厚木のむかしむかしかみしばい
1 概要
『厚木のむかしむかしかみしばい』は、厚木市立中央図書館と厚木市教育委員会が共同で制作した、厚木の郷土の昔話を題材にした紙芝居です。
昭和63年(1988)年から平成2(1990)年にかけて全7巻を制作し、地域文化の継承と児童の郷土理解を目的としています。
2 作成の経緯
昭和60(1985)年に中央図書館が開館し、開館3周年記念事業として、厚木市教育研究所発行の『あつぎのむかしむかし』などを参考に、各地区の特色のある昔話や伝説を選び、昭和63(1988)年度から3年間をかけて全7巻の「厚木のむかしむかしかみしばい」を制作し、発行しました。
中央図書館職員で編成した紙芝居制作委員会で内容を決定し、話に合う作風の画家及び作家の選定及び編集などは出版社に委託しました。
3 全作品一覧
第1巻 『久助のひとりかご』(七沢) 木暮正夫・文/夏目省吾・画
第2巻『そばを作らない村』(棚沢) 西本鶏介・文/箕田源二郎・画
昔、北条氏と武田氏がいくさをし、武田のしんがりについていた三島一族は、山の中に置き去りにされてしまう。甲斐へ帰ろうとした一族は疲れはて、蕎麦の花を海の波と勘違いして、自害してしまった。
第3巻『怪力和尚』(松枝) 小沢正・文/三谷靭彦・画
昔、厚木村の長福寺(ちょうふくじ)に、東陽(とうよう)和尚という力持ちで有名な和尚さんがいた。ある日照りの年、厚木村と妻田村とのあいだで水争いがおきた。知らせを聞いた和尚は寺の戸をかつぐと、喧嘩の場所へかけつけた。
第4巻『カッパのあまごい』(飯山) 鶴見正夫・文/水沢研・画
昔、飯山の白山(はくさん)の上に小さな池があり、カッパがすんでいた。ある日、お百姓が池で魚釣りをしているとカッパがいたずらをする。怒ったお百姓がみずをかきだしはじめると、カッパは困って雨乞いを始めた。
第5巻『山ぶしの衣塚』(長谷) 鶴見正夫・文/田代三善・画
昔、長谷村の人々は水不足に悩まされていた。玉川の水を引くため、川に堰を作ろうとしても流れが速くてできない。それを見た通りがかりの山伏が、みずから堰の杭になろうと言い出したのだった。
第6巻『松石寺の白ぎつね』(上荻野) 今西祐行・文/若菜珪・画
昔、上荻野の松石寺(しょうせきじ)に天巽(てんそん)和尚という立派なお坊さんがいた。その和尚を慕って、狐が小僧に化けて入門した。一生懸命修行をし「宗達(そうたつ)」という名をもらったが、ある日、村人に正体を見破られてしまった。
第7巻『厚木のお地蔵さま』(林・七沢) 木暮正夫・文/夏目尚吾・画
林村の民右衛門(たみえもん)さんが畑の帰りに坂道にくると、どこからか名を呼ぶ声がする。山の中から人通り多い道へと自分を動かせた民右衛門地蔵の話と七沢広沢寺のとうふ地蔵の話。
4 受賞歴
第29回(1990年)五山特別賞
1962年に高橋五山の紙芝居の業績を顕影して設けられ、一年間に出版された紙芝居の中から最も優秀な作品に授与されます。(創作部門)
・受賞理由
「1988年より3年間で、7本の作品をだしているいが、7本とも図書館の方々が、よく紙芝居の特性をとらえていて、郷土の伝えたい物語や伝説をうまく表現している。地域の文化の中に紙芝居をとり入れた功績は大きい。」(出典 子ども文化研究所ウェブサイト「五山賞」より)
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更新日:2025年09月26日
公開日:2025年09月26日