【陳情第23号】「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」を国に提出することを求める陳情

更新日:2025年11月28日

公開日:2025年11月28日

陳情第23号 令和7年11月14日受理

件名

「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」を国に提出することを求める陳情

陳情者

横浜市中区桜木町三丁目9番地
横浜平和と労働会館6階

神奈川県労働組合総連合
議長 住谷 和典

付託委員会

 都市経済常任委員会

陳情の趣旨

神奈川地方最低賃金審議会(赤羽淳会長)は8月8日、神奈川県の最低賃金を現行(1時間1,162円)から63円(5.42%)引き上げ、1,225円とするよう神奈川労働局・児屋野文男局長に答申しました。上げ幅は厚生労働省の審議会が示した目安と同額ですが、神奈川地方最低賃金審議会は「中小企業・小規模事業者の構造的・継続的な賃上げに資するための中期的な施策として国が打ち出した『中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画』の着実な実行を要望する。その際、県・市町村を含む関係行政機関と密に連携し、企業が継続的に生産性向上や官公需を含めた適正な価格転嫁を実現できるよう、中長期的な支援策を具体化し、これらの事業者に対する支援策の周知及び活用の促進に努めるほか、各助成金制度の要件や申請手続等について、事業者に過分な負担が生ずることのないよう、関係行政機関が適切に運用すること」を求めています。

急激な物価上昇の局面において神奈川地方最低賃金審議会(以下「審議会」という。)では昨年に引き続き、最低賃金決定の3要素のうち生計費に着目した議論がなされました。神奈川県の最低賃金1,225円で月150時間働いても183,750円です。そこから、税金や社会保険料が天引きされれば、水道光熱費や住居費、食費、日用品費など生活に欠かせないものへの支払いは一層厳しくなり、健康的な食事や医療へのアクセス、交際費など、本来必要とすることを切り詰めなければ暮らせません。その状況は長引く物価高騰によって、ますます深刻となっています。

   今春闘での賃上げは物価高騰に届いておらず、最低賃金を含めた賃金の引上げによる非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められています。神奈川県の非正規雇用労働者比率は2024年では36.3%、そのうち女性が67.2%と前年から増加しています(出所 神奈川県労働力調査結果報告)。また、神奈川県における最低賃金の影響率は、事業所規模5人以上では10.3%・全国平均8.8%(出所 厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査特別集計)と全国の中でも高く、最低賃金近傍の労働者が多いことからも、最低賃金の引上げによる非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められており、より重視していく必要があります。

   JILPT「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」 (2024年)の概要では、「最低賃金引上げに対応するために期待する政策的支援」について、「賃金を引き上げた場合の税制優遇」と43.1%が回答し圧倒的に高い結果となっており、社会保険料の事業主負担の軽減を求める声が強くなっています。

陳情の項目

労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」としており、最低賃金法第9条は、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう」にするとしています。貴議会におかれましては、最低賃金を抜本的に引き上げること、中小企業支援策の拡充を実現することを、国に対して意見書を提出するよう陳情します。

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