊藤派の祖で軍談をよくした伊東燕晋(えんしん)(1761~1840)の門下で、燕太(えんた)とも名乗っています。

厚木にゆかりの作品としては、1「伊勢原市上粕屋比比多神社奉納美人図絵馬」(縦117.5センチメートル 横83.0センチメートル 享和2年/1802)や、2「大黒天図」(縦126.0センチメートル 横54.0センチメートル 享和4年/1804)、3「美人図 文を読む女」(縦129.0センチメートル 横56.5センチメートル 文政11年/1828)などがあります。以下はその概略です。

1願主は「上荻野 神崎半兵衛」「綱嶌左七 神崎長左衛門 斎藤伝右衛門」の連名で、やや細面の顔に、7~8頭身のすらりとした3人の女性(遊女)が描かれます。享和期の豊国の美人画に近く、神奈川県重要文化財に指定されています。当館では複製を所蔵。

2現在厚木市域で確認されている国経の作例はこの一点のみです。個人所蔵。

3国経の生家である斎藤家に伝来する紙本著色の肉筆画ですが、画題・落款・印章等はありません。先に記した「文政11年」の年紀も本図が納められた箱書きによるものです。1のすらりとした容姿とは異なり、目尻がつりあがり、丈は低く猫背の6頭身とバランスも悪く、その風貌を大きく変えています。当館所蔵。

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