紙本著色仏涅槃図 井上五川筆 1幅 附収納箱1合

紙本著色仏涅槃図 井上五川筆
市指定有形文化財(平成30年12月18日指定)
所有者
養徳寺
所在地
あつぎ郷土博物館
厚木市下川入1366-4
概説
本図は臨済宗養徳寺に伝わる井上五川によって描かれた涅槃図で、弘化3年(1846年)に養徳寺に什物として奉納されたものです。
仏涅槃図は、釈迦入滅の場面を描いたもので、2月15日の涅槃会に用いられるものです。本図の図様は、画面中央の宝台上に頭を左側に置いて横たわる釈迦、周囲には菩薩や天部、釈迦の弟子、王族、貴紳、そして禽獣集まって釋迦の死を悲嘆する様子が表現されており、左上方には摩耶夫人が忉利天から飛来する姿が描かれています。釈迦の周囲には8本の沙羅双樹が立ち、後方には跋提河が流れています。
画面右下には「偶言五川腕」銘と「保閑山」朱印の落款があります。
作者の井上五川は上荻野村打越出身の絵師で、幕末から明治初期にかけて県央地域を中心に、社寺の天井画や奉納絵馬、講中で祀る画像掛幅など、幅広い作品が数多く残されています。龍虎を好んで描き、特に「五川の龍」は縁起が良いと人気が高かったようです。
本図は厚木地域を中心に活躍した絵師井上五川の作品として、市内に現存する唯一の涅槃図であり、五川の作例としては軸物では最大のものです。また、来歴が明らかであり、地域との繋がりが高いことなどから、地域の歴史を考える上で貴重な文化財といえます。
縦202センチメートル、横123センチメートル
交通案内
バス
神奈川中央交通バス あつぎ郷土博物館行き終点下車
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2022年02月15日
公開日:2021年04月01日