令和6年度施政方針

更新日:2024年02月21日

公開日:2024年02月21日

令和6年度施政方針

はじめに

令和6年度の予算及び諸案件の御審議をお願いするに当たり、私の新年度の市政運営に臨む所信の一端を述べさせていただくとともに、主要な取組について御説明申し上げ、市民の皆様並びに議員の皆様の御理解を賜りたいと存じます。

本年1月1日、「令和6年能登半島地震」が発生いたしました。犠牲になられた皆様、御遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。

私も基礎自治体の長として、災害に対する備えの重要性を痛感するとともに、改めて、市民の皆様の命と暮らしを守ることが私の大きな使命であると認識いたしました。災害に強いまちを目指し、防災・減災対策を進めるとともに、被災後の避難生活への対応や速やかな復旧・復興など、あらゆる事態を想定した取組を進めてまいります。

甚大な被害をもたらした今回の地震に際しまして、本市では、いち早く、被災地へ救援物資をお届けするとともに、緊急消防援助隊や関係職員を派遣し、被災地支援に取り組んでまいりました。

今後におきましても、明日は我が身の思いで、一日も早い復旧・復興の一助となるよう、全庁を挙げて、「オール厚木」で被災地に対する支援をしてまいります。

 

さて、昨年2月に市民の皆様からの御信任をいただき、第6代厚木市長に就任して以来、早いもので1年を迎えようとしています。

私は就任当初から、「厚木愛炸裂」を掲げ、このまちに眠っている様々な可能性を掘り起こし、市民の皆様お一人お一人が誇りを持ち、住んで良かったと感じられる、魅力あふれるまちとして磨き上げていく強い決意で市政運営に邁進してまいりました。

この間、市民の皆様とお約束した「まずはやりたい8つの政策」として、18歳までの医療費無償化、高齢者バス割引乗車券「かなちゃん手形」や高齢者タクシー利用券の助成額の大幅拡大など、安心して子育てをすることができる環境の充実や高齢者の外出支援に取り組むとともに、私が掲げる県央姉妹都市構想を契機に、「県央やまなみ地域における広域連携の強化に関する協定」を締結し、近隣自治体とより一層の緊密な連携体制を構築するなど、スピード感を持って事業を進めてまいりました。

また、日常生活においては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されたことを受け、各地区の行事が再開されるなど、コロナ禍前の光景が戻ってきております。

昨年8月には、第77回あつぎ鮎まつりを4年ぶりにフルスペックで開催することができました。会場を埋め尽くす皆様の笑顔を前にして、愛する厚木市を今以上に、魅力あるまちに磨き上げていきたいという決意を新たにしたところです。

この決意の下、令和6年度につきましては、「まずはやりたい8つの政策」の中でも重要な施策として、幅広い世代の皆様から御賛同をいただきました、小学校・中学校の給食費の無償化を4月からスタートし、子育て世帯の負担軽減に取り組むとともに、子どもたちの安心で充実した食の環境を、社会全体で支えてまいります。

また、多くの市民の皆様から期待を寄せられている、本厚木駅北口の生まれ変わりにつきましては、周辺を面として捉え、魅力あふれる厚木の玄関口を目指すため、再開発準備組合への支援や図書館、(仮称)未来館、市庁舎等からなる複合施設の建設など、積極的に取組を進めてまいります。

さらに、本市の充実した都市基盤整備を計画的に推進するため、新たな土地区画整理事業に取り組んでいただく地権者の皆様に対して、支援をしてまいります。

そのほか、文化会館のリニューアルオープンを契機に、文化芸術の主体である市民の皆様が活発に活動できるよう支援するとともに、一流の文化芸術に触れ、身近に感じることで、自分もやってみたいと思えるような機会を多く設け、「文化芸術の聖地づくり」を進めてまいります。

 

今年の箱根駅伝は、青山学院大学が大会新記録で7度目の総合優勝を飾りました。駅伝は、選手がたすきをつないでいく競技です。そのたすきには、仲間の思いや汗、励ましの気持ちが染み込んでいます。

本市は、令和7年2月1日に市制施行70周年を迎えます。これは、70年もの間、多くの皆様が熱い思いを込めて、ふるさと厚木というたすきを今につなげてきた結果です。現在、この記念すべき節目を市全体でお祝いするため、記念事業の実施に向けた準備を進めております。私の使命は、厚木の歴史、熱い思い、そして汗が染み込んだたすきを、市民の皆様と共に次の世代へつなげていくことであると強く感じております。

本市を取り巻く環境は刻々と変化を続けております。私は、施政のかじ取り役として、私が目指すまちづくりの方向性をお示しするため、新たな総合計画を策定し、ふるさと厚木のたすきを未来へとつなげられるよう、市民の皆様と共に、さらなる厚木の発展と、誰もが誇りに思えるまちづくりを進めていく所存です。

こうした思いの中、令和6年度の当初予算につきましては、私にとって初めての本格的な予算編成となりますが、都市間連携の強化に向けた取組や、子育て・教育で選ばれるまちの実現をはじめとする、本市の魅力創造の取組などを柱として編成を進めてまいりました。予算総額につきましては、一般会計1,038億円、特別会計を合わせた総額は1,725億円を超え、過去最大の予算規模となります。

それでは、令和6年度の主要な取組につきまして、御説明申し上げます。

都市間連携による「強いエリア」「魅力あるエリア」の創造

始めに、都市間連携による「強いエリア」「魅力あるエリア」の創造について、御説明申し上げます。

県央やまなみ地域の5市町村間の連携につきましては、広域観光や農業の振興、地域高規格道路の整備促進のほか、行政間の壁を越えた災害対応や人材育成など、多様な分野において広域的な取組を進めてまいります。

観光振興につきましては、ガストロノミー・ツーリズムの手法を用い、地域で愛される食をテーマとした広域観光の振興に取り組んでまいります。

鳥獣被害対策につきましては、ニホンザルを始めとする野生鳥獣の被害対策強化に向け専門部会を設置し、広域的な連携による取組を進めてまいります。

厚木秦野道路の早期整備につきましては、東名高速道路や新東名高速道路、圏央道などの高規格幹線道路と一体となった広域的な道路ネットワークの形成と地域内交通の円滑化に向け、引き続き事業を推進してまいります。

また、県や伊勢原市、秦野市等の関係市町村と連携しながら、国等に対し、早期整備の実現を積極的に要望してまいります。

「子育て・教育で選ばれるまち」の実現に向けた取組

次に、「子育て・教育で選ばれるまち」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

子育て支援の充実につきましては、新たに、母子保健と児童福祉の各部門が一体となった「こども家庭センター」を設置し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を進めるとともに、児童虐待の防止やヤングケアラーの早期発見及び支援に取り組んでまいります。

妊娠期からの支援につきましては、新たに低所得世帯の妊婦に対し、初回の産科受診料を補助し、経済的負担を軽減するとともに、妊婦の状況を継続的に把握し、必要な支援につなげてまいります。

また、産後ケア事業として利用可能な医療機関の拡大を図るとともに、新たに居宅訪問型を導入し、更なる支援の拡充に取り組んでまいります。

さらに、5歳児健康調査のフォローアップ事業として、巡回相談を実施するとともに、関係機関との連携をより一層強化することにより、支援体制を充実してまいります。

また、医療的ケアが必要などの理由で、「児童発達支援センター ひよこ園」の通園バスに乗ることが難しい児童を、個別に送迎する通園支援を新たに開始し、障がい児やその家族に対する福祉サービスを充実してまいります。

保育・幼児教育の提供体制の充実につきましては、幼稚園教諭を確保するため、私立幼稚園に対し、雇用に係る費用の一部を新たに補助し、安定した幼児教育の体制づくりを支援してまいります。

また、保育士を安定的に確保するため、保育士等就労応援給付金を大幅に拡充し、県内トップレベルの処遇改善水準に引き上げるとともに、保育士用の宿舎を借り上げる費用の一部を新たに補助することにより、更なる保育体制の充実に取り組んでまいります。

さらに、小学校に入学予定の子どもたちが、学校生活に円滑になじめるよう、幼稚園、保育所及び小学校の関係者が連携し、組織的に支える新たな体制づくりを進めてまいります。

青少年の健全育成に向けた取組につきましては、放課後児童クラブの待機児童を解消するため、場所と人の確保に取り組み、量と質の両面から受入体制を整備してまいります。

小学校・中学校の給食費につきましては、未来を担う子どもたちの食の環境を社会全体で支え、保護者の皆様の負担を軽減するため、無償化を実施してまいります。

小学校・中学校の適正規模・適正配置につきましては、子どもたちが将来にわたってより良い教育環境で学ぶことができることに加え、地域づくりの観点も踏まえ取り組んでまいります。

特に、昨年、意見交換会を開催した荻野地区及び小鮎地区につきましては、保護者や地域にお住いの皆様の考えを丁寧にお伺いしながら、具体的な取組内容の検討を進めてまいります。

学校環境の充実につきましては、新たに小学校・中学校の体育館へ冷暖房設備を整備してまいります。

また、校舎の外壁・屋上改修や特別教室への冷暖房設備設置のほか、北小学校南棟校舎及び南毛利中学校体育館の建て替え整備に係る設計等について計画的に進めてまいります。

インクルーシブ教育の充実につきましては、障がいのある子どもへの支援だけでなく、外国につながる子どもへの言葉の支援及び学校生活や家庭において、悩みを抱える子どもとその保護者への支援を充実してまいります。

特に、不登校児童・生徒に対しましては、自分に合ったペースで学習や生活ができる校内の居場所として、「校内教育支援センター フリールーム」を設置するとともに、中学校モデル校に、非常勤講師を配置し、社会的自立に向けた個別支援を進めてまいります。

また、青少年教育相談センターに設置している教育支援教室において、不登校児童・生徒に対する小集団による活動や生活・学習指導の実施、体験活動プログラムやICTを活用した支援を通して、社会的自立につながる機会の充実に取り組んでまいります。

子どもたちの健全な発達の促進につきましては、モデル校において、アプリを活用した睡眠・朝食状況調査の結果を基に、睡眠の観点を加えた「睡眠教育」を新たに導入することにより、子どもの基本的な生活習慣の育成や学校生活の充実に取り組んでまいります。

厚木北公民館につきましては、様々な学習ニーズに対応し、地域のコミュニティ活動を支える社会教育の拠点となるよう新築工事を進め、令和6年度の完成を目指してまいります。

「福祉の充実による住みやすいまち」の実現に向けた取組

次に、「福祉の充実による住みやすいまち」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

高齢者の外出支援につきましては、高齢者バス割引乗車券「かなちゃん手形」の1年券の助成額を拡大するとともに、高齢者タクシー利用券を交付し、更なる社会参加や生きがいづくりを支援してまいります。

また、リニューアルしたふれあいプラザや市内の温泉施設、映画館等の利用料を補助するシルバーチケットの申請書を全対象者に郵送し、利便性向上に取り組んでまいります。

地域に密着したコミュニティ交通の推進につきましては、新たに検討が必要な地域において、アンケート調査やヒアリングを実施するとともに、荻野地区に加え、新たに、森の里地区での運行を支援してまいります。

認知症バリアフリーの推進につきましては、認知症地域支援コーディネーターを配置し、地域における支援体制の構築など、認知症共生社会に向けた地域づくりを進めてまいります。

複雑化・複合化した支援ニーズへの対応につきましては、複数の支援機関の協働による包括的な相談体制を強化するとともに、新たに、制度のはざまにある方の社会参加の支援や共助の取組を活性化させる地域づくりに取り組んでまいります。

高齢者の安心した生活の実現につきましては、今後、介護需要の一層の増加が見込まれることから、新たに、職場環境の整備等の費用の一部を補助し、介護職等の人材確保を進めてまいります。

また、補聴器購入の助成額を拡大することで、生活利便性を高め、在宅での自立した生活を支援してまいります。

障がい者がいきいきと活躍できる社会の実現につきましては、関係団体と連携し、着実に推進するとともに、市内中小企業が障がい者を雇用した際の奨励金を拡充し、障がい者の雇用促進と就労機会の拡大を進めてまいります。

健康増進の充実につきましては、新たに帯状疱疹予防接種の費用を助成するとともに、季節性インフルエンザ予防接種の費用助成を18歳まで拡大することで、疾病の発生及びまん延防止と経済的負担の軽減に取り組んでまいります。

また、20歳及び30歳を対象とした歯科健診を新たに実施することで、生涯を通じた歯科健診の機会を確保し、健康保持・増進に取り組んでまいります。

「生まれ変わる中心市街地」の実現に向けた取組

次に、「生まれ変わる中心市街地」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

本厚木駅北口周辺につきましては、市民の誇りとなる玄関口に生まれ変わるよう、一体的かつ機能的なデザインにより、全国から憧れを抱かれる街並みの構築に向け、再開発準備組合とともに事業化に向けた取組を進めてまいります。

中町第2-2地区につきましては、本厚木駅北口の生まれ変わりに先駆けて、図書館、(仮称)未来館、市庁舎等で構成する複合施設の整備に向け、本体建設工事に着手してまいります。

厚木中央公園につきましては、都市環境の向上とともに、にぎわいの創出を図るため、引き続き、緑を大切にし、調和を図りながら、市民の皆様の憩いとやすらぎの場として整備してまいります。

本庁舎跡地の利活用につきましては、本庁舎跡地周辺全体のにぎわいや価値の向上に資するよう、周辺施設との一体的な活用を含めた検討を行い、基本方針を策定してまいります。

「持続可能なあつぎの農業」の実現に向けた取組

次に、「持続可能なあつぎの農業」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

農業従事者の確保・育成につきましては、研修者として農業で自立を目指す方を受け入れる認定農業者を支援する制度を創設し、担い手の確保及び育成に取り組んでまいります。

地場農畜産物の地産地消の推進につきましては、厚木市農業協同組合が整備する営農経済センターの建設費を補助するほか、市民の皆様の台所である市民朝市の開設50周年記念事業を実施してまいります。

「スポーツ・文化芸術・歴史の聖地」の実現に向けた取組

次に、「スポーツ・文化芸術・歴史の聖地」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

スポーツの聖地に向けた取組につきましては、各種競技の全国大会や合宿の誘致を強化するため、スポーツ合宿誘致事業補助金を創設し、トップアスリートのプレーを観て楽しみ、身近に感じ、感動していただける環境づくりを進めるとともに、交流人口の拡大によるまちの活性化に向け取り組んでまいります。

また、市民の皆様が快適にプレーでき、活動拠点となる「するスポーツ施設」及びトップアスリートのプレーが観戦できる「みるスポーツ施設」の整備方針を示す基本構想・基本計画の策定を進め、スポーツの聖地づくりに取り組んでまいります。

文化芸術の聖地に向けた取組につきましては、商業施設などにおいて、発表や鑑賞、体験ができる場を創出し、広く市民の皆様が気軽に文化芸術に触れる機会を提供してまいります。

また、文化芸術に関する国際大会及び全国大会への出場に対する奨励金を創設し、市内で文化芸術活動を行っている個人や団体を支援してまいります。

文化芸術の拠点となる施設につきましては、令和7年1月の文化会館リニューアルオープンに向け、天井の補強など安全性の向上を図るとともに、難聴者支援システムの設置や点字ブロックの増設などにより、バリアフリーに配慮した改修工事を進めてまいります。

また、文化振興財団と連携して、市民の自主的で独創的な文化活動を促進するとともに、文化会館の新たなスタートにふさわしいコンサートをオープニング事業として実施するなど、市民の皆様に文化芸術の鑑賞の機会を提供してまいります。

歴史の聖地に向けた取組につきましては、あつぎ郷土博物館を拠点に「郷土あつぎ」の歴史や文化を掘り起こし、更に興味を持っていただけるよう、指定重要文化財を含む縄文時代の土偶等を一堂に集める特別展などの展示や講座、ワークショップを開催してまいります。

また、相模人形芝居や相模里神楽などの郷土芸能を後世に継承し、厚木が誇る郷土芸能のすばらしさを市民の皆様に認識していただくため、郷土芸能保存団体との協働により郷土芸能まつりや郷土芸能普及公演を実施してまいります。

「強い財政力をいかしたまち」の実現に向けた取組

次に、「強い財政力をいかしたまち」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

インターチェンジ周辺のインフラの整備につきましては、インターチェンジへの円滑な移動を確保するため、本厚木下津古久線や厚木環状3号線などの道路整備を推進してまいります。

また、厚木秦野道路の完成を見据え、厚木秦野道路への主要アクセス道路について、引き続き「あつぎの道づくり計画」に基づき事業を推進してまいります。

土地区画整理事業につきましては、着実な事業の推進により、優良企業の立地に取り組むとともに、山際地区及び山際北部地区の事業化に向け地権者組織を支援してまいります。

また、新たに、長谷地区を始めとした更なる産業系用地の創出に向けた取組を推進してまいります。

「時代と市民に寄り添う行政運営」の実現に向けた取組

次に、「時代と市民に寄り添う行政運営」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

市民の皆様がデジタル化の恩恵を等しく享受できる社会の実現につきましては、行政手続のオンライン化や公衆無線LANサービスの拡大など、デジタル技術の活用による利便性向上に取り組んでまいります。

行政手続の利便性向上につきましては、デジタル技術を活用し、転入、転出、出生、死亡などの各種手続をワンストップで受け付ける総合窓口の整備を進め、市民の皆様の更なる負担軽減、待ち時間の短縮などに取り組んでまいります。

マイナンバーカードを利用し、各種証明書を取得するコンビニ交付につきましては、新たに税証明を発行するなど、市役所に来庁しなくても済むよう、利用の拡大に取り組んでまいります。

公立保育所での一時預かり利用料等の徴収につきましては、新たにキャッシュレス化を導入することにより、保護者等へのサービス向上に取り組んでまいります。

市民協働の推進につきましては、自治会の負担軽減や回覧板の電子化による効率化等の支援を行い、本来の目的である地域コミュニティ、地域の絆づくりに注力できるよう、自治会連絡協議会との協働により取り組んでまいります。

「道路交通の円滑化」の実現に向けた取組

次に、「道路交通の円滑化」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

交通混雑の解消につきましては、計画的な道路整備や交差点改良を行うとともに、交通の集中が見られる水引小野線及び周辺道路などにおいて、交通の分散化を図り、スムーズに移動できる道路環境づくりに取り組んでまいります。

大型トラックの交通量増加に伴う路上駐車問題につきましては、駐車場の在り方について調査し、企業活動の環境を整備するとともに、道路交通環境の改善に取り組んでまいります。

誰もが移動しやすいまちづくりにつきましては、引き続き路線バスの定時性・速達性向上の取組を進めるとともに、スーパーマーケットや診療所等の生活利便施設が不足している地域への立地促進を図ることにより、コンパクト・プラス・ネットワーク型の都市づくりを進めてまいります。

道路の安全対策につきましては、通学路や学校周辺の道路について教育委員会や警察と連携し、車両から得られるビッグデータを活用して地域の実情にあった安全対策を推進してまいります。

交通安全対策の強化につきましては、自転車の安全利用を促進するため、スケアードストレイト交通安全教室のほか、初めて自転車に乗る子どもや、高校へ自転車で通学しようとする中学生を対象に、新たに、自転車を使った実践的な交通安全教室を実施するなど、安全教育の充実に取り組んでまいります。

「災害から命と暮らしを守り抜くまち」の実現に向けた取組

次に、「災害から命と暮らしを守り抜くまち」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

(仮称)北部地区公園につきましては、平常時には、市民のコミュニティや憩いの場として、災害時には、防災機能を担う拠点として、それぞれの役割を備えた公園の整備に向け取り組んでまいります。

減災対策につきましては、災害リスクの高い区域にお住まいの方に対し、移転費用の一部を補助することで、災害による被害の軽減に取り組んでまいります。

災害時における医療の充実につきましては、災害時に医療機関が必要とする電力を確保することができるよう、新たに、医師会及び歯科医師会に対して発電機等を貸与してまいります。

大規模地震が発生した際の二次的被害の防止につきましては、大規模地震による停電が復旧した際に、電気機器への通電により起こりうる電気火災のリスクを軽減するため、新たに感震ブレーカーの購入に係る費用の一部を補助してまいります。

災害時の情報収集や通信手段の確保につきましては、被災状況を迅速に把握するため、新たに、災害に関するSNSの投稿や気象データなどから、AIがリアルタイムでリスク情報を可視化するシステムを導入し、防災分野でのデジタル化を進めてまいります。

消防力の充実・強化につきましては、災害時の防災拠点としての機能を確保するため、老朽化している厚木消防署本庁舎の建て替えについて検討を進めてまいります。

また、大規模地震や激甚化する自然災害に迅速かつ的確に対応するため、最新鋭の救助工作車や高規格救急自動車などの消防車両のほか、新たに消防活動用水中ドローンを導入してまいります。

さらに、救急件数が集中する日中に対応する日勤救急隊を創設し、救急体制の一層の強化に取り組んでまいります。

市立病院につきましては、新たに救急科専門医を拡充することで、市民の皆様から信頼される救急医療体制の確立に向け、より一層取り組んでまいります。

「安心して暮らせる防犯のまち」の実現に向けた取組

次に、「安心して暮らせる防犯のまち」の実現に向けた取組について、御説明申し上げます。

防犯に関する取組につきましては、市民の皆様が安心して安全に暮らすことができるよう、保育所や児童館、公民館などの公共施設に防犯カメラを新たに設置し、地域の防犯力を強化してまいります。

また、自治会等が行う防犯カメラの設置を引き続き支援し、設置後の修繕に係る費用の一部を新たに補助してまいります。

さらに、青パトでの自主防犯活動に対する支援を強化するため、活動に係る経費を補助するとともに、青パト車両を新規導入する団体に対し、新たに青色回転灯などの購入費の一部を補助し、犯罪が起こりにくい環境づくりを推進してまいります。

特殊詐欺防止対策につきましては、被害の未然防止に効果の高い、振り込め詐欺等防止機能付電話機の普及を促進するため、引き続き購入費の一部を補助していくほか、最新の手口の紹介などの啓発活動のため、郵便局や公民館において移動番屋を実施し、市民の皆様の防犯意識の高揚に取り組んでまいります。

カーボンニュートラルの達成や循環型社会の実現など環境分野の取組

次に、カーボンニュートラルの達成や循環型社会の実現など環境分野の取組について、御説明申し上げます。

カーボンニュートラルの推進につきましては、新たに、公共施設への太陽光発電システム、蓄電池及びLEDの導入を進めるほか、引き続き、個人住宅や事業所向けの再生可能エネルギー機器の導入に対して補助してまいります。

また、家庭における省エネ性能の高い家電への買換えを促進するため、省エネ家電買換え奨励金を創設し、温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。

さらに、地域木材の利用拡大と子どもたちの豊かな教育環境づくりのため、小学校室内空間の木質化に向け基本設計を進めてまいります。

生物多様性の保全につきましては、「生物多様性あつぎ戦略」に基づき、生物多様性への理解を深めるための普及啓発に取り組むほか、市民参加型の生き物調査を実施してまいります。

また、生物多様性の保全及び回復に向け、特定地点の生物の分布状況についてモニタリング調査を実施してまいります。

循環型社会の実現につきましては、市民の皆様の満足度が高い「もえるごみの戸別収集」について効果などを総合的に検討し、更なるごみ減量化を推進してまいります。

企業誘致や市内産業の振興など産業分野の取組

次に、企業誘致や市内産業の振興など産業分野の取組について、御説明申し上げます。

企業誘致と市内産業の継続的な振興によるまちの活性化につきましては、市外からの新たな企業立地や市内企業の工場増設などの再投資を支援することにより、雇用機会の拡大や産業の活性化を推進してまいります。

また、人材確保に主体的に取り組む中小企業を支援するため、企業の価値や魅力、取組などをPRする就職フェアへの出展や就職・転職情報サイトへの掲載に対する補助を新たに実施してまいります。

さらに、賃上げの実現と生産性向上のための設備投資を行った中小企業に対し、設備投資に要した費用の一部を新たに補助することで、中小企業が生産効率を高めながら従業員の賃上げを実現できるよう支援してまいります。

社会環境の変化に対応する観光振興につきましては、急拡大するインバウンド需要を取り込むため、引き続き、訪日外国人の受入環境の整備を進めるほか、ランドオペレーター等の観光事業者に対し、直接アプローチをするなど、誘客促進に取り組んでまいります。

観光地の魅力向上と情報発信につきましては、新たな観光資源の創出と磨き上げを行い、魅力を高めるとともに、ターゲットを明確にした情報発信により、選ばれる観光地となるよう取り組んでまいります。

また、本市の魅力発信を強化するため、PR動画の作成やSNSを使った広告事業に取り組むとともに、市の魅力を伝えるアンバサダーの起用やターゲットを定めた戦略的なシティプロモーションを展開し、市のブランドイメージを高めてまいります。

おわりに

以上、令和6年度の市政運営に当たり、私の所信及びこれを実現するための主要な取組について、御説明申し上げました。

 

「原点」。

これは、読売ジャイアンツで選手・監督として活躍した原辰徳さんから直接いただいた言葉です。

原さんは、小学2年生から中学1年生までを本市で過ごされ、市内の少年野球チームで野球を始めたそうです。市営球場でホームランを打ったことがとても印象に残っていると語っておられました。野球少年として日々を過ごした本市は、原さんの長い野球人生の原点となっています。選手、また、監督として数々の栄光を手にできたのは、原点を忘れず、たゆまぬ努力を続け、様々な困難に打ち勝ち、自らを磨き上げた結果ではないかと思います。

冒頭にも申し上げましたが、来年の2月1日に、本市は市制施行70周年を迎えます。70年間、多くの皆様が熱い思いを込めて育ててきた厚木市は、ここに暮らす人々の愛情であふれております。この愛情を更に育み、あつぎ愛に満ちあふれたまちにしたいという思い、これこそが私の原点であります。

この原点を忘れず、本市に眠っているたくさんの可能性を掘り起こし、魅力あふれるまち、誇りを持てるまちとして磨き上げ、全国、全世界から憧れを抱かれるまちづくりに取り組んでまいりますので、市民の皆様並びに議員の皆様のより一層のお力添えを心からお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

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