恩名沖原遺跡出土浅鉢

更新日:2021年07月14日

公開日:2021年04月01日

口が大きくて浅く、中に模様が施された浅鉢の写真

恩名沖原遺跡出土浅鉢

上下左右に持ち手のような模様が施された浅鉢を上から撮影した写真

恩名沖原遺跡出土浅鉢(上から)

市指定有形文化財(平成25年9月20日指定)

所在地

あつぎ郷土博物館
厚木市下川入1366-4

概説

 この土器は、マンションの建設に伴い平成6年から7年にかけて行われた恩名沖原遺跡の発掘調査により出土しました。遺跡からは縄文時代から平安時代にかけての竪穴住居跡が139軒発見されました。遺跡の中心になる時代は縄文時代中期で、中央に広場を持つ大規模な環状集落が作られていたものと思われます。
浅鉢は器高が低く口縁が大きく開く形状をしたもので、食べ物の盛り付けなどに使われたものと考えられています。本資料の器高は14.5センチメートル、外径は44.0センチメートル。底部は欠失していましたが、現状では復元されています。
土器の外面は無文で、口縁部上面と内面に文様が施されています。本資料の大きな特徴として、土器の内面に隆帯と連続爪形文、小波状沈線などを用いた魚のような文様が一対、向かい合うように描かれていることが挙げられます。同様のモチーフは全国的に見てもほとんど事例が確認されておらず、縄文時代における動物意匠や縄文土器の造形を考える上で非常に貴重なものです。また、本資料のように内面に立体的な文様が描かれる事例も、非常に珍しいものといえます。
なお、本資料は器面の一部に漆と思われる黒色塗料が塗られていた痕跡が見られることから、本来は彩色が施されていたものと思われます。日常的な土器とは異なったマツリなどの場で使用される特別な土器であった可能性が考えられます。

交通案内

バス
神奈川中央交通バス あつぎ郷土博物館行き終点下車
 

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