令和8年度厚木市総合教育会議第1回会議 会議録

更新日:2026年07月03日

公開日:2026年07月03日

令和8年度厚木市総合教育会議第1回会議
会議主管課 企画政策課
会議開催日時 令和8年6月22日(月曜日) 午後1時から午後2時30分まで
会議開催場所 本庁舎 3階特別会議室
出席者 山口市長、佐後教育長、山本教育長職務代理者、宮崎委員、髙木委員、陳内あつぎ未来共創フェロー
事務局 企画部長、教育部長、教育指導担当部長、企画政策課長、DX推進課長、こども育成課長、保育課長、教育総務課長、教育指導課長、教職員課長、教育研究所長
説明者 陳内あつぎ未来共創フェロー、教育研究所長、こども育成課長
傍聴者 なし

 

会議の経過は、次のとおりです。

令和8年度厚木市総合教育会議第1回会議

1 案件
 (1) 教育DXの推進について

2 報告事項
 (1) 厚木市立小・中学校の教職員に関する働き方改革実施計画について
 (2) 幼保小連携推進事業について

 

1 案件
 (1) 教育DXの推進について

【山口市長】

次第の3 案件(1)「教育DXの推進について」を議題とする。

ア 教育研究所長から資料1に基づき説明。

 

【山口市長】

続いて、陳内フェローからお話を伺う。

 

イ 陳内フェロー講話(20分間)

・教育DXやAIは「冷たいもの」ではなく「温かいもの」であり、こどもが真ん中にいながら先生が楽になるという、人間らしいものであるべきである。

・厚木市教育大綱で示す基本理念「未来を創る人づくり」を実現するためのツールとして教職員がAIを使いこなすことで、こどもと向き合う時間が増え、働き方改革につながるものである。

・DXは、単に紙をデジタルに置き換えるだけではなく、何を「やめる」かの意思決定をすることが重要。国は校務におけるAI活用率50%を目標としており、むやみな紙の使用や押印を始めとする作業の廃止等、厚木市も目標を定め、推進していくべきである。

・DX推進には、教育委員会や市長がAI責任者を置く等、組織と人材が一体となった本気の推進体制が必要であり、AIにできることはAIに任せ、職員は職員にしかできないことに専念し、残業ゼロを目指すべきである。また、推進に当たっては、教務DXより、校務DXを優先し取り組む必要があると考える。

・文部科学省が示すデジタル化のプロセス1(デジタイゼーション)→2(デジタライゼーション)→3(デジタルトランスフォーメーション)の順ではなく、ゴールのイメージを最初に作り、ゴールに向けた計画を立てる「バックキャスティング」が重要である。

・AI活用には教職員が自身のスマートフォン等を用いるのではなく、一元的に管理運用が可能な安全なAIツールを活用することが不可欠であり、厚木市として率先して取り組むべきである。

 

ウ フリートーク

【山口市長】

ここからは、私も含め、教育委員の皆様と意見交換をさせていただく。陳内フェローのお話を踏まえ、意見や質問等、自由に発言をいただきたい。

 

【宮崎委員】

学校現場ではICTに抵抗のある教職員もいるため、AIを導入する際にサポートする人材(AIアドバイザーなど)が学校内に必要ではないか。ICT推進の際はサポーターがいた。

 

【山本委員】

教育においては、アナログな「情操」の部分(例:自然との触れ合い)がある。AIが科学だとすると、アナログな「情操」の部分をどのように共存させていくのがよいか、考え方を伺いたい。

 

【陳内フェロー】

情操教育は重要な視点。AIには理系のイメージがあると思うが、情操教育とAIは対立するものではない。次の教育大綱を策定する時にはAIの要素を取り入れていくと思うが、AIを原則とするのではなく人を重視した上で、AI時代においてどのようなこどもになってほしいかというビジョンを最初に持っておくことが重要である。

 

【山本委員】

「大人の学び直し」について、厚木市の環境を踏まえた具体的なヒントがあれば聞かせてほしい。

 

【陳内フェロー】

学校の空きスペースを活用したAIリテラシーやスマホ教室、インターネットを活用した講義などが考えられる。予算をかけずに実施でき、地元の学校や母校を会場とすることで、地域貢献や関係人口の創出にもつながる。

 

【山本委員】

GIGAスクール構想の進展に伴い、高校や大学でのBYOD(Bring Your Own Device)も問題となる。情報リテラシーの観点から、こどもたちの間で情報の格差が生じる可能性についてどう考えるか。

 

【陳内フェロー】

格差は存在し、放置するとさらに広がる。日本の端末普及状況を活かして、端末を活用しながら実験的に、こどもたちを育成していく必要がある。学習が進んだこどもたちに対しては、大学などと連携してより高度な学びを戦略的に提供すべきである。

 

【山本委員】

AIリテラシー教育において、どの発達段階で、どの程度モラルを伝えていくべきか、具体的なヒントを伺いたい。

 

【陳内フェロー】

AIリテラシーは何よりも重要。最低限のところでは、AIを鵜呑みにしないことを大人がこどもに教えていく必要がある。発達段階に応じた教育内容については国が計画策定を進めているが、それを待たずとも、先進自治体のやり方を模倣しながら、まずは先生方が先にAIを知り、校務において活用していくことが重要である。

 

【佐後教育長】

既に個人でAIを使っている教職員もいると推測されるが、これを公に使えるよう、校務での活用例も含めオープンにすることが重要だと思っている。そのルール作りの上で心配な点が2点ある。

1点目は、厚木市のAI環境の安全性についてであり、児童・生徒の所見やクラスの成績分析等、外に漏れてはいけない情報の安全面について不安がある点。

2点目は、意図的な誤情報を見抜く力など、先生側のリテラシー教育をどのようにしていけばよいかという点。

 

【陳内フェロー】

安全性については、そもそもAIには個人情報を入れないなどの基本的なAI活用ルールを一元的に制定し浸透させることが重要である。また、個人で有償版のAIを使用することについては、(インターネットを経由して複層的に情報収集をするという意味で)情報漏洩のリスクがあるため、業務での使用を禁止するルールを教育長が中心となって決めることを推奨する。

先生側のリテラシー教育については、他の自治体の成功事例を参考にしながら進めるのがよいのではないか。また、厚木市学校教育情報化推進計画にはAIの記載がない。「情報化」という言葉は古い印象があるため、「AI」という言葉を用いて計画を策定するのがよいのではないか。

 

【髙木委員】

陳内さんがおっしゃっているのは、厚木市学校教育情報化推進計画ではなくて、AI計画を策定するべきということか。

 

【陳内フェロー】

厚木市学校教育情報化推進計画の約半分は、AIについて検討する段階にあるということ。何のための情報化計画なのかというビジョンが明確である必要がある。DXがこれだけ加速したのは、「忙しさを抜本的に解決するツール=AI」ということが提唱されたからであり、今後はAIを軸とした計画の策定をするのがよい。

 

【髙木委員】

AI導入以前に、ファックス番号を使う学校もあるなど情報化が進み切っていない現状では、AIを導入することには困難な面がある。そのような中で、教職員にAI活用を浸透させるために、どのようにするのがよいか。

 

【陳内フェロー】

AIの導入に当たっては、教育DX以前の部分に課題がある場合、困難な面もあるが、AIはアナログと対立するものではなく共存するものである。

まずは、校長や教頭などの管理職がAIを活用することが極めて重要であるため、管理職研修から進める自治体も多い。AIの計画はビジョンレベルでよいので、経営者層や管理者層を集めて議論を深め、合意形成を図ることから始めるのがよいのではないか。そのような研修の場には、是非フェローを活用いただきたい。

 

【佐後教育長】

8月に、校長を対象とし、小出フェローに講話いただく機会を設けるため、校長の意識が変わってくるかもしれない。

 

【山口市長】

スウェーデンなどの先進国では、アナログ回帰の動きもある中、厚木市が先行的にどのようなことを進められるか。

 

【陳内フェロー】

欧米諸国のアナログ回帰の動きについては様々な見解があるため、それほど気にすることはない。

文部科学省では、およそ10年刻みに今後の方針を決めるが、現在はAIの進化を前提とした議論をしているため、国の動向も踏まえつつ、こどもや教職員のための変革という軸を振らさずに、厚木市が先行して何を進められるかを検討する必要がある。

また、教務より校務が優先であることは間違いない。

 

【山本委員】

AIによって深く思考する機会が減り、将来的に思考力が低下する恐れはないか。そうさせないために、こども・大人ともにAIとどのように付き合っていくべきか、ヒントを伺いたい。

 

【陳内フェロー】

明確な答えは無いが、AI時代に必要な能力は「質問力」であると言われている。何をしたいのかという意思やコミュニケーション能力の重要性はこれまでと変わらない位置にあり、それらを駆使した質問をAIに投じることで、これまで発生していた無駄な作業をゼロにしていくことが目的である。AIに任せてよいものとそうでないものを決め、厚木市の教育に必要なものを考えていく必要がある。

 

【山口市長】

たいへん有意義な意見交換の場となった。今後においても、こどもの学びの質向上と教職員の働き方改革を両立させ、デジタル時代に対応できる環境づくりを推進していく。

 

2 報告事項

(1) 厚木市立小・中学校の教職員に関する働き方改革実施計画について

【山口市長】

続いて、報告事項(1) 「厚木市立小・中学校の教職員に関する働き方改革実施計画について」事務局から説明いただく。

 

教育研究所長から資料2に基づき説明。

 

【山口市長】

説明いただいた「厚木市立小・中学校の教職員に関する働き方改革実施計画について」、意見等があれば発言をいただきたい。

 

【宮崎委員】

厚木市立小・中学校の教職員に関する働き方改革実施計画には、AI活用に関することが反映されていないが、4年間の計画の中で今後どのように対応していくのか。

 

【教育研究所長】

AI活用については、策定を進めている厚木市学校教育情報化推進計画における3年間のアクションプランの中で取り入れていきたいと考えている。

 

(2) 幼保小連携推進事業について

【山口市長】

続いて、報告事項(2) 「幼保小連携推進事業について」事務局から説明をいただく。

 

こども育成課長から資料3に基づき説明。

 

【山口市長】

説明いただいた「幼保小連携推進事業について」、意見等があれば発言をいただきたい。

 

【宮崎委員】

令和6年度後半から教育委員会と市長部局が一体となって進めていただき、カリキュラムフォーマットが出来上がったこと、大変素晴らしいと思う。

本事業については今後が大事だと考える。モデル地域を先行して進めていただいているが、幼稚園や保育園の先生方からは、学校とのコミュニケーション不足や交流の機会が不足しているという声もある。特に小学校の校長に理解と協力をしていただき、受入態勢を整えていただかないと、なかなか進まないのではと思う。

一方で、小学校側の負担が増える点も懸念されるので、双方の意見を聞きながら、本事業の効果を発揮できるようにしていただきたい。

 

【こども育成課長】

グループによって進み具合が違っている点もあるので、今後どのように取り組むべきか検討しなければならないと思っている。

人数の多い小学校では連携する幼稚園・保育園が多く、小学校に負担がかかるので、軌道に乗るまで、市が一緒に活動をしていく。

 

【佐後教育長】

これまで教育委員会、こども育成課、保育課で連携しながら素晴らしいものを作り上げていただいたと思っている。今後は、よい事例やよい効果を小学校に伝えながら本事業を推進してく必要がある。

 

【髙木委員】

アプローチカリキュラムとスタートプログラムの両方を経験したこどもたちが出てくるのは来年度であるため、今年度の検証も行うことと思うが、来年度の成果検証が非常に重要なものとなる。

カリキュラム研究会には、各小学校から代表者1名に出ていただいているが、その先生方は現時点で1年生を担当しているのか、複数のクラスがあった場合に共有されているのか、また、土台を作った先生が異動した場合の対応はどのようになっているのか、懸念点がある。

本事業は校長への理解も重要だが、1年生の担任が連携の重要性を理解し、可能なら担任を持つ前の1年間を含む2年計画のように余裕をもって体制準備をすることで、より効果を発揮するのではないだろうか。

 

【こども育成課長】

スタートプログラムへの接続について、アプローチカリキュラムを経験したこどもが小学校のスタートプログラムを経験するのは来年度以降になるため、しっかりと検証していく。

 

【山本委員】

10ページの今後の流れを拝見すると、スケジュールでは既に令和9年度の計画も入っており、来年度後半には第2版を公表するとのこと。先生たちが大変多忙な中では、コーディネートする市の役割が非常に重要になってくる。

関係部署の方々が、幼稚園、保育園、小学校の先生方とタッグを組み、良いものを作ってくれることを期待している。

 

【山口市長】

案件がすべて終了したため、進行を事務局に返す。

 

【事務局】

これをもって第1回会議を終了する。

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