平成30年度施政方針

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

壇上に設置されているマイクの前で、スーツ姿の小林市長が演説を行っている写真

1 はじめに

 平成30年度の予算及び諸案件の御審議をお願いするに当たり、私の新年度の市政運営に臨む所信の一端を述べさせていただくとともに、主要な施策について御説明申し上げ、市民の皆様並びに議員の皆様の御理解を賜りたいと存じます。
 昨年11月、厚木市自治会連絡協議会が、地域への貢献をたたえる「地方自治功労者」として、総務大臣から表彰を受けるとともに、日経DUAL(デュアル)と日本経済新聞社が実施した子育てに関する調査では、本市が、「子育てしながら働きやすい都市」として県内1位の評価をいただきました。
 これまで進めてまいりました市民協働によるまちづくりや「子育て・教育環境日本一」を目指した取組が客観的に評価された結果であり、市民の皆様並びに議員の皆様とともに、全国に誇れるまちを築き上げてきたことが認められたものと改めて感謝を申し上げます。
 また、本年1月には、企業誘致の促進や交通渋滞の解消、災害時の代替(だいたい)道路としての役割などが期待される新東名高速道路が県内で初めて開通し、市内四つ目となる厚木南インターチェンジが誕生いたしました。近い将来、厚木秦野道路の開通等に伴い、七つのインターチェンジが設置されることにより、本市は、経済や観光だけでなく、様々な面で更に大きく発展していくものと確信しております。
 さて、私は、本年の市政運営のテーマに「誠実」を掲げました。「私利私欲を交えず、真面目に真心を持って人や物事に対する」という意味であります。市民の皆様に対し、真心を込めて接するとともに、市政に対して真摯(しんし)に向き合い、将来を見据えたまちづくりを誠実に進め、「まこと」の「みのり」を市民の皆様に実感していただくことができるよう全力で取り組んでまいります。
 こうした思いから、平成30年度当初予算につきましては、将来を見据えた長期的な視点や市民の皆様のニーズを踏まえ、「人口の将来展望を実現する地方創生の推進」、「誰もがいきいきと生活できる地域包括ケア社会の実現」、「将来にわたって活力あるまちであり続けるための都市基盤整備の推進」、「防災・減災対策の強化による安心・安全の推進」、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーの創出」、「中心市街地の魅力や利便性の向上」の六つを重点プロジェクトとする「あつぎの元気誠実予算」として編成を進め、一般会計は、過去最大となる862億円、特別会計を合わせた総額では1,472億円を超える予算規模といたしました。
 また、平成30年度は、「あつぎ元気プラン」の総仕上げとなる第4期実施計画がスタートする年であります。この第4期実施計画を「総仕上げ実行プラン」と位置付け、予算編成の柱に掲げた六つの重点プロジェクトを積極的に推進するとともに、更なる市民満足度の向上を目指し、新たな「総合計画」や、「都市マスタープラン」を始めとする様々な分野別計画の策定に取り組んでまいります。
 それでは、主要な取組につきまして、「あつぎ元気プラン」の五つの基本政策ごとに御説明申し上げます。

2 五つの基本政策

(1) 安心政策

 始めに、「安心政策」の取組につきまして、御説明申し上げます。
 安心して子育てできる社会の実現につきましては、「子育て環境日本一」の実現に向けた新たな子育て支援策として、ほっとタイムサポーターによる育児や家事などの援助を無料で受けることができるクーポン券を配布するとともに、子育て中の保護者同士が交流し、リフレッシュすることができる場を提供するなど、全国に誇れる施策を展開してまいります。
 保育環境につきましては、昨年から実施しております「久保子どもの未来応援基金」を活用した保育士の人材確保を更に促進するため、新たに県内初となる潜在保育士の再就職を支援する助成制度を創設してまいります。
 また、「保育所待機児童ゼロ」の一刻も早い実現に向け、認可保育所の整備による定員の大幅な拡大や、幼稚園型認定こども園における1、2歳児保育の開始など、保育の受け皿の更なる充実に加え、災害時も乳幼児の避難所として活用することができる保育所の都市公園内への整備に取り組んでまいります。
 さらに、県内初となる保育施設併設型の病児保育の実施に伴い、保育施設への看護師の巡回訪問を開始するとともに、「学童保育待機児童ゼロ」に向け、放課後児童クラブの受入定員を拡大するなど、仕事と子育てを両立する保護者に寄り添った施策を積極的に推進してまいります。
 また、子どもからお年寄りまで幅広い世代が交流し、地域の絆(きずな)を育む施設として、金田地区に児童館と老人憩の家の複合施設を整備してまいります。
 児童虐待防止対策につきましては、関係機関との緊密な連携により、早期発見、早期対応を徹底するとともに、子どもとその家庭の状況に応じた支援を継続的かつ専門的に実施する体制の整備に取り組むことにより、「居所不明児童ゼロ」を継続してまいります。
 DV防止対策につきましては、相談者の安全確保や自立支援を最優先に進めるとともに、様々な機会を捉えた周知・啓発活動を強化してまいります。
 療育支援の充実につきましては、発達に不安のある子どもが地域の中で幸せに暮らすことができるよう、療育相談センター「まめの木」を核とする関係機関の連携体制を強化してまいります。
 高齢者・障がい者が生きがいを感じる社会の実現につきましては、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができる「地域包括ケア社会」の実現に向け、在宅医療・介護連携を推進するため、(仮称)地域包括ケア連携センターを設置してまいります。
 また、地域包括支援センター及び障がい者相談支援センターの担当区域を地区市民センター単位の15地区に合わせることにより、地域福祉推進委員会などの地域団体との連携を一段と強化してまいります。
 さらに、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降の医療・介護需要の一層の増加を見据え、看護職や介護職等の人材確保を図るため、新たに県内初となる奨学金返済助成制度、転入奨励助成制度、復職等奨励助成制度を創設し、市民の皆様が安心して医療・介護を受けることができるよう強力にサポートしてまいります。
 障がい者福祉の充実につきましては、「すべての人がともに生きるまちづくり」をスローガンに、障がいに対する理解の普及・啓発に取り組むとともに、障がい者基幹相談支援センターにおける就労・定着支援を強化してまいります。
 また、厚木歯科医師会が運営する障がい者歯科診療へのニーズが高まっていることから、診療時間の拡大を支援してまいります。
 健康・長寿社会の実現につきましては、子どもからお年寄りまで幅広い世代が地域で楽しく健康づくりに取り組むきっかけとなるよう、あゆコロちゃんGENKIポイント事業をリニューアルしてまいります。
 また、口腔ケアに関する知識の普及・啓発に取り組むとともに、高齢化の進展に伴い増加が予想される骨粗しょう症の早期発見に向け、施設検診を導入してまいります。
 新制度へ移行する国民健康保険事業につきましては、安定的な事業運営を行うとともに、被保険者の健康課題を分析し、潜在的なリスク把握から重症化予防までを網羅した効果的かつ効率的な保健事業を実施してまいります。
 後期高齢者医療保険事業につきましては、高齢者が生涯にわたって健やかに過ごすことができるよう、生活習慣病の早期発見や重症化予防を目的とした長寿健康診査の実施体制を強化してまいります。
 昨年12月に全面オープンいたしました市立病院につきましては、今後も救急医療、小児・周産期医療を中心とした地域医療を担う基幹病院としての機能を十分に発揮し、市民の皆様から信頼される医療を提供してまいります。
 多様な市民活動が共存する社会の実現につきましては、高齢者の見守りや身近な居場所づくりなどに主体的に取り組んでいただいております地域福祉推進委員会の活動を積極的に支援するとともに、地域の皆様との協働による「見守り、見守られ、支え合う地域づくり」を推進し、「孤独死ゼロ」に取り組んでまいります。
 国際交流の推進につきましては、友好都市締結35周年を迎えるアメリカ合衆国ニューブリテン市を始めとする海外友好都市との市民相互の交流を更に深めてまいります。
 自信と誇りを持てる人権尊重社会の実現につきましては、誰もがお互いを尊重し、共に生き、認め合うことができる地域社会を目指し、「人権施策推進指針」を改定するほか、男女共同参画社会の実現のため、女性が様々な分野において活躍することができる環境づくりやワーク・ライフ・バランスの充実に取り組んでまいります。
 セーフコミュニティの推進による安心・安全な社会の実現につきましては、10年の節目を迎えるセーフコミュニティの取組を更に推進するため、第9回アジア地域セーフコミュニティ会議厚木大会を開催し、本市の安心・安全なまちづくりを世界へ発信してまいります。
 また、新たに「自殺対策計画」を策定し、本市の実情に応じた総合的な自殺対策を推進してまいります。
 安心・安全の向上に取り組む社会の実現につきましては、「中心市街地客引きゼロ」に向け、引き続き「客引き行為等防止条例」に定める指導・勧告を徹底するとともに、環境浄化パトロールを強化することにより、体感治安の更なる向上に取り組んでまいります。
 また、複雑化かつ巧妙化する悪質商法などによる消費者被害を未然に防止するため、相談体制の充実や積極的な啓発活動を展開することにより、「振り込め詐欺被害ゼロ」を目指してまいります。
 さらに、地域防犯力の一層の強化を図るため、通学路に防犯カメラを設置するとともに、自治会が行う防犯カメラの設置を支援してまいります。
 交通安全対策につきましては、厚木警察署や交通安全関係団体との連携による啓発活動を強化するなど、「交通死亡事故ゼロ」を目指してまいります。
 また、放置自転車の指導・整理を徹底するとともに、2019年度の完成に向け、本厚木駅南側の労働基準監督署跡地における自転車等駐車場の整備に取り組むことにより、「放置自転車ゼロ」を目指してまいります。
 命と暮らしを守る社会の実現につきましては、発生が危惧される大規模地震に備え、総合的な防災対応力を更に強化するため、本市独自の地震被害想定調査を実施するとともに、「地域防災計画」を改定してまいります。
 また、全ての幼稚園や放課後児童クラブにおける災害時用食料の備蓄を充実することにより、災害時の子どもたちの安心・安全を確保してまいります。
 さらに、緊急輸送道路に接する沿道建築物の耐震改修に係る補助制度を充実するとともに、新たに土砂災害の被害を軽減する崩壊防止工事に対する補助制度を創設するなど、災害に強いまちづくりをこれまで以上に推進してまいります。
 台風や集中豪雨などによる浸水対策につきましては、2019年度の完成に向け、厚木南地区における雨水貯留施設の整備を着実に進めるとともに、周辺地区の雨水管整備を計画的に進めてまいります。
 また、準用河川山際川における洪水浸水想定区域図を作成するとともに、準用河川恩曽川及び善明川に増水状況をリアルタイムで観測することができる監視カメラを設置してまいります。
 消防・救急体制につきましては、厚木消防署南毛利分署の再整備に着手するとともに、消防団の活動環境を充実するほか、大規模災害を想定した実践的な訓練を実施することにより、消防力を更に強化してまいります。
 また、住宅防火対策の更なる推進や大規模集客施設の防火管理体制の強化により、「火災のない安心・安全なまち」を目指してまいります。
 さらに、救急救命士を計画的に養成するとともに、一人でも多くの市民の皆様が救急現場において適切な応急手当をすることができるよう、救命講習会を積極的に開催するなど、市民協働による「救命第一のまち」を目指してまいります。

(2) 成長政策

 二つ目として、「成長政策」の取組につきまして、御説明申し上げます。
 学校教育の一層充実した社会の実現につきましては、「教育環境日本一」に向け、学校、保護者、地域が協働し、子どもの豊かな学びと健やかな成長を支える学校運営協議会制度「コミュニティ・スクール」の全小・中学校への導入を着実に完了させるとともに、教育委員会だより「Edu(エデュ) Navi(ナビ)」を充実するなど、「教育大綱」に掲げる「未来を担う人づくり」の基本理念の下、「第4期教育充実プラン」を計画的かつ効果的に推進してまいります。
 また、教職員の多忙化の解消につきましては、教職員が児童・生徒と向き合う時間を確保することができるよう、全小・中学校で校務支援システムの運用を開始するほか、引き続き教育活動への人的支援を実施してまいります。
 児童・生徒の学力向上につきましては、タブレット型パソコンの活用による学習環境の充実や、教職員の指導力向上に取り組むとともに、中学校の少人数学級編制を実現するため、非常勤講師の派遣を学校の実態に応じて3年生まで拡大してまいります。
 また、2020年度の小学校における英語教科化に向け、外国語指導助手を効果的に派遣するとともに、課外においても児童・生徒が英語に触れ、関心を高める体験活動を実施するなど、英語教育を充実してまいります。
 児童・生徒の安心・安全につきましては、地域との協働により、新たにインターナショナルセーフスクールの認証取得を目指す妻田小学校の取組を支援してまいります。
 また、県道座間荻野線の新設に伴う三田小学校の体育館やグラウンドの再整備を着実に進めるとともに、校舎の外壁、トイレなどの改修や校庭の整備を計画的に進めてまいります。
 学校給食につきましては、安心・安全な給食を継続的に提供するため、全中学校を対象とした新たな学校給食センターの整備に向け、建設予定地の調査を実施してまいります。
 不登校及びいじめ防止対策につきましては、「いじめ防止基本方針」に基づき、引き続き不登校の改善と「いじめゼロ」を目指した実効的な取組を進めてまいります。
 社会教育の一層充実した社会の実現につきましては、家庭、学校、地域の連携の中心的な役割を果たす公民館において、地域における教育力の向上と子どもを育てる環境づくりを進めてまいります。
 また、地域コミュニティ活動の更なる充実を図るため、厚木北公民館の再整備に取り組んでまいります。
 いつでも生涯学習に取り組むことができる社会の実現につきましては、市内の大学や企業の皆様による「あつぎ協働大学」や、市民の皆様が講師として活躍する「輝き厚木塾」など、本市ならではの特色ある講座を拡充することにより、生涯にわたり生き生きと学ぶことができる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
 文化芸術に親しむことができる社会の実現につきましては、「あつぎ市民芸術文化祭」の開催を始め、魅力ある様々な文化芸術事業を展開するとともに、開館40周年を迎える文化会館において、市民の皆様や本市を代表する文化芸術団体の皆様との協働による記念事業を開催してまいります。
 また、市民協働提案事業として、新たに郷土芸能とジャズとの融合による「統合伝統芸術祭」を開催し、更なる文化芸術の振興に取り組んでまいります。
 さらに、本市の文化や歴史、自然を学ぶ(仮称)あつぎ郷土資料館の完成に向け、建設工事を着実に進めてまいります。
 誰もがスポーツに親しむことができる社会の実現につきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、ホストタウン相手国であるニュージーランドを対象とした事前キャンプの誘致を始め、子どもたちの夢や希望を育む様々な事業を展開してまいります。
 また、パラリンピアンによる講演や障がい者スポーツの振興を通じて、障がいへの理解促進に取り組んでまいります。
 さらに、ニュージーランドの政府機関であるエデュケーションニュージーランドとの教育に関する覚書をホストタウンとしては全国で初めて締結し、学校間交流を始め、次代を担う子どもたちの国際理解や国際交流を促進してまいります。
 キャンプに適した競技環境の充実につきましては、将来へのレガシーを創出するため、荻野運動公園メインアリーナの冷暖房設備の設置を完了するとともに、陸上競技場施設のリニューアルに着手してまいります。
 スポーツ活動の推進につきましては、日本体育大学との連携を強化し、一人でも多くの市民の皆様がスポーツ活動に参加することができる機会を拡大するとともに、未来のトップアスリートの発掘・育成や指導者の養成を目指す「あつぎスポーツアカデミー」を充実してまいります。

(3)共生政策

 三つ目として、「共生政策」の取組につきまして、御説明申し上げます。
 地球温暖化防止・低炭素社会の実現につきましては、省エネ・低炭素型の製品への買換えなど、地球温暖化対策に役立つ賢い選択を促す国民運動「COOL(クール) CHOICE(チョイス)」の普及・啓発に取り組むとともに、引き続き小学生をジュニアエコリーダーとして認証する事業やエコスクールの取組を推進してまいります。
 持続可能な循環型社会の実現につきましては、燃えるごみの約5割を占める生ごみの減量を推進するため、新たに生ごみ処理器「厚木キエーロ」の購入に対する補助制度を創設するとともに、「もったいない」を合言葉に、新たな資源品目を選定するなど、更なるごみの減量や資源化に取り組んでまいります。
 新ごみ中間処理施設につきましては、2025年度稼働に向け、厚木愛甲環境施設組合と連携し、都市計画手続を着実に進めるとともに、周辺地区のよりよいまちづくりを進めるため、ふれあいプラザの再整備に向けた調査を行ってまいります。引き続き、金田地区の皆様に丁寧な説明を行いながら、事業を推進してまいります。
 自然と共生する社会の実現につきましては、生物多様性への理解を深めるため、フォーラムや講座を開催するとともに、市民情報提供システム「スマ報(ほう)」により市民の皆様から投稿していただいた外来生物の情報を基に、自治会や環境団体の皆様との連携による駆除活動を積極的に進めてまいります。
 また、里地里山の多面的機能を次世代へと継承するため、里地里山保全活動団体を支援してまいります。
 豊かな生活環境の実現につきましては、市民の皆様の憩いと安らぎの場や市内北部地域の防災拠点としての機能を担う(仮称)北部地区公園の整備に向け、関係機関との協議を進めてまいります。
 環境美化の推進につきましては、引き続き市民の皆様や企業との協働による落書き消去活動などを積極的に推進するとともに、「路上喫煙ゼロ」を目指し、喫煙マナーの向上に積極的に取り組んでまいります。
 動物愛護の推進につきましては、人と動物がともに暮らすことができるよう、生命の尊さやペットの適正飼養などに関する普及・啓発を積極的に行ってまいります。
 河川と共生する社会の実現につきましては、水辺の利活用と観光の活性化につながる水辺交流拠点づくりに向け、三川合流点地区において、手ぶらバーベキューの本格実施に取り組んでまいります。
 また、河川美化意識の向上を図るため、引き続き「県央相模川サミット」六市町村合同クリーンキャンペーンを実施するとともに、水源環境の保全や生態系に配慮した良好な河川環境の整備に取り組むほか、準用河川恩曽川の未改修区間の基本設計に着手してまいります。

(4)快適政策

 四つ目として、「快適政策」の取組につきまして、御説明申し上げます。
 活力ある中心市街地の実現につきましては、商業集積の強化や更なるにぎわいの創出に向け、引き続き商店会と大型店との連携や、空き店舗対策に積極的に取り組むとともに、「にぎわい爆発あつぎ国際大道芸」や「かながわグルメフェスタ」など、まち全体で経済効果を生み出すイベントを開催してまいります。
 本厚木駅南口地区市街地再開発事業につきましては、2020年度の完成に向け、駅前広場の拡充整備や再開発ビルの建設工事に着手するとともに、計画的に事業を推進するため、引き続き再開発組合を支援してまいります。
 本厚木駅北口周辺につきましては、本市の玄関口としてふさわしい駅前広場や周辺地区の再整備に向けた基礎調査を実施してまいります。
 愛甲石田駅周辺につきましては、副都市中心拠点としての機能を更に強化するための基本構想を策定してまいります。
 中町第2-2地区につきましては、中心市街地の新たな中核拠点となる複合施設の基本計画を策定するとともに、厚木バスセンターを中心とした周辺道路の設計協議を行ってまいります。
 また、検診車などの駐車場として整備いたしました保健センター跡地につきましては、市民の皆様から要望が寄せられておりました観光バスや企業・大学などの送迎バスの発着場としての活用を開始してまいります。
 地域特性をいかした魅力あるまちの実現につきましては、今後の人口減少や更なる高齢化を見据え、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの考え方を基本とした「立地適正化計画」を始め、本市の都市づくりの方向性を示す新たな「都市マスタープラン」や、「(仮称)総合都市交通マスタープラン」の策定に取り組んでまいります。
 新たな産業用地を創出する森の里東土地区画整理事業につきましては、先行整備エリアが昨年6月に完成し、本年1月から立地企業が操業しております。その他のエリアにつきましても早期完成を目指し、引き続き土地区画整理組合を支援してまいります。
 昨年、業務代行予定者が決定した南部産業拠点酒井地区につきましては、早期事業化に向け、引き続き土地区画整理組合設立準備委員会を支援するとともに、市街化編入に向けた都市計画手続を進めてまいります。
 山際地区及び山際北部地区につきましては、土地区画整理組合設立準備委員会への支援や、権利者の合意形成を図るとともに、山際地区の市街化編入に向けた都市計画手続を進めてまいります。
 快適生活空間の実現につきましては、(仮称)戸室ハイツ第2期の完成に向け、建設工事を着実に進めるとともに、「空家等対策計画」に基づき、引き続き空き家の解体費や取得費の補助を実施してまいります。
 公共下水道事業につきましては、2020年4月からの地方公営企業法適用に向け、資産評価や会計システムの構築に取り組むとともに、市街化調整区域における効率的な下水道整備に向けた準備を進めてまいります。
 市民の皆様や企業の活動を支える交通環境につきましては、交通利便性の向上や高齢者の移動手段の充実などを目的とした持続可能なコミュニティ交通システムの構築に取り組んでまいります。
 また、南部産業拠点地区やリニア中央新幹線神奈川県駅など新たな拠点へのアクセス向上に向け、連節バスを活用した交通システムの導入や小田急多摩線等の延伸に取り組んでまいります。
 本市の新たな道路ネットワークの構築につきましては、「第8次道路整備計画」に基づき、本厚木下津古久線や厚木環状3号線などの都市計画道路の整備を始め、交差点の改良や生活道路の整備を着実に進めてまいります。
 また、道路交通の安全性と快適性を向上させるために設置しております街路灯につきましては、維持経費の削減や環境負荷の低減を図るため、LED灯への一斉交換を実施してまいります。
 (仮称)厚木パーキングエリアスマートインターチェンジにつきましては、整備工事を着実に進めるとともに、アクセス道路となる相模川右岸堤防道路の再整備に着手してまいります。
 厚木秦野道路につきましては、早期整備に向け、関係自治体との連携による要望活動を積極的に推進するとともに、用地国債先行取得制度を活用し、国の事業推進を力強く支援してまいります。
 企業・商業活動が活発なまちの実現につきましては、企業の巡回訪問を積極的に実施することにより、中小企業の課題解決や経営基盤の強化を図るとともに、企業データベースを効果的に運用することにより、ビジネスチャンスの拡大を支援してまいります。
 企業誘致につきましては、更なる地域経済の発展と雇用の創出を図るため、本市の優位性や企業誘致施策を広くアピールする(仮称)企業立地フォーラムを都内で開催するなど、戦略産業の誘致や既存企業の事業拡大を促進してまいります。
 また、ロボット関連産業の振興と集積を図るため、引き続き市内企業のロボット産業への参入を支援するとともに、新たに商品化後の市場展開を支援する補助制度を創設してまいります。
 商業活動につきましては、厚木商工会議所や商店会連合会などの関係団体と一体となり、魅力と特色ある商店づくりを支援するとともに、新たに商店会が行う防犯カメラの設置に対する補助制度を創設してまいります。
 新たな戦略による観光のまちの実現につきましては、広域観光拠点の形成と交流人口の拡大を図るため、大山・宮ケ瀬エリアの自治体や観光事業者と連携し、回遊性を促進するプロモーションを展開するとともに、本市の観光拠点の一つである飯山白山森林公園の桜の広場の再整備に取り組んでまいります。
 また、更なるインバウンドの増加を見据え、訪日外国人向け案内表示の設置や観光パンフレットの作成など、観光協会との協働により、おもてなし環境の向上に取り組んでまいります。
 都市農業・林業をいかした地域産業の実現につきましては、「都市農業振興計画」に基づき、持続可能な都市農業の創造や魅力ある農業の振興を着実に推進するとともに、地域の特徴をいかしたアクションプランの策定に取り組んでまいります。
また、水源のかん養や地球温暖化防止など森林の有する多面的機能を維持するため、林地台帳を作成し、計画的かつ効果的な森林整備を実施してまいります。
 有害鳥獣対策につきましては、適正な捕獲や追い払いにより農作物や生活被害の防止を強化してまいります。
 特に、ニホンザルにつきましては、被害の抜本的な解消に向け取り組んでまいります。
 安心して働くことができる社会の実現につきましては、若者やキャリアブランクのある女性の就職を支援するため、一人一人のニーズに合わせたプログラムを追加するなど、市内企業と求職者のマッチングを更に充実してまいります。

(5)信頼政策

 最後に、「信頼政策」の取組につきまして、御説明申し上げます。
 あつぎの魅力の創造と発信及び地方創生の推進につきましては、若年世代の定住を促進し、バランスのとれた人口構成を確保するため、新たに親世帯との近居・同居のための住宅取得や改修に対する補助制度を創設してまいります。
 また、企業や大学、団体の若い世代で構成する地方創生推進プロジェクトの自由で斬新な発想をいかし、定住促進や合計特殊出生率の上昇につながる戦略的な事業を展開してまいります。
 さらに、市民の皆様を始め、国内外から観光やビジネスで本市を訪れる方々に対し、行政情報や観光情報などを効果的に発信するため、本厚木駅北口広場にデジタルサイネージを設置するほか、公共施設や店舗等で気軽にインターネットに接続できる「(仮称)あつぎ Free(フリー) Wi(ワイ)-Fi(ファイ)」の環境整備に着手してまいります。
 また、相模川・中津川における水産業の活性化を図るため、関係漁業団体と連携し、アユの生産振興や6次産業化などの取組を推進するとともに、アユ中間育成施設の整備を支援してまいります。
 市民参加・市民協働の推進につきましては、「現地対話主義」に基づく「自治会長とのまちづくりフリートーク」や「子育てコミュニティトーク」を私自身が先頭に立って実施し、市民の皆様からの御意見を市政に反映してまいります。
 また、地域自治の更なる推進に向け、自治基本条例に基づく地区市民自治推進組織の活動をこれまで以上に支援してまいります。
 行財政改革の推進につきましては、「あつぎ行政経営プラン」に基づき、事業の見直しを積極的に行うとともに、庁内会議に電子ペーパーを導入し、書類のペーパーレス化に取り組むことにより、徹底的なコスト削減と事務の効率化を図ってまいります。
 また、将来にわたって持続可能な市民サービスを実現するため、「公共施設最適化基本計画」に基づき、公共施設の適正配置に取り組んでまいります。
 特に、市庁舎につきましては、老朽化、分散化、狭あい化の解消や災害対応力の強化に向け、新庁舎整備に向けた基本的な計画を策定してまいります。
 財政運営につきましては、法人税の実効税率の引き下げや法人市民税の一部国税化の影響が引き続き見込まれる一方で、社会保障関係経費や公共施設の維持管理経費の増大は避けられない状況にあることから、税や料などの自主財源や国庫補助金などの特定財源の確保はもとより、ふるさと納税の更なる拡充など、新たな財源確保に積極的に取り組んでまいります。
 また、今後の税収確保を見据えた未来への投資となる都市基盤整備を着実に推進するため、効果的に地方債を活用することにより、将来にわたって持続可能で強い財政を堅持してまいります。
 組織運営につきましては、更なる市民サービスの向上を図るため、機能的かつ即応的に対応することができる強い組織を目指すとともに、働きやすさと生産性の向上を両立させるため、「あつぎスマート・ワーク宣言」などの取組を推進してまいります。
 都市間連携の推進につきましては、「県央相模川サミット」において、相模川流域河川敷の環境問題に対する取組を検討するほか、近隣自治体との連携による観光振興や災害対応力の強化、交通利便性の向上など、市域を超えた都市圏の魅力向上に取り組んでまいります。
 国内友好都市との交流につきましては、長年にわたり交渉を進めてまいりました沖縄県糸満市との友好都市締結を実現し、教育、文化、スポーツ、産業など幅広い分野における市民相互の交流をより一層深めてまいります。

3 おわりに

 以上、平成30年度の市政運営に当たり、私の所信及びこれを実現するための主要な施策につきまして、御説明申し上げました。
 平成30年度は、本厚木駅南口の再開発事業の更なる進展や、保健センター跡地における観光バスなどの発着場のオープンに加え、土地区画整理事業では、森の里東地区の整備はもとより、南部産業拠点酒井地区や山際・山際北部地区においても事業化に向けた動きが進んでまいります。
 また、新たに(仮称)地域包括ケア連携センターを設置するなど、地域包括ケア社会の実現に向けた取組を一層進めるとともに、10年の節目を迎えるセーフコミュニティの取組を世界に発信するため、アジア地域セーフコミュニティ会議を本市で開催いたします。
 このように平成30年度は、これまでまいてきたまちづくりの種が、更に大きく実っていく年であります。
 一粒の米から育った稲には5本の稲穂が実り、500粒の米ができるそうです。翌年500粒の米からは2,500本の稲穂が実り、25万粒もの米ができることになります。たとえ一粒の米であっても、水をやり、草を取り、手間をかけて育てれば、大きな収穫をもたらす可能性を秘めております。
 これは市政運営においても同様であります。将来にわたり持続可能な、発展し続ける都市を次世代へと引き継ぐため、これからも種をまき続け、大切に大きく育て、市民の皆様、そして、将来厚木市で暮らす全ての市民の皆様に「まこと」の「みのり」を実感していただくことができるよう、市政運営に取り組んでまいる所存であります。
 「あつぎ元気プラン」に掲げる将来都市像「元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市 あつぎ」の実現のため、市民の皆様並びに議員の皆様の、より一層のお力添えを心からお願い申し上げ、平成30年度の施政方針といたします。

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