No.61 外山亀太郎

『蚕種論』他2冊(あつぎ郷土博物館蔵)
外山亀太郎(1867-1918)農学博士。慶応3年、上古沢村・外山健次郎の長男に生まれる。明治25年、東京帝国大学農科大学を卒業、東京水産講習所嘱託となり、明治29年、福島県蚕業学校初代校長に就任しました。 しかし、研究への情熱やみがたく、蚕業学校を辞任、大学に戻り、若い頃から意を注いできた蚕種の改良を受け、蚕の遺伝に関する研究に着手しました。
メンデル(G.J.Mendel)の法則に基づいて研究を続けたのです。 その後、明治35~38年まで、暹羅(シャム。現在のタイ)へ養蚕指導に出向、この間にタイ種と日本種の蚕の交配実験を行い、精力的に研究を進めました。帰国後、「蚕の雑種とくにメンデルの遺伝の法則について」の副題を持つ「昆虫の雑種学的研究」を発表、「動物では世界で最初にメンデリズムを確認した世界に誇る先駆的研究」と評価されました。 明治42年、代表的著作『蚕種論』(東京丸山舎)を出版、785頁の大著にもかかわらず1年で売り切れてしまいました。明治44年から大正2年まで、ヨーロッパを視察、養蚕の実情を調査し、大正6年には東京帝国大学教授に任じられました。大正4年、蚕の一代交雑種の実用化の端緒を開いた功績、蚕の遺伝に関する研究業績により学士院賞を獲得しましたが、この時の同時受賞者はあの野口英世でした。 大正7年3月29日、外山は、東京青山の自宅にて没しました。享年52歳。上古沢本邸の後丘に神式をもって葬られました。没後、帝国発明協会は、偉大な功績を讃えて表彰を行い、特等賞を贈りました
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更新日:2025年06月07日