絹本著色徳川家康像(東照宮御画像)

更新日:2022年02月28日

公開日:2022年03月21日

徳川家康像(東照宮御画像)

市指定有形文化財(令和4年2月12日指定)

名称及び員数

 絹本(けんぽん)著色(ちゃくしょく) 徳川(とくがわ)家康像(いえやすぞう)東照宮(とうしょうぐう)御画像(おんがぞう)) 1幅

文化財の種類

有形文化財(絵画)

所在地

 あつぎ郷土博物館(寄託)

 厚木市下川入1366-4

※通常は展示しておりませんので、御注意ください。

所有者

個人

構造

絹本著色(けんぽんちゃくしょく) 掛幅(かけふく)

法量

縦97.4cm、横47.0cm

概説

 

本資料は、溝呂木(みぞろき)家に伝わる徳川家康の肖像画(東照大権現像(とうしょうだいごんげんぞう))です。

溝呂木家は徳川家康との所縁も深く、家康が中原(なかはら)御殿(ごてん)(平塚市)周辺で鷹狩をした際には立ち寄り休息をとり、茶がふるまわれたと伝わっています。元和(げんな)8年(1622)に宅内に東照宮を勧請(かんじょう)しており、天保(てんぽう)12年(1841)、東照宮の再建に伴い作成した溝呂木家東照宮神宝書上(みぞろぎけとうしょうぐうしんぽうかきあげ)には、「神影(しんえい) 一幅(いっぷく) 伝曰 狩野常信筆」と本資料のことが記されています。なお、本資料が保管される収納箱は天保8年(1837)4月に本資料が修補された際に(あつら)えられたものと考えられ、箱蓋上面には「東照宮御画像 一幅」、箱裏面には「天保八丁酉年四月修補 溝呂木氏 常信筆」(「常信筆」は貼紙に記載)と墨書があります。

また、図様は、御簾(みす)()()(あおい)及び渦巻の入った亀甲(きっこう)花菱(はなびし)文様(もんよう)で装飾された幕の下に、束帯(そくたい)姿の家康が畳に座しており、神格化された徳川家康の姿を描いた東照大権現像の様式に則ったものです。座間市の宗仲寺(そうちゅうじ)に本例と酷似した肖像画が伝わっており、両者は牡丹(ぼたん)尾長鳥(おながどり)文様が付された(ひら)()立涌(たてわく)文様に桜が配された下襲(したがさね)(すそ)など、衣装の細部の文様も共通しており、同一の系譜上にあるものと考えられます。なお、家康の描写については、家康72歳の寿像(じゅぞう)とされる大養寺(だいようじ)(東京都港区)所蔵の(でん)小野通女(おのつうじょ)筆徳川家康像との類似点が多く、徳※川記念財団所蔵の(でん)狩野探幽(かのうたんゆう)(ひつ)東照宮(とうしょうぐう)御影(みえい)などと同様に、同画を踏襲したものと考えられます。

作者と伝わる狩野常信(かのうつねのぶ)(1636~1713)は、奥絵師(おくえし)木挽町(こびきちょう)狩野家2代目です。落款(らっかん)がないため確証はありませんが、作者を狩野常信とすると、本資料の制作時期は江戸時代前期と推定されます。

※徳川記念財団の「徳」は、ホームページ上では表示できませんが、心の上に1本線が入ります。

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