平成29年度第2回個人情報保護審査会会議録

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

会議概要

会議主管課

総務部 行政総務課 情報公開係

会議開催日時

平成29年8月29日(火曜日)14時から16時まで

会議開催場所

厚木市役所本庁舎5階第一委員会室

出席者

情報公開審査会会長及び委員4人、情報公開係長、情報公開係主査

説明者

情報公開係長、情報公開係主査

開会

案件

1 個人情報保護条例の一部改正について

 《事務局説明》

委員

 前回の説明から、現行のセンシティブ情報の範囲は変わっていないか。

事務局

 現行の個人情報保護条例におけるセンシティブ情報の取扱いに関する制限については、制限をしたままとし、要配慮個人情報の範囲まで取扱い制限を拡大する方向で考えている。

委員

 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます。)に則って、個人情報ファイルに要配慮個人情報のラベルを貼った上で、貼ったものについては、現行のセンシティブ情報を同様に取扱うということか。

委員

 要配慮個人情報に一本化するということであれば、センシティブ情報という言葉は除いた方が理解しやすいのではないか。

会長

 全国の全てではないが、多くの自治体の条例では、センシティブ情報については、収集・保存等が原則取扱い禁止となっている。ただし、例外的に扱える場合がある。そのように非常に厳格な枠にはめていると思う。

ところが、法律ではそのような取扱の禁止や制限がそもそもなかった。それが今回の法改正で個人情報について、十分に配慮する規定が新たに設けられた。法律上では、要配慮個人情報の取扱いを禁止する発想はそもそもなく、取扱ってもいいが、注意することになっている。 一方、個人情報保護条例ではセンシティブ情報は取扱い禁止としていた。非常に狭い範囲で収集してはいけないと。ただし、審査会に諮って認められたときや法律で規定されているときは取扱っていい制度になっている。

 今回、センシティブ情報以外の要配慮個人情報は範囲が広い訳であるが、国としては、要配慮個人情報を取扱い禁止ではなく、注意して扱う方向にしてほしいという意向がある。

委員

 利活用したいということか。

会長

 多くの自治体の条例では、センシティブ情報は取扱い禁止となっているので、その取扱い禁止原則のまま、センシティブ情報イコール要配慮個人情報としてしまうと、原則、取扱い禁止の妥当性が問われる。センシティブ情報ではないけれども、法律で言う要配慮個人情報が出てくるか、果たしてそれでいいのか、という話になる。
現行の個人情報保護条例第7条で取扱ってはならないと柱書がある。その取扱ってはいけないという情報の種類が第1号から第4号まで規定されている。法律で規定している要配慮個人情報は、はるかに範囲が広い。その広い範囲を第7条の柱書のように取扱ってはいけないとする選択肢もあれば、それは範囲が広すぎかという選択肢もある。

事務局

 要配慮個人情報について、法令等の規定に基づいて取り扱うとき、又は厚木市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で必要があると認めるときを除き、取扱いの制限をする考えでおります。

会長

 原則取扱わないことにするが、例外を認めるかどうか、当審査会に案件として諮られる事例が増えることになる。従来は、取扱ってはいけない情報の範囲が狭いので、当審査会に諮って例外を認める案件は、ほとんどなかったが、審査会に諮る範囲が広がってしまう点について、どう思うか。

 国では、国民の個人情報を取り扱っていることはそうそうない。法務省で刑事事件に関する情報を保有していたり、厚労省で年金関係の情報を保有していたり、ということはあるかもしれないが、補助金行政で個人情報を保有することはあまり事例としてはない。ところが、地方公共団体では、補助金交付の直接の相手方とする個人情報を山ほど保有している。要配慮個人情報の範囲を広げ、審査会で例外を認めるスタイルにすると、多くの個人情報を保有している市における事務処理は膨大になると思う。

委員

 改正案の個人情報保護条例第7条において、要配慮個人情報を取り扱ってはならないとなるのか。

事務局

 そのようになる。条例の改正案としては「実施機関は、要配慮個人情報を取り扱ってはならない。ただし、法令若しくは条例の規定に基づいて取り扱うとき、又はあらかじめ厚木市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で正当な事務又は事業の実施のために必要があると認めて取り扱うときは、この限りではない。」となる。

会長

 そうなると、実態は先ほど説明したとおりとなるが、各委員における考えは。

委員

 神奈川県も同様の方向で条例改正するので、それはそれでいいのではないか。

 個人情報保護審査会の意見を聴くタイミングは「あらかじめ」ということでいいのか。

事務局

 改正案では、「あらかじめ」という文言を使用している。

 今後、条例改正に向けた検討を進め、来年2月の議会に条例改正案を上程する予定であり、議会で承認されれば、施行日から施行となる。その際に、要配慮個人情報として7項目が追加され、要配慮個人情報が11項目となる。

 現在、この11項目の要配慮個人情報を既に取り扱っている事務は、大別すると約150事務、詳細に分けると約400事務ある。これらの情報の取扱いについては、条例の附則において「遅滞なく」個人情報保護審査会の意見を聴いた上で必要があると認めたものについて取り扱う旨の規定を設け、委員の皆様に承認をいただくという運用を想定している。

委員

 遅滞なくというが、経過措置期間としてはどれくらいを想定しているか。

事務局

 半年程度は必要ではないかと想定している。

委員

 約400事務というが、法令・条例の根拠に基づかないものはどれくらいあるか。

事務局

 現在、精査中である。

委員

 追加される7項目は、具体的にどのような内容か。

事務局

 追加の7項目については、「犯罪により害を被った事実」、「病歴」、「身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)があること」、「健康診断その他の検査の結果」、「保険指導・診療及び調剤情報」、「本人を被疑者又は被告人として、逮捕、捜索等の刑事事件に関する手続が行われたこと」、「本人を少年法第3条第1項に規定する少年又はその疑いのある者として、調査、観護の措置、審判、保護処分その他の少年の保護事件に関する手続が行われたこと」である。

会長

 神奈川県の審議会でも同様の議論をしているようだが、範囲が広がったにもかかわらず、広がった部分の取扱いが従前と同様に原則禁止がいいのかどうかという議論があり、結論として原則禁止にするようである。

 事務局案としては、神奈川県と同様に対応するということだが、議会で議論となれば、県の事例や他市の議論を紹介しながら、議会で決めてもらうことになる。

委員

 「法において、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により被害を被った事実その他」云々と記載されているが、どこからどこまでが条文の記載なのか。「本人の人種」という文言が法律で規定された文言ということであれば、立法趣旨があることになる。確認したいことは、「本人の人種」とあるが、親の人種が含まれるのか否か。

事務局

 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第4項において、「この法律において『要配慮個人情報』とは、本人の人種、信条、社会的身分」等々と規定されており、同じ文言である。

会長

 今回の改正案としては、必要最低限の改正に止めるとのことであるが、議論いただいた要配慮個人情報の項目は軽視できない重要な項目になると思う。それ以外のところで何かあるか。

委員

 オンライン結合があまりよく分からない。

会長

 厚木市の庁内に設置していたホストコンピューターを、外部のホストコンピューターに移す際に、当審査会においてオンライン結合という議題として出たことを記憶している。

 厚木市のホストコンピューターと神奈川県が使用しているホストコンピューターを業務連携のためにつなぐとなれば、典型的なオンライン結合になる。当審査会に諮られたホストコンピューターの事例との区別がまだよく分からない状況である。

委員

 何と何を結合するのか。

会長

 典型的なものとしては、住基ネットになる。例えば、パスポートを取得するのに、個人番号カードを持っていれば、戸籍謄本を添付する必要がなくなる。戸籍を管理している自治体と神奈川県民であれば神奈川県のパスポートセンターがオンラインでつながり、本人確認ができるので、紙の戸籍謄本がなくてもよくなるということである。

 条例第12条にオンライン結合の定義があるが、厚木市が管理している厚木市民の情報を厚木市以外のものが厚木市のコンピューターに入り、情報を持っていくことができる状態をつくっているかどうかということ。そうすると外からのアクセスログなどをきっちりと記録していて、かつ適正に使っていることが保障されるところしか入れない状態になっていないと、厚木市の情報が洩れてしまうことになるので、オンライン結合は基本的にはしてはいけないことになる。

委員

 オンライン結合に関する条例改正案として、「本人の同意に基づき提供するとき、又は本人に提供するとき」とはどういう場合を想定しているか。

会長

 住基ネットは、まさにそういう事例ではないか。

 例えば、自分の住民登録が伊勢原市にあったとして、厚木市の窓口でも住民登録関係の事務が一部できるというのがあるとすると、それは伊勢原市に登録されている情報を厚木市の端末を介して本人に提供するからできるようになっている。本人に渡すだけなので、どこから集めてもいいという発想である。このような事例も、今までは当審査会に諮る必要がある。

 当審査会にオンライン結合を諮る対象範囲を狭めることが今回の条例改正案になるので、委員の意見を伺いたい。

委員

 「個人の生命、身体又は財産の安全を守るため緊急かつやむを得ない必要があると認めて提供するとき」とはどういった場合を想定しているのでしょうか。

事務局

 例えば、災害時などにおいて、安否確認をするための名簿等を緊急で作成する際に、住基ネットとつなぐ場合などが想定される。

委員

 以前、茨城で洪水があった際は、マスコミが先に情報を入手し、行政機関は機能していなかったように記憶している。

委員

 例外を設けるのであれば、例外を認める立法事実が必要となるのでは。

 オンライン結合は、新たにシステムとして結合するときに審査会に意見を聴くということか。

会長

 実際にどのような場面があって、具体的にどのように使うのかはっきりしない部分はあるが、個人の生命、身体又は財産の安全を守るため緊急かつやむを得ないような事情に対応するために、オンライン結合するという方法が仮に適切な場面があるとすれば、それはやむを得ないということになるのではないか。

委員

 災害時で市役所が機能しなくなった場合などは、オンライン結合するよりも、電話での問合せ、ネットやSNSでやり取りした方が早いのではないか。

会長

 そういった点については、事務局で背景や想定されている内容を確認した上で、その必要性を判断していくとことになる。

事務局

 過去に審査会に諮った事例としては、火災報告等オンライン処理システムを図っており、住所、建物情報、焼損程度、死傷者の状況等の個人情報を登録し、総務省、消防庁に随時、情報を提供している。

委員

 緊急かつやむを得ないと誰が判断するのか。

会長

 市が判断することになる。最終的には市長になるが、内容によっては、決裁権限を委任し、委任を受けたものがそれぞれ判断をしていくことになる。「緊急かつやむを得ない」という表現については、現行条文でも第10条に規定されている。条例10条で、法令等の規定に基づく場合や緊急やむを得ない場合について、利用及び提供を行っているが、これはオンライン結合ではない形で行っていた。それをオンライン結合も同様の条件にするのが、今回の条例改正案ということになる。

委員

 個人情報ファイルに記載する必要がある項目として、要配慮個人情報が入っているが、個人識別符号は記載する必要がないか。

会長

 個人情報ファイルは、市民が市の保有している自己の情報を検索するために、情報コーナーに備えつけておくものである。今回の改正案によって、要配慮個人情報を盛り込み、市民が市の保有する自己情報を気づくきっかけを増やすということになっている。個人識別符号については、当然に扱うものであり、個人情報ファイルに登録する事項として一つ一つ書く必要はないと思っている。

委員

 匿名加工情報について、定義がないがそれでよいか。

会長

 それについては、改めて検討することになっていると事務局から説明があり、今回の条例改正案では特段記載はない。

委員

 法律が改正されたが、今回の条例改正案では、匿名加工情報は対応していないということか。

会長

 神奈川県条例では、非識別加工情報について対応しないという結論を出している。

会長

 ほかに、委員から意見等はないか。

 さて、これまで各項目について、かなり活発なご議論をいただいた。全員一致の結論を出す話ではないので、各委員の見解が述べられ、審査会ではこういう議論がなされたということを市当局として受け止め、議会に提出する条文案をさらに練り直し、議会において必要により審査会での議論が紹介されることはあるのではないかと思っている。

 意見等がなければ、方向性は承認することで終了とする。

 =案件了承= 

2平成28年度個人情報保護制度の運用状況について

 《事務局説明》

委員

 開示するに当たって、手数料はいくらか。

事務局

 閲覧については、費用はかからないが、写しの交付は、1枚当たり白黒であれば、手数料として10円である。

委員

 一部開示の事例で申請者は納得しているのか。

事務局

 平成28年度、不服の申出はない。

会長

 以前は、ドクターが同意しないと開示しないという事例もあったが、今では病院のカルテは全部開示しているので、不服は出なくなったと思っている。

 他に格別ご質問やご意見がなければ、この程度に止めたい。

=案件了承=

閉会

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