第1回厚木市防災都市づくり計画策定検討部会(令和3年10月27日開催)会議録

更新日:2021年12月10日

公開日:2021年12月10日

会議概要

会議主管課

まちづくり計画部 都市計画課

会議開催日時

令和3年10月27日水曜日 午後3時30分から午後5時まで

会議開催場所

厚木市役所 第二庁舎4階 教育委員会会議室

出席者

委員4人(うち部会長1人)
まちづくり計画部長、都市計画課長、まちづくり政策係長、
都市計画課まちづくり政策係員、委託業者

説明者 都市計画課まちづくり政策係 副主幹

1 開会
2 挨拶
3 案件
 (1) 部会長及び職務代理の選任について
 (2) 防災都市づくり計画策定方針等について
 (3) 現状と課題の整理について
・防災都市づくり計画において想定する災害とハザード状況

4 閉会

議事の内容については次のとおりです。

【部会長】
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の案件は、お手元に配布してあります次第のとおりです。案件(2)「防災都市づくり計画策定方針等について」、事務局から説明をお願いします。

【事務局】
資料に基づき説明

【部会長】
事務局の説明が終わりましたので、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。

【委員】
厚木市コンパクト・プラス・ネットワーク推進計画における防災指針では、水害が中心の内容となっていますが、厚木市防災都市づくり計画では、水害と地震災害について、どちらが中心ということではなく、両方とも対応していくとの認識でよいですか。

【事務局】
防災指針では浸水被害が中心となっていますが、本計画では地震被害も含めて検討します。

【委員】
目標年次について、短期と長期でそれぞれ目標も変わってくると思いますが、市として何を目指すのかは、これから検討していくのでしょうか。また、SDGs(持続可能な開発目標)の目標年が2030年ですので、2030年までに何を取り組むのかを決めると、SDGsとの関連付けが深くなると思います。ただ、SDGsの目標年までは、あと10年もないので、それまでの取組となるとソフト面が中心になると思います。ハード面の取組については、もう少し長期的なビジョンで取り組むべきと考えます。

【事務局】
短期、長期と時間軸を捉えて、内容を検討してまいります。

【事務局】
SDGsについては、厚木市総合計画との整合を図る必要があります。
なお、総合計画は計画期間が令和14年度までの12年間であり、中間の6年で見直しを行います。
また、厚木市都市計画マスタープランでは2040年を目標年次としております。
市の方向性とも整合させつつ、国際的な流れも考慮し、検討してまいります。

【委員】
事前復興計画の体制・手順については、行政の庁内で共有するパターンと、住民向けに示すパターンがあります。本計画がどちらのスタンスになるかは、これから検討されるものだと思います。
また、復興対策地区の抽出と方向性については庁内で議論になると思います。想定される災害をどこにおいて、事業手法をどうするのか、その内容をどこまで住民に示すのかということについては、様々なケーススタディを考えておく必要があります。
なお、今回の計画策定は、以前に市が作成された都市防災基本計画の改定ということでしょうか。それとも、新たに作成するものでしょうか。その場合、以前の計画とのつながりは気にしなくてよいのでしょうか。

【事務局】
本計画は、新たに作成するものです。平成12年3月に策定した厚木市防災基本計画は、阪神・淡路大震災後に作成したもので、地震及び火災についてのみ言及しておりますが、今回策定する計画では、風水害等についても対応するとともに、復興事前準備も加えた形とする予定です。

【委員】
平成12年の都市防災基本計画は、国の都市防災構造化対策の推進の流れで作成したものだと思います。以前の計画は参考とした上で、今回改めて新しい計画を作るのだと捉えています。

【事務局】
都市防災基本計画は、実効性についての課題がありました。今回策定する計画は、単に作成するだけではなく、実効性を高めていくことが重要と考えております。

【委員】
国土交通省のガイドラインでは、震災復興と津波復興を基本としており、水害からの復興は先行事例がほとんどないと思います。西日本豪雨時の被災地の事例を見ても、「復旧」です。一級河川や二級河川では、国県の公共的な復旧事業が復興の大部分となります。
また、計画の構成案の第6章、復興事前準備について、どのような内容にしていきますか。復興については、盛り土・嵩上げにより敷地を上げる、あるいは、水害で家屋が倒壊した場合、建て替えに当たって地盤の基礎を変更する等といった対応なども考えられますが、それらを行うにはリサーチが必要です。また、土地利用規制や高台への移転を進める方法や、200年前のやり方に戻って堤防で輪中的に集落を囲むなど、色々な考え方があるかと思います。

【事務局】
復旧・復興については整理してまいります。本市の特徴として浸水被害のリスクがありますが、浸水被害からの復興の取組事例がない状況です。今後、検討していきたいと考えております。

【事務局】
市内の既存集落には、広い範囲で家屋倒壊等氾濫想定区域に指定されている地域があります。破堤して、住宅ごと流されるような大きな被害が発生した場合、復旧と復興を同時に進めないといけない中で、復興対策としては、例えば土地区画整理事業や建築制限などの手法があることを、事前に住民の方々に知っていただく必要があります。

【委員】
復興事前準備としては、細かい事業手法よりもプロセスが重要です。例えば、盛り土を個々の住宅で別々に行うよりも皆で一緒にやった方がよいなど、目指すべきまちの姿や復興ビジョンとプロセスを示していくことがよいと思います。

【委員】
本計画の実効性を高めるために、市の総合計画や都市計画マスタープランに本計画を位置付け、実現化方策などを記載するべきだと思います。
また、復興計画については地区別ごとの課題をしっかりと捉えて、水害又は地震被害に対してどのようなアプローチができるかを考えていく必要があります。
また、詳細を計画に記載する必要はありませんが、行政職員の被災後の復興のイメージトレーニングの取組も必要だと考えます。非常時にスムーズに動けるような庁内の体制づくりや職員の復興手順の訓練も計画に盛り込むと、いざという時にこの計画が生きてくると思います。

【事務局】
事前に職員のイメージトレーニングや訓練を実施する重要性は認識しております。
また、実効性の高い計画となるよう検討してまいります。

【委員】
市の地域防災計画では、復興体制についてどのように位置付けていますか。被災時に、災害対策本部はすぐ立ち上がるでしょうが、復興本部はいつ頃立ち上げて、二本部制に移行するのか、また、復興本部の事務局はどこが担うのか、ということが重要です。
また、復興まちづくりにおいて、都市復興はやるべき復興課題の一つであって、住宅復興や産業復興、生活復興の問題なども含めて全庁的に取り組み、緊急ですが、総合的に復興まちづくりを進めるということになります。そうなると、総合計画を策定するときの体制に模した形で復興本部の体制を作ることが必要です。総論的な位置付けをした上で、この部分で都市復興について取り扱っている、と位置付けておかないと、都市部局が全てを担うことにもなりかねません。
また、住民目線だと、被災時には、住まいをどうするかということが一番大きな課題となります。都市復興から少しはみ出して、住宅復興についてもプロセスを考えるべきと考えます。例えば、復興に当たって土地区画整理事業を実施し、区域内に建築等の規制をかけるとなった場合、そのエリアの住民にとっては住宅再建がしばらくできないという状況となります。都市復興と住宅再建をどのように調整して、住民に納得していただけるかが重要です。
それから、ハード・ソフト対策をどこまでやるかは、常に意識するべきと考えます。防災・減災対策において、防災対策とは、ハード面で被害を防ぐことですが、短期間での実施は難しく、それならばソフトの取組である減災対策を、ということになります。減災とは、人の力で被害の拡大を防ぐことであり、防災都市づくりという名称ですが、実際は、防災・減災のまちづくりということとなります。
本計画では、ハード・ソフトの取組を合わせて、地域の皆さんと一緒に考えましょうというメッセージが出せるとよいと思います。そこが、従来の都市防災基本計画と根本的に違うところでもあると考えます。

【事務局】
例えば、浸水被害を受けた地域において、住民の合意形成が取れたところから、地区計画などで嵩上げをしていくなどの手法が、住民の皆様の方から声が出て、地区ごとに対策を進めるなどしていけたらと考えております。

【事務局】
厚木市地域防災計画については、本計画の策定とあわせて見直しを行います。地域の皆様とプロセス等の情報を共有することは基本的なことであり、本計画の策定を進める上で、今後、市内各地区で意見交換会を実施する予定です。ソフトの取組である避難所対策などは地域防災計画での対応となりますが、それとあわせて、防災都市づくり計画では、ハード面の手法なども検討してまいります。
また、防災都市づくり計画は、地区ごとの具体な対策等まで位置付けるものではありませんが、本計画を策定した後、被害想定が大きい地区などにおいては、地域の方々としっかりと協議しながら、具体的な取組の検討などのプロセスを踏んでいくものと考えております。

【委員】
ソフト・ハードについて、例えば、地区計画等で防災活動のための道路を防災生活道路として位置付けた場合、地域の人達がその道路を、地震に伴う市街地火災の延焼を阻止する「延焼遮断帯」のための道路だと誤解すると大惨事になる可能性があります。その道路は、災害発生時に地域の人達が迅速に救出活動や避難活動をするために必要な道路であって、延焼遮断帯として整備したものではないので、整備されたから安心というわけではありません。ハード整備をするだけではなく、地域の方々が助け合って災害時に逃げ遅れがないようなコミュニティになるよう、住民の皆さんに理解していただき、例えばその避難体制を地区防災計画として担保するなど、危機管理部局との連携よるソフトの取組と抱き合わせて進めるべきと考えます。

【部会長】
ほかに御意見、御質問等ございませんか。ないようでしたら、案件(2)「防災都市づくり計画策定方針等について」は終了いたします。
続きまして、案件(3)「現状と課題の整理について」、事務局から説明をお願いします。

【事務局】
資料に基づき説明

【部会長】
事務局の説明が終わりましたので、御意見、御質問がございましたらお願いします。

【委員】
ハザードについて、市街地の大部分で水害、地震による強い揺れ、液状化被害の3つが重なっています。
また、地区によって、水害と地震被害の両方を考えないといけないところ、水害は大丈夫だけど地震被害があるところ、の大きく2つのパターンがあります。ハザードの重ね図を作り、そこに集落や市街地がどのように位置しているかを確認すると、課題となるエリアが見えてくると思います。
地区の特性を捉えて、地震対策とあわせて水害対策についても考えていくことが必要です。

【事務局】
それぞれの地区の特徴を捉えて検討してまいります。

【委員】
急傾斜地の危険性について、今までは大雨の時を対象とされていましたが、実際は地震に関しても、揺れが強い場合には土砂災害発生のリスクがあります。しかも、地震は急に発生しますので、事前に周知することで地域の被害軽減につながるのではないかと考えます。

【委員】
地震の揺れ自体で大きな被害を受けなかった場合でも、土砂災害による危険性はあります。斜面地と平地に分けた上で、地震のみの場合、地震と水害が重複する複合災害の場合といったパターンに分けて考えるとよいと思います。

【委員】
厚木市コンパクト・プラス・ネットワーク推進計画の防災指針では、水害については詳細に記載されており、これに地震を加えることが次のステップになるのだと思います。

【事務局】
防災指針では、居住誘導区域の設定という視点で、全市的に発生する地震よりも、浸水被害の方が大きく影響してくることから、浸水対策を中心にまとめております。本計画の策定に当たっては、地震被害についても検討いたします。

【委員】
河川の氾濫による洪水が激甚化・頻発化していることから、全国的に流域治水の取組が進められています。相模川流域の場合は他市と連携して取り組むのだと思いますが、そのほかの、市内だけを流れる河川においても、例えば上流地域における土地利用などの取組によって下流地域で水害が軽減されるなど、流域治水の発想をもって「全市民で水害に強いまちづくりに取り組む」というようなキャッチフレーズが示せたらとよいと思います。

【委員】
相模川では、河川整備計画が策定されていますが、現在の計画には、流域治水の考え方は盛り込まれていません。今後、国の動向を踏まえながら、必要な対応を行っていくことになると思います。

【委員】
「浸水」対策については、リスクをいかに抑えるかだけでなく、リスクと共生すること、いわゆる「親水」についても取り組み、二つの「しんすい」として浸水と親水がバランス良くなるようにする取組を市民とともに展開することが、迅速な避難や一人一人の浸水対策の実践を促進するなど、流域治水の概念であり、それが減災につながると思います。
また、洪水のハザードエリアに該当しない地域であっても、「うちは水害は関係ない」ということではなく、その地域は、他の洪水ハザードエリア内に居住する友人や親戚にとって、災害時の「縁故避難先」となるなど、浸水しない地域も水害対策の役割を担えるのであって、災害に対して全市的に取り組むというメッセージを市が発信し、地域間や市民間の助け合いや役割分担などにより災害対策を進めるということを住民の皆さんに理解してもらえるとよいと思います。

【部会長】
避難所等の施設の立地状況に係る現状分析については、今後、検討資料に盛り込むということでよいですか。

【事務局】
そのとおりです。

【部会長】
ほかに御意見、御質問等ございませんか。
厚木市における様々なハザードを整理し、また、共助に関してなど各委員から頂いた意見を踏まえて、今後、検討を進めていただきたいと思います。
それでは、本日の議事がすべて終了しました。ありがとうございました。

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