No.48 滝沢馬琴

更新日:2025年05月03日

馬琴

曲亭馬琴書「玄同放言」あつぎ郷土博物館蔵

滝沢馬琴(明和4年(1767)~嘉永元年(1848))は、江戸時代後期の戯作者です。本名は滝沢興邦。化政文化を代表する作家の一人で、『椿説弓張月』や『南総里見八犬伝』などを著し、原稿料だけで生計を立てた最初の著述家ともいえます。滝沢馬琴の表記は明治時代以降に広まったもので、本名と筆名がつなぎ合わされた誤ったものとして、曲亭馬琴という表記が多くなっています。馬琴は、多くの号を用途によって厳格に使い分けていたことで知られており、「曲亭馬琴」の号は戯作者としての戯号となります。

馬琴は、寛政12年(1800)に伊豆から厚木へと至り、厚木の狂歌人と交流を持ちました。渡辺崋山とは、崋山が滝沢馬琴の子の興継(宗伯・琴嶺)とともに金子金陵の弟子となったことで、滝沢家との関係が始まりました。馬琴と崋山は歳の差がありながら親しく交流し、互いに書籍の貸借をする仲でした。文政元年~3年(1818~1820)に3巻6冊で刊行された『玄同放言』は、馬琴が長編小説を執筆する際に必要となった和漢の歴史や地理、人物、言語などの考証、研究をまとめた随筆で、その挿絵は友人の崋山と子の興継(宗伯・琴嶺)が描いています。

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