世界の挑戦・日本の挑戦(食品廃棄を考える)

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

食品廃棄を考える

 食品廃棄が世界中で問題になっています。食品がみなさんの手に届くまでには、野菜や果物を育て、牛や豚などを飼育し、魚を獲り、加工し、商品として輸送するなど多くの工程があり、それぞれの工程で、たくさんのエネルギーを使っています。食品を安易に廃棄することは、エネルギーを無駄遣いしていることでもあります。
 一方で、世界では9人に1人が飢餓に苦しんでいる現実があります。その原因の一つが、先進国が必要以上に食料を確保し、大量に廃棄している現状です。
 「あなたが捨てなければ 救える命がある」を合言葉に世界全体に食料が行き渡るよう、必要以上に食品を購入したり、安易に廃棄することのないようあなたの食生活を見直してみてください!

賞味期限が過ぎた商品を販売するスーパーの誕生

 2016年(平成28年)2月に、デンマーク コペンハーゲンで、世界初の賞味期限が過ぎた食品を専門に扱うスーパーマーケット「WeFood」がオープンしました。「WeFood」では、形が整っていなかったり、傷が付いたりして、通常では店頭に並ぶことのない商品も販売しています。
 商品の仕入れは、一日の終わりにボランティアがスーパーマーケットを回り、賞味期限が過ぎた食品を集めてきます。これらの商品がお店に並ぶため、品ぞろえは日によって異なりますが、値段は市価の半分程度です。
 「WeFood」の運営の目的は、収入が少なく十分に食べることができない人に食料を届けること、食品廃棄を抑止することですが、消費者にとっては節約もできるのですから、一石二鳥どころか一石三鳥の取組です。
 お店は、運営の目的を理解し、支援する人々で毎日大盛況だそうです。

 アメリカ合衆国 ボストンでは、2015年(平成27年)6月に「DAIRY TABLE」がオープンしました。こちらは、食品卸業者から熟れ過ぎた野菜や果物、賞味期限が迫っている食品や過剰在庫品などを寄付や安く売ってもらい、低価格でお店に並べています。運営の目的は、おいしくて健康的な食品を、手ごろな価格で提供しようというものです。お店には、専属のシェフの手によるおいしそうな惣菜も並んでいます。

MARKETと文字とトマト、トウモロコシ、ブドウ、オレンジが描かれた吊り看板のイラスト

 イギリス マンチェスターでは、2016年(平成25年)12月に、「Real Junk Food Project cafes」がオープン。こちらのカフェでは、スーパーやレストランで廃棄される食品を譲り受け、健康的で栄養満点の料理に変身させて提供しています。
 同プロジェクトの理念は、世界で大量に廃棄される食料問題と、その一方で世界には多くの人が十分な食料を口にすることができず、健康的な生活ができない状況を止めること。またその状況を、次世代に持ちこさないことです。
 カフェの支払いは極めてユニーク。食事代は食べた人が「正当だと思う額」を決めて支払います。支払いはお金でなくてもだいじょうぶ。鍋洗いや窓ふき、または、お店のインテリアに協力してもOKです。
 その日の入荷次第では、キャビアやステーキが提供される日も!毎日のメニューはフェイスブックで紹介されています。

正装した男性と女性がレストランで食事をしているイラスト

フランスでは、食品廃棄禁止法が成立

 欧州では、2014年(平成26年)を「ヨーロッパ反食品廃棄物年」と位置付け(欧州議会)、2025年(平成37年)までに食品廃棄物を30%削減することを目標に、加盟国に食品廃棄物削減のための国家戦略の策定を提案しました(欧州委員会)。
 これを受け、2016年(平成28年)2月、フランスでは「食品廃棄禁止法」が成立しました。フランス全土にある、延べ床面積400平方メートル以上のスーパーに対し、売れ残った食料を慈善団体へ寄付すること、若しくは、飼料化・肥料化することを義務付ける法律です。フランスは、一人当たりの食品廃棄物排出量が多いことから、この法律の有効性が期待されています。

各国食品廃棄量

(環境省第9回食品リサイクル小委員会資料
「各国における食品リサイクル等の実施状況」から作成)

 また、ドイツ では「捨てるには良すぎる(Too good for bin)」と銘打って消費者に向けたキャンペーンが展開されるなど、各国で工夫を凝らした取組が行われています。

日本の取組

 日本では、2000年(平成12年)に食品リサイクル法を制定し、2007年(平成19年)の改正を経て、食品関連事業者による再生利用等の取組を促進しています。
 また、「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」を構成する6府省(消費者庁、内閣府、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省)が連携して、食品ロス削減国民運動を展開中です。
 みなさんは、「ろすのん」をご存知ですか?2013年(平成25年)に、食品ロス削減国民運動のシンボルマークとして登場した「ろすのん」は、今では、あちらこちらで目にする機会が増えてきました。

食べものに、もったいないを、もういちど。NO-FOODLOSS PROJECT

【ろすのん】

 ろすのんと一緒に、外食時における食べきり運動や食品ロス削減に係る意識啓発、「賞味期限(注意事項1)」と「消費期限(注意事項2)」の違いの理解促進、エコクッキングの周知と参加の促進などを推進しているほか、フードバンク活動の支援や食品メーカーの包装技術の改良による賞味・消費期限の延長、スーパーやコンビニでの値引きによる売り切りを推進しています。

  •  (注意事項1) 賞味期限‥おいしくしく食べられる期限‥期限を過ぎても食べることはできます。
  •  (注意事項2) 消費期限‥期限を過ぎたら食べない方がよい期限

厚木市の取組...もったいない運動展開中!

 厚木市では、「もったいない運動」を実施しています。

食べきり使い切り もったいない運動実施中!!心得1買い物前に冷蔵庫の中身を確認しましょう。心得2消費期限、賞味期限の迫った食品は、手前に並べましょう。心得3野菜室は、全ての野菜が見えるよう野菜を立てて入れましょう。心得4食べ残しは、次の食事でリメイクしましょう。心得51週間に1度、冷蔵庫の中身を点検しましょう。

 食品廃棄の抑制は、無駄(ロス)に気づくことが第一歩です。
 毎日、自分がどのくらいの食料を無駄に捨てているかを意識し、気を付けることで、食品を無駄に捨てる量はぐっと減ります。みなさんも「もったいない運動」に参加して、できることから取り組んでみませんか。

この記事に関するお問い合わせ先 inquiry

環境農政部 環境事業課 資源循環係
〒243-0807
厚木市金田1641-1(厚木市環境センター1階)
電話番号:046-225-2793
ファックス番号:046-224-0920

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