No.69 難波孫次郎

更新日:2025年06月07日

若き心

本厚木駅北口に設置されている若き心像

本厚木駅北口の大型ブロンズ像「若き心」の制作者難波孫次郎は、大正3年(1914)、警察官の父周作と母きわのもと三田村に生まれました。 長じては厚木市を代表する彫刻家となった孫次郎ですが、その片鱗は幼少期から見えていたようです。手先が器用で年中小刀を離したことはなく、着物がボロボロになるまで来る日も来る日も木さえ削っていればそれだけで満足しているような子どもだったといいます。

昭和3年(1928)の御大典記念の文部省・新聞社共催の全国小学校児童生徒作品展の彫刻部門では特選を受賞。東京美術学校(現東京芸術大学)に進み、関野聖雲(せいうん)、北村西望(きたむらせいぼう)、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)ら錚々たる教授陣の教えを受けます。

戦後第一回となる文部省日本美術展覧会(日展)で初入選し、昭和31年(1956 )には「鉄槌投(てっついなげ)」が特選を受賞。これが「若き心」の原型となる作品です。難波はこうした力強い作品のほか、万葉集に材をとった女性像「万葉の夢」シリーズ、戦没者慰霊の祈りを込めた「釈迦如来坐像」(厚木市飯山)、大学等に納めた「一仏両祖(いちぶつりょうそ)像」など、数々の仏像や人物像を制作し一時代を築きました。 厚木市立荻野運動公園には、かつて県立厚木青少年会館のシンボル像として建立されていた「円盤投」像が移設されています。

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