No.68 三芳悌吉

和田傳書『鰯雲』の挿絵の原画(あつぎ郷土博物館蔵)
洋画家三芳悌吉は明治43年(1910)東京向島に生まれました。父親の急死で新潟市に移住、幼少年期を過ごします。昭和2年(1927)新潟医科大学解剖学教室に勤務し標本のスケッチや解剖図を描くかたわら絵画を独習。翌年上京し東京帝国大学医学部森於兎教室に就職、太平洋画会研究所に学びました。 戦時下では軍需生産美術推進隊の一員として全国の炭坑や軍需工場などで労働者や勤労場面を主題として制作に励み、戦後は行動美術協会会員として作品を発表します。
小説や絵本の挿絵も担当し自作の絵本も多く出版。昭和29年には第2回小学館児童文化賞を受賞。親しみやすい緻密な画風が人気です。
厚木とのかかわりは、厚木市を代表する農民文学作家和田傳の「いわし雲」(『農業朝日』朝日新聞社、昭和31年)、『鰯雲』(池田書店、昭和32年)の挿絵を担当、市内恩名の和田邸も訪れています。 和田傳文学賞記念作品集の表紙の絵は、三芳悌吉が『鰯雲』に描いた挿絵が使われています。2000年没。
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更新日:2025年06月07日