相模のささら踊り(愛甲)
第17回厚木市郷土芸能まつり
県指定無形民俗文化財(平成20年2月5日)
所在地
愛甲
保持者
愛甲ささら踊り盆唄保存会
概説
今から200年くらい前の江戸時代中頃から、相模地方の農村で「ささら」という竹で作られた楽器や太鼓を鳴らして盆踊りを行う風習が伝わっていました。厚木の農村でも、明治時代中頃まではとてもはやり、毎年お盆になると村中の人たちが踊ったものでした。その後、明治の終わりの盆唄禁止の通知により下火になり、大正12年の震災を境にほとんどなくなってしまいました。昭和43年、愛甲地区で婦人会を中心に復活し「愛甲ささら踊り盆唄保存会」となりました。踊り方はわからなくなってしまいましたが、盆唄は昔のまま伝えられています。
また、昔は、隣り合う村の者たちが、お互いに相手方の悪口を言ったり、自分の村をほめる内容で唄い合う「掛け合い」が行われていました。ウタイックラとも呼ばれ、隣接する愛甲と長谷でも、ささらやたいこを持ち着物に赤タスキをかけた娘たちが、村境の堀(現在の玉川辺り)に集まり、互いにはりあったようです。かけ合いは当時の若者たちにとってのレクリエーションでもあったようです。
現代に受け継がれる相模のささら踊り
「相模のささら踊り」は、揃いの浴衣に帯を締めた襷掛けの女性が、「ビンササラ」と呼ばれる竹の楽器を鳴らし、小太鼓に合わせて優雅な振りで踊るものです。下記の盆唄に中世の風流を想わせる古風なものが残されている点が貴重とされています。
また、県内で上記の「掛け合い」が現在も受け継がれているのは「愛甲ささら踊り盆唄保存会」と「長谷ささら踊り盆唄保存会」のみです。
昭和46年7月1日に市の無形民俗文化財に指定され、平成20年2月5日には県の無形民俗文化財に指定されました。
盆唄歌詞
- お盆のぼたもちゃ 三日おきゃすえる
烏にやろか 鳶にやろか
とうとう鳶に さらわれた さらわれた - 愛甲の若い衆は 精性のものよ
ホソノちょうちん 愛甲と書いて
平塚通いの 程のよさ 程のよさ - おぼ盆ぼんよ オジャジャキジャキよ
踊りに来たなら 踊って帰れ
見物衆なら 見て帰れ 見て帰れ - 愛甲の八郎兵衛さんは 金持ちそうな
庭は裾で掃く 座敷は袖で
おしょうろ棚は 髪の毛で 髪の毛で - むこうの土堤に ささげ摘む女子
紅のたすきが キリキリしゃんと
あれこそほんの よい娘 よい娘 - 愛甲の踊り子に 仕着せをあげよ
白ちりめん五十反 桃色に染めて
裾にや鯉の 滝のぼり 滝のぼり - 七夕様よ 七夕様
一に短冊 二に歌書いて
三にさらりと 天の川 天の川 - 長谷の山九じゃ 倉が建ったそうな
遠くで見れば 白壁づくり
近寄ってみたら 鳩のクソ 鳩のクソ - 長谷の踊り子は なぜなぜこない
太鼓がないかや ささらがないか
なくば貸そう程に なぜ来ぬか なぜ来ぬか - 愛甲の八郎兵衛さんの 土用干しょ見たか
帯が七さお 小袖が八さお
吹けよそよ風 そよそよと そよそよと - 踊り見たけりゃ 愛甲へおいで
愛甲は名所 花踊り 花踊り
活動について
主な公演等
- 7月 相模ささら踊り大会
- 8月 南毛利南自治会 盆踊り大会
- 秋頃 郷土芸能まつり
- 通年 郷土芸能普及公演・郷土芸能出前体験教室
- 通年 イベント等での公演
稽古日程
随時、公演の状況に合わせて、更新を行っています。
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厚木市中町3-17-17
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更新日:2022年01月20日
公開日:2021年04月01日