令和7年度第2回 図書館協議会 会議録

更新日:2025年10月16日

公開日:2025年10月16日

会議録

会議主管課

中央図書館

会議開催日時

令和7年10月2日 午後1時30分から3時45分まで

会議開催場所

厚木市立中央図書館 4階会議室

出席者

厚木市図書館協議会委員6人、市民交流部長、中央図書館長、図書館係長、図書館・未来館整備担当主幹、係員2人

説明者

中央図書館長、図書館係長、図書館・未来館整備担当主幹、係員

会議の経過は次のとおりです。

1 開会

中央図書館長

2 報告事項

(1) 厚木市未来・図書館管理運営方針の策定について

【会長】

報告事項1「厚木市未来・図書館管理運営方針の策定について」を議題とします。事務局から説明をお願いします。

【事務局】

資料1-1、1-2について説明。

【事務局】

管理運営方針の策定に当たり、案の段階で皆様に御意見をいただいてまいりました。過去に、紙での御意見提出をお願いした際にいただいた御意見に対し、市の考え方を御説明しておりませんでしたので、補足させていただきます。紙で御提出いただいたのは、3人の委員からでございました。
まず、委員Aからは、中学校図書室の蔵書が古いということで、学校の図書室の司書と中央図書館の司書が連携しながら蔵書の整備をしてはどうかという御意見をいただきました。こちらにつきましては、今後、教育委員会とも連携しながら対応方法を検討していきたいと考えております。
また、委員Bからは、小中高校生に主体性を持って何か取り組ませる場を提供してはどうか、well-beingを専門家の育成とともに市の行政にも取り入れてほしい、高齢者の人材活用を考えてほしい、といった趣旨の御意見がございました。小中高生の主体的な取組を行わせる場の提供につきましては、2階に10代を中心とした青少年同士の交流の場を整備しますので、この場の運営の中でその取組を検討していきたいと考えております。
well-beingにつきましては、御承知のとおり、国の教育振興基本計画の中で「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」というものがコンセプトに挙げられています。この考え方に基づきまして、本市では教育に関する計画や生涯学習に関する計画を作成しております。その中でその考え方を踏まえた取組や市の方向性を位置付けていく考えでございます。こちらにつきましては、それぞれの計画策定に当たり、パブリックコメントや市民との意見交換会といった市民参加の手続きがあると思いますので、市の考え方をもう一度御確認いただき、御意見を頂戴できればと思っております。
また、高齢者の人材活用につきましても、どういった形で御協力いただくことができるのか検討していきたいと考えております。
最後に、会長から、10代の居場所の運営体制、また各大学の特性をいかした連携や具体的な取組に対する御意見をたくさんいただいております。御意見は具体的な取組に対し提案をいただいておりますので、取組の中で御意見を踏まえて検討していきたいと思っております。この段階での御説明となり大変申し訳ございませんが、こうした考えで取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【会長】

これまで委員の皆様から御意見をいただいてきました「未来・図書館管理運営方針」を策定したということでありました。何か委員の皆様から確認事項等がございましたらお願いします。特にないようでしたら、次に進ませていただきます。

3 案件

(1) 令和6年度図書館の運営状況について

【会長】

案件1「令和6年度図書館の運営状況」を議題とします。事務局から説明をお願いします。

【事務局】

資料2について説明。

【会長】

ただいまの説明について、委員の皆様から何か確認事項等ございましたら、お願いします。

【副会長】

「厚木の図書館」を概観していくと、蔵書が素晴らしいなと思っています。話題性のある本はほとんどそろっている感じで、20万都市の図書館という感じがします。一般市民のニーズに沿った本はきちんとそろっていると思いますが、図書館は社会教育や生涯学習の拠点になるべき施設だと思います。市民のニーズに沿うことも大事ですが、図書館が持っていなければならないような本もあるのではないかと思います。特に辞書類です。辞書は御承知のように、漢和辞典もたくさんあります。個人ではせいぜい2、3冊しか持てませんが、図書館に来ればそろっているという安心感があります。
図書館の蔵書の選定基準について、2点質問があります。
まず、1点目は辞書についてです。例えば、白川静氏の漢字の成り立ちに関する辞書は所蔵されていますが、同じ分野の落合淳思氏の辞書は所蔵されていません。このような選定の線引きは、どのような基準で行われているのでしょうか。
2点目は著作集についてです。白川静氏の著作集は所蔵されていますが、同じく文化勲章を受章され、新元号「令和」の発案者としても知られる中西進氏の著作集は所蔵されていません。こちらもどのような基準で所蔵の有無が決まるのか疑問に思いました。限られた予算の中で購入する本としない本が出てくるのは当然だと思いますが、選書の決裁を行う際に、購入を見送る書籍の一覧といった資料も作成されているのでしょうか。

【事務局】

まず、蔵書の選定につきましては、御指摘のとおり予算に限りがあるため、選定基準に基づき分野ごとに代表的なものを購入するケースがあります。お問合せの辞書がいつ購入されたか、資料が手元にないため不明ですが、購入した当時にそのような選択をしたものと想定されます。

【副会長】

辞書は館内閲覧のみで貸出禁止になることが多いため、市内の図書館に所蔵されていないと、市民は利用することが非常に困難になります。その点を懸念して質問させていただきました。

【事務局】

おっしゃるとおり、辞書や郷土資料などは貸出禁止となるものが多くございます。もし、厚木市の図書館に所蔵してほしい資料がございましたら、市民の皆様からリクエストとして購入希望を出していただくことが可能です。他の図書館での利用状況なども参考に、当館に必要であると判断した場合は購入を検討するケースもございますので、ぜひそのように御協力いただければと存じます。

【副会長】

承知いたしました。

【事務局】

次に、選書の決裁を行う際に、購入を見送る書籍の一覧を作成するのかという点についてですが、司書がまず選定を行い、選定会議で疑義があるようなものについては調整をしながら決めています。その後、購入するものについては決裁を取りますが、その際購入しないものについては決裁には上げていません。疑義があるものや同じ分野の中で、これを購入するかしないかという判断については、選定会議の中で行っており、決裁には上げていません。

【副会長】

私が「購入しないリストはありますか」と聞いたのは、購入したいけれども今回は購入しませんというリストがあるといいのではないかと思ったからです。本当は購入したいけれども今回はしないというリストがあれば、決裁者が確認できるので、必要ではないかと思いました。ありがとうございます。

【事務局】

選定の会議などがありますので、今の御意見を踏まえて、もう一度しっかりとプロセスを検討していきます。

【会長】

湘北短期大学と東京農業大学が勤務校ですが、29ページの8番、厚木市内の大学との連携について、興味深く聞いておりました。私が知る限りですが、ほとんど閲覧数もないため、どうしてこういうことが起こるのかということと、何か改善策はないかと考えておりました。
まず、湘北短期大学に関しては、とても利用が多く、英語の授業でも多読習慣というのが必ずあります。それを授業の中で取り入れたりしているので、日本語だけでなくて英語の本もたくさんあり、学生は借りなければいけないことにはなっています。
東京農大もとても本が充実しており、ほぼほぼリクエストする本は、教員からのものは同じものが数冊入ったり、毎回新しいものが入ったりしています。そのため大学生活の中では充実しているのですが、生涯教育や勉強以外の本などは図書館の方がたくさんあるので、何かできないかと、この数字を見て思いました。
だからといって神奈川工科大学さんの図書館が充実していないというわけではなく、地理的な問題など何か要因があるのではないかと思うのですが、何かタイアップしてできないか、特にこれから素晴らしい施設ができますので、もう少しここは何が問題なのか、何ができるのかということを考えてみたいと感じました。

【委員C】

9ページの「結ぶプロジェクト」についての感想ですが、小学生のときにはお母さんに付いてきて図書館を見る機会があったのですが、中学生になると部活動があるので、どうしても開館時間には間に合いません。また、睦合中学校などのちょっと遠方の中学生ですと、なかなか借りに行くのが難しくなります。かといって、中学校3年生になると受験勉強から逃げたいというのもあると思うのですが、本を読む機会があるけれども、この2年間、部活動の関係で遠のいてしまってなかなか行けない。そうすると、中学校と連携して本を貸し出しするというのは、子育てに優しい厚木市としては最高のやり方だと思いました。実際に本を読む機会が昔に比べて減ってしまったので、親心からすると本を読むというのは本当にありがたいと感じました。
また、ブックスタートについてですが、20年前に開始したときに、ちょうどこどもが生まれて、無料でもらえるなら行ってみようという感じで行ったところ、3冊ほどもらったのが今でもあります。しかも、もらえる本は、セレクトされた、こどもが飛びつくような良い本です。薦められたまま読んだら、こどもが飛び付いてくれました。図書館に行けない間、その3冊をずっと読んでいましたが、こどもは3冊で飽きません。いろいろなサービスがたくさんありますが、そういう意味でこの2つは必ず続けていただきたいと思いました。

(2) 第4次厚木市子ども読書活動推進計画の取組状況について

【会長】

案件2「第4次厚木市子ども読書活動推進計画の取組状況について」を議題とします。事務局から説明をお願いします。

【事務局】

資料3について説明。

【会長】

ただいまの説明について、委員の皆様から何か確認事項等ございましたら、お願いします。

【副会長】

こども、幼児の本への取組に関してなのですが、例えば、絵本に『はらぺこあおむし』というのがありますが、こどもたちや若いお母さんは青虫を見たことがあるのでしょうか。実際、私も最近は青虫を見たことがありません。言いたいことは、こどもの情操教育を進めていく上で、体験や経験というのはかなり重要な意味を持っていると思うので、実物に触れるとか、体験するとか、そういうことが事業の中で進められているのかを質問したいです。

【会長】

図書館のイベントとしてということですか。

【副会長】

そうです。例えば、歴史の本などを読ませるときに、郷土博物館と連携しているようですが、郷土博物館に行ってみなさいではなく、向こうからものを持ってきて、図書館の一室にそれを並べてみるとか、レプリカみたいなのがあれば触らせるとか、重さを測らせてみるとか、そのようなことができると、より本への興味が湧いてくるのではないかと思いました。

【委員D】

今の家庭の状況が関係していると思いますが、こどもたちが自然に触れる機会などが少なくなっているので、すべてを図書館では解決できないと思います。

【副会長】

そうですね。

【委員D】

私はテニスの審判のボランティアをしているのですが、コートにちょうが止まり、それを触れない小学生がいたり、セミが落ちていて、サーブできないから取ってほしいという男の子がいたり、そのような状況に私はびっくりしました。ですから、小さい頃からそういうものに触れる環境があればいいと思います。
あと、私はブックスタートに関わらせていただいております。10年前はお母さんだけがお子様を連れてきましたが、最近は、お父さんお母さんがそろって一人の大事な宝物のために足を運んでくださいます。ブックスタートが始まったのは平成15年なので、その長い歴史の中で、私の子育て時代には考えられないことが、今、世の中で起こっていると感じています。

【副会長】

図書館に全てを任せるのは無理な話で、これは他機関との連携が重要です。動物園、植物園、博物館、美術館など、厚木市にない施設は県内にたくさんあります。そういった所と連携をして、「青虫をそろえてほしい」といったようなことができれば良いのではないかと思います。図書館としてはアイディアを出すだけで、あとはそちらの機関にお任せするという形で、実際のことができれば良いのではないかと思います。他機関との連携は中に書かれていますが、動物園や植物園といったものはありません。そういった施設との連携を考えてみてはどうでしょうか。

【事務局】

未来・図書館についてお話しさせていただきます。前回も御説明させていただいたとおり、図書館機能と未来館機能があります。未来館機能には、例えばミニ自然園や実験室、ものづくりができる工房などを整備します。そこでまず体験から入り、もっと知りたいと思ったら、すぐ隣にある本で調べられるようにつなげていきたいです。逆に本で読んだことで、実際はどんなものだろうと興味を持ったら、それを未来館の方で体験するというような、体験と知識、読書が行き来できるような環境を整えていきたいと考えております。一つの興味・関心がどんどん膨らんでいき、ゆくゆくは館内の活動だけにとどまらず、実際に自分が住んでいるところで新たな発見をしてもらい、そういった活動にまでつなげていくようなプログラムを展開していきたいと思っています。今、委員からいただいた意見を参考にしながら取り組んでまいります。

【副会長】

ぜひやってもらいたいと思います。

【会長】

私は非常勤という立場上、大学の方で何かを提案するような委員会には出せません。しかし、今のお話を聞いて、やはり厚木のいいところの一つは、大学機関があることだと思います。東京工芸大学の先生や、東京農業大学の学生でも博識な方がいて、常に虫や植物を探している活動が厚木キャンパスで行われています。もし、先生が難しい場合は、学生ボランティアでも良いので、ぜひいろいろな趣味の方を巻き込んで、特に教育関係の人たちは図書館や未来館と連携してほしいと常々思っています。ただ、そこまで話をつなげるには、専任の方や、未来館に思いがあるスタッフの方とつながると良いと思います。
日本の例ではなくて申し訳ないのですが、私はアメリカの図書館に勤めていたことがあり、例えば夏には江の島水族館のような施設の人に来てもらい、運べる生き物を持ってきてもらうという大きなイベントを行っていました。もちろん、1か月前から展示物や資料を用意したり、情報だけでなく面白い絵本もたくさん用意したりしました。フィクション、ノンフィクション、そして生きている実際のものという風に、いろいろなものをタグ付けし、今でしたらインターネットをつないで何かを見せることもできると思います。必ず本をベースにそこから広げていく教育というのは、新しい施設ではスペース的にも可能ではないかと期待しております。皆さん、そういった貴重な御意見をぜひ取り入れて、御検討いただきたいと思います。

【委員C】

『はらぺこあおむし』の影響は大きく、本当に人気のある本です。例えば、保育園で朝読んであげた後、お散歩に行った時に葉っぱに穴が開いているのを見て、こどもが「青虫が食べたのかな」と言いました。「じゃあ探してみよう」と言って探しましたが、もちろんいませんでした。そこに出てきたのはミミズだったのですが、偶然にもそういったところから、帰ってきてから『こどもずかん』という写真や絵の本を持ってきて、こどもが自分で探し始めました。やはり絵本から始まることは今までもありました。

【副会長】

そういうときに映像だけでもいいのかもしれません。動画で撮っておいたものが見られるような環境を作っておくと、図鑑だけでなく、また違うかもしれないです。

【委員B】

私は30数年、音訳のボランティアをしております。これを見て気付いたのですが、いまだに小学生、中学生、高校生の視覚障がい者の方が、対面朗読に来ていただいたことがないように思います。おそらく学校で読書教育はされていると思いますが、対面朗読の良さはまた違うと思います。自分の好きな本を持ってきて読んでもらうというものです。ですから、そういった宣伝が必要です。また、一般の人に対しても、もう少し宣伝が必要かと思います。利用者は本当に限られており、最近は「サピエ」という全国版のパソコンで聞くサービスを活用されているので、対面朗読の利用者はかなり減ってきました。以前は、厚木ももっと多かったのですが、最近はかなり激減しており、いらっしゃる方が限られているということもあるので、こどもも含めて、やはりもっと宣伝が必要と感じました。

【事務局】

子ども読書活動推進計画の中でもバリアフリーの推進については触れており、取り組んでいますが、おっしゃるようにこどもの利用はとても少ないです。

【委員B】

30数年活動していて、いまだに小中高生はいらっしゃらないかと思います。

【事務局】

マルチメディアデイジーなどの利用の問い合わせや貸し出しは少しありますが、お子様の視覚障がい者の方へのアプローチというのは、確かにこちらから積極的にはしておりませんでした。

【委員B】

対面朗読の存在がまだ分かっていただいていないのかなと、これを見て思いました。

(3) 令和8年度運営方針について

【会長】

案件3「令和8年度運営方針について」を議題とします。事務局から説明をお願いします。

【事務局】

資料4について説明。

【会長】 市民の読書活動を推進するためには、このような取組を行ったらどうかといった、皆さんからのいろいろな御意見を頂戴したいと思いますので、各委員から御意見をお願いします。

【委員D】

資料2ページ、ウ(イ)こども向けイベントの2は「おひざでだっこ」ではなく「おひざにだっこ」ですね。

【事務局】

失礼しました。資料の訂正をお願いします。

【委員A】

令和8年度の運営方針ですが、2ページのウ(ウ)10代向けイベントとして、10代のヤングアダルトに読書の魅力を伝えるような新しいイベントがあったらいいと感じました。
また、エの読書ボランティア支援ですが、3の「パネルシアターの演じ方講座」を計画されるということですが、パネルシアターは保育園などで割と使われており、小学校で使われることもありますが、どちらかというと、紙芝居の方が使われている団体が多いのではないかという感想はあります。もちろん図書館にもパネルシアターはたくさんあるので、新たなことをやっていただいて、使っていただけたらいいと思います。
次に、4ページ(9)検討事項のイ「たんきゅうキャンパス」や「デザインて何?コーナー」のことですが、そういうところで来館者の興味をかき立てるようなものを提示していくというお話がありました。常に常設している部分と、先ほど副会長がおっしゃったように、1か月ごとにでも、そのときの何かテーマにフォーカスして、科学であったり、生物であったり、何かでつながる、そういう展示というか、実際に触ったり体験できるようなものとしたら活性化するのではないかという感想を持ちました。

【委員C】

厚木市民は、こんなにサービスをしてもらって幸せだと感じました。また、4ページ(9)検討事項のオ「本厚木駅へのブックポスト設置の検討」についてですが、私は通勤で駅をあまり利用しませんが、遠方から駅を利用される方が通勤のついでに利用できると思うと、意外とニーズがあるのではないかと思いました。実際に設置してみて、どれだけの本がポストに入ったかという量が多ければ、これは非常に役立っているということになるのではないかと感じました。

【委員B】

未来・図書館の管理基本方針についてですが、1階の市民ラウンジやイベント広場が、災害時の帰宅困難者用の一時滞在スペースになるということですが、ここ数年の猛暑を考えますと、この施設は立地が良く、新しくて綺麗であることから、読書が目的であるかどうかにかかわらず、涼を求めて多くの方がいらっしゃるのではないかと思います。席は全部で1,000席とのことですが、高齢者の方や障がいのある方など、様々な方が利用されるフリースペースとして、席は十分に配置されるのでしょうか。
もう一つお伺いしたいのですが、市民の方からいただいたパブリックコメントの意見の中に、インクルーシブの概念に基づき、「利用しやすく居場所が確保できると良い」という御意見がありました。この御意見に対する市の考え方として、「誰もが気軽に訪れ、ずっとここにいたいわたしの居場所と感じ、そして何かしたいと考える時間が生まれるような滞在型施設」を目指し、「市民のニーズに合わせた柔軟な対応」を行うとあります。本当に高齢者の方、障がいを持った方、そして今非常に多いひきこもりの方たちにも来ていただけると嬉しいですし、その他にも様々な悩みを抱える青少年など、いろいろな方がいらっしゃると思います。高齢者の方にとっては、余生を楽しく、自分の好きなことを見つけるきっかけに出会えれば良いと思いますし、障がいを持った方たちにとっては、生活の場を広げるという意味で情報提供などを通じて御自身の好きなことを見出せる場になればと思います。また、ひきこもりの方たちが社会に目を向ける糸口ができれば良いですし、青少年の方たちも問題解決の糸口が見つけられるような、そういう場であったら良いと思います。その際に必要なのは、温かい眼差しだと考えます。施設はとても綺麗で素晴らしいですが、そうした方々に対応するための人材、専門性があるかどうかは分かりませんが、そういった職員の配置についてお考えがあるかお伺いしたいと思います。

【事務局】

まず、夏場のクールスポット利用などを見越して席は十分かという御質問ですが、委員がおっしゃるとおり1,000席を用意しておりますので、十分賄えるのではないかと見込んでおります。ただ、1階に1,000席ということではなく、図書館の閲覧席も、気分に応じてソファー席を選んだり、集中して勉強するために机のある席を選んだりと、その時々の気分や目的、例えば静かに読書をしたい場合はサイレントルームを利用するなど、使い分けができるような席を1,000席用意しておりますので、基本的には十分に受け入れられるのではないかと考えております。
次に、高齢者の方、障がいのある方、ひきこもりの方など、様々な方々に来ていただきたいと考えております。私どものコンセプトとしても、そうした多様な方々に来ていただくことで交流が生まれ、あるいは交流せずとも、それぞれの方が自分の時間を過ごせる「自分の居場所」と考えていただけるような場所にしていきたいと思っております。
その中での人の配置についてですが、一つの例として、悩みのある青少年というお話がありました。2階にはティーンズラウンジを設けます。ティーンズ世代は、昼間は学校があるため、大半は放課後に来ることになるかと思いますが、ラウンジは午前中から開いています。学校に馴染めないお子さんなどが、学校に行けなくても図書館に来ていいんだよ、という形で受け入れていきたいと考えております。運営スタッフについては、来年度に事業者を選定しますが、事業者への要求水準の中には、青少年の悩みなどに応えられる専門性を持った職員を配置し、そういった方々の受け入れを行いたいということを盛り込んでおります。
また、高齢者、障がい者、ひきこもりの方などのお話もありましたが、今回の施設は図書館と未来館だけでなく、すぐ隣に市役所があります。私どものコンセプトの一つに「連携機能」があり、まさに市役所機能との連携が挙げられます。未来・図書館だけで解決できない御相談などがこの場所に多く持ち込まれると思いますので、そういった中で市職員が一丸となって対応していくという形で、委員がおっしゃっていただいたような対応をしていきたいと考えております。

【委員B】

青少年の中には自殺を考える人も少なくありません。そうした方たちが良い方向に向かっていけば、日本の将来の発展にもつながると思います。ぜひ、そうした小さなところから取り組んでいただけたらと思います。

【副会長】

学校図書館や公民館図書室の充実という話があったかと思います。御承知のように、厚木市では少子化がすごい勢いで進んでおり、小中学校の統廃合も検討されています。それに加え、校舎の耐用年数が上限に達しており、建て替えが必要な時期にきています。
そこで学校図書館をどうするかですが、校舎の中に置いたままでは、充実させるといっても限界があるので、校舎の外に出すのが良いのではないかと思います。現在の体育館のように独立した建物を建て、それを学校図書館にするのです。学校は土日休みで、放課後は部活動等こどもたちも忙しいですが、土日も開いている図書室を作ることで、それをカバーできます。さらに、現状の公民館図書室は、小さな部屋に椅子も机もないような状況です。その公民館図書室を学校図書館と一緒にして一つの建物にしてしまえば、地域に開かれた図書館が実現するのではないかと思います。これは費用がかかることなので難しいかもしれませんが、考え方としては良い方向ではないかと私は思います。中央図書館だけでなく、地域にも人々が集まる場所があれば、なお良いのではないでしょうか。それが、学校の図書室と公民館の図書室を合体させ、独立した大きな建物を作ることによって実現できるのではないかと思います。現状、学校図書館は中央図書館と連携して本の貸し借りを行っていますが、本の行き来をさせるのではなく、そこに多くの蔵書を持つことができれば、なお良いのではないかと思います。そういった方向も視野に入れた方針設定をしていただければと思います。
もう一つは、先ほどからも話が出ていますが、ボランティアの関係です。今の社会はボランティアによって成り立っていると言えます。先日の世界陸上では3,400人ものボランティアが活動したと聞きます。これは大変な数です。現在、図書館のボランティアは「読書ボランティア支援」という名称が使われていますが、そうではなく「図書館ボランティア」として、ボランティアの方に担っていただく仕事内容を増やしてはいかがでしょうか。今、電子化という話がありましたが、電子化には専門知識がなくてもできる仕事があるのではないでしょうか。図書館の職員は限られた人数しかいません。専門知識がなくてもできるような仕事を用意し、図書館の職員には専門的な仕事に専念してもらうべきです。例えば、図書館内の見回りや、来館者への質問受付、専門職の人とつなげる役目など、いろいろあるのではないかと思います。
人手は足りていないのではないでしょうか。そういうのを補助するためにも、ボランティアの育成を進めるべきです。育成という言葉が書いてありますが、その内容が問題です。高齢者社会で、少し暇になったから手伝ってもいいという方は、必ずいると思います。そういう方ができるような、そして、いきなり難しいことをやってもらうのではなく、気軽に参加できるような仕事が見つかれば、ボランティアも増えるのではないかと思います。これを研究していただいて、ボランティアの活動内容を、読書に限らず、図書館の運営を手助けできるようなものに広げていただきたいです。
今、「社会教育主事」ではなく「社会教育士」という言葉が聞かれるようになってきましたが、それは民間の方が社会教育を支援できる資格か何かだと思います。そういった方を発掘したり、養成したりすることを進めていけば、もっと図書館に関われるボランティアが育つのではないかと思いますが、いかがでしょうか。それと、先ほど申し上げた他機関との連携を少し考えていただけると良いかと思います。

【事務局】

一点目の地域の図書館のお話ですが、理想として目指したいところは、皆様に喜んでいただけるような場所であることだと考えていますが、市の公共施設のあり方については、政策部門が示している考え方に基づいて進めていくことになると思います。ただ、冒頭でお話したとおり、公共施設は市民の皆様の財産ですので、市民の皆様がどう望んでいるのかという声を聞きながら進めていく必要があると考えています。具体的に学校の統廃合の話が進む中で、そのあたりは教育委員会とも、いただいた御意見も含めて対応していく必要があると思っております。ただ、今の段階で「その検討をしていきます」とはお答えできませんので、御理解いただければと思います。
次に、人が足りているのかというお話ですが、現状、市の職員、特に司書はほとんど選書などの業務に専念しており、窓口に出ているのは業務委託の職員です。業務委託の職員は、司書の資格を持った職員に運営していただいており、そういった部分では人員は足りています。しかし、それには費用がかかっているということです。その費用を削るためにボランティアをお願いするというわけではなく、市民の皆様に支え、育てていただく施設とするために、逆にどのようなお手伝いをしていただけるのか、ボランティアとしてどのように関わっていただけるのか、そういったニーズも確認しながら進める必要があると考えています。一方的にこちらから「こういったことをお願いしたい」と言うのではなく、どのような形で御協力いただけるのか、そういった声も聞く必要があると思っています。

【副会長】

生きがい活動として、自分からこれをやってみたいと思えるような内容を考えていただくことが大事かと思います。単に人手不足だから無料で人を集めようというのではなく、市民の健康や生きがいという観点で研究してもらえると良いかと思います。
それと、学校図書館の話ですが、いわゆる縦割り行政ではなく、きちんと市長部局と教育委員会が話し合いをして、こういうことができないかと検討していただけるとありがたいと思います。

【事務局】

小中学校が統合する際に図書館を売りにしたらどうかというお話は、学校も地域のものになっている現在、非常に良い話だと思います。
厚木小学校の隣に昔、寿図書館がありました。そして、今の公民館の場所に厚木北児童館が併設されていましたが、児童館の利用者は小学生がメインなので、小学校と近い方が良いだろうということで、昔、郷土資料館だった寿図書館の場所へ移転する案がありました。こどもがすぐ行けて良いだろうと同じ敷地内に移転する案でしたが、学校側の危機管理意識が非常に高く、拒否されました。なぜなら、児童館は18歳までのこどもたちが利用できるため、小学生以外が入ってくるのは困るということでした。結果として、敷地はつながっていますが門で区切られ、鍵がないと入れない形になっています。大阪の池田小学校で起きた悲惨な事件以降、学校の先生方はセキュリティの問題に非常に気を使っていらっしゃいます。とにかくこどもたちの安心安全が第一ですので、地域に開放するということは、理想としては御理解いただいていると思いますが、利用者とこどもたちの動線をどう分けるか、学校が開いている時間帯の利用はどうするのか、といった課題があります。「できない」ではなく「どうしたらできるのか」ということを教育委員会と歩み寄りながら話していくことになると思いますが、なかなかハードルが高いというのが本音です。
次に、ボランティアのお話ですが、アミューあつぎの映画館では、市民が運営に携わっています。上映作品を選ぶところから市民ボランティアが入り、自分の映画館のように関わってくださっています。そうした方々が広めてくださるおかげで、ファンが多く、意外と人が入っています。新しい未来館の方でも、実験などでボランティアを養成し、手伝ってもらう考えがあります。今の図書館はそこまで至っていないかもしれませんが、新しい施設では市民の方々に携わっていただき、皆様に愛され、居場所となるような施設を作っていきたいと考えておりますので、御理解いただければと思います。

【会長】

資料3「第4次厚木市子ども読書活動推進計画令和6年度取組状況」中で、A評価の事業番号35「日本語学習推進事業」について、外国語児童書の購入冊数が目標10冊に対し実績23冊となっており、ニーズがあるのではないかと感じました。
今年の5月のタウンニュースで、県央地域の中では厚木市の外国籍の小中学生の数が一番多いという記事を読みました。小学生が429人、中学生が155人いるとのことで、やはり様々なニーズが出ているのだろうと思いながら拝見していました。
また、厚木中学校の敷地内に、日本語を話せないこどもたちのためのプログラムがあるという記事も思い出しました。
本を増やすことはもちろん大事ですが、プログラムとして何かサポートができないかと感じます。運営方針に加えるならば、3(9)検討事項になるかと思いますが、厚木市として今後そういったニーズがあれば、この人数の増加も考えると、インクルーシブという観点から、障がい者サービスのように何か外国籍の方への支援ができると良いのではないかと感じます。
さらに、10代向けイベントもぜひ大事にしていただきたいです。不登校のこどもの数が本当に増えており、私たちが活動しているところでも対応が追い付いていません。図書館や未来館がその子たちの居場所になるというコンセプトは非常にマッチしますし、そこで本当に命が救われたり、何かが変わるきっかけが生まれたりする子もいるかと思いますので、10代向けイベントをぜひこれからもお願いいたします。

【事務局】

外国籍のこどもへの対応については、いただいた御意見を踏まえ、どこかで実現をさせていただきます。

【会長】

令和8年度の予算への反映も含めて、ぜひ御検討いただきたいと思います。案件は以上でございますが、特になければ、その他について事務局から説明をお願いします。

3 その他

【事務局】

今年度は、もう1回会議を開催させていただきたいと思います。予算に合わせて、先ほど議題に上がりました令和8年度の運営方針(素案)を案としてまとめたものについて、御意見を確認いただき、まとめてまいりたいと思います。つきましては、2月か3月に日程調整をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【会長】

ありがとうございました。それでは、予定の案件を全て終了させていただきます。

4 閉会

副会長

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