【陳情第21号】職員団体の組合費給与天引き(チェックオフ) 手続の適正運用及び行政の政治的中立性確保を求める陳情
陳情第21号 令和7年11月12日受理
件名
職員団体の組合費給与天引き(チェックオフ) 手続の適正運用及び行政の政治的中立性確保を求める陳情
陳情者
東京都葛飾区東新小岩1丁目1番1号 401
自治労と自治労連から国民を守る党
代表 浜田 聡
事務局長 小澤 正人
付託委員会
総務企画常任委員会
陳情の趣旨
行政の政治的中立性は、地方自治体が住民の信頼を得て公正に運営されるための最も基本的な原則です。地方公務員法第36条は、職員の政治的行為を制限し、庁舎内における特定政党や議員・候補者への支援活動を禁止しています。
しかし一方で、職員団体(自治労・自治労連など)においては、組合費が給与から自動的に天引き(チェックオフ)され、その一部が上部団体を通じて特定政党・議員・候補者の支援活動や政治的活動に充てられているとの報告があります(参考資料3~6ページ)。
この仕組みは、行政職員の給与支給事務という公的な財務システムを通じて、結果的に政治的活動を行う団体へ資金が流れる構造を生じさせており、「公金が政治目的に関与」しているように見える点で、適正性を欠くおそれがあります。
チェックオフは行政が給与システムを用いて組合費を一括徴収・送金することで、団体側が本来負担すべき事務手数料や振込手数料を免除する特定団体への便宜供与です。政治活動を行ったり特定政党・議員・候補者を支援する団体に対し、公的事務を通じて便宜を与えることは、「行政の政治的中立性を損なう」おそれがあります。
地方議会では、議員個人の会派費や政党支部費について給与天引きを廃止し、自主的な振込納付方式へ移行する事例も確認されています。
職員団体の組合費チェックオフについても、政治活動を行う、あるいは特定政党・議員・候補者を支援・支持する団体においては、行政の給与支給システムからの分離が望ましく、各職員が自らの意思で振込や口座引き落としにより納付する方式への移行を検討することが、公正で中立な行政運営の確保に資すると考えます。
一方、職員団体がチェックオフ制度の継続を希望する場合には、当該団体が庁舎内での政治的活動や特定政党・議員・候補者の支援表明を控える配慮を行い、行政との協議を通じて、住民に政治的中立性への誤解を生まないよう透明性の構築に努めることが求められます。
あわせて、地方公務員法第52条により、労働組合(職員団体)への加入・非加入は完全に任意であり、職員個人の自由意思が最大限に尊重されなければなりません。しかしながら、近年もなお、加入・非加入や活動参加において、職員の自由意思が十分に反映されない事例が報告されており(参考資料8~11ページ)、行政と職員団体は改めて職員個人の自由と意思決定の尊重を確認する必要があります。
以上の理由から、行政の労働組合(職員団体)によるチェックオフ制度の運用に際しては
1.行政の政治的中立性の確保
2.地方公務員法第36条に基づく政治的行為の制限
3.職員一人一人の組合加入・非加入、活動参加の自由の尊重
という三原則の下で、制度的な矛盾や不透明さを排除することが求められます。
これらの原則が住民に十分理解・納得される形で提示・公開されるよう、関係者間で制度運用を丁寧に再確認し、必要に応じて見直し・合意形成を行ってください。
なお、広島県ウェブサイトに掲載されている「組合費のチェックオフの注意点」(参考資料12ページ)に記載のとおり、チェックオフを運用するには、
- 当該事業場の過半数組合(ない場合は過半数代表者)と行政との間で労使協定(合意文書)を締結すること
- 個々の組合員から組合費支払いの委任同意を受けること
の2条件が必要です。
これらが欠けている場合は「違法状態」と評価される可能性があるため、速やかに確認し、行政の政治的中立性及び公金取扱いの適正性の観点から、疑念を生じさせないよう改善を求めます。
陳情の項目
1. 行政と職員団体の間で、チェックオフ(組合費の給与天引き)に関する明確な合意文書 (労使協定または覚書等)が締結されているか確認してください。
未締結の場合は速やかに締結し、その内容・法的根拠・運用手順を公表、ないし情報公開制度により取得可能な状態としてください。
合意に当たっては、行政の政治的中立性に十分配慮し、チェックオフを利用する職員団体が、庁舎内において特定政党(議員・候補者を含む)への支援や政治活動への呼びかけを行わない旨を明確に約束してください。
2. 組合員一人一人が署名した「チェックオフ同意書」を行政が保管しているか確認してください。
未整備の場合は改めて個別同意を取得するとともに、チェックオフの利用・不利用、組合の加入・非加入及び活動参加・不参加の自由が不利益な取扱いなく保障されるよう、加入手続及び停止手続の方法を明示してください。
3. 地方公務員法第36条の趣旨に基づき、庁舎・設備・資金を政治活動に利用しないよう、職員に対して政治的中立性を保持する義務の内容を、職員研修や通知等を通じて明確に周知徹底してください。
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2025年11月28日
公開日:2025年11月28日