令和5年度施政方針

更新日:2023年05月26日

公開日:2023年05月26日

はじめに

令和5年厚木市議会第4回会議6月定例会議の開会に当たり、私の厚木市政に対する所信の一端を申し述べるとともに、主要な施策について御説明申し上げ、市民の皆様並びに議員の皆様の御理解と御協力を賜りたく存じます。

私が、市民の皆様からの御信任をいただき、第6代厚木市長に就任してから3か月が経過いたしました。この間、多くの方々から御提言、御助言を賜るとともに、本議会に提案しております補正予算の編成過程において、市政の実情を把握すればするほど、温故知新の思いを更に深め、舵取り役として、その責任の重さをひしひしと実感し、改めて、ふるさと厚木の輝かしい未来に向け、私たちの手でしっかりとこのまちを築き上げていかなければならないと強く決意したところでございます。

「未来に何かを起こすには、勇気を必要とする。努力を必要とする。信念を必要とする。その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは、未来はつくれない。」

私が尊敬してやまないピーター・ドラッカーの言葉です。市民の皆様から厚木の未来を託された私は、このまちに眠っているたくさんの可能性を掘り起こし、厚木愛炸裂の想いを市民の皆様と共に、過去から現在、そして未来へ向けて、魅力あふれるまちとして磨き上げていきたいという熱い想いを持ち、市政に取り組んでいくことを信条として、勇気をもって邁進してまいります。そして、市民の皆様にお約束した公約、「県央姉妹都市構想」や「まずはやりたい8つの政策」を第一に、スピード感をもって、推進してまいります。

我が国では少子高齢化が進み、人口減少が顕著となってきております。都市間競争が激しさを増す中、むしろ基礎自治体は都市間協調を図り、これまで以上に周辺自治体との広域的な連携を強化し、圏域による競争力を高めていく必要があります。

「県央姉妹都市構想」では、秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村との連携を深め、地域の宝である大山・丹沢を核とした観光や農業の振興、厚木秦野道路の早期整備とそれに伴う沿道整備などをエリア一体となって推進してまいります。行政間の壁を越え、職員交流を積極的に行い、お互いの情報や資源を共有しながら、効率化を図り、行財政改革に取り組むことにより、これまで以上に県央地域の存在感を高め、それぞれの市町村の相乗的な発展を目指してまいります。

8つの政策では、まず子育てや教育に関する施策として小・中学校給食費無償化、18歳までの医療費無償化、小・中学校適正規模、統廃合の再検討を掲げました。不安のない子育てをするためには、経済的な支援が不可欠です。本市の充実した子育て支援の継続に加え、近年の物価高騰にも的確に対応してまいります。また、次代を担う子どもたちを地域の中で健やかに育んでいくため、「子育ては厚木に限る」「教育は厚木に限る」と言われるよう、子育て・教育で選ばれるまちの実現を目指してまいります。

高齢者を始めとした福祉の充実に向けては、高齢者の社会参加や健康・生きがいづくりを応援していくため、かなちゃん手形を購入する際の個人負担を軽減してまいります。また、民間事業者と連携を図り、地域に密着して運行するコミュニティ交通を推進するなど、支援が必要な方々の生活の質や利便性の向上に取り組んでまいります。

市街地の整備に向けては、中心市街地を「生まれ変わらせる」ために、本厚木駅北口や中町第2-2地区、本庁舎跡地周辺などの区域全体の整備を面として再検討し、市民の皆様の期待に応えると同時に、県央の雄都として、機能的なデザインによる街並みを構築してまいります。

農業振興に向けては、先に述べた広域連携の中で、鳥獣被害対策や農業従事者対策に一体的に取り組んでまいります。また、地場農畜産物を学校給食へ積極的に取り入れるなど、地産地消の取組を進めるとともに、高騰する物価に対する適切な支援や対策を通じ、厚木の農業を守ってまいります。

スポーツや文化芸術の振興に向けては、市民の皆様の生き生きとした活動を応援するため、イベント、公演などの開催や施設の整備に取り組み、スポーツや文化芸術の聖地づくりを進めてまいります。また、本市に伝わる歴史にも光を当て、市民の皆様の誇りへとつなげてまいります。

これらの8つの政策を推進し、持続的に発展し続けるためには、強固な財政基盤の構築が必要です。多くの優良な企業が集積していることによる強い財政力を更に盤石なものにするため、全力で行財政改革に取り組み、効率の良い行政基盤の確立を図るとともに、恵まれた都市インフラを活用した企業誘致を推進してまいります。

また、都市インフラを最大限にいかしたまちづくりを進めつつ、市民の皆様のスムーズな移動環境づくりの実現に向けて、市内における交通混雑の緩和を図り、交通環境の改善に取り組んでまいります。

市民の皆様が心豊かに安心して暮らせるまちの実現に向けては、気候変動に伴い激甚化・頻発化する風水害や地震、年々罹(り)患者数と死亡者数が増加しているがんなど、あらゆる脅威から市民の皆様の命と暮らしを守り抜く施策にもしっかりと取り組んでまいります。

今までも述べてまいりましたが、私が市政を運営していくに当たり、皆様にお伝えしたいキーワードは「厚木愛炸裂」でございます。私の心から、体からあふれるふるさと厚木への想い、素晴らしい魅力に満ちあふれたあつぎを全国、全世界へ向けて市民の皆様と共に発信していきたいという熱き想いを込めております。

今般提案いたします補正予算につきましては、この「厚木愛」を、市民の皆様、議員の皆様と共有し、全国から憧れを抱かれ、市民の皆様お一人お一人が誇りを持ち、住んで良かったと感じられる魅力あふれるまちを実現するため、新たな重点施策を中心に編成いたしました。年度当初に措置いたしました予算に今回の補正予算額を加えた一般会計の予算総額につきましては、971億円を超え、特別会計を合わせた総額としても1,645億円を超える、いずれも過去最大の予算となります。

それでは、令和5年度の主要な取組につきまして、御説明申し上げます。

県央姉妹都市構想の実現に向けた取組

始めに、県央姉妹都市構想の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

観光振興につきましては、5市町村の連携を今まで以上に深め、観光資源の相互補完や地域ブランドの共有化等、相乗効果やスケールメリットを最大限発揮し、地域全体を活性化してまいります。

鳥獣被害対策につきましては、県や近隣自治体との連携により、鳥獣に対する侵入防止対策や捕獲・追い払い、市民の皆様や関係者による環境整備等、横断的な対策を推進してまいります。

厚木秦野道路につきましては、東名高速道路や新東名高速道路、圏央道等と相互に連絡する広域的かつ地域内の重要な交通ネットワークの役割を担っており、早期の開通に向け、事業推進に取り組んでまいります。

また、県や伊勢原市、秦野市等の関係自治体と連携しつつ、国等へ積極的に要望してまいります。

「子育て・教育で選ばれるまち」の実現に向けた取組

次に、「子育て・教育で選ばれるまち」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

小・中学校給食費の無償化につきましては、小・中学生を育てる家庭の負担を軽減し、本市の将来を担う人材となる子どもたちの健やかな成長に欠かせない、安心で充実した食の環境を社会全体で支えるため、実施に向け取り組んでまいります。

小・中学校適正規模、統廃合の再検討につきましては、「市立小・中学校の適正規模・適正配置に関する基本方針」に基づき、より良い教育環境で子どもたちが学べるよう、保護者や地域住民の皆様の御意見を十分に伺いながら、効率性のみならず、歴史や文化なども考慮して、小・中学校の規模の適正化について、検討してまいります。

学校環境の充実につきましては、児童・生徒が快適な教育環境の中で、学校生活を送ることができるよう、引き続き校舎の外壁・屋上の改修、校庭の整備、小学校特別教室への冷暖房設備の設置などを推進してまいります。

安心して共に学べる教育の推進につきましては、不登校の未然防止等を図るため、スクールカウンセラー等の配置回数を拡大してまいります。

また、障がいのある子どもが安心して学校生活を送れるよう、支援を充実してまいります。

充実した子育て支援の継続につきましては、認定こども園における園外活動等で見守りをする、保育支援者の配置を支援する補助制度を新設し、子どもの安全対策を進めてまいります。

また、居場所づくりや、生活支援に取り組む市民活動団体に対する補助制度を新設し、地域におけるつながりの場づくりを推進してまいります。

さらに、妊娠期からの切れ目のない支援を目的とした産後ケア事業として、医療機関へ通所するデイサービスに加え、出産時の入院を延長する延泊を開始し、個々の妊産婦に応じた支援を更に充実してまいります。

また、市立病院では、24時間365日の小児救急医療体制を積極的に推進するほか、産科医師を増員することにより、住み慣れた地域で、安心して産み、育てられる環境を一層整備してまいります。

さらに、本年10月からは、子ども医療費助成の対象を18歳までに拡大してまいります。

子ども読書活動推進事業につきましては、生徒の主体的・意欲的な学習活動や読書活動を推進するため、市立中学校の図書館において、中央図書館の蔵書から、生徒が希望する図書を提供するサービス「結ぶプロジェクト」を実施してまいります。

厚木北公民館の整備につきましては、快適にコミュニティ活動が行え、学習ニーズに対応した地域の社会教育の核となる拠点として、建築工事に着手してまいります。

「福祉の充実」による住みやすいまちの実現に向けた取組

次に、「福祉の充実」による住みやすいまちの実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

高齢者バス割引乗車券「かなちゃん手形」につきましては、高齢者の外出機会の拡大と仲間づくりや生きがいづくりを促進し、健康寿命の延伸や介護予防につなげるため、割引額を拡大してまいります。

高齢者タクシー利用券につきましては、超高齢社会の進展に伴い、バスの利用が困難な方の増加が見込まれるため、社会的孤立の防止や移動支援のセーフティーネットとして、利用券の配布枚数の拡大や対象年齢の引き下げなど、制度を拡充してまいります。

地域に密着したコミュニティ交通の推進につきましては、公共交通機関と連携を図りながら、荻野地域におけるコミュニティ交通「ココモ」の運行を継続するとともに、毛利台地域や飯山地域においては、タクシーを活用したコミュニティ交通の実証実験を参考にして、スムーズで快適に移動できる公共交通ネットワークを構築してまいります。

ヤングケアラーへの支援体制強化につきましては、新たに配置したヤングケアラー・コーディネーターを活用し、効果的な支援に取り組んでまいります。

児童虐待防止対策につきましては、相談件数の増加及び内容の複雑化・多様化が進んでいることから、対応する職員の増員やこども家庭相談管理システムの活用、幼稚園や保育園、学校との連携を密に図ることにより、迅速に対応できる体制を構築してまいります。

高齢者の安心した生活の実現につきましては、本市の人口推計において、2045年に高齢者人口がピークを迎えることから、深刻化する人材不足に先んじて対応するため、介護職の人材確保を進めてまいります。

また、要支援者の多様なニーズに対応した介護サービスの提供を行うとともに、生活の実情や健康状態に合わせた支援を行う介護予防ケアマネジメントのほか、介護予防教室を実施してまいります。

「生まれ変わる中心市街地」の実現に向けた取組

次に、「生まれ変わる中心市街地」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

本厚木駅北口周辺につきましては、商業・業務や行政、文化芸術等多様な都市機能を集積させるため、本厚木駅北口地区や中町第2-2地区、本庁舎跡地周辺を面として捉え、一体とした整備及び機能的なデザインにより、世界、全国から憧れを抱かれるような街並みを、関係団体と協力し、構築してまいります。

中町第2-2地区につきましては、図書館、(仮称)未来館、市庁舎等で構成する複合施設の整備に向け、実施設計及び建設工事を行うほか、工事に必要な既存構築物の解体工事を実施してまいります。

複合施設周辺における交通混雑を引き起こさないための取組につきましては、歩行者や自動車などが安全かつ円滑に移動できるよう、複合施設周辺の道路整備を進めてまいります。

中心市街地の活性化に向けた取組につきましては、市内商業店舗への回遊性を高めるため、中心市街地の商店会が主体となり準備を進めている「ウインターフェスティバル」を支援し、季節感あふれるイベントの実施を通じ、街の魅力を引き出してまいります。

また、中心市街地の空き店舗対策を推進し、新規に出店する商業者に対し改装費や家賃を補助するほか、出店に要する費用を広く補助する制度を設け、商業を活性化してまいります。

持続可能な「あつぎの農業」の実現に向けた取組

次に、持続可能な「あつぎの農業」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

農業従事者の育成につきましては、意欲的に農業経営の発展を図る従事者や、その後継者を支援するとともに、農業分野における新たな担い手の確保と、福祉政策の一環として、障がい者の生きがいづくりの場の創出を目的とした、「農福連携」を推進してまいります。

また、新規就農者の就農後の経営基盤を強化し、営農への定着を図るため、農業用機械や施設の導入を支援してまいります。

地場農畜産物の学校給食への導入の推進につきましては、これまでの根菜類や葉物類、果実などを活用した「パクパクあつぎ産デー」の取組に、新たにあつぎ産米を取り入れるなど、学校教育における食育と地産地消の取組を更に進めてまいります。

地場農畜産物の販売強化による地産地消の推進につきましては、市民朝市や夕焼け市の開催を始め、地域の農産物直売所の運営、農業協同組合が運営する移動販売車の運行、(仮称)営農経済センターの整備などの取組を支援してまいります。

また、魅力あふれる「あつぎの農業」を実現するため、厚木の新たな農畜産物のブランド化に向けた調査・研究に対する支援制度を新設し、関係機関と協力して推進してまいります。

物価高騰に対する支援につきましては、燃油や飼料などの生産資材の高騰が施設園芸農家や畜産農家の経営を圧迫していることから、市内農家の営農を継続するための経済的支援を進めてまいります。

「スポーツ・文化芸術・歴史の聖地」の実現に向けた取組

次に、「スポーツ・文化芸術・歴史の聖地」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

スポーツの聖地に向けた取組につきましては、市民の皆様の多様なスポーツ活動の充実を図るため、既存の施設の再整備を進めるとともに、新たな施設の整備についての調査を実施してまいります。

また、飯山白山(はくさん)山頂では、プロ野球選手が毎年自主トレーニングのために訪れ、優勝祈願をする場所として認知されていることから、プロ野球選手の自主トレ場所を想起させる案内などを整備してまいります。

文化芸術の聖地に向けた取組につきましては、市民の皆様、関係団体との協働による市民文化祭を始めとする「あつぎ市民芸術文化祭」を開催するとともに、厚木市文化振興財団との連携強化を図りながら、様々な文化芸術事業を推進してまいります。

また、様々な施設を活用した文化芸術事業参加者の発表の場の創出や、市民の皆様への情報発信を強化し、気軽に文化芸術に触れる機会を提供してまいります。

文化芸術の拠点となる施設の再整備につきましては、令和7年1月の文化会館リニューアルオープンに向け、実施設計及び改修工事を着実に推進してまいります。

歴史の聖地に向けた取組につきましては、あつぎ郷土博物館を拠点に厚木に伝わる歴史に光を当て、市民の皆様がお一人お一人の「郷土あつぎ」を体感できるような機会を提供するほか、市内の郷土芸能の保存と伝承を図るため、郷土芸能保存団体との協働により、郷土芸能まつりや郷土芸能普及公演を実施してまいります。

「強い財政力」をいかしたまちの実現に向けた取組

次に、「強い財政力」をいかしたまちの実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

積極的な企業誘致の推進につきましては、市外からの新たな企業誘致や市内企業の設備投資などを支援することにより、雇用機会の拡大や産業の活性化を推進してまいります。

厚木秦野道路の完成を見据えたインフラの整備につきましては、厚木秦野道路への主要アクセス道路について、あつぎの道づくり計画に基づき事業を推進してまいります。

インターチェンジ周辺のインフラの整備につきましては、土地区画整理事業を進めるとともに、インターチェンジへの円滑な移動を確保するため、本厚木下津古久線や厚木環状3号線などの道路を整備してまいります。

時代と市民の皆様に寄り添う「行政運営」の実現に向けた取組

次に、時代と市民の皆様に寄り添う「行政運営」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

デジタル市役所の実現につきましては、市民の皆様がデジタル化の恩恵を等しく享受できる社会の実現に向け、行政手続のオンライン化や公衆無線LANサービスを拡大するなど、デジタル技術を積極的に活用してまいります。

また、市民の皆様の利便性の向上を図るため、本庁舎1階で発行する住民票などの証明書取得の際に申請書の手書きを不要とする、書かない窓口を実現してまいります。

さらに、ワンストップで行う総合窓口の実現に向けた取組を着実に推進してまいります。

証明書のコンビニ交付につきましては、市民の皆様の利便性向上及び窓口混雑を緩和するため、現在、発行している住民票、印鑑登録証明書に加えて、新たに、戸籍謄本や戸籍抄本、戸籍の附票が発行できるよう、サービスを拡大してまいります。

職員の資質向上による質の高い行政サービスの提供につきましては、市民の皆様に信頼される市政運営を継続していくため、職員の資質向上と能力開発を図るとともに、職務に対して誇りと責任を持ち成長していくことができる人材を育成してまいります。

安定的な行政サービスの提供を確保する持続可能な財政運営につきましては、国庫補助金などの特定財源の確保はもとより、税や料だけでなく、未利用市有地の売却、債券運用などの自主財源の確保についても、積極的に取り組んでまいります。

また、最少の経費で最大の効果を上げるよう、効率的かつ真に必要な執行に努めるとともに、今後の税収確保を見据えた未来への投資となる都市基盤整備を着実に推進するなど、将来にわたって持続可能な強い財政を堅持してまいります。

「道路交通の円滑化」の実現に向けた取組

次に、「道路交通の円滑化」の実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

市内における交通混雑の緩和につきましては、スムーズな移動環境の実現に向け、車両から得られるビッグデータの活用により、交通混雑箇所の発生状況を把握し、環状道路の整備や交差点改良を実施するなど、快適性・利便性の向上に取り組んでまいります。

また、交通需要マネジメント施策について検討を進め、路線バスの定時性、速達性の向上に取り組んでまいります。

交通安全対策の強化につきましては、交通死亡事故及び交通事故を減少させるため、交通安全関係団体などと連携し、注意喚起横断幕の設置やシルバードライビング講習会を実施してまいります。

また、自転車運転時におけるヘルメット着用の努力義務化に伴い、ヘルメット購入助成額を増額するとともに、市内県立高校の生徒代表にヘルメットを無償配布し、「ヘルメットインフルエンサー」として活動していただくなど、自転車ヘルメットの着用率向上に取り組んでまいります。

さらに、走行ビッグデータを活用し、通学路を始めとする市内全域の道路における潜在的な危険箇所を抽出し、交通事故の防止に取り組んでまいります。

サイクルアンドバスライドにつきましては、公共交通不便地域にお住いの皆様がバスを利用しやすくなるように、依知地域において、バス停に隣接した自転車駐車場を整備してまいります。

心豊かで安心・安全に暮らせる持続可能なまちの実現

次に、心豊かで安心・安全に暮らせる持続可能なまちの実現に向けた取組につきまして、御説明申し上げます。

市民の皆様の防災意識向上につきましては、ハザード情報を備えた市内全域の3D都市モデルの整備を行い、災害リスクを直感的に理解できるよう可視化してまいります。

避難所機能の確保につきましては、安心・安全に避難することができる施設を確保するため、市内の浸水想定区域内に立地する指定避難所等へ止水板等を整備してまいります。

また、災害による停電時の情報収集に必要な電力を確保するため、指定避難所などにスマートフォンやパソコンなどの電子機器に対応可能なモバイルバッテリーを設置してまいります。

さらに、飼い主とペットが安心して避難することができる同行避難に対応した避難所を整備してまいります。

消防力の充実・強化につきましては、あらゆる災害に対応するため、大規模地震による建物の倒壊や風水害による土砂災害を想定した訓練施設を整備するほか、災害対応用重機を配備するとともに、県内消防機関との広域的な連携訓練により、災害対応力の向上に取り組んでまいります。

がん予防対策につきましては、がんの早期発見・治療を図るため、コロナ禍で受診を控えていた方を中心に受診勧奨を実施してまいります。

また、がんに対する備えやがん検診の大切さなどの情報を広く発信していくとともに、小・中学校の授業などで行うがん教育を通じて、子どもに対しても、がん予防の大切さを伝えてまいります。

さらに、がん治療に伴う外見の変化による気持ちの辛さを和らげるアピアランスケアとして、医療保険の適用外となる「医療用ウィッグ」等の補整具を購入又はレンタルされた方へ助成金を支給し、療養生活の質の向上及び経済的負担の軽減を進めてまいります。

感染症の予防につきましては、引き続き新型コロナウイルスワクチンの接種体制を整えるほか、伝染のおそれのある疾病の発生及びまん延を予防するため、予防接種等を実施してまいります。

また、メジカルセンターを新型コロナウイルス感染症や新たな感染症にも対応できる感染症対応施設へと改修してまいります。

カーボンニュートラルの推進につきましては、昨年度策定した「カーボンニュートラルロードマップ」に掲げる目標達成に向け、具体的な行動につなげるアクションプラン策定を目指し、市民の皆様と共に「あつぎ気候市民会議」を開催してまいります。

また、個人住宅や事業者向けの再生可能エネルギーの導入に対する補助制度を拡大するほか、既存住宅の断熱改修への補助制度を新設することにより、更なるCO2排出量の削減を推進してまいります。

さらに、既存公共施設への太陽光発電システム、蓄電池及びLEDの導入を積極的に行うなど、市が率先して脱炭素化の取組を推進してまいります。

本市の魅力発信につきましては、市民の皆様が誇りを感じ、全国から憧れを抱かれるまちを実現するため、本年3月に新たに愛称が「あつぎ温泉郷」に決定した飯山温泉郷や東丹沢七沢温泉郷、景勝の地である七沢不動尻を観光地として磨き上げ、誘客促進に向けたプロモーションを展開してまいります。

また、飯山・七沢においてキャンプ場や観光施設の運営を行おうとする事業者・団体に対し、その費用の一部を補助する制度を新設し、キャンプ場などを誘致してまいります。

さらに、市のホームページを魅力あふれる内容にするとともに、ドローンを活用したPR動画や機能を拡張する市公式LINEを始め、様々なSNSにより、厚木の魅力や市の情報を効果的に全国へ発信してまいります。

おわりに

以上、令和5年度の市政運営に当たり、私の所信及びこれを実現するための主要な施策について、御説明申し上げました。

「夢を夢のままで終わらせるか、それとも正夢にするのかは、自分次第です。本当に叶えたいのならそのための努力を惜しまない。できることは何でもする」。

本年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシックで、14年ぶりに世界一の栄冠を勝ち取った侍ジャパン栗山監督の言葉です。「過去最強メンバー」との呼び声が高かった一方で、不安の声も(ささや)かれるなど、世界一までの道のりは決して平坦なものではなかったと思います。日本を熱狂の渦に巻き込んだ世界一の奪還は、栗山監督の強いリーダーシップと選手への絶対的な信頼の下、全選手が誇りと情熱を胸に、世界一という目的に向かって不安の声を打破し、プレッシャーをはねのけ、一生懸命なプレーをした結果です。

本市が今日まで首都圏における流通・業務機能を(にな)う拠点都市として成長してこられたのも、県央の雄都としての誇りと情熱を胸に、市政をリードしてこられた歴代市長を始め、市民の皆様、議員の皆様、職員の皆さんの御尽力のたまものでございます。一方で近年は、まちへの物足りなさや閉塞感(へいそくかん)を感じるといった声を聞く機会があり、県央の雄都としての存在感を更に高めていく必要性を感じております。

私は、こうした声を打破し、厚木の誇りと底力を発揮することで、市民の皆様が、「住みたい、住み続けたい」と思える、厚木愛に満ちあふれた新たなあつぎの実現を目指し、一生懸命取り組んでまいる所存でございます。

市民の皆様並びに議員の皆様のより一層のお力添えを心からお願い申し上げ、令和5年度の施政方針といたします。

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