令和元年8月 バスで行く施設見学会に行ってきました!

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

今年も行ってきました!「バスで行く施設見学会」

 環境を保全するために自ら何ができるか考える機会を創出するため、毎年実施している「バスで行く施設見学会」。
 今年は、静岡県小山町にある「森の金太郎発電所」、「サンファーム富士小山」、「富士総業株式会社木質ペレット工場」を見学した後、神奈川県松田町を訪れ、「やどろき水源林」を見学する盛沢山な見学会でした。
 小山町では、バイオマス燃料に着目し、富士総業株式会社の木質ペレット工場で木質ペレットが作られ、サンファーム富士小山で名産である「アメーラトマト」の栽培にペレットが使用されたり、森の金太郎発電所で発電に使用される様子を見学させていただきました。森の金太郎発電所では、両面太陽光パネルも見学させていただきました。
 松田町では、昨年の「バスで行く施設見学会」でも講師を務めていただいた小山田さんに、やどろき水源林を御案内いただき、人工林を管理する大切さを学び、耕作放放棄されていた(おひるねしていた)畑で育てたみかんでジュースを作る「おひるねみかんプロジェクト」についてお話を伺いました。

「森の金太郎発電所」の両面太陽光パネル

 金太郎生誕の地として知られる静岡県小山町にある「森の金太郎発電所」は平成30年9月に開所式を行ったばかりの発電所です。
 森の金太郎発電所では、未利用間伐材を活用した木質ペレットを資源とした発電を行うと同時に、降り注ぐ太陽光だけでなく、地面に反射した太陽光からも発電を行うことが出来る両面太陽光パネルによる太陽光発電も行っています。
 「森の金太郎」という名前は公募を行い、川崎市在住の方のアイディアが採用されたそうです。

木質ペレットが入った白いタンクと燃焼灰が入った青い袋の写真

(写真右側の白いタンクには木質ペレットが、左側の青い袋には燃焼灰が溜まっています)
 森林が豊かな小山町では、近隣山地の間伐材等を有効活用して作った木質ペレットを燃料として発電する、木質バイオマス発電を行っています。
 山は、手入れをせず放置すると荒れてしまうため、間伐等の手入れを行うことで、管理をすることができます。木質ペレットの使用は、燃料として地球にやさしいだけでなく、山を守ることにもなるのです。
 木質ペレットを使用した発電により出る燃焼灰は現在、無償で肥料として提供していますが、今後は、近隣山地で肥料として使用することで、山地の強靭化と資源の循環を目指しているそうです。

屋根に設置された太陽光パネルの見学をしているツアー参加者の写真

 二階にある展望スペースでは、発電所の屋根に設置されている太陽光パネルを間近で見て、触ることもできます。
 参加者の皆様も興味深げに太陽光パネルを眺めたり、触ってみたりしていらっしゃいました。
 現在は売電のみを行っていますが、熱の利用方法も検討を行っているそうです。

木質ペレットを燃料として使用する「サンファーム富士小山」

 総栽培面積が4ヘクタールにも及ぶサンファーム富士小山では、糖度が高く甘いことで有名な「アメーラトマト」の栽培を行っています。「アメーラ」は静岡弁で「甘いね」という意味だそうで、通常のトマトは糖度が4度を超えると甘いと言われていますが、アメーラトマトは出荷基準を夏場は7.4度、冬場は8度に設定しています。

木質ペレットが使用されたトマトハウスの写真

 ハウスごとに作付け時期をずらすことで、年中トマトの収穫を可能にしています。そのため、ハウス内の温度を保つ必要があり、そこで活躍するのが、木質ペレットです。
 重油でハウス内を温めた後は、木質ペレットを燃料に切り替えハウス内の保温を行います。地域資源の木質バイオマスと重油のハイブリッド暖房により、重油の使用量を抑え、地球にやさしいトマト栽培を行っているのです。

地元の木材から木質ペレットを製造する「富士総業株式会社木質ペレット工場」

 木質ペレットが使用ざれる施設を2か所見学した後は、その木質ペレットを製造している工場を見学させていただきました。
 木質ペレット工場に到着すると、タイミング良く木材が運ばれて来るところを見ることができました。

山積みされた、商品にならない丸太の写真

 写真の木材は、一見真っ直ぐに見えますが、曲がっていたりして、商品にすることができないそうです。
 そういった木材を使用して、木質ペレットは作られます。

運ばれてきた木材と粉砕する機械の写真

 先ずは、運ばれてきた木材を順番に粉砕していきます。

粉砕されて粉になったおが屑の山の写真

 おが屑は、乾燥されてからペレタイザーで圧力をかけてになりますが、乾燥する際には、乾燥したおが屑を燃料として使用しているそうです。

ビニールの入れ物に入った大量のペレットの写真

 完成したペレットは、企業の他に、ペレットストーブを使用する個人のお客様に購入されます。
 小山町で不要となった間伐材を使用することで、森を管理することもでき、地球にやさしい燃料を製造することもできるのです。
 できるだけ地元の不要となる木材を活用することが大切であるというお話を聴かせていただきました。

お昼は小山町で

 お昼は、見学させていただいた施設の近くにある「小山茶寮」でいただきました。
 平日でしたが、多くのお客様で混みあっていました。
 参加者の皆様は、それぞれ好きな食事を注文して、食事を楽しんでいらっしゃいました。
 お昼が済んだ後は、「道の駅ふじおやま」に立ち寄りました。
 金太郎サブレなど、小山町ならではの商品が沢山ありました。

看板に金太郎のオブジェがついた道の駅ふじおやまの建物の写真

松田町の取組と「やどりき水源林」

 小山町を後にしてバスに揺られ、松田町のやどろき水源林へ。
 水源林の近くにはドッグランや釣り堀があり、川辺ではレジャーを楽しむ方々の姿も見られました。

細い山道を歩いているツアー参加者の親子連れの写真

 小山田さんと合流し、山の中に、少しだけ足を踏み入れさせていただきました。
 小山田さんは、放棄された畑をおひるねしていた畑と言い、おひるねみかんジュースを作っていらっしゃいますが、この山のことも「おひるねしていた山」と表現されていました。

山の斜面に沢山の折れた木が倒れている写真

 想像していたより多くの木が倒れていました。
 木を切るためには、倒れる方向を計算するなど、細心の注意を払わなければ、大きな事故にもつながりますが、山を健康に保つためには、大切な作業です。
 山の入口を少し進んだだけでも、ヤマビルを何匹か見かけましたが、これは、山の動物たちが、下の方に降りてきた結果、動物についたヤマビルも一緒に増えてしまっているそうです。

取り組みについて話をしている小山田さんと資料を見ながら説明を聞いているツアー参加者の写真

 水源林の見学を終え、宇津茂自治会館で、松田町の取組についてお話を伺いました。
 松田町は、かつてはみかんが名産で、みかん農園も多くありましたが、徐々に遊休農地が増えてしまいました。
 そんな休耕地を活用して作られる「まつだおひるねみかんジュース」は果汁100%で、まつだブランドに認定され、ふるさと小包でも販売されている、人気商品です。
 おひるねみかんは、ジュース以外にも、アイスやゼリーがあり、まつだブランドに認定されています。
 自然環境の保全と地域の活性化のための松田町の取組についてわかりやすく御説明いただき、とても勉強になりました。

おひるねみかんジュースの写真

(松田町で収穫したみかんで作ったジュース)

参加者された皆さんの感想から

  • 環境のための行動は、ブームとは違い、長期的にできることがポイントだと感じました。森の金太郎発電所は、20年間売電するとのことで、10年後にまた行きたいです。有名な発電所になってほしいです。環境を守るためには、時間や手間、知恵が必要なことを頭に入れて過ごしていけたらと思います。夏の思い出になりました。ありがとうございました。
  • とても楽しく環境について学ぶことができました。今回は、このような機会を与えてくださり、ありがとうございました。
  • 山の木がこんな状態になっているのを実際に見て、とてもショックでした。自分の知らない現実がわかり、とても勉強になりました。
  • トマトの案内の方が常に笑顔でとても気持ちが良い。食べてみたいと感じた。松田町での取組もよくわかった。厚木ではどのような問題があるのか、どのように取り組んでいるのか勉強したいと思います。地元が抱えている問題、取組について市民はもっと知っておくべきだと思います。
  • ソーラーパネルに触ることができて嬉しかった。
  • 夏休みに、子どもが普段行かない所に行けて良かった。
  • 個人では見学できないような場所だったので良かったです。
  • 自分たちの身近にある自然のエネルギーをもっと活用できれば良いと思いました。

(公開日:令和元年9月1日)

イベント開催日

2019年8月7日

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