No.42 松尾芭蕉

日吉神社 バス停「下荻野」下車徒歩2分
「年々や猿に着させたる猿の面」
猿ヶ島の日蓮宗本立寺入口に立つ「猿塚」と呼ばれる句碑に刻まれた俳句です。この句の作者は、俳聖と称された俳人、松尾芭蕉(寛永21年(1644)~元禄7年(1694))、碑を建てたのは猿ヶ島の俳人五柏園丈水とその社中です。天明8年(1788)に建立されました。この年は申年にあたり、猿ヶ島の地名にちなんでこの句が選ばれました。
本立寺に建つ句碑以外にも厚木市内には芭蕉の句碑が3点あり、下荻野の日吉神社境内に2基、七沢・浅間神社参道に1基が残されています。
下荻野・日吉神社境内の句碑の一つは鳥居の右脇にあって「旅人と我名呼ばれん初時雨」の句が刻まれています。猿ヶ島の俳人五柏園丈水門系の俳人、中依知の白木庵呉丁らによって弘化4年(1847)頃建立されたものです。もう一つは本殿左側の祠の側にあり、「ほとゝきすまねくか麦のむら尾花」の句が刻まれています。麦穂庵村水が安永3年(1774)に建立したもので、村水は下荻野で刃物研ぎを生業としていました。
七沢・浅間神社へ向かう参道に建てられた句碑は、建立年代も建立者も記されていませんが、芭蕉が信州浅間山で読んだ句「吹飛ばす石も浅間野分哉」にちなんで、ここに建立されたものと思われます。
また、松枝町にある日枝神社境内には、神奈川県下で最古になる芭蕉の関係碑が残されています。「芭蕉翁梅塚」と刻まれた碑は延享3年(1746)に、芭蕉の門下其角の流れをくむ俳人自在庵祇徳が厚木村に開いた俳学校風月庵によって建立されました。寛保元年(1741)の風月庵開庵記念集には、厚木村の俳人に加え、戸室、温水、岡田、金田、恩名、飯山などからの俳人が参加しました。
下荻野・日吉神社へは荻野新宿バス停から徒歩5分、七沢・浅間神社の句碑までは鐘ヶ嶽バス停徒歩30分ほど、松枝・日枝神社へは市立病院前バス停から徒歩5分ほどです。
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更新日:2025年05月03日