自転車が主役になる日がやってくる!

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

自転車を楽しんでいますか?

 子どもの頃、初めて自転車に乗れた時の感動を覚えていますか?

 何回も転んだり、生け垣に突っ込んだりしながら、やっと乗れるようになったあの瞬間!

 自分がお兄ちゃん、お姉ちゃんの仲間入りをしたようで、とても誇らしく嬉しかった気持ちは、みなさん昨日のことのように思い出されるのではないでしょうか。

 自転車に乗ってすいすい走れるようになると、歩く時とは違った風の心地よさや風景がどんどん移り変わる様子を楽しむことができ、行動範囲がぐっと広がったことも自転車の魔法の力でした。

 大人になった今、車での移動が多くなり、自転車に乗らなくなってしまった方も多いのではないでしょうか。

ヨーロッパの街中は、自転車が主役

 ヨーロッパでは、コミュニティサイクルが盛んです。

 自転車天国と呼ばれるオランダを筆頭に、フランスのパリやルーアン、スペインのバルセロナやセルビア、スウェーデンのストックホルム、ベルギーのアントワープやブリュッセル、ドイツのベルリンやドレスデン、オーストリアのウィーン、イタリアのローマやトリノ、などなど、ご紹介しきれないほどたくさんの街で、コミュニティサイクルが盛んに利用されています。

 コミュニティサイクルとは、街中にレンタルサイクルのシステムを張り巡らす交通手段です。

 まず、いつでも貸出・返却ができる自転車を常備した貸出・返却ステーションを街のあちこちに設置します。レンタルサイクルを借りたい人は、好きなステーションから貸出を受け、好きなステーションで返却ができます。ステーションの多くは、無人で24時間貸出・返却ができるようになっています。

 例えば、朝、家のそばのステーションで自転車を借りて、職場や学校の近くのステーションに返せばOKです。利用料は、30分間は無料のところが多いようです。その後、時間ごとに課金されます。パリの例をとると、市内に約1,500箇所のステーションに合計約2万台の自転車が設置され、最初の30分は無料、次の30分は1ユーロ、30分から60分は2ユーロ、60分から90分は4ユーロと格安で利用できるようです。

 実際に、コミュニティサイクルを利用して通勤・通学をしている人たちは、車通勤と比べ交通渋滞に悩まされたりせず所要時間が一定であることや電車通勤に比べ混んだ電車のストレスから解放されるなどの心理的負担の軽減に加え、季節の移り変わりを楽んだり、健康増進に繋がったりと、自転車に乗ることによって心が元気になると感じているようです。

 普段から自転車に慣れ親しんでいるためでしょうか。休日には、恋人や家族と自転車で遠出をしたり、ショッピングを楽しんだりと、自転車は楽しみを創出する道具としても利用されています。こういった国では、電車や船に乗るのに、自転車を押して乗り込む様子も日常的な光景だったりします。

今国会で「自転車活用推進法」が成立しました!

 第192回国会で「自転車活用推進法」が成立しました。

 みなさんもお気づきのように、最近、自転車の専用通行帯をよく見かけるようになりました。また、サイクルアンドバスライドと言って、バス停の近くに自転車駐輪場を設置し、自転車と公共交通機関を乗り継ぐことができるシステムを本市でも推進しています。

 今回成立した法律は、自転車の活用を推進するために、このような様々な取組について体系的に取り組んでいこうとするものです。

 どんなことに取り組もうとしているのか、少しご紹介します。

1 安全を確保しながら自転車の活用を推進しよう!

 自転車を活用すると、こんな良いことがあります。

  1. 環境への負荷を低減できます。(CO2、大気汚染、騒音、振動)
  2. 災害時の交通機能を維持できます。
  3. 国民の健康を増進することができます。

2 自転車の活用を推進するために、それぞれが役割を果たすことが求められています。

  1. 国、地方公共団体
    • ア 自転車の活用の推進に関する施策を策定し、実施します。
    • イ 情報の提供と国民・住民の理解を深め、協力を得るよう努めます。 
  2. 事業者
    • ア 自転車と公共交通機関の連携促進等に努めてください。
    • イ 国や地方公共団体が実施する施策に協力してください。 
  3. 国民
     基本理念について理解を深め、国や地方公共団体が実施する施策に協力してください。 

3 重点的に検討し、実施する施策には次のようなものがあります。

  1. 自転車専用道路や自転車専用車両通行帯等の整備
  2. 路外駐車場の整備と時間制限駐車区間の指定の見直し
  3. 利用者の利便を増進するための施設の整備
  4. 自転車競技のための施設の整備
  5. 安全で良質な自転車の供給体制の整備
  6. 安全な利用に寄与する人材の育成と資質の向上
  7. 情報通信技術等の活用による自転車の適正管理
  8. 交通安全に係る教育及び啓発
  9. 自転車の活用による国民の健康の保持増進
  10. 学校教育等における自転車の活用による青少年の体力の向上
  11. 自転車と公共交通機関との連携促進
  12. 災害時に自転車を有効に活用するための体制の整備
  13. 自転車を活用した国際交流の促進
  14. 自転車を活用した国内外からの観光旅客の来訪の促進、観光地の魅力の増進その他の地域の活性化への支援
  15. その他自転車の活用の推進に関すること

4 「自転車の日」と「自転車月間」を定めます。

  • 「自転車の日」 5月5日
  • 「自転車月間」 5月1日から31日まで 

 この法律は、公布から6か月後に施行されますが、それまでに、自転車の道路交通法違反への対応や事故が起きた場合の損害賠償保証制度について検討し、必要な措置を行っていくとしています。
 この法律の延長線には、ヨーロッパのように自転車が大切な交通手段となる日本の未来が広がっています。

楽しい自転車生活を始めるための機運を高めていきましょう!

 なによりも、この法律に実効性を持たせていくためには、「自転車に乗るのって楽しいな!」と感じる環境づくりが必要です。それは、安全に自転車を利用する環境を整えることも必要ですが、みなさんの気持ちの高まりがとても大切ではないかと思います。ですから、ぜひ法律の施行に向けて、今からできることに取り組んでいただけたらと思います。

 例えば、子どもたちに安全な自転車の乗り方をレクチャーしたり、近所の買い物には自転車を利用したり、旅先でサイクリングを楽しんだり、自転車に乗っていて楽しいと思った瞬間を誰かに伝えたり…というようなことから始めてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、私ごとですが何年か前に奈良を旅行した際、レンタルサイクルで遺跡巡りをしてみました。お天気も良く、地図と道路に点在する標識を頼りにのんびりと遺跡を探して走ります。細い田舎道を走っていくと、両脇に野菜畑の広がる小さな道が。畑の野菜を愛でていると、「どこから来たのぉ?」と声を掛けられ、「お野菜もっていくかい?」と聞かれて温かい気持ちになりました。また、小さな鳥居のある井戸のそばで、のんびりとこちらを観察している茶色い猫に話しかけてみたり、舗装されていない道(私の小さい頃はこういった道を「がたごと道」と呼んでいましたが)にある小さなお店(お野菜と駄菓子と飲み物を売っていた記憶があるのですが)で飲み物を買って、お店の前のベンチに腰かけて、周り一面畑の静かな静かな空間を楽しんだりと、まったりとした濃密な時間を体験いたしました。車だと通りすぎてしまう小さな愛しい旅の思い出は、自転車だからこその体験ですよね!

 さあ、ぜひ、みなさんの自転車体験も聞かせてください!

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