庶民の暮らし

更新日:2021年04月01日

墨で文字が書かれている五人組帳の写真

五人組帳

墨で文字が書かれている年貢割付帳

年貢割付帳

ここでは、代表的な近世の庶民として、農民をとりあげ、当時の農民の生活の一部を古文書をとおしてみてゆきます。村に残された文書は当時の生活や税額、天災など過去に起こったことを、今のわたしたちに教えてくれます。このように残された資料をいろいろな角度からみることによって当時の人たちの生活を再現することができます。

1 村の組織

 村には、村役人というものがあります。名主、組頭、百姓代がそれにあたり、これを村方三役といいます。名主は地域によっては庄屋、肝煎などと呼ばれ、村の中の有力な農民が代々名主をつとめている場合が多く、組頭は算盤勘定が上手で名主の補佐をつとめています。名主や組頭の不正を防ぐために百姓代があります。そのほかに 村では五人組体制があります。五人組は犯罪などを防止するために相互に監察させて連帯責任を負わせたり、年貢の確保などをおこなわせました。また、領主の意思伝達機関、成員の相互扶助の機能を持っていました。農民のまもるべきことを領主は村ごとに五人組帳を作らせ「前書」と言われる法を記載させました

2 年貢

 ヨーロッパ封建社会では、土地を所有しているのは王侯貴族たちです。そして彼らが持っている土地を農奴と呼ばれる農民たちが耕していました。日本では、大名や旗本などは土地に対する徴税権は持っていましたが、土地の所有者は農民たちでした。
現代では税金を払う場合は個人を基本としています。しかし、近世においては、村や一つの支配地域を基本としていましたから、領主は村などに一括して年貢(年貢割付)を示します。その示された年貢高を村役人たちが相談して、村の家々の年貢負担を決めて行きます。この負担割合は家々の田や畑の持ち分によって決めます(年貢小割)。年貢は村役人の組頭が名主の家に集め、米や貨幣によって納められますが、その外には労働力によってまかなわれる物もあります。有名なものに助郷役というものがあります。
無事1年間の年貢が納め終わったときに領主から出されるのが皆済目録です。やはりこれも村に対して出されるものです。

この記事に関するお問い合わせ先 inquiry

産業文化スポーツ部 文化魅力創造課 文化財保護係
〒243-8511
厚木市中町3-17-17
電話番号:046-225-2509
ファックス番号:046-223-0044

メールフォームによるお問い合わせ