絹本著色徳川家康像(東照宮御画像)
市指定有形文化財(令和4年2月12日指定)
名称及び員数
絹本著色 徳川家康像(東照宮御画像) 1幅
文化財の種類
有形文化財(絵画)
所在地
あつぎ郷土博物館(寄託)
厚木市下川入1366-4
※通常は展示しておりませんので、御注意ください。
所有者
個人
構造
絹本著色 掛幅
法量
縦97.4cm、横47.0cm
概説
本資料は、溝呂木家に伝わる徳川家康の肖像画(東照大権現像)です。
溝呂木家は徳川家康との所縁も深く、家康が中原御殿(平塚市)周辺で鷹狩をした際には立ち寄り休息をとり、茶がふるまわれたと伝わっています。元和8年(1622)に宅内に東照宮を勧請しており、天保12年(1841)、東照宮の再建に伴い作成した溝呂木家東照宮神宝書上には、「神影 一幅 伝曰 狩野常信筆」と本資料のことが記されています。なお、本資料が保管される収納箱は天保8年(1837)4月に本資料が修補された際に誂えられたものと考えられ、箱蓋上面には「東照宮御画像 一幅」、箱裏面には「天保八丁酉年四月修補 溝呂木氏 常信筆」(「常信筆」は貼紙に記載)と墨書があります。
また、図様は、御簾、三つ葉葵及び渦巻の入った亀甲花菱文様で装飾された幕の下に、束帯姿の家康が畳に座しており、神格化された徳川家康の姿を描いた東照大権現像の様式に則ったものです。座間市の宗仲寺に本例と酷似した肖像画が伝わっており、両者は牡丹尾長鳥文様が付された平緒、立涌文様に桜が配された下襲の裾など、衣装の細部の文様も共通しており、同一の系譜上にあるものと考えられます。なお、家康の描写については、家康72歳の寿像とされる大養寺(東京都港区)所蔵の伝小野通女筆徳川家康像との類似点が多く、徳※川記念財団所蔵の伝狩野探幽筆東照宮御影などと同様に、同画を踏襲したものと考えられます。
作者と伝わる狩野常信(1636~1713)は、奥絵師木挽町狩野家2代目です。落款がないため確証はありませんが、作者を狩野常信とすると、本資料の制作時期は江戸時代前期と推定されます。
※徳川記念財団の「徳」は、ホームページ上では表示できませんが、心の上に1本線が入ります。
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更新日:2022年02月28日
公開日:2022年03月21日