【陳情第16号】公共施設内での労働組合加入、政党機関紙の勧誘等に関する調査及び是正を求める陳情
陳情第16号 令和7年8月26日受理
件名
「再審法改正を求める意見書」を国に提出することを求める陳情
陳情者
神奈川県横浜市旭区四季美台55番地の6
ハラスメントから職員を守る神奈川県民の会
代表 出井 健三郎
東京都葛飾区東新小岩1丁目1番1号 401
自治労と自治労連から国民を守る党
代表 浜田 聡
事務局長 小澤 正人
付託委員会
総務企画常任委員会
陳情の趣旨
「ハラスメントから職員を守る神奈川県民の会」は、自治体職員に対する心理的圧力を伴う政党機関紙の購読勧誘行為は看過できない問題であると考え、神奈川県内の全市町村に対し陳情を提出し、その結果、2025年6月議会では神奈川県で陳情が了承され、また16の市町村でも採択され大きく改善されました。
しかしながら、職員が望まない形で支出を行わざるを得ない事例は、政党機関紙に限らず、職員団体(例:自治労、自治労連等の労働組合)への加入・継続に関しても同様に報告されています。そこで今回は「自治労と自治労連から国民を守る党」と連名で陳情を行い、労働組合への加入・継続及び政党機関紙の購読勧誘に関する2つの問題について、改善を強く求めるものです。
第一に、労働組合(職員団体)への加入についてです。自治労や自治労連等の労働組合(職員団体)への加入が、職場内における「空気」や、先輩職員からの無言の働きかけなどにより、「加入して当然」との認識が根づいている例が見受けられます。その結果として、個々の職員が自らの信条に基づいて加入・脱退を判断する自由が実質的に尊重されていない、との懸念があります。
例えば、自治労は全国平均で63%の高い加入率(2023年時点)を維持しており、厚木市では536人が加入しているとの調査(厚労省2023年)があります。加入後は、給与の約2%(平均月額4000~6000円程度)が毎月組合費として引き落とされ、20年在籍すれば約120万円にも及ぶ計算となります。これほどの個人負担について、職員が主体的に加入や脱退を判断できるよう保障されるべきです。
しかしながら現場では、組合の活動や負担金の内容について十分な説明がなされないまま、形式的な同意で加入させられるケースが報告されています。加入後は、毎月数千円の組合費の支払いに疑問や負担を感じながらも、「一度入ると抜けにくい」として継続を余儀なくされているとの声も少なくありません。自治体によっては、脱退を申し出たことで職場内での扱いが悪化するなど、事実上の嫌がらせを受けたとする事例も報告されています。
加えて問題なのは、当該労組が特定政党・政治家への資金的・人的支援を行っているケースです。この場合、公務員である組合員が、自らの信条に反して間接的に政治活動へ協力させられている構造となっており、重大な人権上の問題を内包しています。
第二に、地方議員による政党機関紙の購読勧誘の問題です。庁舎内で議員が職員に対して政党機関紙の購読を勧誘する行為は、「議員からの働きかけは断りづらい」「断れば業務上の不利益を被るのではないか」といった心理的圧力を職員に与えることが多く、当該職員に精神的・経済的負担を強いている現状があります。
実際、全国33自治体で調査が実施されましたが、平均して57%の管理職が「心理的圧力を感じた」と回答しました。例えば、令和6年に東京都港区が行った調査では、購読勧誘を受けた管理職の79%が「心理的圧力を感じた」と答えています。
さらに現在購読中の職員においても「購読をやめたいが、断りにくく続けている」との声があります。山形市調査(令和7年)では心理的圧力を受けて購読した19人のうち、18人が「やめたい」「やめた」「断りづらい」と回答し、「勉強になるから続ける」はわずか1人だけでした。「自由意思による購読」という建前とは裏腹に、実際は「意に反した購読」が庁舎内で放置されているのです。
実際に、これらの問題に対応するため、85もの地方議会において、庁舎内の政党機関紙勧誘・配達・集金に関する実態調査や自粛を求める陳情や請願が採択されました。
特に、日本共産党所属の地方議員による機関紙販売が、庁舎管理規則に反して行われている点は、全国の自治体調査や議会質疑で度々指摘されています。加えて、職員が支払う購読費が特定政党の政治活動資金に使われている実態は、上記の労組問題と本質的に共通する課題です。
このような状況を放置することは、職員のメンタルヘルスや働く意欲を低減させ、さらに行政の健全性・中立性を損なう危険性があります。令和2年6月にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行され、地方公務員が保護の対象となっています。現在、全国121自治体でハラスメント防止条例が制定されており、貴自治体においても的確な対応が求められます。
本陳情は、行政職員が個人として政治的信条を尊重され、また業務上「不当な心理的圧力」から保護されるよう求めるものです。同時に、住民に対しては庁舎の政治的中立性を保障するという、極めて建設的な提案であると確信しております。
まずは、実態把握に向けた調査の実施と、必要に応じた是正措置の検討を、貴自治体にお願い申し上げます。
陳情の項目
1 自治労、自治労連等の労働組合(職員団体)に加入・継続にあたり、職員が負担感や心理的圧力を感じていないか、また加入時に十分な説明を受けたかを、職員に寄り添って、調査・確認してください。
2 厚木市議会では、既に実態調査を求める関連の陳情が2件採択及び趣旨採択されていますが、まだ調査が行われていません。庁舎内において、地方議員から職員への政党機関紙の購読勧誘の有無、また勧誘時に心理的圧力が生じていないかを、職員に寄り添って、調査・確認するよう改めて行政に求めてください。
3 上記の調査により、心理的圧力や経済的・精神的負担を感じている職員が確認された場合には、行政として適切な是正措置を講じてください。
この記事に関するお問い合わせ先
議会事務局 議会総務課 議事調査係
〒243-8511
厚木市中町3-17-17(市役所本庁舎5階)
電話番号:046-225-2701
ファックス番号:046-223-9535
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2025年09月05日
公開日:2025年09月05日