令和6年厚木市教育委員会7月定例会
会議主管課 |
教育総務課 |
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会議開催日時 |
令和6年7月23日 火曜日 |
会議開催場所 |
厚木市役所 第二庁舎16階 会議室 |
出席者 |
教育長 佐後 佳親 |
説明者 |
事務局職員 |
1 教育長報告
2 審議事項
議案第32号 令和7年度使用の厚木市立小学校及び中学校教科用図書の採択について
議案第33号 教育に関する事務の管理及び執行の状況についての点検及び評価について
3 報告事項
(1)事務の臨時代理の報告について(厚木市学校運営協議会委員の委嘱について)
(2)給食用食材の放射性物質の測定結果について
会議の経過は、次のとおりです。
開会時刻13時00分
○佐後教育長 それでは、ただいまから令和6年厚木市教育委員会7月定例会を開会いたします。
現在の出席者は5人で、定足数に達しております。
厚木市教育委員会会議規則第15条第2項の規定により、本定例会会議録署名委員として山本委員を指名いたします。よろしくお願いいたします。
それでは、始めに、私から報告をいたします。
それでは、令和6年6月25日火曜日に開催されました6月定例会以後の主な行事等につきまして御報告いたします。
お手元の教育長報告を御覧ください。
まず、2番、9番、12番、13番、16番目でございます。6月27日木曜日から7月19日金曜日までの間に、令和6年度あつぎタウンミーティングが小鮎地区、森の里地区、厚木南地区、睦合南地区、南毛利地区において開催され、市長、副市長と共に参加してまいりました。
ミーティングでは、山口市長から市政等について、地域の皆様に御説明するとともに、意見交換を行いました。また、プロモーションビデオ「おいしいね 厚木の給食」も御覧いただきました。日頃から子どもたちを見守り、地域学校協働活動を通して子どもたちの成長を支えていただいている地域の皆様には、心から感謝を申し上げるとともに、これからも教育行政への御理解と御支援を賜るようお願いしてまいりたいと思います。
次に、6番目でございます。7月3日水曜日、厚木市北部学校給食センター会議室において、厚木市学校給食センター運営委員会委員委嘱状交付式を行い、14人の皆様に委嘱を行いました。
委員の皆様には、令和6年度、7年度の給食に係る事業や学校給食用物資の納入等について御意見を伺ってまいります。本年度から給食費の無償化が始まりましたが、委員会からの御意見を伺いながら、これからも安全でおいしい学校給食を提供してまいりたいと思います。
次に、11番目でございます。7月9日火曜日、教育長室において、令和6年度厚木市教科用図書採択検討委員会調査研究報告書を厚木市教科用図書採択検討委員会委員長から御提出いただき受理をいたしました。報告書につきましては、委員の皆様にお配りしてございます。
令和7年度に厚木市立小・中学校で使用する教科用図書について、後ほど御審議いただきますが、令和7年度に使用する教科用図書採択に係る厚木市教育委員会の方針に従い、採択権者としての権限と責任において、適正かつ公正な採択を行ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○佐後教育長 審議事項に入ります。
日程1 議案第32号 令和7年度使用の厚木市立小学校及び中学校教科用図書の採択についてを議題といたします。
議案審議に先立ちまして、提案理由及びこれまでの経過について、事務局から説明をお願いします。
教育指導課長。
○倉持教育指導課長 それでは、議案第32号 令和7年度使用の厚木市立小・中学校教科用図書の採択について御説明申し上げます。
まず、提案理由及びこれまでの経過について御説明申し上げます。
提案理由ですが、令和7年度使用の厚木市立小学校及び中学校教科用図書について、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第13条、第14条及び同法施行令第15条並びに学校教育法附則第9条第1項の規定により、採択を求めるものでございます。
採択をお願いする図書の種別といたしましては三つございます。
一つ目は、厚木市立中学校で使用する教科用図書、二つ目は、厚木市立小学校で使用する教科用図書、三つ目は、特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条第1項の規定に基づく教科用図書でございます。
次に、これまでの経過について御説明いたします。
厚木市立中学校で使用する教科用図書の採択に関しましては、本年度は令和7年度から使用する全種目の教科用図書の採択を行う年になります。4月の教育委員会定例会で決定していただきました令和7年度に厚木市立小・中学校で使用する教科用図書採択に係る厚木市教育委員会の方針に基づき、教育委員会から調査研究について諮問を受けた厚木市教科用図書採択検討委員会において研究を進め、答申の策定に当たってまいりました。
検討委員会では、同委員会設置規則に基づいて、教育委員会が委嘱をした専門委員を活用するとともに自らも調査研究に当たり、計3回の会議を経て専門委員からの報告や検討委員会による協議のまとめを付した答申としてまとめ、7月9日火曜日に検討委員会委員長から教育長に提出されました。
その際、資料として併せて提出されました、本日お手元にあるかと思いますけれども、桃色の表紙の資料1、調査研究報告書と青い表紙の資料2、会議のまとめの2点につきましては、既に皆様のお手元にお届けさせていただいたとおりでございます。
資料1につきましては、調査研究の観点に基づき、各種目の教科書の特徴について専門委員が調査をした内容を示してございます。
資料2につきましては、検討委員会での協議の記録や、それぞれの検討委員が推薦した発行者と、その推薦理由が示されております。
また、委員の皆様には、参考資料といたしまして、教職員対象と一般対象それぞれの教科書展示会でいただいた御意見、アンケートのまとめも既にお渡ししてございます。
教育委員会の皆様におきましては、それらの資料を参考にしていただきながら、御自身でも各図書について本日まで調査研究をしていただいてまいりました。こちらが今までの経緯でございます。
議案書にお戻りいただきまして、1ページ、中学校用教科書目録(令和7年度使用)に登載された中学校の教科用図書一覧を載せてございます。
本日は、この一覧の中から令和7年度使用の中学校教科用図書について御審議いただき、採択をお願いしたいと存じます。
続きまして、2ページを御覧ください。
令和6年度に厚木市立小学校で使用している教科用図書の一覧でございます。
令和7年度に厚木市立小学校で使用する教科用図書につきましては、令和7年度は使用2年目であり、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第15条に定められております採択期間内でございますので、令和7年度使用の小学校教科用図書につきましては、現在使用している図書を継続して採択することについて御審議をお願いいたします。
最後に、学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書の採択でございます。
こちらの図書は、特別支援学級での学習に用いるもので、児童・生徒の状況や発達段階等を踏まえ、各学校から希望があった図書の中から適切であると判断した図書について、毎年度異なる図書を採択することとなっております。
該当する図書につきましては、議案書の4ページからA4横書きで29ページまで載せてございますので、御審議をお願いいたします。
以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○佐後教育長 それでは、議案審議に入ります。
議案の審議に当たりましては、まず、令和7年度に使用する中学校の教科用図書、次に令和7年度に使用する小学校の教科用図書、最後に学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書の順で進めてまいります。
まず、中学校の教科用図書について審議いたします。
順番は、1ページの中学校の教科用図書一覧の順に行います。
採決方法につきましては、挙手によるものとし、3人以上の挙手で過半数の賛成といたしますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○佐後教育長 異議がございませんので、国語から始めさせていただきます。
国語の教科用図書について、御意見をお願いいたします。
山本委員。
○山本委員 それでは、私から発言させていただきます。
国語の教科書を拝見しまして、どの者も非常に有名人の著書を扱っておりまして、子どもたちの興味を引く工夫をしていると感じました。その中で、3者ほど取り上げてお話をさせていただきたいと思います。
まず最初に、東京書籍ですけれども、学年が上がるにつれて難易度が上がるように工夫されているように感じました。
それから、三省堂ですけれども、アプローチがすごくシンプルで子どもたちが学びやすいのではないかと思いました。特に学びの道しるべ、これは子どもだけでなく教師たちも使いやすいのではないかと感じます。
もう1者、教育出版ですけれども、学びナビ、本文、みちしるべ、それから振り返りという流れがあって、とても学習しやすい工夫があったと感じました。
○佐後教育長 ほかにございますか。
森委員。
○森委員 今、山本委員の御意見にもありましたとおり、私も東京書籍の内容を拝見して、学年が上がるにつれて、その学びがステップアップしているというように感じております。
例えば、3年の絶滅の意味という教材に関して、これは、これから社会に出ていく中学生に本当に考えてほしいテーマだと思っております。そのような意味において、東京書籍は各学年に合った教材なのではないかと感じました。
三省堂において、1年生の初めで、かなり長い文章を扱っている印象がございました。これについては、1年生が扱うのにどうかという印象を受けました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 私、3者ほどお話をしたいと思います。
まず、東京書籍です。全学年に科学と探究や地球環境などといった、九つの未来を考えるためのテーマというのが設置されていました。これから中学生が大人になって、実践していってほしいテーマばかりだと感じました。
それから、あと日本語探検、それから文法の窓、文法解説、漢字道場、広がる言葉というようなことがあるのですけれども、中身を見ますと、興味を持ちづらい内容なのだけれども、身近な例を題材にして楽しみながら学ぶことができるような工夫がされていると感じました。
2者目ですけれども、光村図書です。光村図書さんは、巻頭に思考の地図がありまして、それで考えの見える化、可視化をするということで、整理したり深めたりする技法が紹介されています。今後、そういった手法は様々な場面で活用できるものであると思っております。
また、巻末にある学びを深めるというところでは、文法ですとか語彙ブックがありまして、よくまとまっているという印象を受けました。
3者目です。教育出版ですけれども、教材の前に学びナビというところがあります。どのように学ぶかが示されていて、ほかの者にはない工夫かと思いました。
それから、写真や広告を扱う情報・メディアと表現というのが全学年にありまして、やはり中学生の成長段階に応じた内容を掲載されていると感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
森委員。
○森委員 先ほど、東京書籍で少しお話しさせていただきましたけれども、更に具体的に申し上げて、例えば1年生は朗読から入っている教材になっています。中学生に上がって、すぐに難しい文章をじっくり読む活動よりも、声を出して文を読み、互いに聞くという活動から始まるのは、とても入りやすいのではないかという印象を持っております。
また、調査研究報告書の記載にもございましたが、てびきで学習の進め方を示していて、これも使いやすいのではないかと感じています。
話す領域における学習においては、2年生で、みんなで一緒に楽しめるスポーツを考え、また、プレゼンテーションをする活動が設定されています。これも今日の子どもにとってはとても身近で取り組みやすいものだと感じています。
また、古典の取扱いについても、古文と現代語訳が上下に並んでいて、これは見方としてとても分かりやすいのではないかと感じております。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私から。今、古典の話題が出ましたので、古典については、光村図書出版の3年生でつながる古典というのがありまして、そのつながる古典においては、3年間の学習をまとめて関連付けるページがあったのが良いと思いました。3年間で学んだ作品を振り返りながら、漢詩も含めて作品相互の関連や後の作品に与えた影響などが相関図、関連図で示されているのがとても分かりやすいと思いました。
また、三省堂では、3年生にある俳句の世界という教材で俳句について理解を深めた後、俳句を添削するコラムを通して俳句表現の面白さに気付き、生徒に創作してみたいと感じさせる工夫があるのが良いと感じました。
ほかに御意見あればお願いします。
宮崎委員。
○宮崎委員 光村図書出版なのですけれども、先ほど杉山委員も少し触れておられましたけれども、それぞれの学年の巻頭に思考の地図というページがありまして、そこは思考を広げる、整理する、深めるという三つの分類で示されていて、これは生徒が学習する上で非常に分かりやすいのではないかと思いました。
また、同じ巻頭の6ページなのですけれども、学習の見通しをもとうというページでは、他教科やSDGsとの関連が一目で分かるような特徴があると思います。さらに情報とSDGsという組合せでページが設けられておりまして、これもSDGsとの関連を図りながら情報の収集や発信について学ぶことかできるような工夫がされているという印象を持っています。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私のほうからまた発言させていただきますけれども、今、光村図書出版の工夫について宮崎委員からお話がありましたけれども、私も光村図書出版の学びへの扉において学習の流れが整理されて、的確に示されるというのは良いと感じました。学習者である生徒も学習のねらいを共有でき、見通しをもった主体的な学びにつながる工夫なのではないかと感じました。
また、学びのカギというのがあるのですけれども、そこでは学習の視点が具体的に示されており、教員にとっては授業が作りやすいのではないかと思いました。
厚木市では、第4次子ども読書活動推進計画に基づき読書活動の推進を図っているところでございますけれども、読書活動については、やはり光村図書出版が充実していると感じました。例えば1年生で、ポップをつくろう、読書会を開こう、読書記録を続けていこうなどの複数の活動が設定されていて、これが各学年にわたって行われているところが、読書活動の推進という観点から良いのではないかと感じました。
ほかに御意見あればお願いします。
山本委員。
○山本委員 もう一点だけお話しさせてください。
4者ありまして、表表紙を開いた巻頭の口絵のところに、三省堂以外は詩が出ているのですけれども、なかなか読み込むと奥が深いと感じます。特に個人的には光村図書出版の詩は非常に良いと感じました。
検討委員会のまとめにもございましたけれども、光村図書出版は巻末に語彙ブックというのがありまして、学年に応じたいろいろな言葉を紹介しております。小学校からの円滑な学びですとか、振り返りをするときにすごく役立つものではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見ないようですので、ここで採決に移ります。
それでは、国語の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 2人。
三省堂に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
光村図書出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
ありがとうございます。
確認します。
東京書籍に賛成の方が2人、光村図書出版に賛成の方が3人ですので、国語は光村図書出版を採択いたします。
次に、書写の教科用図書について御意見をお願いいたします。
森委員。
○森委員 光村図書出版には、書写ブックという別冊が付いてございますけれども、直接書き込むことができ、活用しやすいのではないかと感じています。
また、本文のほうの用具の準備においても、もう既に中学生でございますからシンプルに、でも、確実にまとめられていていいと思っています。
教員のアンケートにおいて、書写ブックの練習のページが多くて、学習にいかせるという好意的な意見もございました。
小学校で学習してきた楷書についても充実しております。また、行書の練習できるページがちょうどいい量であるので、いいと感じております。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 私も光村図書出版なのですけれども、教科書を開くと、ここから取り外して使いましょうというのがありまして、書写ブックなのですけれども、切り離して子どもたちが活用するということで、森委員もありましたけれども、学習したことをいかして、書いたり学習した内容を更に確認したりすることができるため、生徒にとっては良いのではないかと思いました。
ただ、先生方のアンケートには、この書写ブックを外して持ち歩くと、管理や保管が難しいのではないかという意見もあったということが記憶に残っておりましたので、どうかということを考えました。
毛筆に関しても、行書は中学生になって初めて学習する内容なのですけれども、随所に楷書と行書を並べて示してあって、これも分かりやすいと。それから、筆遣いが朱書きになって説明されていまして、これも手順が視覚的に捉えやすく学習しやすいという印象を持っています。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございました。
ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 今、お二方が光村図書の書写ブックのことを発言されていましたけれども、東京書籍も似たような感じで書写活用ブックというのがあります。巻末に付いています。こちらですけれども、調査研究報告書の2-3のところにも記載があるのですけれども、手紙ですとかポスター、それからフリップ、新聞、リーフレット等、そういうものを書く際の留意点が示されていて、大変分かりやすいという感想を持ちました。
また、文字の移り変わりについてですけれども、篆書ですとか隷書、草書、行書、楷書、こういうものが紹介されておりますけれども、写真ですとか説明があって充実していると感じました。
また、三省堂ですけれども、行書で名言集を作る活動があったというのが、少し面白いと私は感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 教育出版なのですけれども、教員アンケートにございましたとおり、毛筆の手本が非常に私は見やすいと感じております。単元名と、それから教材名が端にもありまして、何しろ半紙に近い形で、手本を見ながら書くことができることが、子どもたちにすごく優しいと感じました。
また、最初に試し書きがあって、そして授業の終わりにまとめ書きを書くことで、自分自身の変容というのが分かるような工夫というのもこの者の特徴で、個人的にはいいと思っております。
○佐後教育長 では、私のほうから発言させていただきますけれども、東京書籍の中に、書写の力をいかす、生活に広げようという教材の扱いがありまして、その中では職場体験、あるいはそのお礼状、あるいは本のポップづくりなど子どもたちが学校生活の中でいかせる活動が多く設定されているのを特徴だと感じました。
それから、教育出版では、あの人が残した文字というページ、コラムがあるのですけれども、渋沢栄一など歴史に残る人物が書いた文字を紹介していて、この人、こんな字を書くのだなということに触れながら、文字がその人の内面を表している、内面が文字に表れるという、その文字の持つ力、書写の奥深さを感じさせる工夫が面白いと思いました。
また、教育出版でも、学校生活に生かして書く教材がありまして、レポートやポスターを書いたり、本の帯やポップを作る活動があることは、書写で身に付けた力をいかす場面を各学年で設定しているところが良いと感じました。
また、光村図書出版では、手書きのよさって何だろうというページがありまして、手書き文字の良さについて話し合う活動が設定されていて、文字を書くことの意義について気付かせる工夫があるのがいいと思いました。また、手書き文字の役割や目的に応じた書体の工夫について扱っており、文字の果たす役割についても深く学べるのが大変いいと感じました。
ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 光村図書です。行書で文字を書くときに、ぴょん、ぴたっとかという音で表現、書き方を説明しています。このことについて、検討委員会の御意見のほうでも、小学校でなじみの深いオノマトペの表現が朱書きで示されていて、行書における字形の整え方が分かりやすく、円滑な学びにつながると思うというように書いてございます。大変効果的なのではないかと思います。子どもが筆遣い、これを直感的にイメージしやすい、そういうような工夫につながっていると私は感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
書写の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
三省堂に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
光村図書出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 4人。
それでは、確認いたします。
教育出版に賛成の方が1人、光村図書出版に賛成の方が4人ですので、書写は光村図書出版を採択いたします。
それでは、次に、社会の地理的分野の教科用図書について御意見を伺ってまいりたいと思います。
それでは、地理に関して御意見のある方はよろしくお願いいたします。
宮崎委員。
○宮崎委員 どの者も学習の進め方とか学びを活用する部分では、小学校の接続などではよく工夫がされているという印象があります。
その中で、少し特徴的なところを挙げると、東京書籍なのですけれども、もっと知りたいですとか未来にアクセスなど、学びを深めることのできるコラムが充実しているという印象を持ちました。また、章の始めに導入の活動が設定されておりまして、これも小学校で活用したことを示していて、グループでの話合い活動などができるように工夫されているということを感じました。
それから、日本文教出版も、地理+αというコーナーが、これはそれぞれの章に何か所かあるのですけれども、これは用語の解説や理論的な投げかけをして学習の内容を深めることができる工夫があると思いました。
それから、これは構成の特徴ではないのですけれども、同じく日本文教出版の152ページなのですけれども、災害にそなえるためにというところで、厚木の避難所の様子が実は写真で掲載されているのです。これはどこか厚木市内の中学校の写真だと思うのですけれども、これについては、厚木の子どもたちですから、身近に感じる子どももいるかもしれないと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
それでは、私から発言します。
日本文教出版なのですけれども、巻頭で説明があるように、どのように学ぶのかが整理して示されているのが大変分かりやすいと思いました。
また、始めに節の問いを立てる段階で、写真などを基に議論をし、問いを設定することで、生徒は学習の見通しを持ちやすいのではないかと感じました。
また、見通しと振り返りという点では、帝国書院の章のねらいから節の問い、学習を振り返ろうまでつながっている流れが、大変まとまっていて良いと感じました。
さらに、アクティブ地理で設定された具体的な課題について話し合う活動も、学びを更に深め、自分のこととして考える工夫があって大変良いと感じました。
それから、教育出版については、検討委員会からの意見にも示されておりますとおり、キャラクターの吹き出しが学習のヒントになっており、地理的な見方・考え方も示されているので、学習の見通しを持ちやすくなっている、そのような教科書であると思いました。
ほかにございますか。
森委員。
○森委員 教科書を拝見して、帝国書院と日本文教出版は構成が比較的近いというか似ている印象が、まず一番に感じたところでございます。また、どの者も学習したことをまとめることができるように工夫されていると感じました。
その中で、東京書籍、教育出版は、書き込み部分が若干多いと感じております。考えたことや気付いたことをその場でまとめるという活動はとても有効だとは思いますけれども、全体のページ数は他者と大きく変わらない。そのようなところで見ると、その分、資料や本文が縮小されているのではないかという印象もございます。どちらが子どもの学びに有効なのかはじっくり考えなくてはいけないと感じております。
また、地理では、その地域の産物を学ぶということも大切な学習の内容ではないかと感じています。地図の資料や写真、グラフもとても重要な点だと感じています。色合いなどを比べてみると、日本文教出版はとても見やすく思います。
また、掲出されているデータの中で、日本文教出版82ページにダイヤモンド等の生産量というグラフがあるのですけれども、これはダイヤモンドという原材料をポイントとして、どの国がどれだけの生産量なのかというようなグラフになっております。このように原材料を中心とした、小学校の段階ですと、どこの国が何のものがいっぱいとれるのかのような掲出だったと思うのですけれども、そのような部分もこれから社会に出ていく子どもたちのためには、必要な視点を養うことのきっかけになるのではないかと感じております。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございませんか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 各者とも表紙を開けた裏表紙のところには、SDGsについての記載が多く載っています。
東京書籍なのですけれども、東京書籍は、世界の食事を見てみようというSDGsの関連で、世界の食事について写真や説明が載っております。調査研究報告書のほうにも記載がありましたけれども、子どもの興味を引くということだけではなくて、世界各国の食文化から多様性に気付く、そしてそれを尊重する姿勢を養うことにつながるのではないかと考えます。
また、世界の諸地域の学習では、地球的課題の振り返りをしております。例えばヨーロッパの統合ですとか移民、アフリカの問題、それから環境など、諸課題についてSDGsに触れながら考えさせているのが特徴かと感じております。
それから、帝国書院ですけれども、帝国書院は巻頭でのガイダンスがすごくいいと思いました。考えを整理する方法として、マトリックスですとかベン図というような思考ツールを紹介しています。これは中学生だけではなくて大人になってからも使える大切な考え方ではないかと思っています。
領土に関する記述では、地図に当該国からの視点で距離を示していて、新しい視点を用いることで多面的な見方を学ぶことができるのではないかと感じました。
それから、特設ページとして、アクティブ地理では、アフリカの食料問題ですとか環境問題、それから都市の居住の問題や人口問題、感染症など、様々な課題を関連付けながら、解決に向けた取組を考えさせようとしています。これも多面的、多角的な見方を養うことができていいのではないかと感じました。また、これらに加えまして、写真、地図、資料などを大変上手に使っています。
そういうものを通して、直感的に理解を深める工夫につながっていて、全体的なバランスを考えると、私は帝国書院が優れているのではないかと思っております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、領土に関する記述についての話が出ましたけれども、領土に関する記述については、どの者も適切に扱われているような印象を持っています。具体的には北方領土、それから竹島、尖閣諸島ですね、それぞれについてきちんと日本の領土であるということが示されているかと思います。
その中で、帝国書院なのですけれども、これは18ページになるのですけれども、領土について、国際法ですとか条約に基づいて、各国に公にした上で日本の領土が定められてきたということを、これは本文中にも示されているのが特徴なのかなと思います。それからその国際法については、解説の部分でも説明がしてあります。
また、同じく帝国書院なのですけれども、調査研究報告書に記載があるとおり、各ページの下の欄になるのですけれども、小学校や他教科、歴史や公民とのつながり、関連が示されておりまして、小学校と中学校のつながりが意識されていると思います。
加えて、巻頭の特集ページに学習のつながりの全体像が見えるようになっておりまして、先ほども申し上げましたけれども、小学校での学習を基に理解が深められる工夫がされているという印象を持っています。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
山本委員。
○山本委員 帝国書院については、宮崎委員が今お話しなさったことと同様のことを思っていたので、少しほかのことをお話しさせていただきたいと思いますけれども、帝国書院の中に出てきます考えを整理する思考ツール、これは検討委員会でも活用しやすいだろうという意見があったかと思います。私もそのとおりかと感じております。
データや資料の使い方、こういったところのバランスが良くて、各節の最後にある学習をふりかえろうというところでは書き込みもできるので、子どもたちにとって使いやすいのではないかと感じました。
また、日本のさまざまな地域では、地域調査について学ぶことになっています。これですけれども、地域調査を行う際の視点や方法、こういったところが丁寧に書かれていて、これもいいと思いました。
一方で、教育出版ですけれども、写真や地図資料を使いながら様々な調査の視点を例示して丁寧に説明しているところがすごく分かりやすくて、学習しやすい印象を持ちました。
地理の学習というのは、地域を概観することがすごく、個人的には大事ではないかと考えています。その際、地球儀、それから地図の見方というのがとても重要かと感じます。どの者も地球儀を分解したものを扱っているのですけれども、東京書籍と教育出版はヨーロッパが中心となっている地図を、それから日本文教出版は東京が中心となっている地図、それから帝国書院はどちらも使用するなど、その使用する地図の違いに各者の工夫があると感じました。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
社会の地理的分野の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
帝国書院に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 4人。
日本文教出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
それでは、確認します。
帝国書院に賛成の方が4人、日本文教出版に賛成の方が1人ですので、社会の地理的分野は帝国書院を採択いたします。
続いて、社会の歴史的分野の教科用図書について扱ってまいります。
それでは、社会(歴史的分野)の教科用図書について御意見をお願いいたします。
宮崎委員。
○宮崎委員 先ほども話をしたのですけれども、まず私が考える視点として、小・中学校の連携や学習内容の小・中のつながりはどうかということを考えておりまして、小学校では社会科という教科で地理や歴史の基礎を学習しておりますけれども、その点で帝国書院なのですけれども、各章の始まりのところに小学校で学んだ人物や主な出来事を示しておりまして、これらは小学校との接続が非常に意識されており、子どもたちの関心を高めることにつながるのではないかと感じています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 私も、今、宮崎委員がお話しになったとおり、小学校からの継続という視点で、まず最初拝見させていただいております。
その観点で言いますと、自由社は、調査研究報告書にも、第2章以降、各章の冒頭に時代区分とその区分に該当する時代を記すことで、これから学ぶ章についての見通しが持てるようになっていると記載がございました。全くこのとおりで、難しい表現、単語であるよりも、子どもになじみのある、例えば鎌倉時代等という使い方が入っていると、学習に入りやすいのではないかという印象をまず持ちました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 私はまず、育鵬社についてお話をしたいと思います。教科書の始めのガイダンスというのですか、オリエンテーションというのですか、そこの部分を見ましたら、大変歴史の学習の仕方について丁寧な説明がされております。子どもたち、歴史をこれから学ぶぞというような気持ちを作ることができるのではないかと感じました。
ただ、内容的に見ますと、やはり特徴だと思いますけれども、神話についての記述などが見られます。子どもたちに知識として知ってほしいという部分が詳しく書かれているのですけれども、私はやはり教科書で歴史について知り、それについて考え、これからの生き方にいかせることを学ぶという学習よりは、教科書として学ぶというような印象を持ちました。
それから、育鵬社と同じような傾向にあるものとしては令和書籍があります。令和書籍のほうは、国内の史実について多く書かれていて、文章の分量がとても多いという印象があります。読み物として、例えば私のような価値観をある程度もう固めたような大人が、それを通して見た場合に大変面白いというように、この令和書籍の本は感じました。ただ、中学生の教科書として考えた場合には、少し国内が丁寧な分だけ、国外についての扱いが少し浅いのではないかという感じを持ちました。私の感想です。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございます。
山本委員。
○山本委員 今、分量の話が出ましたけれども、私もこの分量というのは大事なことだと感じています。
山川出版なのですけれども、フォントが少し小さめで、史実に基づいた内容がぎっちり盛り込まれている、そういった印象を持ちました。教員アンケートのほうにも、中学生には少し難しいのではないかと、高校生向きといった声もあったかと思います。そういった意味では、より詳しく、深く学ぶにはすごくいい図書なのではないかと考えます。
その一方で、中学生段階の歴史の学習ですので、歴史を概観することも非常に歴史勉強の大事なことと考えておりまして、そのためには年表というのはすごく必要なものかと思います。そのことを考えると、年表が巻末にないのは少し残念と感じます。
令和書籍も、通した形での年表はありませんでした。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 ただいま山本委員から、年表の重要性をお話しされていたと思うのですけれども、私も冒頭の意見では、小学校の接続というところでの教科書の入り方でお話しさせていただきましたが、もう一方では、中学校の歴史は世界史と日本史、両方扱っています。それを両方俯瞰して見るには、年表はすごく大切な資料といいますか、考え方をしっかりまとめてくれているものだと感じています。その観点から申し上げて、教育出版の年表は色遣いもとても見やすく、分かりやすいと感じております。
また、教育出版においては、巻頭に歴史にアプローチというところがございます。これは学習の進め方が分かりやすく示されています。調査研究報告書にもございましたが、他教科との関連を図ることができるよう教科横断的な見方を示していて、歴史の学習を更に深められるような工夫がされていると感じております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 私、身分ですとか人権に関する記載について、まず少しお話をしたいと思います。
教育出版です。歴史を探ろうというところがありまして、そこでは絵に描かれていることを基にして、働く女性や子どもたちについて考えさせております。また、現代の日本についての記載の中では、女性の権利ですとか性的少数者の権利にも触れていて、人権を意識した教科書という印象を持ちました。
同じように日本文教出版でも、解体新書の杉田玄白の記載のところに、解剖して、彼らに内臓の名前を教えたのは、差別された身分の人でしたというような、身分制の下で生きている人の様子について、他の者とは少し違った視点で書かれているという部分があって、こちらも人権を意識した教科書という印象を持ちました。
それから、先ほど年表の話が出ておりましたけれども、巻末には年表やまとめの題材を用意している者が多いのですけれども、その中で、東京書籍の巻末ですけれども、年表のほかに日本のエネルギー問題や震災など、それまでに学んできたことについて歴史に学び、未来へと生かそうと題して、大切にしてほしいことを中学生のメッセージにしております。これは歴史の学習のまとめとしてはとてもいいのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
宮崎委員。
○宮崎委員 帝国書院なのですけれども、調査研究報告書の中でも記載があったのですけれども、自由民権運動の拠点として厚木が取り上げられていると。これは教科書201ページなのですけれども、子どもたちの関心を引くものになるかと考えています。
また、同じく帝国書院なのですけれども、これは検討委員会では、見開きのイラストから自由に気付きを出し合い、課題を設定するといったつくりになって、これは好意的な意見が出されておりましたけれども、帝国書院のイラストの構成は、それぞれ時代ごとに11か所ほどあるのですけれども、これは話合いの対話的な活動がしやすくて、それぞれの立場の意見を捉えて考えることを深めるというようなつくりになっていて、工夫されているという印象を持っています。
以上です。
○佐後教育長 では、私からですけれども、今、対話的なというお話がありましたけれども、歴史に限らず対話的な学びを通して自らの考えを深めることが、今、求められていると思いますけれども、東京書籍ではグループで話し合う活動、みんなでチャレンジが設定され、課題について、話合いを通して解決していく学習が設定されているのは良いと感じました。
また、章の始めに小学校で学んだことを言葉で振り返ったり、節ごとに問いを設定したりするなど学習の導入に工夫が感じられました。
それから、導入で言いますと、帝国書院のタイムトラベルについては、検討委員会の報告にも好意的な意見が多く見られましたけれども、導入の仕方としてとても良いと感じました。イラストを用いてその時代を俯瞰し、章末の振り返りにもつなげているのは、生徒にとって分かりやすい工夫であると感じました。
また、全体的に問いに関する答えを生徒自身で考え、振り返りでまとめる流れとなっていますが、話合いを通して考察する場面が多くあり、対話的な学びを通して自らの考えを深めていく工夫があるのが良いと感じました。
ほかにございますでしょうか。
山本委員。
○山本委員 私も少し帝国書院のお話をしたいと思うのですけれども、教育長がおっしゃったようにタイムトラベル、これがすごく個人的にいいと思っております。すごくいい出来かと。
もう一つなのですけれども、歴史の学習の最後、これは307ページになりますけれども、帝国書院の307ページです。これからの社会を構想しようということで、そのページで歴史を総括して、これからの未来につなげるというまとめ方をしております。これはすごく歴史を学ぶということでは理解しやすいし、非常に重要な教育手段ではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
社会の歴史的分野の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
帝国書院に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
それでは、山川出版社、日本文教出版、自由社、育鵬社、学び舎、令和書籍につきましては、挙手なしとして確認いたします。
確認します。
東京書籍に賛成の方が1人、教育出版に賛成の方が1人、帝国書院に賛成の方が3人ですので、社会の歴史的分野は帝国書院を採択いたします。
次に、社会の公民的分野の教科用図書について御意見を伺ってまいりたいと思います。
それでは、公民的分野の教科用図書について、御意見がある方はお願いいたします。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 まず、帝国書院について、お話をさせていただきます。帝国書院の中にアクティブ公民、それから公民プラスというようなコラムを活用しまして、自分なりの考えを持つ機会を多く設定してございます。そのほかにも、特設ページやコラムが充実していて、課題の探究ですとか技能の習得などができるようになっております。
また、SNSによる侮辱罪の厳罰化の話題ですとか消費者問題、それから18歳選挙権や18歳の成人など、成長に大切な時期である中学生として、また、例えば大人のような扱いを受ける時点の子どもとして是非考えてほしいと、そのような話題が提供されているのは大変良いと私は思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 私も帝国書院のことについて触れたいのですけれども、巻頭に、未来に向けて、よりよい社会を目指してというように題して、実は持続可能な社会の実現に向けたSDGsについて紹介がされております。17の目標ということなのですけれども、これに関連する学習内容として、それぞれのページ、各章の頭が多いのですけれども、該当ページにも示されていて、子どもたちが学びやすくなっている工夫をされていると思っています。
以上です。
○佐後教育長 ありがとうございました。
ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 各者、SDGsについては注目している内容かと思っています。
その中で、教育出版ですけれども、比較的SDGsについてボリュームもあって、内容的にも良いと感じました。
また、消費生活の学習の冒頭で、給食センターの話題を取り上げているのですね。厚木では地産地消ですとか給食費の無償化、こういったものに取り組んでいますので、生徒たちにとって非常に興味を持ちやすいものかと感じます。
中学生にとって、公民という分野ですけれども、政治とか経済とか、少し苦手に思う生徒たちもいるのではないかと思うのですけれども、冒頭の公民のノートづくりというところが、そういった子どもたちにとって助けになるのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 近年は、日本全体で政治の信頼が揺らいでいるのかと感じております。これは中学生もそのように、ニュース等で感じているのではないかと思っています。18歳で選挙権を持つことになった自分たちが、政治に関わることができる大事な1票を持てるということの意味を伝えなくてはいけない。それが中学校の時代にしっかりと伝えなくてはいけないことではないかと感じております。
子どもたちにとっては、国全体の大きな政治はもちろんですけれども、地方の政治のほうがより身近に感じられるのではないかと感じています。地方政治の中で考えますと、例えば市長を選ぶとか市議を選ぶとか、そのような題材も、地方政治の理念から入っていくとなじみやすいと感じています。
他に、東京書籍では、各題材の冒頭に学習の課題がクエスチョンマークで、2、3行で、そのページで何を学ぶのかということを疑問を提示してページに入っております。これもすごく分かりやすいと思います。例えば東京書籍の106ページの裁判員制度のところなども、本当に2行で、なるほど、こんなことを学ぶのかということが示されていていいと感じております。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 今お話にあった東京書籍です。こちらは活動を通して課題を設定する、それから協働的な活動によって対話的な学習が充実できる構成となっています。特に検討委員さんの意見でもありましたけれども、各章の導入からのつくりに工夫を感じることができます。
それから、何か取り扱っている素材が面白くて、子どもの興味を引くようなものが多いのではないかと感じました。
それから、国際問題についてですけれども、古くからの難民問題を取り上げるだけではなくて、生徒にとっても身近な心配事になっていますロシアとウクライナについても触れられております。またイスラエルとパレスチナの問題についても、ページを多めに割いてコラムで扱うようなこともされています。歴史的にも根が深い、そして難しい問題だからこそ、丁寧に扱っているというような印象を受けました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私のほうから。育鵬社ですけれども、やってみようで、新聞の社説を比べてディベートをする活動が設定されていて、新聞の読み比べや違った立場で考えるという視点があるというのが特色だと感じました。
また、人権について、障害者差別や外国人差別、部落差別などのほか、アイヌ文化、またハンセン病の人権回復などにも触れていて、共に生きるためにどうするべきかを意識した内容になっていると感じました。
日本文教出版なのですけれども、やはり対立した立場の意見を考え、話合いができる場面が随所に設けられているように感じました。また、調査研究報告書にも書かれておりましたけれども、日本文教出版では章の導入で漫画を用いていて、生徒の関心を引く工夫があることも特色として挙げられると感じております。
それから、自由社の特徴としては、安全保障や拉致問題などを詳しく扱われていることが、これも調査研究報告書から分かります。また他にも、アクティブに深めようというコーナーで、話合い活動や自分の思考を深める学習活動を提示していることなどが特色として挙げられると思います。ただ、詳しく説明している分、文字が多く、相対的にデータや資料が少なくなっている印象を持ちました。
以上です。
ほかにございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 帝国書院なのですけれども、これはもうほとんど毎時間ごと、それぞれページに対話という内容の部分がありまして、これを通じて話合い活動を導く問いが示されておりまして、これは学習指導要領の内容を踏まえた工夫の一つではないかと思っています。
また、各分野の学習が始まる前に、小学校で学習した事項をキーワードとして示しておりまして、小学校との接続が意識されていると思いました。
同じく帝国書院なのですけれども、トライというコーナーがありまして、ここではイラストを使って考えさせる場面があったりして、見通しを持って学習に取り組むことができる構成になっていると思いました。
さらに、ルビ振りが多くされていることについては、これは厚木市の子どもたち、外国につながる生徒たちも多いのですけれども、そういうことを考えると、このような生徒の支援の一つにつながるというように思いました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、また私からですけれども、各者とも構成が大変工夫されていて、それぞれ特徴があると感じましたが、その中で帝国書院は、第5部という形で、第5部に課題探究学習が設定されていて、これがとても良いと感じました。
その第5部課題探究学習では、これまで学んできた現代社会、政治、経済、国際についてそれぞれ課題を設定し、レポートにまとめる学習活動が設定されていますが、レポートを作成する手順も丁寧に示されていて、とても良いと感じました。
また、地方自治のページには、厚木市のインターチェンジ周辺の工業地帯が掲載されており、さらに厚木市が地方交付税の不交付団体であることまで触れていて、厚木市の財政的側面についても知り、より深く学ぶきっかけになるのではないかと思いました。
ほかにございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
社会の公民的分野の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
帝国書院に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
日本文教出版、自由社、育鵬社につきましては挙手なしとして確認いたします。
それでは、確認します。
東京書籍に賛成の方が1人、教育出版に賛成の方が1人、帝国書院に賛成の方が3人ですので、社会の公民的分野は帝国書院を採択いたします。
それでは、続いて、地図の教科用図書について御意見を伺います。
御意見がある方はお願いいたします。
山本委員。
○山本委員 検討委員会から上がってきた資料を拝見しますと、山、それから平野などの色の濃さの違いが見やすさのところに直結しているというような意見がございました。ぱっと開きまして、どの地図も見やすいのが帝国書院かと思いました。
子どもたちですけれども、地図帳を手に取ると、まず自分の住んでいる場所というのを探すのではないかと思うのですね。そのときにも視覚的に見やすいというのが大切かと思います。地図上に示されている情報についても、適度な情報量で良くまとまっていると感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、山本委員から見やすさという視点からお話がありましたけれども、やはり地図というのは、先生方は何ページを見なさいということで、授業を進めると思うのですけれども、これは各地域に示されている鳥瞰図を比べてみたのですけれども、これについても帝国書院のほうが色遣いが良くて、立体的に分かりやすいという印象を持っています。
例えば、ヨーロッパの鳥瞰図なのですけれども、帝国書院の53ページ、54ページ、それから東京書籍でいうと37ページ、38ページなんですけれども、これを比較していただけると良いと思うのですけれども、この中でも帝国書院は特にイラストを活用して、例えば建造物であるとか、その地域の特徴、特産物なども分かりやすく、視覚的に捉えているということで、これは子どもたちも関心が持てるし、より魅力的な構成になっていると思いました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私から発言しますが、東京書籍ではビーズ・アイという蜂のイラストが使われていて、生徒が地図を読み取るためのヒントや考えるための問いを示していることが、大変面白い工夫だと感じました。
一方、帝国書院では、地図で発見ということが地図の脇に添えられていて、地図を基に考える課題が156問用意されているのは、地図から意欲的に学ぶ工夫になっていて良いと感じました。
また、巻末で両者とも統計資料を扱っているのですけれども、帝国書院では、日本の統計2として日本の市と人口の資料があり、厚木市が取り上げられていますので、厚木市と他市を比較する資料として大変有効だと思いました。
ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 地図の教科書に関しては、当然ながら地図が掲載されているということで、そういった御意見が多かったと思いますが、少し視点を変えて、今、教育長の御意見の中にも統計資料のことがお話にございました。
今回扱う両者とも、世界の人口と日本の人口が比較できるようなページが掲載されていると思います。その中で、帝国書院は、日本の人口ピラミッドをデータとして載せていますが、過去の1930年、そして2021年、さらに2060年の推計というような形でデータを、統計資料を載せていますけれども、本当に人口減少は日本だけでなく世界の危機だと思うのですが、これも正しくこれから次代を担っていく中学生たちが、今後の人口減少に対して大きな課題を持って取り組める、目で見られる大きな資料かと。こういう視点もすごくいいと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 まず、東京書籍ですけれども、検討委員会のほうの意見で、江戸と東京の鳥瞰図、これが歴史的な視点で見ることができるというような記載がございました。それで、ビーズ・アイですか、蜂の目でも比較する視点を与えるというようなところもいいのではないかと思います。
一方、帝国書院ですけれども、これは教職員のアンケートのほうにもありましたけれども、資料の幅広さというものがやはり特徴かと思います。日本の地図のほうには、歴史年表ですとか五街道を見開きで示したページなど、歴史について取り扱うページが多くあります。それから、地理以外の歴史等社会科の全ての学習で使えるような内容が記載されています。
それから、防災についても、各地域における過去の自然災害から想定される備えについて、火山の噴火、洪水、地震、それから津波等々の視点で取り扱うページがございます。鳥瞰図についても、オセアニアや南アメリカのものがありまして、南米からの転入が多い本市の実態に鑑みても、生徒が興味を持って地図を見てもらえるのではないかと、そのきっかけになるのではないかとに感じています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見ないようですので採決に移ります。
地図の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 挙手なし。
帝国書院に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 5人。
確認します。
帝国書院に賛成の方が5人ですので、地図は帝国書院を採択いたします。
それでは、ここで10分間休憩いたします。
暫時休憩14時18分
再開時刻14時28分
○佐後教育長 それでは、時間になりました。再開いたします。
それでは、次に、数学の教科用図書について御意見をお願いします。
宮崎委員。
○宮崎委員 それでは、数学なのですけれども、数学は小学校の算数からの系統的な学習のつながりが強い教科であると思っています。どの教科も、先ほどから申し上げているとおり小学校からのつながりは重要なのですけれども、特に算数からの数学に関しては、この内容のつまずきということを考えると重要だと思っています。
その点で言うと、東京書籍なのですけれども、このつながりの部分は内容も質も充実しているような印象を持ちました。
そして、学校図書なのですけれども、これは具体的につまずきやすい箇所を色分けをして目立つようにしているという工夫がいいと思っています。例えば1年生の内容で、30ページ、31ページのこれは加法と減法が混じり合った計算、プラス・マイナスのところなのですけれども、このつまずきやすい箇所をグリーンで色塗りをして分かりやすくしているという工夫が見られると思います。
それから、日本文教出版ですけれども、これも基礎、基本を重視した内容を多く取り扱っているのかと思います。例えばこれは章の始めに、次の章を学ぶ前にということで、前段のところで既習事項を確認したりする問題があって、これは小学校からのつながりを意識できる工夫があると思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 今、宮崎委員も、小学校と中学校の連携・接続みたいな話をされていましたけれども、私もその辺で見てみましたところ、やはり東京書籍の1年生の教科書、1章の前に0章という形で、算数から数学へというものが設けられています。そこで掛け算の九九の表が出ているのですけれども、それを基にして、どんなきまりがあるのかなというように投げかけて、抵抗感なく中学校の学習に入っていけるような配慮がされていると思います。
それから、調査研究報告書の記載にもありますけれども、全学年の巻末に、もっと数学をつなげようというのがありまして、その中に学びのベースというのがあります。前年度までに学習した内容のまとめ、それから補充問題、こちらのほうが、この学びのベースのほうでは充実しています。そこがいいと思いました。
また、教育出版ですけれども、教育出版は各章のところに何々を学習する前にというようなところがありまして、レディネスの問題が載っています。それから、始めのほうにLet‘s Tryというものがありまして、そこで興味を引く同様の問題が準備されています。そのような丁寧なつくりになっているという感想を持ちました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私からですけれども、東京書籍では、章のまとめの問題がAとBに分かれていて、生徒の習熟度に応じた学習ができるのは良い工夫だと感じました。
また、新興出版社啓林館は、話しあおう、説明しようが随所にあり、数学的な表現を用いて説明し合う活動が大変充実していると感じました。
それから、学校図書ですけれども、調査研究報告書にもあるとおり、キャラクターを用いて学習を促す内容や視点となるヒントを示していて、どんなことがわかったかなでまとめ、次の課題へとつなげていく展開はとても良いと感じました。
ほかに御意見ある方いらっしゃいますか。
森委員。
○森委員 ただいま教育長の御意見にもございましたけれども、学校図書のキャラクター同士の会話をきっかけにして、子ども同士の対話的な学びが期待できる、良い工夫ではないかと感じております。
また、章末にある問題が、基本、応用、活用の3段階構成になっています。これは一人一人の個に応じた指導の充実を図ることができる工夫ではないかと感じています。さらに、活用のその次に深めようというページがございます。これは領域や教科を横断した学習に取り組むことができますし、時には息抜き的な使い方もできると感じています。
次に、教育出版についてですけれども、例と問いの間に、例題にたしかめという問題を設定をしていて、段階を経て一つの単元の学習を進めることができる。やはりこれも少しずつステップアップするというような工夫と思っております。
また、教員のアンケートにも応用問題が充実しているという記載があるとおり、各章の末に章の問題、そして巻末に補充問題、実力アップ問題というのがありまして、難しい問題にもチャレンジしたい子どもたちにとっては、良い工夫ではないかと感じております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 新興出版社啓林館ですけれども、巻末にあります学びをいかそう、これは身の回りで活用する課題がとても多くて、子どもたちが興味を持って数学を学ぶ良さを実感できるのではないかと感じまして、良い工夫だと思います。
違ったところからお話をさせていただきますと、数学というのは将来理系に進む生徒だけではなくて文系に進む生徒、例えば統計ですとかグラフの見方ですとか、そういったところというのは繰り返しになりますけれども、理系だけではなくて文系の子どもたち、生徒たちにも非常に重要な科目ではないかと思います。
義務教育段階で、算数から数学に一気に難しくなる部分というのがあろうかと思います。誰もが数学に苦手意識を持つことなく、身近な事象と数学を関連させながら楽しく、基本的な技能を身に付けること、これがとても将来に向かって重要なことなのではないかと思うのですね。
その意味において、東京書籍の巻末にあります数学の自由研究ですけれども、日常生活ですとか他教科の学習と関連した課題に取り組んでレポートにまとめる、思考・判断できる、表現できる活動というのが設定されています。内容も、子どもの興味を引く課題がとても多くあって、いいのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 数研出版です。数研出版で面白いなと思ったのは、巻末にある数学旅行です。1年生だと、気象予報士などの数学に関する職に就く方へのインタビュー等も載せてありまして、社会でいきる数学というのを紹介していると思います。
また、調査研究報告書の記載にもありますけれども、キャラクターの会話から学習内容につなげる展開が多くて、対話的に学習する場面では参考になるのではないかと思いました。
それから、大日本図書です。こちらのほうは、検討委員会の意見でも触れられていましたけれども、学びにプラスというのがありまして、それがとても面白いと思いました。生活にいかそうとか視点を変えよう、それから条件を変えよう、工夫しようというようなことを示しながら、単元で学んだことをいかして、新たな気付きや活動を促していって、興味を持って取り組む生徒もいるのではないか、興味を広げていくのではないかと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、御意見がないようですので採決に移ります。
数学の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 2人。
大日本図書に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
学校図書に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
教育出版、新興出版社啓林館、数研出版、日本文教出版につきましては挙手なしとして確認いたします。
確認します。
東京書籍に賛成の方が2人、学校図書に賛成の方が3人ですので、数学は学校図書を採択いたします。
それでは、次に、理科の教科用図書について御意見をお願いいたします。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 授業の流れについては、スムーズに進められる形がいいと私は思っています。
そういった点で見ますと、東京書籍では見開き2ページで1単位時間が終わるようになっていると思います。始めに問題発見で疑問を発見する、それから課題に対して仮説を立てたり実験の計画を立てたりして、その次に課題に対する結論を自分の言葉で表現するというような流れになっています。
子どもたちにとっては、課題に対して解決の方法を考えること、それから仲間と話し合うこと、結果について自分の考えをまとめて考察することなど、必要な力を養うことが出来るのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 新興出版社啓林館ですけれども、学習した内容を更に深めることができるラボというコラムが多く設定されているのですね。
例えば、1年生の53ページの部活ラボというのがありまして、これは面白いと思って拝見したのですけれども、動物の特徴と分類という分野で、イルカの泳ぎ方を水泳のバタフライと比較しております。同じく1年生の166ページですけれども、お料理ラボというのがございまして、水溶液の性質の分野で、濃度の学習から、しょうゆやソースなどに含まれる塩分の数値を比較したりしています。これらは子どもたちの身近なものから興味を引き出すことについてのとてもいい工夫ではないかと感じました。
また、大日本図書なのですけれども、科学のあしあと、それからScience Pressなど、科学の歴史とか、それから科学者に関する資料が掲示されています。やってみようにある身近なこととか、それから簡単な実験など、そういったものを通して子どもの興味・関心を高める活動がとても多く入れられていていいと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 今の御意見の中で、身近なことというような発言があったかと思いますけれども、そういった身近な生活とのつながりという点において見たときに、東京書籍のおてがる科学というのがございますが、これは調査研究報告書にもございましたが、単元で学んだことと身の回りの現象が関連付けられている内容、それが多く掲載されていると思いました。正しく子どもたちがコラムの中で学んだことを自分たちで手軽に実験できる内容として紹介されています。このように、理科というと少し高度な印象を受けてしまいますけれども、自分の身近なことであるため理解がしやすくなっている、そのような工夫ではないかと感じました。
また、東京書籍では、振り返りの観点で見ますと、章末に学んだことをチェックしようという項目がございます。単元の最後には確かめ問題や応用問題が設定されています。特に単元末の応用問題では、例えば1年生の136ページにございますように、日常生活で子どもたちが疑問に思うようなことを会話形式で問題提起しているところがありました。単に語句を覚えるという勉学ではなくて、主体的に学習に取り組むことができるような工夫があるという印象を受けました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 今、森委員もコラムについて触れていましたけれども、もう一つコラムについて触れさせてください。
内容の理解を深めるという点で、学校図書は理路整然というコラムが随所に掲載されています。この理路整然ですけれども、特に1年生の15ページには、考えたことをどのように伝えていくのか、伝わるコツはというような内容で、発表の仕方についてもアドバイスが書かれていました。調査研究報告書にもありますように、厚木市の子どもたちの課題である考えを伝えるということ、これについて詳しく手立てが掲載されていて、これもいいと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、山本委員からあった考えを伝えるということは、私も非常に大事なことだと思っております。その考えを生み出す出発地点としては、まず、疑問を持つということが大切ではないかと思っています。
その中で、教育出版なのですけれども、各章ごとに学習前の私、それから章が終わると学習後の私というのがありまして、これは学習した内容を章末で結論付けることができるようなうまい構成になっていると思っておりまして、子どもたちに主体的な学習を、主体的な活動を促すという工夫になっていると思います。
さらに、同じく教育出版なのですけれども、巻末に基礎技能という巻末資料があるのですけれども、ここでは実験器具の使い方ですとか、危険な使い方の注意喚起という内容が分かりやすく記載されていて、子どもたちが安全に実験等をできるように工夫されていると思います。
それから、理科では実験を通して考えを深め、それをまとめるという場面が多く出てきますけれども、実験という視点で見ると、東京書籍なのですけれども、観察や実験のページが非常に豊富にあるように感じられます。先生方のアンケート、教員アンケートにもあるように、実験操作や原理が分かりやすくレイアウトされていて、丁寧に示されていることは子どもたちが安全に、スムーズに実験等を行うことができるように工夫されているというような言葉もありました。
また、同じく東京書籍なのですけれども、学んだことを社会に広げていこうというか、生活に活用していこうというような観点で言うと、東京書籍の1年生なのですけれども、例えば62ページなのですけれども、これは動物とか植物の分類を学習するのですけれども、その学習したものを自分たちの生活に当てはめて考えて活用していくというところで、これはその身に付けたものを活用していく力を付けると。これは厚木市の子どもたちに身に付けさせたい力ではないかと考えています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 先ほども出たと思うのですけれども、学習の前後で自分の考えの変化を理解する、捉えるというのはほとんど全ての者で見られると思っています。
新興出版社啓林館についてですけれども、その教科書では、学ぶ前にトライ、学んだ後にリトライというような形で、単元を学習する前と後で考えがどのように変わっているのかというような発問がありました。
また、啓林館さんの場合は、私もすごく感動したのですけれども、教職員のアンケートでもやはり触れられていましたけれども、写真がすばらしいなと。これは迫力があるし、見ている生徒たちも興味を持ってくれるのではないかと強く感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 理科の各者の教科書を拝見しまして、探究というのが一つのキーワードになるかと感じております。その探究の進め方についての視点で見たときに、教育出版ですけれども、とても意識していると感じました。巻頭に探究の進め方という箇所があって、学習の最初にどのように進めていけばいいかというのが示されているのですね。子どもたちにとっては、こういったところというのはとても参考になるのではないかと思いますし、実際に教科書を見てもらえると分かると思いますけれども、どのページを使っていても一目で進め方が分かって、見通しを持って学習に取り組むことができるのではないかと感じます。
これは教員アンケートでも好評だったと思いますけれども、さらに各単元の探究してみようというページで、疑問を見つける、それから課題を決める、仮説を立てるなどの手順について解説を見ながら進めることができまして、とてもいいと感じました。
以上です。
○佐後教育長 私から、今、山本委員がお話しされた探究の進め方については、私も大変工夫がされていていいと思いました。本当に見開きのページが巻頭に付いているのですけれども、それを開くと、どのページを勉強していても、今どの段階の探究を進めているのか、またどのように探究を進めていったらいいのかというのが分かる、そのような工夫があると私も感じました。
それから、学校図書につきましては、これも山本委員が御指摘された理路整然のコラムですけれども、これも本当に生徒の興味・関心を広げ、思考を促す内容になっていていいと私も感じました。例えば、1年生53ページにあります理路整然では、どうする、結果と考察というタイトルで、結果と考察の違いについて分かりやすく説明されているのが良いと感じました。
また、新興出版社啓林館のコラムとして、これも山本委員がお話しされましたけれども、部活ラボ、お仕事ラボ、防災減災ラボなど、やはり生徒の生活に関連した科学の内容が示されていて、科学に興味を引くための工夫がされていると感じました。
また、巻末の探Qシートは、自分で立てた課題や仮説、計画などについて記入し、グループで交流するなど、学びを深める工夫があると感じました。
それから、東京書籍ですけれども、調査研究報告書のとおり学習の流れが分かりやすいという印象を私も持ちました。教職員のアンケートにもありますとおり、問題発見から仮説、実験、結論、応用と進む過程が大変分かりやすく示されていて、学習者が今何を学んでいるかの段階が分かる仕組みになっているのが良いと思いました。
それから、学習前と後の思考の変容について、これは東京書籍ではビフォーアフターの問いで確認することができて、自分の言葉で学んだことを整理するとともに、さらに学びを社会や生活につなげていく活動も設計されているのが大変良いと感じました。
ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見がありませんので採決に移ります。
理科の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 4人。
大日本図書に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
学校図書に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
新興出版社啓林館につきましては挙手なしとして確認いたします。
それでは、確認いたします。
東京書籍に賛成の方が4人、教育出版に賛成の方が1人ですので、理科は東京書籍を採択いたします。
次に、音楽(一般)の教科用図書について御意見を伺います。
それでは、御意見のある方はお願いいたします。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 まず、教育出版です。1年生でLet‘s tryいうのがありますけれども、これに「くいしんぼうのラップ」というところがありまして、これはラップですからメロディーを伴わない、速度や強弱を自由に設定してリズミックに歌うというのかな、そういった教材です。今、子どもたちの身の回りにラップ音楽というのは随分広まっていますので、子どもたち自身もこういう題材だと楽しく取り組めるのではないかという印象を持ちました。
2・3下のほうですけれども、こちらでは音のスケッチというので、CMソングを作るというような学習が設定されています。やはりこちらのほうも、子どもたちの身の回りにたくさんあふれているCMソングがありますので、これもやはり子どもも食いついてくるのではないかと、非常に意欲的に取り組んでくれるのではないかと感じております。
以上です。
○佐後教育長 私からですけれども、今杉山委員がおっしゃられた教育出版のLet’tryは、私も面白い内容だと思いました。先ほどお話があったくいしんぼうのラップのほかにも、ケチャをリズムアンサンブルとして取り上げるなど、音楽に苦手意識を持つ生徒も楽しみながら学ぶことができるのではないかと思いました。
それから、教育芸術社ですけれども、音色やリズム、旋律などの音楽を形づくっている要素について、その一つ一つの題材ごとに示されていて、生徒はその要素を意識しながら学習に取り組むことができるのは、とても良い点だと感じました。
ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 教育芸術社なのですけれども、学びのコンパスというところがありまして、そこでより良い表現ですとか鑑賞について、生徒が話し合う活動が取り入れられているのですね。このことについては、調査研究報告書にも記載がありましたし、また検討委員会の意見でも、この取扱いは、子どもたちが主体的に学習に取り組む工夫として評価されていると思いました。
また、同じく教育芸術社なのですけれども、1年生のマイヴォイスというページがありまして、この中で変声期のことが取り上げられているのですけれども、これは15ページなのですけれども、これについても小学校との接続というか、体の発達の中の一部として、接続について配慮されている内容かと思って、工夫が見られると感じています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 今の宮崎委員からの御意見でもございましたけれども、教育芸術社のマイヴォイスのページ、この早い段階、14ページですけれども、歌うためのポイントが段階的に示されていることがとてもいいと思いました。豊かな発声の方法から、心を込め、思いを込めた表現へ深めるもので、合唱コンクールを行っている学校が多い厚木市の中学生にとっては、歌うことのすばらしさをより丁寧に扱っていますし、関心を持って取り組めるページではないかと感じております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 音楽では、定番音楽というのが頭に少し浮かんでしまったのですけれども、ただ、いろいろなジャンルの音楽に触れるというのがすごく必要なのではないかと思います。
その点においては、教育芸術社は海外と日本のポピュラー音楽についても丁寧に取り上げて、音楽が苦手な子が興味を持つきっかけ、そういったものを提供しているのではないかと感じました。
それから、教育出版では、調査研究報告書にも記載があるのですけれども、コンピューターで表現しようというのがあります。音楽制作アプリでの作曲を紹介していて、時代に即して音楽の楽しみ方を広げられる、そういった工夫を提案していると感じました。生徒の手元にあるGIGAスクール端末で学習につなげられる可能性が考えられるのではないかと思い、ここの提案も非常にいいと思います。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
音楽(一般)の教科用図書につきまして、教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 2人。
教育芸術社に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
確認いたします。
教育出版に賛成の方が2人、教育芸術社に賛成の方が3人ですので、音楽一般は教育芸術社を採択いたします。
次に、音楽の器楽合奏の教科用図書について御意見をお願いいたします。
山本委員。
○山本委員 音楽の楽しみ方というのは、演奏だけではなくて、聞いたり、音を作ったりといろいろあることかと思います。
その点においては、教育芸術社は音楽(一般)と同様に、ギターをクラシックだけではなくていろいろなもの、いろいろなギターを紹介して、リコーダーもいろいろな種類があるというのを写真で紹介しています。こういうのは音を楽しむということについての深みを感じさせることにつながるのではないかと思いまして、いいと思いました。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
森委員。
○森委員 ギターの指遣いについては2者とも掲載されていたと思いますけれども、教育芸術社のほうが、イラストが入っていてとても見やすいと感じております。また、ほかに打楽器についてもいろいろな打楽器が整理され、掲載されていて、見やすい印象がございました。
さらに、小さな楽器も掲載されているので、例えばピアノなど難しい楽器は、年数が必要な楽器は難しいけれども、みんなで少しセッションするというような場合、とても取り組みやすいのではないかと感じております。
また、それぞれの打楽器には練習のための譜面が入っているので、更に取り組みやすいという感じがしております。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、打楽器について森委員がおっしゃられたのですけれども、教育芸術社は奏法についても写真とともに多様な種類を紹介しておりまして、子どもたちが興味・関心を持って主体的に活動できるように工夫されていると思います。
同じく教育芸術社は、教員アンケートにも書かれているとおり、全体的に写真や図、それからイラストを使った丁寧な解説があるので、これは子どもたちにとっては分かりやすいと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 教育芸術社です。始めのところを見ると、リコーダーが出ています。姿勢、それから運指、この辺が丁寧に書かれているという印象を持っています。リコーダーの演奏が、レッスン1では、まず左手だけの指遣い、運指、それからレッスン2になると両手でというような運指の方法というのが、練習が段階的に進んでいくというようなことが書かれていて、技能の上達がうまく実感できる、進むのではないかという工夫がされていると思いました。
それから、合奏についても、響かせ方、それから低音や高音の出し方等々、良い演奏に導こうとするような配慮、姿勢が書かれているという印象です。
それから、教育出版ですけれども、これは篠笛のページが非常に印象的でした。大きな写真がありまして、各部の紹介、姿勢、それから和楽器についての説明等々が詳しく書かれていました。
それから、教職員のアンケートにもありましたけれども、箏を扱っている曲数が多いので、上達の段階に応じて練習ができると感じました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私からですけれども、今、箏の曲数が多いというお話がありましたけれども、和楽器の演奏では、厚木市の学校では箏の演奏を扱うことが多いので、その点では教育出版では、箏の曲数を多く扱っている点は良いと思います。
ただ、教育芸術社のほうが箏に関するページ数が多くて、演奏や旋律づくりもより丁寧に扱われている印象を私は持ちました。
ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見ないようですので採決に移ります。
音楽の器楽合奏の教科用図書につきまして、教育出版に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育芸術社に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 5人。
確認いたします。
教育芸術社に賛成の方が5人ですので、音楽の器楽合奏は教育芸術社を採択いたします。
次に、美術の教科用図書について御意見をお願いします。
宮崎委員。
○宮崎委員 今回、3者ともそれぞれ特徴があって、どれも内容を中心に大変すばらしい教科書だと感じております。
まず、開隆堂なのですけれども、芸術作品の写真が掲載されているものが多くて、鑑賞の補助的な資料としても有効なのではないかと思っております。また、触感から感性を刺激する特徴的なつくりの表紙、これも含めて、子どもたちが興味を持って美術に向かえる工夫だと感じております。
次に、日本文教出版ですけれども、これは中学生の作品が多く掲載されていて、これも絵画や創作があまり得意でない子どもたちでも美術を身近に感じられるような工夫の一つではないかと思います。
それから、光村図書出版ですけれども、これは見ると別冊での資料が特徴なのですけれども、これは3年間分の学習で扱う、主に知識や技能について別冊としてまとめられているのですけれども、子どもたちは別冊の写真が非常に分かりやすいので、学習内容を理解しやすいのではないかと思いました。
それぞれの教科書は様々な特徴を備えているのですけれども、厚木市の子どもたちが学習する上で、また、先生方が授業を進める上で適しているのはどれかというポイントで考えていきたいと思っています。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
山本委員。
○山本委員 開隆堂出版ですけれども、表紙を触っていただければ分かるように立体的な手触り、これが特徴的かと思うのですね。私も触って驚きました。扱われている写真もとてもきれいで、ただ、その一方で、全体的に掲載されている子どもの作品はやや少なめという印象を持っております。
また、最近では子どもたちも1人1台のGIGAスクール端末を持っています。様々なところでICTの活用が進んでいまして、デジタルについては美術の世界でも大切な要素の一つになると考えています。
今回どの者でも映像づくり、こういったところに関するページが掲載されているのですけれども、開隆堂では2、3年生の108ページで、映像づくりに関するページがあります。
日本文教出版、こちらのほうは2、3年生の下巻と52ページのところで動画制作について掲載されていて、これも非常に丁寧に書かれていると感じました。
光村図書出版については別冊の資料に掲載されていて、編集ソフトの活用、ここまで触れていて、とてもわかりやすく書いていると感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 まず、光村図書出版です。1の54ページのところにもありますけれども、先ほど話が少し出たGIGAスクール端末、これを活用した作品のデザインづくりが紹介されています。これからの時代の美術作品づくりにつながるものなのではないかと感じています。
また、1年の最初、これは10ページ、11ページのところですけれども、美術の扉を開こうというところに四つの柱、これを用いて美術をスタートさせるということなのですけれども、次の12ページのところで、美術作品の見方、それから表現の仕方を考えさせているということで、やはり中学生だということなのですけれども、少し美術に苦手意識を持っているような子には芸術へのハードルが上がってしまうのではないかと感じさせるような印象を持ちました。
それから、日本文教出版ですけれども、これは鑑賞の際の視点が具体的に示されていて糸口がつかみやすいと思うのです。
それから、これは大変驚いたのですけれども、美術2・3の下巻の9ページにある自画像なのですけれども、クールベの絶望の自画像とか、それからその次のわたし自身を見つめてというところで自画像の作品が出ているのですけれども、これはすごく迫力があって、インパクトが強いと私は思いました。
芸術家の作品だけではなくて中学生の作品も随分たくさん出ておりまして、これは子どもたちもこういうように描いたのだと、何か親近感を持ちながら美術に少し関心を持ってくれるのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
森委員。
○森委員 美術の教科の中では、表現をすること、それから鑑賞することという二つの大きな項目があると考えております。
開隆堂出版では、その表現と鑑賞が単元で一つにまとまっているような印象がありました。
また、これは余談ですけれども、美術1の始めの単元で、14ページからですけれども、人物画を描くという単元の中で、中学校へ進学した子どもたちにとって取り組みやすい、面白い企画だと思うものがあります。一人一人の自分の自画像的なものなのか、誰かを描いているのか分からないですけれども、そのような活動をクラスみんなで行われたら、学級づくりにもとても良い効果があるのではないかと感じております。
また、鑑賞も含めて、中学生でもできる表現活動なので、ハードルがそれほど高くはないかと、あまり身構えずに気軽に取り組めるのではないかという印象を受けています。
別に光村図書出版のほうで、美術の2・3、78ページに和菓子の写真が掲載されていました。これは見るだけでも楽しいですし、すごいと感じました。暮らしの中で季節を感じること、これは日本では本当に特徴的なところだと思うのですけれども、それが単元になっています。そして、これも美術だということを改めて実感できるページだと感じました。これから社会に出て、こんな身近なところでも美術につながるということを子どもたちも改めて知るいい機会ではないかと思っています。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私からですけれども、開隆堂出版につきましては、これはもう先ほど多くの御意見ありましたけれども、確かに表紙、それから中身の写真の美しさに本当に目を奪われる教科書だと思いました。教員アンケートにあるとおり、生徒作品よりも芸術作品が多く、作品集のように生徒が芸術に関心を持つ、そのようなきっかけになる教科書なのかと思い、その点は良いのではないかと思いました。
それから、日本文教出版では、美術作品が社会とつながっていることを取り上げていて、その中であつぎキッズゲルニカが紹介されているのは厚木の子どもたちにとって誇りであり、身近な作品が取り上げられることで美術に興味を持つきっかけになるのではないかと思いました。
ただ、教科書全体を通して見ると、教員アンケートには、教科書が示す学習内容をどう取り扱うかで授業が変わってくるとあり、先生の生徒理解や授業研究、あるいは力量に多くを委ねてしまうのではないかと感じました。
それから、光村図書出版は、生徒が作品づくりに取り組む様子が多く掲載されていて、生徒にとっては自分の作品づくりにつなげやすいと感じました。また、風神雷神などは、屏風絵と彫刻作品の比較、また違う絵師による比較など、興味深い内容になっていると感じました。教員アンケートにあるように授業が行いやすい教科書であるという印象を私は持ちました。
ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 もう一つお話をさせてください。
先ほどデジタルのお話をさせていただいたのですけれども、もう一つの視点で話をいたします。開隆堂出版の美術2・3の38ページに鳥獣人物戯画が出ています。最古の漫画と言われているものですけれども、そこからどんどん時代が進んでいって、現代のアニメーションへつないでいて、日本の文化のつながり、漫画からアニメへのつながりというのを感じさせるつくりというのは面白い着眼点だと感じました。
トータルで見たときに、光村図書出版ですけれども、生徒の作品と芸術作品のバランスがすごくいいと感じました。授業で取り扱いやすいというところと、もう一つ、別冊資料については、調査研究報告書、それから検討委員会、その意見からも伺えますように美術で学ぶ知識、技能だけではなくて発想や構想する力を伸ばすための思考ツールの活用が示されています。学習で必要なものを一つにまとめて上手に提案されているというところでは先生も生徒も使いやすいのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
美術の教科用図書につきまして、開隆堂出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
光村図書出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
日本文教出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
確認します。
開隆堂出版に賛成の方が1人、光村図書出版に賛成の方が3人、日本文教出版に賛成の方が1人ですので、美術は光村図書出版を採択いたします。
ここで10分間休憩いたします。
暫時休憩15時18分
再開時刻15時28分
○佐後教育長 それでは、再開いたします。
次に、保健体育の教科用図書について御意見をお願いいたします。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 保健体育は、教科書を使って授業をする時間というのがどちらかというと少ないのではないかということで、授業の流れについては、やはり生徒が見通しを持ってスムーズに進められるような形、これがいいのではないか、望ましいのではないかと思っています。
そういった視点で見ると、まずGakkenなのですけれども、Gakkenは各単位時間のところに、まず、左のほうにウォームアップ(課題の発見)、それからその後にはエクササイズ(課題の解決)、最後に学びを生かす(学びの活用)、というような流れが統一されて出てきます。こういうのは、やはり子どもたちは非常に分かりやすいのではないかと思います。これはやはり大きな特徴でいいのではないかと思います。
それから、大修館、こちらのほうも、やはりGakkenと同じように流れが分かりやすいです。やはり課題をつかむ、それから今日の学習、最後に学習のまとめという流れになっていまして、この辺はGakkenとともに非常にいいのではないかと思います。
それから、大修館について言いますと、調査研究報告書にもあるのですけれども、教科書の欄外のところに掘り下げるというようなコラムというのか、そういうものがあるのですけれども、これが学習内容のところに出てくる言葉についての解説、説明、この辺がなされていて、これはやはり授業を進めていく上では、こういうのも大きな力になるのではないかと感じています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
森委員。
○森委員 教科書の学習の流れ、構成については、今回の4者、全てとても良く工夫されているという印象を持っています。
その中で、調査の観点の5の表記にある教科書の見やすさについてですけれども、東京書籍は、字の大きさも色合いもとても見やすい印象を受けております。この点については、教員アンケートの中にも、色覚特性に適応するデザインであること、こういった意見もございました。このほか複数の好意的な評価があった印象を持っています。
ほかに、例えば体のつくりのところで、内臓や筋肉について学ぶページがございますけれども、52、53ページ見開きで資料がございますが、そのイラストがとても優しい色合いで、色遣いで丁寧に描かれています。中学生ともなると、子どもたち自身が筋肉について興味も湧くことがございますけれども、そういったとても優しい表現の仕方で、それぞれの自分が持っている体の中を意識して観察する、そのような手立てになるのではないかと感じております。
また、東京書籍の巻末スキルブックは内容がとても充実していると思います。このことについては、調査研究報告書や教員のアンケートでも、やはり好意的、とても良いという意見があったという印象を持っております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、見やすさというお話もありましたけれども、教科書の構成というか、作り方の観点で見てみると、Gakkenなのですけれども、全て左側が本文になっていて、右側に補足的に資料と形が統一されているのですね。これは子どもたち、各ページとても見やすくて、扱いやすいのではないかと感じています。
その他の観点として、データですね。いろいろと教科書の中で、データで説明したり内容を理解するというページがあるのですけれども、このデータの新しさに注目して比べてみると、これもGakkenなのですけれども、これは教科書の例えば58ページの自己形成という内容を学習するところに、全国学力・学習状況調査の生徒の質問紙調査の結果がありまして、内容で言うと、自分にはよいところがあるという質問に対する回答のデータが載っているのですけれども、この項目自体が私は厚木市の子どもたちは比較的低いという課題があるということで、そういう自己肯定感に関する調査なのですけれども、このデータが令和4年度の学力・学習状況調査の結果を基にした資料なのですね。これは比較的新しいかと思うのですけれども、一方、大日本図書にも様々なデータが、調査結果のデータがあるのですけれども、こちらはやや古く、ほかの者よりも古くなっていて使い勝手が悪いかと。また、新しい結果が、データが掲載されているということは、指導する先生方にとっても、生徒にとっても説得力があると思います。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 ほかの委員もおっしゃっていましたけれども、どの者も全体としての構成ですとか、それから学習項目の示し方はすごく工夫されていると、質が高いものだと感じました。ですので、幾つか細かい点を見たほうがいいかと思いまして、まず一つにスポーツの扱い方、捉え方がどのようになっているのかを見させてもらいました。
例えばオリンピックとかパラリンピックについては、東京書籍が文化としてのスポーツの意義という単元で、スポーツの意義についてとても良くまとめられていると思います。
ただ、先般行われました東京オリンピック、これについての掲載が少ないと感じました。その点、大日本図書は巻頭でオリンピック・パラリンピックの歴史を大きく取り扱っていて、それこそ2020東京大会での写真もたくさん使用されていますから、先生方、それから子どもたちが話題にしやすいのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
では、山本委員、引き続きでお願いします。
○山本委員 すみません、続けてお話しさせてください。
スポーツとは別の点で、大修館書店なのですけれども、口絵の部分で、神奈川県のともに生きる社会かながわ応援大使に任命されています金澤さんが紹介されているのですね。この金澤さんは、厚木市にも書を書きに来てくださいまして、そういった記憶というのが私たちにも子どもたちにも記憶が新しいのではないかと思っております。その金澤さんの力強い書というのも市役所にも掲示されていますし、子どもたちに、正に共に生きる、そういった社会づくりを進めるきっかけづくり、話題づくりになるのではないかと感じました。
それから、Gakkenですけれども、巻末に保健体育の学習の終わりにという部分があります。子どもたちが3年間学習してきた内容を、なぜこれまで勉強してきたのかということをまとめるのにすごく役立つ、特徴のあるページだと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 心肺蘇生法、こちらについてはどの者も取り扱っているのですけれども、Gakkenの124から125ページにかけて、実習という形で技能が出ているのですけれども、これは流れがチャートで出ていて、それからそのところどころに写真、それから解説でこういうようにするんですよというのが説明されています。これは活用しやすいのではないかと感じました。
それから、保健分野で大事な内容なのですけれども、健康な生活と病気の予防という視点で見てみましたところ、大修館、こちらでは豊富な資料がありまして、それから特集資料でも扱っていると感じました。各授業時間では、喫煙や飲酒、それから薬物乱用において客観的な視点で考えることができる資料があるということや、それからその後ろの部分に特集資料というのがあるのですけれども、特集資料でインターネットと健康との影響、この辺も記載がありましたり、それからインターネット依存チェック、こういうものがありまして、やはり中学生という時期に、こういうもの、非常に身近で利用するケースが多いのではないかと思うのですけれども、そういう子どもたちの課題の内容でもあると思います。これはやはり授業で使える資料が豊富であると分かりやすいし指導もしやすいのではないかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 私もGakkenにまた触れたいのですけれども、保健編で、健康な生活ですとか疾病の予防、けがの防止等、重要な内容が学習できるようになっているのですけれども、それ以外のところで非行防止という観点で少し気になる点があるのですけれども、俗に非行の入口と言われている喫煙や飲酒、この内容について、Gakkenについては小学校の教科書では、喫煙について、真っ黒になった肺の写真などでその危険性を伝えていたのですけれども、同じく中学校の教科書でも、今度は血管の収縮ですとか脳への影響など、これが掲載されていて、子どもたちにとって気になる話題をきちんと捉えていていいのかと。また飲酒についても、95ページに写真を載せていて、脳の収縮のところですね、これもリアルで分かりやすいと思いました。
さらに、別の観点で、これは全国学力・学習状況調査の結果から話をすると、厚木の子どもたちは生活面での課題の中で、早寝早起きというのがなかなか全国の平均を下回っているという実態があります。
そのような中でGakkenについては、巻頭のところに運動、栄養、睡眠、それから休養ということで、睡眠というものを取り上げているのですね。これは厚木市でも睡眠教育を始めたところなのですけれども、この睡眠という大事な要素を巻頭で取り上げているというのが一つの特徴かと思います。こういうデータを示して、さらに子どもたちの生活のバランスを整えるというのが大事かと思っております。そのようなことで、特徴があると思いました。
以上です。
○佐後教育長 では、私からですけれども、今お話があったとおり、厚木市では現在睡眠教育に取り組んでいるところですけれども、睡眠の大切さを学ぶに当たっては、睡眠と成長ホルモンの関係を理解することも大切かと思います。その意味で、大日本図書と大修館書店、それからGakkenでは、睡眠のリズムと成長ホルモンの分泌について取り上げられているのは良いと思いました。
また、厚木市の課題となっている交通事故防止の観点では、Gakkenでは自転車について、中学生が加害者になる可能性があることに触れていて、自転車の乗り方について気を付けることが具体的に示されているのがとても良いと感じました。
また、がん教育なのですけれども、大修館書店では、家族の生活習慣について話し合う活動、それから大日本図書では、大人へのアドバイスを考える活動が設定されているのは良いと感じました。またGakkenでは家族に向けたがんを予防するためのメッセージカードづくりや、あるいは章末に探究ということで、2ページを使ってがんに関する情報や、がんになった人との接し方など取り上げていて、がんを本当に身近なものとして捉え、考えさせる工夫がされているのがとても良いと感じました。
ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、意見がないようですので採決に移ります。
保健体育の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
大日本図書に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
大修館書店に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
Gakkenに賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
確認します。
東京書籍に賛成の方が1人、大修館書店に賛成の方が1人、Gakkenに賛成の方が3人ですので、保健体育はGakkenを採択いたします。
次に、技術・家庭の技術分野の教科用図書について御意見をお願いいたします。
宮崎委員。
○宮崎委員 技術は中学校で初めて学習する教科ということもあるのですけれども、子どもたちはどのような学習を進めていくのかが不安になるところがあるかと思われます。
そのような中で、教育図書なのですけれども、この巻頭に、技術の問題解決ってなにというようなものが掲載されていまして、これは技術における見方・考え方について分かりやすく取り扱っているのかと思います。
また、同じく教育図書の調査研究報告書には、各題材の始めに見つけるのマークとともに1コマ漫画があって、それに触れているのですけれども、そのほかにも各編の第2章に技術をいかそうのところがありまして、その中にも問題を解決する流れを考えようというページがありまして、このページでもステップが4コマ漫画で示されているのですね。これは子どもが親しみやすくて、子どもたちの興味・関心を引き、学習のヒントになるものではないかと思っております。
さらに、技術は構成がA、B、C、Dの4編で構成されているのですけれども、その第2章の始めのところで、領域に応じた安全や衛生に関するページを設けています。このようなパターン化されたつくりが、子どもたちの学びやすさにつながると思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 今、宮崎委員からもお話ありましたように初めての教科というのは不安と、そしてその一方で楽しみもあるのではないかと思うのですね。そういった意味では、この技術という教科書、子どもたちが手にしたときにわくわくしながら見てくれるのではないかと期待しております。
検討委員会の中でも意見があったようですけれども、東京書籍と、それから教育図書でしょうか、扉の口絵で技術の進化が生活や社会にどのようにいかされているのか、そういったものを未来の街並みを示して理解させようとするものに対しまして、開隆堂はドラえもんの夢のような秘密道具が実は技術によって既に製品化されていると思えるような例を写真で取り上げて示していました。物にフォーカスしているという印象を受けて、各者でアプローチの仕方が異なるものだと感じています。
そうはいっても、技術のこの3者ですけれども、学習指導要領で示されています情報の技術領域、こういった分野については、記述の内容については3者は全く差がないと感じました。その中で、教育図書のスキルアシストですけれども、これも多くの意見があったようですけれども、教師にとっても生徒にとっても使い勝手がとてもいいものではないかと感じます。技能に関する資料が別冊にまとめられていて、学校だけでなく家庭でも活用できるものかと感じます。
また、人型の二足歩行ロボットを製作する題材というのも面白いと思っていて、先ほどお話ししたように子どもがわくわくするのではないかと感じます。
開隆堂は調理用ラックや、それからお手軽電動クリーナー、メモホルダーなど、自分の身近な生活の中にいかせるものづくりをいかしたものを提案している、そういった印象を受けました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 まず、東京書籍ですけれども、ガイダンスの12、13ページあたりに書かれていますけれども、工夫・創造の力が技術を支えるということで、例えばカッターナイフですとかスマートフォン、ステイオンタブ等々、消えるボールペンもそうですね、このようなものが紹介されています。生活や社会と技術科の学習のつながり、この辺が意識できるような工夫があると思います。
また、ものづくりや、それから持続可能な社会の実現のためのページでは、大人にとっても知っておきたい内容、こちらが出ておりまして、とても興味深く感じました。
それから、教育図書です。教育図書では巻頭で技術の分類や技術の力で目指すのは誰もが暮らしやすい社会を作るというようなことであるということを示していて、更に続けて、自転車の製造の際の視点を例に挙げまして、見る立場の人によって社会を良くするための問題解決方法が異なるというようなことを示しています。こういう見方というのはこれまでの学習ではあまり経験したことがないだろうと思い、これはいいのではないかと感じました。
それから開隆堂ですけれども、こちらもスプーンですとかはさみ、ボールペン等を例にして、同じように技術の分類や、それから技術の社会における役割などを示しています。技術のすばらしさを前面に出して伝える内容になっており、これは私も感銘を受けました。
以上です。
○佐後教育長 それでは私のほうから発言しますが、調査研究報告書にあるとおり、教育図書なのですけれども、巻末に設計・計画シート、計画・育成シートというのが付けられていて、このシートを利用して1章から4章までの授業でそれぞれ設計計画、あるいは計画育成等がまとめられるようになっているのはとても良い工夫であると感じました。
例えば、231ページにある自動点灯ライトを製作する学習では、課題を設定して、解決策を構想し、製作品の構想図を描くという学習の流れがあるのですけれども、これが先ほどお話ししたこのシート1枚でまとめることができるのはとても良い工夫であると感じています。
教員アンケートを見てみましても、このシートの効果については触れられていて、別途ワーク教材の購入の必要がなく、また生徒にとっても主体的に学習に取り組める良い工夫であると私も考えます。
また、生物育成の技術ではミニ大根を袋で栽培する例が載っていますけれども、畑のない学校の課題を解決する取組として厚木市の学校でも活用できる良い題材になるのではないかと感じました。
ほかに御意見ございますでしょうか。
森委員。
○森委員 さきの御意見の中で技術が中学校になって新しい教科であるというような御意見もあったと思いますけれども、小学校のときには図工で何か作ったりとか、そういったこともあったと思いますが、そういう認識ではなくて新しい教科と思うと、やはり一歩引いてしまうのではないかと思いますけれども、例えば東京書籍では各編の学習の始めが身の回りのものに着目をして、そこで使われている技術、仕組みを学んでいく、そのような流れかと感じております。
ですから、その入り方というのがすごく難しそうなものではなくて、生活を豊かにする、先ほど暮らしやすいようなことの御意見もありましたけれども、こんなことが不便だからこれを解決するためにはどうしたらいいんだろう、そういったものが技術として役立つというような視点がすごくいいと思っております。
これは経済性や安全性等から考えてもとても大切なことですし、技術で学ぶことの多くは普段何げなく使っているものが多いですけれども、その身近に使われているものについて当たり前に使っていますけれども、実はどうなっているのかを考えさせる入口にもなるのかと。これからやはり自分たちがどんな分野に進むか分からないけれども、そういったものづくりというところにも興味を示させられる教科なのかと。そういったところで入り方が東京書籍はとても身近に感じられると感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
では、御意見ないようですので採決に移ります。
技術・家庭の技術分野の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
教育図書に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 4人。
開隆堂出版につきましては挙手なしとして確認いたします。
それでは、確認いたします。
東京書籍に賛成の方が1人、教育図書に賛成の方が4人ですので、技術・家庭の技術分野は教育図書を採択いたします。
次に、技術・家庭の家庭分野の教科用図書について御意見をお願いいたします。
山本委員。
○山本委員 まず、各者の表紙を見ますとサブタイトルが記載されているのですね。東京書籍は自立と共生を目指してというサブタイトル、それから教育図書は暮らしを創造する、開隆堂出版は自立しともに支え合う生活へというように書かれています。ここに特徴があるのかと感じました。
開隆堂出版は自立しともに支え合う生活へというように、そのコンセプトを10ページ、11ページに丁寧に記載しているのですね。自立と共生について、その意味と関係に子どもたちがとても理解しやすいつくりを提示していると感じます。
3者のサブタイトルを見ますと、開隆堂だけではなくて3者とも、どのような教科書を作っていくのかというようなコンセプトが現れていると感じました。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 家族構成、それから家庭生活の状況については他の者でも取り上げておりまして、例えば東京書籍では20ページ、それから教育図書では14ページに同じように家族の人数、年齢、構成等様々であるということで、この2者ではアニメや漫画での家族を紹介しています。サザエさん、それからクレヨンしんちゃん、ドラえもんをはじめ、身近なキャラクターを例に挙げて、具体的に家族や家庭について考えることができるのではないかと感じています。
それから開隆堂出版ですけれども、これは他の者には見られない、例えば国際結婚による親と子ども、それから里親と子ども、夫婦二人といった家族構成も含めた形で取り上げていて、多様な家族関係の在り方を示しているのが特徴であると私は思っています。また、ヤングケアラー、それから里親について資料で取り上げたり、それから赤ちゃんポストについても触れたりということでかなり踏み込んでいます。
現実であって、これからの社会に生きる子どもたちにとっては是非知ってほしいし、考えてほしいテーマではあると思っているのですけれども、一方、教職員アンケートに見ると、ここまで踏み込まれると少し学校の状況から考えると厳しいというような、少し踏み込み過ぎではないかという意見を持つ、そういう声も聞かれていたと捉えています。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
森委員。
○森委員 家庭科の教科書3者ございますけれども、学ぶべきこと、これについてはとても3者とも良く工夫されて、いわゆる学ぶべきこと、知っておくべきことというのは図が入ったりなどでとても丁寧に紹介されているという印象を持っています。
その中で、今一つ私が注目したのは、食生活についての学習の分野で加工食品について注目をしてみました。昨今、食物アレルギーで症状が出ている方、食事に制限がある方、学校生活の中でも増えてきているかと思っています。ここで正しい知識を持っておく必要があると感じています。各者とも食品成分表についてはとても詳しく取り上げていますけれども、その食物アレルギーの資料については、東京書籍が59ページで、簡単なものですけれども、食物アレルギーになってどんな症状が出るのか、または原因の食物はどんなものがあるのか、イラストとともに紹介していて、とてもいい学習ができると思っています。
いろいろなデータがございますけれども、やはりここのところは該当者ももちろんですけれども、そうではない人も関心を持って知っておくべき項目かと感じています。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 家庭科というと、私などはすぐ調理実習を思い出してしまうのですけれども、その調理実習に関して言うと、1単位時間という短い中で、調理、試食、片付けというようなところまで行うということで、これはやはりシンプルで分かりやすく、そして見やすくというようなことが大事だと思います。
そういった中で教員アンケートには、東京書籍の食品群別摂取量の分かりやすい点であるとか、食材の分量を写真から読み取りやすいというような声がございました。例を挙げますと、例えばさけのムニエルを作る実習ですけれども、東京書籍では90、91ページ、それから教育図書では126ページ、開隆堂では142ページにそれぞれその紹介が載っております。
東京書籍では、調理の手順、それからその過程のポイント等々が細かく記載されていて、写真やイラストで更に分かりやすく紹介されておりまして、料理の苦手な私でもできそうな感じがするという印象を持ちました。
以上です。
○佐後教育長 私からですけれども、今、調理の話題が出ましたけれども、教育図書では、その調理に向けて栄養バランスのいい1日分の献立を考える学習があるのですけれども、巻末に料理の学習シールが付いていて、生徒が楽しみながらいろいろな献立を考えて、また考えたものをグループで交流できる、そのような工夫になっているということがいいと感じました。
教員アンケートを見ても、生徒の興味を引くということで、シールを用いた学習の有効性にも触れられていることから、先生方の資料作りにも役立つ工夫なのではないかと思いました。
御意見ございましたらお願いします。
宮崎委員。
○宮崎委員 教育図書なのですけれども、各編というか、章末に8か所ほど、各章末全てに学びを生かそうというページ、コーナーがありまして、学習の振り返りができるとともに、自分自身の生活に置き換えて考えさせる課題を取り入れているところがとても良い設定ではないか、構成ではないかと思っています。
検討委員会の意見の中にも、この学びを生かそうというコーナーについて、実生活との関連で学びを深める工夫が見られるというような意見があります。最も生活に身近な教科ですので、この問題解決の過程を意識した視点で物事を見させるという工夫については、これからの社会を生きる子どもたちに是非とも身に付けさせたい視点、身に付けさせたい力ではないかと思います。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、意見がございませんので採決に移ります。
技術・家庭の家庭分野の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
教育図書に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 3人。
開隆堂出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
確認します。
東京書籍に賛成の方が1人、教育図書に賛成の方が3人、開隆堂出版に賛成の方が1人ですので、技術・家庭の家庭分野は教育図書を採択いたします。
次に、英語の教科用図書について御意見をお願いいたします。
山本委員。
○山本委員 小学校で英語の授業が始まりました。そのこともあるかと思いますけれども、どの者も小学校、中学校の接続を意識していることがよく分かるつくりになっていると思っております。
光村図書出版ですけれども、始めから25ページまでページを割いて、その連携というのを作っております。見開きではアルファベットの書き方や発音について丁寧に取り扱っているのが印象的だと思っています。
三省堂ですけれども、始めから24ページまで、Starterというページを作りまして、小学校で使った単語とか表現を使う機会を作っております。
いずれにしても、すごく小・中の接続、こういったところを意識している者が多いと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、山本委員から小学校との接続という観点でお話がありましたけれども、東京書籍なのですけれども、これは特に小学校とのつながりを意識したつくり、構成があると思います。ユニット0から始まっておりまして、これは10までずっと続くのですけれども、ユニット0から4までは、小学校で学んだ単語ですとか表現を使って学習できるようになっているのですね。これは正しく小学校とのつながりを意識した内容がここに盛り込んであるものと思います。
また、コミュニケーションに関する課題や単語欄に示されておりますこのページ、時々出てくる桜で「小」というマークがあるのですけれども、これも小・中のつながりで大変分かりやすいと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 開隆堂出版です。1年生の教科書の始まりにGet Readyというのがありまして、これも小学校でできるようになったことを確認しようということで始まっています。この辺は小学校の学習と密接に関わった内容を取り入れているというように思って、これはなかなかいいと思っています。
特に6番のところなのですけれども、英語の語順というのがありまして、これがなかなか良かったと思うのですけれども、あえて間違えている英語の語順、例えば「ベンはパンダを見ました。」という例文を日本語の語順で言うと、Ben a panda saw.みたいになるのですけれども、これは本当は英語の語順はBen saw a panda.になるわけですけれども、こういうわざと間違えた形で示すというようなことで、やはり子どもがなるほどと楽しみながら、気付きながら学習できるようにしている、そのような工夫に見えるということでいいと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
森委員。
○森委員 検討委員会の御意見の中に記載があったのですけれども、小学校での英語教育で中学生たちは聞くことには慣れてきているというような記載がございました。英語はやはり耳から覚えるほうが、まずは入口としてはいいと考えたときに小学校で聞くというところはもうベースができているのかというところをとても印象深く拝見しました。
そのような観点から見て、教育出版の教科書はデジタル教科書での読み上げの機能も充実していたりと、聞くことをベースに学習に取り組むことができるのではないかという印象を持っています。
また、教科書の中にある例文、使っている文章ですけれども、学校や日常生活で話題になりそうなテーマを取り上げています。例えば学びが進んでいく中では、文法などを学ばなくてはいけないところもあると思うのですけれども、例文がきちんと頭の中で思い浮かべる、想像できる、イメージができる例文ですから、そこを理解するのは簡単にできて、それ以上に、その場面がイメージできるからこそ、ここで学ばなければいけない文法について指導があったときに、とてもそこは入りやすいという印象を持っております。
以上です。
○佐後教育長 私のほうからですけれども、今、森委員のほうからデジタル教科書のことについてお話があったのですけれども、英語については子どもたちはデジタル教科書で学ぶことになりますけれども、各者見比べてみますと、この読み上げ機能が画面、子どもたちは紙の教科書で見ている画面と同じ画面で読み上げてくれるタイプのものと、それから別の画面が開いて英語を読み上げるタイプがあるというようになっておりましたけれども、私は教科書の画面は同じ画面のまま読み上げてくれたほうが、子どもたちにとって分かりやすいのではないかと感じました。
その点では、新興出版社啓林館、それから開隆堂出版、光村図書出版のデジタル教科書が私は分かりやすいのではないかと思いました。
ほかに御意見ございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 先ほど少し文法の話が出ていましたけれども、こちらについては新興出版社啓林館ですけれども、これは下のほうに新しい文法や表現をTargetという形で示していて、右側のページで聞く、話す、書くということで、学びを深めていくような形で工夫されていると思います。
それから、各者とも英語の歌を扱っているというのも特徴の一つと思うのですけれども、同じく英語の歌を掲載している三省堂ですとか東京書籍ではテイラー・スウィフトの歌ですとか、子どもたちに有名な映画の歌などを載せているのに対して、新興出版社啓林館、こちらは私のリアルタイムの歌ばかりなので大分古い感じがするのですけれども、リズム的にも、それから英語的にも優しい歌が多く載っています。さらに訳詞が日本語訳も付いているということで、この歌はこんな意味があるというようなことが分かるというのは、すごく子どもたちにとってはいいのではないかと思っています。
以上です。
○佐後教育長 では、私からお話、意見を述べさせていただきますけれども、新興出版社啓林館については、先ほどお話に出ているのですけれども、一回の授業で扱う内容が見開きになっていて、読む、聞く、話す、書くの言語活動が、もうその中に設定されていることから、授業が作りやすいと感じました。また、学習の終わりにあるExpress Yourselfも、自分のことを話したり書いたりすることで実践的な力が身に付くのではないかという印象を持ちました。
また、授業の流れという点で、開隆堂出版は単元の流れが大変工夫されている印象を持ちました。場面で新しい表現をつかむSceneから始まり、各パートで本文の内容とともに重要語句を学び、Review&Retellでは、これまで学んだことを自分の表現を加えて説明する活動が設定されているのが、とても良い工夫だと思いました。
ほかに御意見ございますでしょうか。
山本委員。
○山本委員 今、教育長から開隆堂出版のReview & Retellの話が出ましたけれども、私もこれはすごくいいと感じております。子どもたちの創造力と、それから表現力、こういったものを磨かせる工夫があるのではないかと感じるのですね。このことについて、教員アンケートでもそういったようなことが書かれていることから、先生方にしてもここの部分は使いやすい、そういったものになるのではないかと思います。
それから、同じ開隆堂出版ですけれども、巻末のCan-Doリストは単元ごとにできるようになっていることから、これもすごく便利というか、五つの領域ごとに示されているので生徒たちも使いやすいのではないかと感じます。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
宮崎委員。
○宮崎委員 私も開隆堂出版のところですけれども、Sceneというページです。これはそれぞれの委員さんから話が出ていましたけれども、各単元、各プログラムの中に場面場面で表現されて使うということになっているのですが、これがイラストになっていて、子どもたちがイメージしやすく、親しみやすく、会話が進めやすいのではないかという示し方、構成になっていていいと思いました。
また、言語活動の育成という点で言いますと、Our Projectです。これも教科書の情報から自分の意見をまとめ、更に書き込みをしながら他者に伝えていくことができるというような、段階を踏んで学習を進めていくようなつくり、構成になっていて、よく工夫されていると思いました。
さらに、開隆堂なのですけれども、書き込むところが随所にあるのですけれども、ここは割とゆったりとしたスペースで子どもたちが使いやすいかと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
英語の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
開隆堂出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 4人。
三省堂に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 1人。
光村図書出版、新興出版社啓林館につきましては挙手なしとして確認いたします。
それでは、確認します。
開隆堂出版に賛成の方が4人、教育出版に賛成の方が1人ですので、英語は開隆堂出版を採択いたします。
次に、道徳の教科用図書について御意見をお願いいたします。
宮崎委員。
○宮崎委員 道徳なのですけれども、これは学習指導要領の目標にも書かれているとおりなのですけれども、子どもたちがより良く生きるための基盤とその基盤となる道徳性を養う教科というように思っています。
これは各者とも巻頭に道徳の学習についての説明がありまして非常に分かりやすいのですけれども、私が見た中で言うと、東京書籍なのですけれども、東京書籍は道徳科とはという中身で道徳で何を学ぶかがしっかりと伝えられているのではないかという印象を持ちました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますか。
山本委員。
○山本委員 私も今宮崎委員がお話しされたように巻頭のところで道徳の学び方というのをどのように提示しているのかという、そういったところを各者上手に表現されていると感じております。
例えば光村図書出版は、巻頭の10ページ、11ページで道徳道案内というのがあります。考えるということがすごく示されていて、年間の見通しがすごく分かりやすいのですね。学習を通して生徒が今何を学んでいるのか、そういったメッセージが吹き出しのところでも表示されていて、これはいい工夫だと感じました。
それから、東京書籍、それから教育出版ですけれども、いじめですとか、それから命について、目次のところで色を分けてユニットに設定しているのですね、教科書の中身で。そういったものというのも、何を重点に扱ってほしいのかというのをすごく分かりやすく示しているのではないかと感じております。
もう一つ、教育出版ですけれども、全学年をユニットにした系統的な扱いというのは、検討委員会でもとても意見があったようですけれども、特徴の一つと言えるものなのかと感じました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 やはりいじめの取扱いについて気になりましたので、いろいろ者を見てみました。
まず、東京書籍ですけれども、各学年でいじめの無い世界へという三つぐらいの題材を使ったユニット教材、これを設定していて、体験的に捉えられるような取組がされていると思いました。
調査研究報告書の2-3のところにも示されていますけれども、ロールプレイ、これを使っているような工夫がありまして、やはりロールプレイをやると体験的な形になりまして、その立場で自分をどうするか、どう考えるかという形になりますので、こういうのは大変いいのではないかと思いました。
以上です。
○佐後教育長 ほかにございますでしょうか。
宮崎委員。
○宮崎委員 今、いじめのところで、山本委員から目次の色分けがあるという話があったのですけれども、これは教育出版での話だったのですけれども、実は日本文教出版も、目次がいじめに向き合うという表題で色分けがしてあって非常に分かりやすいです。いじめを絶対にやらないということを考えながら、これを理解していくために、さらに日本文教出版は体験的な学習としても、ペア学習やロールプレイも取り入れております。また、教員アンケートの中でも挙げられていますけれども、それぞれのコラムについてもかなり充実しているのかと。
こういう日本文教出版の内容や構成については、厚木市の子どもたちの実態に即して作られているという印象を持ちました。
以上です。
○佐後教育長 それでは、私から意見を述べますけれども、今、宮崎委員のほうでいじめのことについてユニットを組んでいるということで、見比べてみますと、多くの者がいじめについて教材をユニット、又は関連付けして扱っているのが分かりますけれども、その中で、教育出版と日本文教出版、それからあかつき教育図書にはいじめ防止対策推進法の記載もあって、法律でいじめが禁止されていることを学ぶことができるのは良いと思いました。
また、教育出版とあかつき教育図書には、24時間SOS相談ダイヤルや子どもSOS相談窓口の連絡先や二次元コードが載っていて、授業で取り上げる中で、いじめで悩んでいる子ども、生徒の手助けになるのではないかと思いました。
それから、Gakkenでは、いじめはユニットとしては扱われておらず、代わりにSDGsやキャリア教育、多様性がユニットとして扱われているのは新しい視点だと思いました。
御意見ある方、お願いいたします。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 日本教科書です。こちらのほうはウェルビーイングカードというのがありまして、これを活用しながら自分の意見を話したり、相手の意見を聞いたりして、対話的な学習活動が展開できるような形になっています。これが一番の特色だと思いました。
ウェルビーイングカードについては、教員アンケートのほうでも授業の中で考えが視覚化されて楽しみながら使えそうだという意見が出ています。ただ、まだ教員にも、それから生徒たちにもウェルビーイングに関する十分な知識、素地、こういうのがまだできていないというような気がしますので、でも、やはりウェルビーイングという考え方がOECDの学びの羅針盤の中で教育の目的は個人と社会、二つのウェルビーイングを実現することとしているように、教育の目的とも言えるものなので、これからの教育では外せない視点であるということは強く感じます。
もう一点なのですけれども、日本文教出版です。教材文のテーマですとかイラストの中に障害のある人や外国につながりのある人が取り上げられています。この辺は、他者よりも丁寧にその辺を見ているという印象を持ちました。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
森委員。
○森委員 日本文教出版についてお話をさせていただきたいと思います。
各章の単元で、考えてみよう、自分にプラスワンという問いが全てに入っています。この問いの仕方が、自分を主体として考えられるように作られていますし、全てこの問いなので、いじめにしても人権にしても、どの項目でもこの問いで、これはすごく、何か変に偏らずに私はいいと思っております。
そして、その問いに関して、別冊のノートに自分にプラスワンの欄があるのですけれども、それを学習のために全て使わなくてもいいとは思いますけれども、すぐに感じたり考えたことを書き込めるというのは、生徒たちが自分の考え方をその場で書くということの利点がありますし、後々、1年間終わって、2年間終わって、成長の記録としても考えられる有効なことだと感じています。
この道徳ノートについては、教員アンケートについても、先ほど自分にプラスワンの欄がありましたけれども、その上に自由に使える記述欄があります。このことをお示ししているのかと思いますけれども、教員アンケートでは汎用性のある形が使いやすいというような御意見もございました。
また、別の観点から見ますと、とかく長文になりがちな道徳の教科書の中で、一部、短い文章で話し合う学習を取り入れているところも比較的多かったと感じています。
さらに、視野を広げてのコラムや学びを深めよう、これもページも短くメッセージ性が高い表現で、生徒たちに高いインパクトを与えているのではないかと思っております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見がないようですので採決に移ります。
道徳の教科用図書につきまして、東京書籍に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
教育出版に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
光村図書出版に賛成の方は挙手願います。
(挙手なし)
○佐後教育長 挙手なし。
日本文教出版に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
○佐後教育長 5人。
Gakken、あかつき教育図書、日本教科書につきましては挙手なしとして確認いたします。
確認いたします。
日本文教出版に賛成の方が5人ですので、道徳は日本文教出版を採択いたします。
以上で、中学校16種目の教科用図書の採決についての審議を終わりますが、改めて確認をいたします。
国語、光村図書出版。書写、光村図書出版。社会(地理的分野)、帝国書院。社会(歴史的分野)、帝国書院。社会(公民的分野)、帝国書院。地図、帝国書院。数学、学校図書。理科、東京書籍。音楽(一般)、教育芸術社。音楽(器楽合奏)、教育芸術社。美術、光村図書出版。保健体育、Gakken。技術・家庭(技術分野)、教育図書。技術・家庭(家庭分野)、教育図書。英語、開隆堂出版。道徳、日本文教出版。以上のとおり決定いたしました。
次に、令和7年度に使用する小学校の教科用図書について審議いたします。
小学校の教科用図書につきましては使用2年目であり、採択期間内であることから、法令の規定により令和7年度は同一の教科用図書を継続して採択することになっておりますが、これについて何か質疑はありますでしょうか。
(「なし」との声あり)
○佐後教育長 それでは、特に質疑がないようですので、令和7年度に使用する小学校の教科用図書については、現在小学校で使用している教科用図書と同一の図書を採択することとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○佐後教育長 異議なしと認め、令和7年度に使用する小学校の教科用図書については、現在小学校で使用している教科用図書と同一の図書を採択いたします。
次に、学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書について審議いたします。
学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書については、教育委員会において毎年度異なる図書を採択することができるとされております。
各学校から希望があった図書の中から、児童・生徒の状況や発達段階等を考慮して適切であると判断した図書の一覧表が議案に添付されております。これについて採択したいと考えますが、何か質疑がありますでしょうか。
森委員。
○森委員 この資料を見まして、本当にたくさんのいろいろな分野の教科書というか資料が出ていて、これは本当に、正しく一人一人の個性、特性に合わせて教材を選んでいただいているというのを実感しております。
以上です。
○佐後教育長 では、これは御意見、感想ということでよろしいでしょうか。
ほかに質疑等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに質疑がないようですので採決に移ります。
本件は原案のとおり可決してよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○佐後教育長 異議なしと認め、学校教育法附則第9条第1項の規定による教科用図書については、原案のとおり採択いたします。
以上で、議案第32号 令和7年度使用の厚木市立小学校及び中学校教科用図書の採択についての審議を終わります。
ここで10分間休憩いたします。
暫時休憩16時36分
再開時刻16時46分
○佐後教育長 それでは、再開いたします。
日程2、議案第33号 教育に関する事務の管理及び執行の状況についての点検及び評価についてを議題といたします。
議案の説明をお願いします。
教育総務課長。
○金子教育総務課長 それでは、議案第33号 教育に関する事務の管理及び執行の状況についての点検及び評価につきまして、提案理由及び内容を御説明申し上げます。
提案理由でございますが、本件につきましては、教育に関する事務の管理及び執行の状況について、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定により、別紙のとおり点検及び評価するものでございます。
1枚おめくりいただき、別紙を御覧ください。
報告書につきまして概要を御説明させていただきます。
もう1枚お開きいただき、1ページを御覧ください。
1、厚木市教育委員会の点検評価についてになります。
2ページをお開きください。
まず、1の趣旨でございますが、法律の規定により、教育委員会は、毎年、教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を議会に提出するとともに公表しなければならないと定められていることから、この報告書を作成したものでございます。
次に、2の点検評価の対象でございますが、第2次厚木市教育振興基本計画第1期実施計画に位置付けた71事業のうち、教育委員会、教育部が所管する令和5年度実施事業で、補助執行の事業を含む53事業を対象として実施したものでございます。
なお、市長部局に移管した18事業につきましては点検評価を行ってございませんが、庁内に設置している計画推進委員会において、事業の点検や見直しを含めた進捗管理を行っております。
また、今年度につきましては、点検評価委員会の委員の皆様に市長部局所管事業につきましても事業の点検状況を御覧いただき、事業見直しのための参考となる御意見をいただきましたので、庁内で共有を図っていく予定でございます。
3の点検評価の方法でございますが、対象事業の実績などを踏まえて課題等を分析し、今後の事業方針等について自己点検及び自己評価を実施し、事業指標の目標に対する達成率に応じて、達成状況を4段階の評価区分で評価しました。
また、点検及び評価の客観性の確保のため、公募による市民の方及び教育に関し学識経験を有する方で構成する点検評価委員会を設置し、意見や助言をいただいております。
次に、3ページを御覧ください。
3ページから7ページまでは、第2次厚木市教育振興基本計画の基本目標と八つの基本方針を掲載しております。
次に、9ページをお開きください。
3、実施事業の点検評価になりますが、ここからが具体的な点検評価の内容となります。
次の11ページから13ページにつきまして、基本方針ごとの事業一覧になります。
最初に、14ページを御覧ください。
評価の構成を御説明させていただきます。
まず、事業名、次に所管課、下にPLAN(計画)として事業概要、DO(実行)として令和5年度取組実績、CHECK(評価)として事業指標による目標と実績、さらに達成率、達成状況、成果と課題を記載し、ACT(改善)として今後の取組、最後に点検評価委員からの意見を記載してございます。このような構成で、5本の基本方針ごとに各事業について記載をしております。
79ページをお開きください。
参考といたしまして、令和5年度実施事業における指標の達成状況を記載してございます。
1の全体の評価結果につきましては、指標ごとのAからDの評価結果を円グラフで表記してあります。中央に凡例がありますが、Aについては、達成率が90%以上のもの、Bは80%以上90%未満、Cは60%以上80%未満、Dは60%未満のものとして設定しております。
2の基本方針別事業指標の達成状況につきましては、教育振興基本計画における5本の基本方針ごとの事業指標の結果を集計している表となっております。
1枚おめくりいただき、80ページを御覧ください。
点検評価委員会委員から総括的意見をいただいておりますので、概要を御紹介させていただきます。
令和5年度は新型コロナウイルス感染症が5類に移行され、コロナ禍以前の状況に戻りつつあり、着実に第2次厚木市教育振興基本計画の推進が図られ、老朽化が進んだ教育施設の整備や冷暖房の設置などが計画的に執行されるとともに、子どもたちが安心・安全に学校生活を送ることができるよう引き続き計画的な事業執行をお願いする。
また、グローバル教育やカーボンニュートラル教育などの推進は、厚木の子どもたちが世界に羽ばたくためにより一層充実することを期待する。
さらに、原油価格・物価高騰で、保護者の経済的負担が今後も増加することが見込まれ、引き続き負担軽減に向けた効果的な予算の活用を進めていただきたいとの意見があり、幾つかの事業については人材の確保、教職員の負担軽減及び事業周知や事業に対する適切な事業指標の設定などが課題として挙げられ、こういった課題の解決が子どもたちの健やかな未来を育み、活躍につながると考えるので、事業の点検、見直しを行い、有効な事業へと改善してほしい。
なお、事業指標の達成状況が低いものについては、原因や課題を分析し、事業目的や成果等を勘案し、内容の見直しや工夫を図り、積極的に事業展開をしてほしいという御意見をいただいております。
右側の81ページを御覧ください。
こちらは、点検評価委員会委員からの意見を踏まえた教育委員会の考え方になります。
委員会からは、様々な視点から事業に対する御意見や課題をいただきましたが、第2期実施計画においても事業の改善や工夫を行うとともに、課題解決に向け積極的に事業の推進に努めてまいります。
子どもたちを取り巻く教育環境が大きく変化している中、誰一人取り残さない、きめ細かで、全ての児童・生徒に対する適切な支援を行うとともに、安心・安全に学校生活を送ることができるよう、予算を有効に活用しながら教育環境の整備を進めてまいります。
また、多くの事業について課題として挙げられた人材の確保や教職員の多忙化解消につきましても、引き続き積極的に見直しを図るなど、今後も教育環境の充実に取り組んでまいります、などについて記載しております。
報告書の説明は以上になりますが、最後に参考資料といたしまして、7月1日に点検評価委員会から受けた答申書を付けさせていただいております。
なお、この報告書につきましては、本日の定例会で議決をいただいた後、市議会に提出し、公表することになります。
説明は以上でございます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○佐後教育長 ただいまの説明に対しまして、何か質疑がありますでしょうか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 たくさんあるのですけれども、まず3点お願いします。
まず、14ページのところです。
基本方針1、自立につながる「生きる力」の育成の事業名、1-12の小・中学校のICT化推進事業の件なのですけれども、このPLANの事業概要を見ると、やはりICTの効果的な活用のために環境整備を行うというのが目標になっています。今、タブレット端末が1人1台行っていますので、こちらがやはりICT環境整備の一番のメインになってくるものだろうと思うのですが、15ページの委員からの意見にもありましたけれども、電子黒板、一時期、例えば隣の大和市では、全ての教室だったと思うのですが電子黒板を入れて、力を入れているというアピールをしていたのですけれども、その電子黒板ですとか、あるいは、今、テレビも各教室に行っているわけですけれども、こちらも最初はICT活用の一つの要素だったと思うのですが、この辺の今現状はどのように、電子黒板とかテレビとか使っているのか。その辺は、現状の把握されている範囲で教えていただければと思います。
もう一点、これはCHECKのところにも、それから委員からの意見のところにもあった支援員の件なのですけれども、これはつい先日、たしか新聞報道であったのですが、ICTの支援員の関係、配置の数が少ない。やはり財政的な余裕のないところは支援員の派遣が少なくて、やはり子どもの学習に少し支障が出ているような報告があったと思うのですけれども、現在その支援員の数、あるいは子どもの授業にどう関わっているか、現状でオーケーなのか、それとも、少しこういうようにできればしたいとかという、現状をどのように捉えているのかお聞かせ願えればと思います。これが1点です。
それから、19ページです。
1-6の英語教育推進事業です。
こちらのほうも、先日、新聞報道があったのですけれども、やはりALTの方が低賃金で、これは官製のワーキングプアを作っているのではないかというような厳しい指摘もされていたわけなのですが、これは業者選定をする上で複数の者に見積りを出してもらって、それで吟味するというようなことがあるわけですけれども、やはり市としては子どもの立場から言えば、指導力のあるALTに来ていただいて、子どもの力を伸ばしていただきたいというようなものがあると思うのですけれども、現実問題、この辺、市としてその辺の支援員の力量といったところをどのように判断されているのか。それで、多分、派遣している会社のほうに、もうちょっと指導についてはこうやっていますよなんていう情報が来ていると思うのですけれども、その辺のところを見て、現状、厚木市に派遣されているALTは大丈夫という言い方は失礼なのですけれども、ある程度満足できるものなのかということをお聞きしたいと思います。
それから、20ページのところに、これは委員からの意見なのですけれども、児童・生徒が学校以外の場で英語に触れられる活動を実施するというようなことが書いてあるのだけれども、子どもたちが学校以外の場で英語に触れる活動実施を今後是非進めていただきたいというのが委員からの意見にありましたけれども、少しこの辺、自分のイメージが湧かないのですけれども、校外で教育委員会が主催する英語活動の場というのはどんなものをイメージするのか、そういうものがあるのかどうか、何かアイデアのようなものがあるなら教えていただきたいと思います。
うまく説明できなかった部分があるのですけれども、お答え願えればと思います。
以上です。
○佐後教育長 教育研究所長。
○井上教育研究所長 まず、電子黒板等の配置についての御質問にお答えさせていただきます。
現在、小学校では、プロジェクターを210台、そして中学校には電子黒板を175台、通常学級数の配置をしております。電子黒板の整備の前は、通常学級数のプロジェクターが配置されておりませんで、機器の移動とか設置に大変時間がかかったりするので、なかなかプロジェクターを使って大きく映し出すとか、みんなで見るとかということができなかったのですけれども、中学校には電子黒板が全部の通常級のクラスには入っておりますし、その分、小学校には電子黒板はまだ配置できていないですけれども、通常学級分のプロジェクターを全部配置しておりますので、そちらをすごく活用していただいていると聞いております。
電子黒板については、配置以降はより使いやすい方法を学校と教育委員会で検討しておりますので、今後は更に活用が図られていくと考えております。
そちらが以上になります。
それから、支援員のことについてお答えいたします。
ICTの支援員は、GIGAステップアップ支援員という名前で、厚木市では今3名の方たちを学校に派遣をしております。令和5年度につきましては、ICTを活用した授業づくりに関する調査研究を研究所で行っているのですけれども、そちらの研究員になってくれている先生方の所属校である7校を中心に派遣をしました。それ以外の学校は希望があれば派遣依頼という形で依頼をしてもらって派遣をするという形を取っていました。
しかし、やはり7校が中心となってしまうと、派遣の依頼をしてくださいといっても、なかなかピンポイントにここというときに来てもらえないとか、そういった声もいただいておりましたので、やはり派遣をする学校を増やしたいということで、本年度につきましては新たに7校希望を取って、14校、今は派遣をしております。ただ、週に1回という派遣はできませんので、まだまだ不十分であると認識しております。
そこで、やはり予算の関係等もありますので、今すぐに増やすということが難しい状況にありますが、今、DX推進課というところがあるのですけれども、そちらが過去にマルチメディアボランティアさんという方たち、もうリタイアされている方たちなのですけれども、ICTにとても長けていて、今、ボランティアで市民の方たちに、パソコンの講座ですとかスマホの講座ですとかをされているということを聞きまして、そういった方たちに是非学校の支援をお願いできないかと声を掛けて、先日、学校の授業の様子、今、3人のGIGAステップアップ支援員の方たちは、もちろん先生たちの補助もなのですけれども、子どもたちの端末の使い方につまずいている子の支援とか、そういったこともしています。そのため、そちらの子どもたちの支援に少しでも関わっていただけないかということで見学に行っていただいたり、どんなことをするかとか、Chromebookをどのように使うのかといったレクチャーも教育研究所でさせていただこうと思って、今準備を進めているところです。
以上です。
○佐後教育長 教育指導課長。
○倉持教育指導課長 英語教育推進事業のことについて、ALTのこと、2点御質問いただいたと思います。
1点目が、ALTは大丈夫なのかということなのですが、二つの側面で聞かれたと思っているところです。
一つは、ALTの質についてのことです。まず、そちらからお答えしますけれども、会社と契約するに当たって、こういったレベルで、例えば母語がしっかり発音ができること、基本の学習指導要領に基づいた教育のことについてよく研修を受けていること、あと子どもとの接し方について不都合がないこと、いろいろ項目を付けましてプロポーザルで業者提案の形でやっておりますので、そこについてはある程度担保できているのではないかと思っています。
今、3年契約の途中で、毎年、今年の派遣講師はこういう形でいいですかということで業者とのミーティングもいたします。厚木からリクエストしているのは、小学校ではより楽しく、近い距離で、英語を使いながら学ぶというか、触れるというか、そういった形でやることがありますので、そういった気質が合った方が是非欲しいということ。中学校については、ある程度しっかりと会話をする、落ち着いた感じでそんなに楽しい感じではなくてもいいので、しっかりと授業を進められる方がいいということで、その辺のリクエストについても応えていただいている会社と今契約できている状況です。
もう一つの観点の大丈夫かという、ワーキングプアとありましたけれども、賃金のほう、これについては、3年間の契約で固定されているところがあります。その中で、最低賃金の法律なども実は変わったところがあって、業者のほうからは相当苦しいですということがありますので、次期契約がまた近いうちに3年分のプロポーザルがあると思うのですけれども、その辺の設定額については上げていかなくてはいけないところも出てくるだろうとは思っています。
ただ、現在契約している会社とも、値段だけでは決めずにその質をしっかりと確認した上での契約を取っていますので、その辺については優先順位は間違えない形でできていると思っております。
もう一つ、20ページの学校以外の場で英語を子どもたちに触れされる場というところなのですが、数年前まではAKGなどといいながら、小学校4年生の子を抽選で、合計4回か6回ぐらいの土曜日レッスンのようなものをやっていました。そこで、本当に英語を使って楽しく遊ぼうという会を25名ずつぐらい、2回に分けて募集して、抽選で当たった子が活動したというのをアミューでやっていたことがありましたけれども、それはオリパラをきっかけにやった事業でして、今はもう行っておりません。
他県の例でいいますと、教育委員会の主導でイングリッシュキャンプというのを本当にALTの派遣会社とともに学校から抽選で応募しまして、教育委員会が引率をする感じの合宿というか、日帰りのデイキャンプのようなことをやっている例もありますけれども、参考として、そのようなことを聞いております。
以上です。
○佐後教育長 杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 最初のICTの関係で、DX推進課の情報を持っているマルチメディアボランティアの方に、学校のほうの教育をしてもらうというイメージで見学に行ってもらっているということかと思うのですが、そうすると、例えば、今年はその途中のいろいろな準備を整えるのだろうと思うのですけれども、来年度からは、そういうマルチメディアボランティアの方が学校に入ってくださるという可能性があるということでよろしいでしょうか。
○佐後教育長 教育研究所長。
○井上教育研究所長 現在の状況は、一応、こういったことはやっていただけますかという形で声を掛けさせていただいて、前にも学校のプログラミング教育というところで、学校に呼ばれて授業のお手伝いをしたことがあるという方も数名いらっしゃるようなのです。その方たちも十数人いられるようなのですが、いつも皆さんが集まっているわけではないので、今、代表者の方と連絡を取っているところなのですけれども、何となくイメージを持っていただいて、低学年の補助だったらとか、そういったところのお手伝いだったらできるという返事をしていただけるようでしたら、本格的にどれぐらい行っていただけるのかとか、そういったところも詰めていきたいと思っております。
以上でございます。
○杉山教育長職務代理者 分かりました。
○佐後教育長 よろしいでしょうか。
ほかに質疑等ございましたらお願いいたします。
森委員。
○森委員 何点かお願いいたします。
72ページになります。
3回、講演会を事業で実施されているという結果の報告と見ています。この委員会の御意見の中にも、一番最初の事業で1番のところでもありましたけれども、各目標の設定の仕方とか、それを見直す必要が、また考え直すべきではないかという意見が多々見受けられたと思うのですけれども、例えばこの事業について、評価の項目というのが、その事業に、いわゆる講演会に参加された方のアンケートの結果で目標、実績、達成率というようなことが挙げられていると思うのですけれども、例えばこういう講演会をしたときには、多分主催者側としては会場を準備しなくてはいけないし、そのときにどのくらいの人に参加をしてもらいたいということで、まず、人数が一番最初に出るかと思うのですね。本来は皆さんに聞いていただきたい講演会ですけれども、開いてみると関係者が半分だったとか、なかなか、講演会はすごく大切なことなのだけれども、難しいという感じがしています。
それを評価するときに、そのときのアンケートで達成率が入っているみたいな見方になるかと思うと、もっと私は単純でいいと考えたのですね。例えば、この72ページのDOのところの第2回「幼児期からおうちで伝える生と性」、これは多分幼稚園協会の父母連が、また幼児協会と一緒になって企画運営した活動を一緒に支援していただいたというものだと思うのですね。
このときに、アンケートの結果で評価するよりも、どのくらい、例えば100人参加してほしいとか、何人の参加を見込んでいて、実際には何人参加して、まず、聞いてもらうことが一番だと思うので、もっと単純な達成率でもいいのかと。すごく内面に及んだ評価の仕方をされているという気がしたので、そこまでしなくても、私はその目標の設定の仕方というのに若干の疑問といいますか、ここまでしなくても、何人来て、どうだったのぐらいでも私はいいのではないかという印象をまず一つ受けました。
あと、もう一点のところでいいますと、66ページ、不登校のお子さんに関してのというところですけれども、少し前にどこかの県か市町村だったか分かりませんですけれども、フリースクールに通われているお子さんの進学するための日数か何かを、フリースクールのようなところに行く方のをカウントしていなかったので、次に進むときに大変だったみたいなニュースを聞いたんですけれども、厚木のお子さんで、今、フリースクールのようなところに通われている方はどのくらいいらっしゃるのか、また学校はどれだけそれを把握されていて、その方の、登校はされていませんけれども、その日数というか、例えば卒業のための日数というのか、そういったものはどうされているのかと、あのニュースを見たときに厚木はどうなのだろうという印象を持ったのでお知らせいただけるとありがたいと思います。
○佐後教育長 市民協働推進課長。
○長塩市民協働推進課長 事業の指標の御質問というところで、単純に人数の設定で達成率というところができるのではないかということで、まず、今回のこちらの家庭教育情報提供事業につきまして、有効度とさせていただいたものの大きな理由として、参加される人数を指標にしますと、外的な要因、例えばここ数年で言えばコロナウイルスですとか、それで参加される方がやはり大きく減ってしまうとか、そういった外的な要因を受けやすいものを、こういった有効度に使うのはなかなか難しいというところがあると思ってございます。
そういったこともございますので、やはりこれは委員御指摘のとおり、第2回目の「幼児期からおうちで伝える生と性」は、幼稚園の協会さんのほうで、これはすごく良かったということもございましたので、幼稚園の協会さんのほうから御参加いただく。あと、市の広報などでも、一般からも参加していただけるというような形で、参加者を募集しているということもございますので、やはり参加した皆さんのアンケートをお取りさせていただいて、有効度ということで指標としていきたいと考えてございます。
とはいえ、やはり指標、ずっと同じものを使っていくということは、永遠にそれでいいのかということはまた別の問題かと思います。指標の数値につきましては、ただいま委員の御指摘あったようなことも考慮しながら考えていきたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○佐後教育長 森委員。
○森委員 今おっしゃった外的要因、特に天候等のこと、または感染症のことは十分に分かっていると思います。これは、私、こうやって講演会を企画するためには、やはりより多くの方に聞いていただきたいというのが一番だと思うのですね。聞いていただかなければどれだけ有効だったかというのは分からないので、もう単純にそれでいいと思っているのです。
それで、外的要因については、結果を見たときに、この幼稚園で企画しているこれは、もう随分、20年ぐらい続いているかと思うのですけれども、一度はすごい大雪で来られないというときもあったのです。例えば、やはり150人ぐらいの会場を準備していたけれども、当日は何かすごい大雪になったときがあったのですね。これは、もうこの評価の中で外的要因、例えばすごい大雪だったからとか、またはコロナの最初の1年というのは、全く想像しない感染症でしたから、これがなくなった。これは評価に対して、マイナスの評価ではなくて、仕方がないというところがあると思うので見直していただけたらいいと思ったところです。
以上です。
○佐後教育長 市民協働推進課長。
○長塩市民協働推進課長 御意見ありがとうございます。
今、委員のほうからもおっしゃられたようなことも考慮しながら、今の指標が本当にいいのかどうなのかというところは、また考えていきたいと思ってございますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○佐後教育長 森委員。
○森委員 多分、今回の場合は、後でアーカイブ配信がされていると思うのですね。今本当にコロナ禍を過ぎて、オンラインで情報を流すとかというところが充実してきていますから、やはり当日参加できなくても、でも、すごく興味があるから聞きたい、見たいという方には、やはりオンライン配信で参加できるというところも、先ほども言ったように何人聞いてくれてというのが一番の私は目標値だと思うので、是非そういったオンラインを活用しての講演会の在り方なども検討いただけるといいと思っております。
○佐後教育長 市民協働推進課長。
○長塩市民協働推進課長 ありがとうございます。
オンラインの活用につきましては、やはりコロナのときから取り入れるような形でずっと引き続き行っているというところもございますので、こちらの家庭教育情報提供事業につきまして、当日参加できなかった方も、アーカイブを見れば内容を見られるということもございますので、こういったものは積極的に、講師の方に許可を取らなければいけないというところもあるかとは思いますけれども、そういった形で積極的に取り入れていきたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○佐後教育長 青少年教育相談センター所長。
○鈴木青少年教育相談センター所長 フリースクールに通っている児童・生徒ということで御質問いただきました。
令和5年度につきましては、3月末現在、学校からの長期欠席児童・生徒を報告書等から把握しております人数は、およそ20人と捉えております。フリースクール、またはそれに準ずる民間施設で、学校以外の場所で学びをしている子どもたちということになります。
その内容は、学校がフリースクール等を見学させていただいて、どのような学習内容をしているかというところを確認させていただき、保護者の了解の下、フリースクール等と積極的に連携を図るということを進めております。その結果、出席扱いということで、子どもたちが学校以外の場所で学んだ日数を、民間施設から連絡をいただいて、4月は何日と何日にこちらに来ましたという数を出席扱いとして学校のほうで記録にとどめるというような取組もさせていただいております。
以上です。
○佐後教育長 ほかに質疑等ございますでしょうか。
山本委員。
○山本委員 1点、意見と、それから質問をさせてください。
80ページ、点検評価委員会からの総括的意見ということで、ちょうど真ん中になりますでしょうか、「また、依然として続く」というところになります。その後、「保護者の経済的負担が今後も増加することが見込まれます。」と。ここで、保護者の負担軽減等のことについて指摘されています。実はここのところというのは、教職員がなかなか手を出せないところでもあろうかと思うのですね。
もう一点、こういった負担軽減に対するアシストというのが必要な家庭と不必要な家庭というのもあろうかと思います。そういったところを上手に整理しながら、必要な家庭に支援が行くような、そういった体制を作っていただけるといいのではないかと思います。よろしくお願いできればと思っております。
次に、教えていただきたいのが、杉山委員からもICTのことで質問がございました。
15ページになります。
15ページ、委員からの意見のところで、二つ目の黒丸、「ICT活用による学習効果は」というところになります。「GIGAスクール端末利用の達成状況は小学校に比べ、中学校は低い状況」だと。だけれども、その下の行、実績は着実に増えているというように締めています。令和4年度と令和5年度でどれぐらい増えたのかというのを教えていただけるといいと思います。
その心は何かというと、もしかしたら先生によってはICTを使わなくても、十分教育効果が上げられている先生もいるのではないかと思うのですね。その一方で、使うことに対して、ここまでは使ったほうがいいかもしれないけれども、これ以上は使わなくても大して変わらない、教育効果が見込めないなどというのもあるのではないかと思っていまして、着実に増えていくことがいいことなのか、そこのところというのは進めながら検討していくべきなのではないかと思います。やがてどこかで実績が伸び悩むのではないかとも思いますので、そういったところから、これは意見になるのですけれども、どこまでICTを進めるべきなのか、そういった状況判断も是非いい形で検討いただきたいと思うところです。
そういったところから、先の質問です。令和4年度と5年度で、中学校ではどれぐらい増えたのかというのを教えていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
○佐後教育長 教育研究所長。
○井上教育研究所長 こちらは週に3回以上、授業の中でタブレットを使っている方はどれぐらいですかというアンケートだったのですけれども、中学校でよろしかったですね。
○山本委員 中学校で結構です。
○井上教育研究所長 中学校の先生方へのアンケートですと、令和4年度は集に3日以上使うと答えている先生方、25.8%でした。令和5年度は31.7%になっているので、5.6ポイント増えています。
そして、ほぼ使わないというのも併せて取っておりまして、中学校の先生方ですと、令和4年度はほぼ使わないと答えていた方が20.2%もいましたが、令和5年度は12.5%になり、7.7ポイント減ということになっております。
以上でございます。
○佐後教育長 山本委員。
○山本委員 ありがとうございます。左側のページのままということの理解をいたしました。
こうやって数字を見てみますと、どこまでやればいいのかというのは本当に分からないところだと思うのですね。是非いい数字設定といいますか、そういったところを御検討されるといいと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
○佐後教育長 ほかに質疑ございますでしょうか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 では、続いて31ページです。
小学校児童支援推進事業費のところで、こちらは教育相談コーディネーターの活動のための後補充ということで、非常勤講師派遣ということだろうと思うのですが、これのチェック評価のところを見ると、上から2行目で「教育相談コーディネーターの空き時間がしっかりと確保できて助かっている」というのは、これはそうだと思うのですが、その次の「学校全体の指導体制にゆとりが生まれている」ということは、これは各学校の状況に応じて教育相談コーディネーターの後補充だけではなくて、そのほかの必要に応じた活動もしているということだろうと思うのですけれども、その理解でよろしいのかというのがまず1点、お願いします。
それから、続いて34、35ページ、学力ステップアップ支援員の配置事業のことです。
これで見ていくと、やはりCHECK(評価)の欄に、支援員の配置について、「特に中学校への配置希望者が少ないことや、新規支援員をいかに確保していくかが課題となります。」ということなのですけれども、以前は中学校については、英語担当とか数学担当とか二つに分けてやっていたのですけれども、現状の中学校の支援員さんはどういう形になっているのだろうか。現状が分かれているとしたら、英語と数学、どちらが人が集まりにくいのかという状況が分かれば、教えていただければと思います。
当然、支援員さんについては、年度初めに研修をしていると思うのですけれども、その辺の支援員さんの不安解消、その手応えみたいなものというのは、教育委員会としてはどのように捉えているのか、その辺を発言願えればと思います。
○佐後教育長 教職員課長。
○太田教職員課長 小学校児童支援推進員事業の学校全体の指導体制にゆとりが生まれているという部分は、県費以外の職員が市費で入るので人数が増える。それから、市費は縛りがなく、学校の実態に応じて授業を持てるので、その分、学校全体にゆとりが生まれているということになります。
以上です。
○佐後教育長 教育指導課長。
○倉持教育指導課長 この事業はこの4月から教育指導課の所管に戻ってきまして、去年までは教職員課が2年ほどやっていたのですけれども、中身についてはお答えできる内容だと思います。
中学校でのステップアップ支援員さんの業務内容としては、おっしゃるとおり英語や数学の教科の壁は外してあります。校長先生の指示の下で子どもたちの授業支援、学習活動の支援ということが全面に出ています。
具体的な活用の状況を中学校のほうを見ますと、例えば家庭科の調理実習のときのサポート、安全の管理も含めて。あと、保健室で活動している子の時々の見守りというのにも入っています。小学校は逆に学校生活への適応支援、特に低学年のほうで教室に入っている学校生活づくり、習慣づくりというのが多いので、そういった意味では、やはり中学校のほうが少ない理由としては、授業支援が多いので、教科の専門性が高い中学校の授業では、サポートは難しいという部分があるのではないかと思っています。
御質問はそういったところでよろしかったでしょうか。
○佐後教育長 研修に関して。
○杉山教育長職務代理者 そうそう、研修。
○倉持教育指導課長 失礼しました。
研修については、今年のテーマ、今年これは指導課でやるのですけれども、やはり個別の支援が必要な子のサポートの仕方、声の掛け方のような部分で研修をする予定で考えています。
○杉山教育長職務代理者 これから夏休みですが、まだやっていないのでしょうか。
○倉持教育指導課長 この間行いました。夏休みに入る前の支援員さんたちの勤務がない段階で行いました。
○杉山教育長職務代理者 手応えというか、支援員さんたちの声、その不安解消のようなことにはつながった感じですか。
○倉持教育指導課長 不安解消のどの辺に不安があるのかというのは、しっかりまだ把握し切れていない部分があろうかと思います。
○佐後教育長 ほかに質疑ございますか。
森委員、お願いします。
○森委員 すみません、2点、お願いいたします。
23ページ、中高一貫教育、これも新しい事業だったのか思い出せないのですけれども、相川中学校と依知中学校に英語の指導のために非常勤の先生を一人ずつ配置したということになっていると思います。これも先ほどから意見があったように人数が足りているのかということだとは思うのですけれども、これは取組として、モデル校という考え方で2校でやっていらっしゃるということで、数値としては指標があって、100%に達している。こんなところが入っていますけれども、この実施をされての具体的な課題であったり、良かった点等々は他の学校の先生方に、また校長会等になるのか分かりませんけれども、どのように報告をされているのかというのが、やってみて、それをみんなで共有するほうがより良い活動になるかと思うので、その辺がどうなっているのかというのが1点です。
あともう1点は、68ページです。
私、このなかま教室となかまルームというのがあるというのを今年になって知ったのです。申し訳ありません。それが厚木中学校や市役所だということも含めて知ったところです。委員さんからの御意見や今後の取組というところでもございましたけれども、そのほかに出前なかまルームを実施しますという御意見があって、これは本当に厚木中学校や市役所まで足を運べないお子さんたちもいるのかなと思うと、この公民館を活用するというのはすごくいいことだと思っています。これはどの程度の実績があったのかを教えていただきたいと思いました。
以上です。
○佐後教育長 教育指導課長。
○倉持教育指導課長 23ページ、小中一貫教育推進事業、こちらは長くやっておりました。今おっしゃるとおり相川中学校の英語と依知中学校の理科ということで、中学校の先生がそれぞれの学区の小学校で理科の授業、英語の授業をする、その後補充の非常勤を付けていたということがこのモデル事業的な形のやり方なのですが、この点検評価でいただいたこの5年度は、令和3年度、4年度、5年度で3年間かけてやってきた総合計画で1期の実施計画の区切りの時期ですので、6年度からいろいろな事業の中身ですとか指標が見直されているタイミングではあるのですね。
それで、この小中一貫教育推進事業については、もうこれは非常勤の後補充の形での教員の交流という形はやめる形で進めております。理由は、委員の皆様にも見ていただいた小中一貫教育の在り方というのを全校に投げる形で、もっともっと今よりもギアを上げて、授業の交流も含めて、学校間でできる努力をやっていってくださいということをまず呼びかけています。
その呼びかけができる背景としては二つありまして、一つは英語の専科、または理科の専科という先生が、小学校への配置が増えてきていること。そのため、その教科の不安感があるという部分についてはカバーできるということが一つあります。英語が教科化されたり、理科は実験が難しかったりということで、専門性の高い先生を小学校に置くということで、小学校の先生の不安を取ったり、子どもの不安を取ったりということがあったのですが、それについては無くしていきます。無くせる環境が近づいてきています。
もう一つは、これは本当に今後に向けて、教科担任制的なところでの進め方が学校間で増えていけばというところになっていくのだと思うのですけれども、いろいろな先生が子どもを見るという環境についても、そういった中での違った形での努力でできればいいと思っています。
答えとしては難しいのですが、小中一貫教育の非常勤の形はこれでおしまいで、違った形のサポートをこれから進めていきます。
○佐後教育長 森委員。
○森委員 どこかの授業の中で、小学校の高学年では、教科担任制で授業をやっていこうというような授業もどこかに見られたのですね。だから、そういったところが充実してきたということなのかなと、今、御意見を聞いて分かりました。
今のお話でいくと、これは実行のところでは、英語の授業を行うためということよりも英語と理科の先生がということですから、英語だけではなくて、専門性のある教科の授業を行うためということで読み替えて、変化してきたということでよろしいでしょうか。
○佐後教育長 教育指導課長。
○倉持教育指導課長 小学校での授業そのものの質についてはおっしゃるとおりだと思います。
もう一個、小中一貫の視点で考えたときの効果としては、中学校の先生が小学校で授業をしているというところがあろうかと思います。そこについては、今後、職員交流ですとか人事の配置というところで研究していかなければいけない部分だと考えています。
○佐後教育長 青少年教育相談センター所長。
○鈴木青少年教育相談センター所長 訪問型登校支援について、御質問ありがとうございます。
こちらは令和5年度の実績ですけれども、重点中学校区を対象に教育支援教室のスタッフが公民館に出向きまして、不登校の生徒に対して支援を行いました。令和5年度は実際3人の生徒が、延べ12回参加をしてくれて、そこであったら来られるというところで、様々な活動を通して登校支援を行いました。
令和6年度に向けては、令和5年度まで一つの中学校区だったのですけれども、よりたくさんの子どもたちに参加していただきたいということで、三つの公民館に会場を拡大をさせていただきました。そちらで、やはり駅周辺のなかま教室、なかまルームまでは少し遠いのだけれども、おうちの近くの公民館だったら来られるというような子どもたちに是非参加していただきたいということで、三つの公民館を会場に、年間9回行う予定でおります。
既に6月と7月に1回目、2回目を行ったのですけれども、合計3人の参加の方がいらっしゃいました。今まで参加していないお子さんが初めて今年度参加していただいたというところは大きく評価できるところかと思っております。来ていただいた1時間程度の活動ですが、とても喜んでくださったので、また次のときにもおいでとつながるように、またそこで人とつながったらなかま教室で行う、こちらでの活動や動物体験活動などの様々な活動をやっておりますので、そういうところでもっと活動が広がっていくようにというところを目指して支援をしてまいりたいと思っております。
以上です。
○佐後教育長 森委員。
○森委員 ありがとうございます。
様々な箇所で、小学校も中学校もクラス運営や授業運営で本当に今人材不足という中で、他方から見たら、こんな少人数のために1人を派遣しなくてはいけないという御意見もあるかとは思いますけれども、本当にできる範囲で、予算を有効に使いなさいというような御意見もございましたけれども、地道にやっていただけると、本当に喜ぶお子さんが増えると思っております。本当に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
○佐後教育長 ほかにございますか。
杉山委員。
○杉山教育長職務代理者 私にとっては最後の質問です。コミュニティ・スクール周辺のことです。各学校に学校運営協議会が設置されました。それで、そういう学校はコミュニティ・スクールといいます。そして、今、支援員さん等を徐々に委嘱しながら、地域学校協働活動、こちらを今推進している状況ですと私は捉えています。
その中で、例えば77ページなのですけれども、コミュニティ・スクールの活動支援というのが出ているのですけれども、この中身を見ると、どうしても私はこのコミュニティ・スクール、学校運営協議会の設置されている学校の活動というのが、学校を支援する、助けるというか、そういう活動ではないかというように読み取れてしまうのですけれども、是非それだけではなくて、学校の子どもたちのために活動している地域の人が、その人自身が、やはりそういう活動を通して生きがいを感じているとか、社会貢献しているとか、地域貢献しているという、そういう視点を是非教育委員会には持っていていただきたいと思います。
ただ、これはあまり表面に出してしまうと何か偉そうな感じになってしまうので、胸にしまっておきながら、やはり参加してくださる地域の方にはそれなりのメリットというか、生きがいみたいなものがあって、それが役立っているという実感を持つような、そういう図式というのかな、そういうものを踏まえていてほしいと思います。
そして、そういう地域の方が学校に協力しているということを広く広報していただきたいのですけれども、それぞれ学校の事情もあって広報し切れない部分があると思います。一番知ってほしいのは子どもたちを地域の人が支えているということを保護者の方や家庭にも是非アピールしたい部分ではないかと思うのですけれども、そういった意味では各学校が本当はやらなくてはいけないのだけれども、できていないところがあるとすれば、教育委員会でEduNaviなどありますけれども、是非そういうのを使って、地域の方が子どもたちのために活動してくださっているということを知らせていただきたい。これは引き続いて、力を入れてほしいと思っています。
それで、今、支援員の方が各地区で大分委嘱されて、もう枠は埋まりますけれども、来年度で最終で配置なのかと思うのですけれども、支援員の方がまだ全部の学校には配置されていないのですけれども、すごくキーパーソンになるだろう。是非活躍してほしいと思うのですけれども、その方たちの研修の具合、その辺は今どのようになっているのだろうというのが1点。
それから、もう一つは、昨年度までだったと思うのですけれども、統括コーディネーターだったかな、そういう名前の方が市のほうで任用されていて、全体的に見ながら、必要に応じて指導・助言をしたと思うのですけれども、今年はそういう活動をどのように進めているのかをお聞かせ願えればと思います。
以上です。
○佐後教育長 教育総務課長。
○金子教育総務課長 まず、コミュニティ・スクール等の関係がありますので、そちらについてなのですけれども、コミュニティ・スクールは導入から5年が経過してというところで、形骸化してきたのではないかというような、そういう危惧もあるのですけれども、毎年研修等を通じて、委員の方に取組の理解などを進めているところなので、これは引き続き行っていきたいと思っているところです。
お話のあった地域学校協働活動とは両輪で、学校とCSとの協働活動で、この辺はコミュニケーションを取りながら、PDCAを回しつつ、お互いが連携して活動していくというところが本当の姿だと思っていますので、そういった部分を広報等を通じて紹介していくということはしていきたいと考えております。
以上でございます。
○佐後教育長 市民協働推進課長。
○長塩市民協働推進課長 委員がおっしゃられたのは推進員さんのことかと思われますので、それについて御説明をさせていただきます。
○杉山教育長職務代理者 支援員と言ってしまいました。すみません。
○長塩市民協働推進課長 まず、研修のところのお話になるのですけれども、推進員の連絡会というものを開催しておりまして、こちらのほうは、現に委嘱している推進員さんに出席していただきまして、先ほどお話がありました統括コーディネーターの方からの研修にプラス、それが終わってから、やはり推進員さんはなかなか一堂に会する機会がたくさんは取れないということもございますので、皆さんでグループワークしていただいて、それについて発表していただく、そのようなことを年間複数回行ってございます。
あと、新たに推進員として委嘱された方に関しましては、初回研修ということで、別に推進員の方と新しく始まった地区の公民館、あと学校の関係者の方にもおいでいただきまして、皆さんに地域学校協働活動とはこういうことですという基本的なことを研修で、これも統括コーディネーターのほうから説明する、そのような研修をさせていただいてございます。
二つ目の統括コーディネーターについてですけれども、昨年度までは統括コーディネーター、社会教育課で一応雇用してという形でございましたが、今年度につきましては一身上の御都合ということもございまして、現在は不在という形になってございます。とはいいましても、昨年度まで統括コーディネーターでお務めいただいていた方と市民協働推進課が全く連絡が取れないということでは全くございませんので、今お話しさせていただきました推進員の連絡会ですとか、あと新しく推進員になられた方たちをお呼びする研修には、単発の講師ということでお願いをしていまして、講師として推進員さん、あと地域とは関わっていただくという体制で、何とか地域のほうでも、地域学校協働活動について理解がいただけるような形で、元統括コーディネーターという肩書きで事業に参加していただいている形になってございます。
以上でございます。
○佐後教育長 ほかに質疑ございましたら。
よろしいでしょうか。
教育指導課長。
○倉持教育指導課長 1点、先ほど森委員の御質問の中で、依知と相川、小中一貫の非常勤の講師について、教科、英語と理科と申し上げたかもしれません。両校、令和5年度は英語のみでしたが間違えてお伝えしましたので訂正いたします。
○佐後教育長 よろしいでしょうか。
それでは、ほかに質疑がないようですので採決に移ります。
本件は原案のとおり可決してよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○佐後教育長 異議なしと認め、議案第33号を可決いたします。
報告事項に入ります。
報告事項1 事務の臨時代理の報告について、報告をお願いします。
教育総務課長。
○金子教育総務課長 それでは、資料1を御覧ください。
報告事項1 事務の臨時代理の報告について、厚木市学校運営協議会委員の委嘱について御報告申し上げます。
内容につきまして御説明いたしますので、1枚おめくりいただき臨時代理書を御覧ください。
本件につきましては、厚木市学校運営協議会委員が増員することに伴い、令和6年7月1日付けで委員を委嘱する必要が生じましたが、教育委員会会議を招集する時間的余裕がありませんでしたので、厚木市教育委員会教育長に対する事務委任等に関する規則第3条の規定により、その事務を臨時代理したものでございます。
1枚おめくりいただき、1ページの別紙を御覧ください。
番号1番の依知小学校の赤石拓様を新たに委嘱するものでございます。
任期につきましては、厚木市学校運営協議会規則第5条第4項の規定により、委嘱又は任命の日から2年以内において教育委員会が定める期間となっておりますので、令和7年5月31日までといたします。
なお、2ページには、参考資料として、依知小学校の学校運営協議会委員名簿を付けさせていただいております。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○佐後教育長 ただいまの報告に対して、何かございますか。
特になければ、報告事項1を終わります。
次に、報告事項2 給食用食材の放射性物質の測定結果について、報告をお願いします。
学校給食課長。
○井出学校給食課長 それでは、報告事項2 給食用食材の放射性物質の測定結果につきまして御報告させていただきます。
恐れ入りますが、資料2を御覧ください。
始めに、4月3日から6月26日までの放射性物質の測定結果でございます。
5月7日、14日、28日、6月25日には、調理後の小・中学校の給食の測定も行っております。
結果といたしましては、御覧いただいている1ページから3ページまで全て不検出となっております。
恐れ入りますが、4ページを御覧ください。
保護者の方からの要望も今回はございませんでした。
報告につきましては以上になります。よろしくお願いいたします。
○佐後教育長 ただいまの報告に対して、何かございますか。
よろしいですか。
特になければ、報告事項2を終わります。
以上で本日予定しておりました日程は全て終了いたしました。
これをもちまして、令和6年厚木市教育委員会7月定例会を閉会いたします。
お疲れさまでした。
閉会時刻17時52分
議案書等
会議の議案書等は次のとおりです。ただし、会議において非公開とされた案件及びパンフレット等で電子化が困難なものは掲載していません。
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2024年09月17日
公開日:2024年09月17日