ミニストーリー 下水道の歴史

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

下水道管に顔や手足が付いたキャラクターのイラスト

下水管くん

みなさんこんにちは!ぼく下水管です。下水道って知っていますか?

みなさんは世界で一番古い下水道が、いったいどこで造られたかご存知ですか?
 最も古い下水道は、今から4千年ほど昔に古代インド・モヘンジョダロで造られました。この下水道はレンガでできていて、各家庭からの汚水は底を抜いた大きなかめに集められてから、大通りの本下水道に流し、そこから川へと流していたのです。
 この下水道がすぐれていた点は、下水道の途中に沈殿池が設けられていて、ここである程度、汚れた水を浄化してから川へ水を放流していたことと、さらにレンガでできたマンホールがつくられていて、定期的に清掃まで行われていたということです。
 古代の人はこんなにすばらしい下水の処理施設を持っていたのに、中世ヨーロッパでは、し尿を農作物の肥料として使用したため、下水道にはあまり力を入れませんでした。そこで、産業革命後、都市に人口が集中し、し尿の処理に困ると、人々は道路や庭にし尿を投げ捨てたため、コレラなどの伝染病が流行し、多くの死者を出したということです。
 レディ・ファーストの国、フランスでは、この時代、紳士たるもの、歩道を歩くときは、建物の側を歩くことといって、女性に決して建物側を歩かせなかったということです。これは、アパートの窓からいつ降ってくるともわからない、し尿の雨から女性を守るためだったということですので、いかにこの時代衛生面でひどい状態であったか、みなさんは想像できますか。
 この衛生状態を打開するため、真っ先に下水道工事に手をつけたのは、イギリスでした。ロンドンで1855年から下水道工事が始まり、それまでテムズ川に直接流していた下水を、下水道を通し市街地より下流で流すようになりました。この方法を、ヨーロッパ・アメリカもまねをし、同じように下水を処理し始めました。
 しかし、人口も増え、工業も発達してくると、このような下水の処理方法では、なんの打開策にもならず、環境がどんどん汚染されていったのです。そこで、下水を浄化してから海や川に放流する技術が研究され、ついに1914年、イギリスで初の活性汚泥法(微生物を利用した下水処理法)を用いた下水処理場ができました。これは、現在厚木市の下水を処理している四之宮管理センターも採用している方法ですが、微生物の働きを利用して浄化する方法です。
では、日本の下水道の歴史は?といいますと、日本は農耕民族でしたので、昔からし尿を農作物の肥料として利用していました。そこで、し尿を直接川に流したり、道路に捨てたりというようなことはありませんでしたが、明治時代になって東京に人口が集中すると、大雨で家が水に浸かったり、溜まったままの汚水が原因で伝染病がはやるようになり、1884年に(イギリスから遅れること30年)東京の神田にヨーロッパ式の近代下水道ができました。しかし、活性汚泥法による処理場ができたのは、1930年になってからです。

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