No.27 桂坊

更新日:2025年04月05日

堰神社

堰神社 バス停「上長谷」下車徒歩3分

衣塚

衣塚 バス停「上長谷」下車徒歩6分

 現在の長谷地区を流れる玉川は河川改修工事で以前とはその流れを変えていますが、かつては小町神社のある丘陵のふもとを流れていました。 旧長谷村の鎮守は、人柱となった山伏「桂坊」を祀る「堰明明神社」(現在は堰神社)。『新編相模風土記稿』にもその名が見えています 。

用水の守護神となった桂坊は茨木から訪れた旅の修験者です。縁起によると、天正4年(1576)夏はひどい旱魃で、領主家臣の武四郎左衛門利忠が村人と長谷川に堰をかけようとするもうまくいきません。困り果てたところへ大山詣に向かう一人の山伏が通りかかります。彼は大山詣をすませた後に力を貸そうと申し出ます。翌日山伏は現れ、自らを祀ること、以後、川に杭など打ちこまないことを約束させ、自ら流れに沈みます。「人柱」となったのです。それ以降工事は順調に進み、村も水で苦しめられることはなくなったと言います。

一帯には彼にちなむ地名が多く残ります。近辺に残る桂木(葛城)の地名は、山伏の名が、茨城の筑波山から来た「桂坊」であったことに由来し、神社に隣接する児童公園は「かつらぎ公園」、近くの明神池は「明神池公園」となり、近くの交差点は籠堰橋交差点、神社から数百メートルの水田の中には、山伏の脱いだ衣を埋めたとされる「衣塚 」があります。 戦国期の創建の堰神社は、山伏桂坊の霊を武四郎左衛門利忠の敷地一隅に村の鎮守として祀ったもので、その末裔とされる武井家には桂坊の数珠や経本も伝わります。

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