合流式下水道緊急改善事業の概要

更新日:2021年10月20日

公開日:2021年04月01日

合流式下水道管の中の空洞に電気が付いている写真
ヘルメットを被った児童8人で下水道工事見現場見学会記念写真
泥水加圧セミシールド堀新機の写真

合流式下水道の現状と課題

 合流式下水道は、汚水と雨水を同じ管で排除する方式であり、浸水防除と水洗化の普及促進が同時に図られるとともに施工が安価なため、昭和30年代ごろまで大都市等を中心に採用されました。
 現在、合流式下水道を採用している市町村は全国で191都市、普及人口でも約3割となっています。
 本市でも本厚木駅周辺の市街地約205ヘクタールが、合流式で整備されています。
 合流式下水道では、雨天時に雨水と汚水が混合した下水の一部が未処理のまま公共用水域に放流されるため、放流先での水質悪化や水域における水の利用者に対する公衆衛生上の影響が懸念され、早急な改善が求められているところです。

改善計画の目標

「合流式下水道の当面の改善目標」として、次の目標を十分に勘案して設定しているものとしています。

  1. 汚水汚濁負荷量の削減
    分流式下水道と置き換えた場合に排出する汚濁負荷量と、同程度以下(いわゆる分流式下水道並み)となること。
  2. 公衆衛生上の安全確保
    全ての吐口において未処理放流水の放流回数を半減させること。
  3. きょう雑物の流出防止
    全ての吐口で、きょう雑物(下水に含まれる固形物で、紙・ビニール類など多種多様)の流出を極力防止すること。

本市の改善対策

  1. ろ過スクリーン
    雨水吐き室からのきょう雑物の流出削減のためのスクリーンを平成17年度に設置しました。
  2. 貯留管
    汚濁負荷量の削減・公衆衛生上の安全確保のための貯留管の設置(必要貯流量約4100トン)に平成18年度から着手し、平成20年度末に完成しました。
  3. 長期的には、未処理放流水等を極力なくすため、分流化を目標といたします。 

事業による成果 (平成17年~平成20年)

1. 汚濁負荷量の削減(目標値は、年間総汚濁負荷量を分流式下水道並みにする)

貯留管設置により、年間BOD負荷量1年あたり113.6トンが、分流式下水道並み(1年あたり110.1トン)以下に改善された。

吐口からの放流水質

  • 対策前 最大 BOD = 1リットルあたり55ミリグラム (平成21年2月20日 水質調査実施)
  • 対策後 最大 BOD = 1リットルあたり12ミリグラム (平成22年9月  8日 水質調査実施)

     (吐口からの放流水質の基準値はBOD = 1リットルあたり40ミリグラム以下

2. 公衆衛生上の安全確保(未処理放流回数の目標は、34回/年を17回/年以下とする)

吐口からの放流回数

  • 対策前 1年あたり34回
  • 対策後 1年あたり12回

対策後は,平成21年8月から平成22年7月までの1年間の放流回数

3. きょう雑物放流の削減

吐口からのきょう雑物放流捕捉率

  • 対策前 0%
  • 対策後 78%

対策後は,「ろ過スクリーン設置」によるきょう雑物の捕捉 ) 

お願い

 合流式下水道の改善は、施設の貯留・遮集能力を増強するだけでなく、下水道への雨水の流入を抑制することも有効な対策ですので、皆さまにも宅地内の排水を汚水と雨水に分けていただき、雨水浸透ますの設置についても、ご理解とご協力をお願いいたします。

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都市インフラ整備部 河川下水道施設課 河川下水道建設係
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