令和元年度決算

更新日:2022年08月27日

公開日:2021年04月01日

1 決算の背景等

 令和元年度の我が国の経済は、当初、「緩やかに回復している。」(内閣府「月例経済報告令和2年2月」)とされていましたが、年度末にかけて、「新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされ、厳しい状況にある。」(内閣府「月例経済報告令和2年3月」)と下方修正されるに至りました。
 一方、GDP(国内総生産)の実質成長率は、令和2年1-3月期に、▲(マイナス)0.6%、年率換算で▲(マイナス)2.2%と、厳しい状況となったものの、令和元年度としては、前年度比0.0%、物価変動の影響を含む名目成長率は、前年度比0.8%と8年連続のプラス成長となりました。
 こうした中で、本市の税収は、市民税が個人、法人ともに当初予算額を上回ったほか、その他の税目についても、概ね堅調に推移しました。
 また、歳出面では、未来を担う新たな総合計画への橋渡しとなるよう、予算編成で掲げた六つの重点プロジェクトを中心に事業を積極的に推進した1年となりました。

2 決算の概要

 令和元年度における一般会計及び五つの特別会計(病院事業会計を除く。)の決算は、歳入総額が1,412億9,732万8,706円、歳出総額が1,357億8,803万1,061円となり、歳入歳出の差引額は55億929万7,645円となりました。このうち、翌年度へ繰り越すべき財源6億6,099万7,158円を差し引いた実質収支額は48億4,830万487円となりました。
 第9次厚木市総合計画「あつぎ元気プラン」の計画期間が令和2年度をもって満了となることから、令和元年度は、基本構想に掲げる将来都市像「元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市 あつぎ」の実現に向け、第4期実施計画「総仕上げ実行プラン」に位置付ける施策を着実に推進しました。
 一般会計では、全国に誇れる市民力と大きな志を持って、将来に向けたまちづくりを進めるため、過去最大の863億円となる『あつぎの元気大志予算』を編成し、「人口の将来展望を実現する地方創生の推進」、「誰もがいきいきと生活できる地域包括ケア社会の実現」、「将来にわたって活力あるまちであり続けるための都市基盤整備の推進」、「防災・減災対策の強化による安心・安全の推進」、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーの創出」、「中心市街地の魅力や利便性の向上」の六つを重点項目とし、将来を見据えた長期的な視点や市民ニーズを踏まえた事業の実施に取り組みました。
 重点項目別に見ますと「人口の将来展望を実現する地方創生の推進」については、待機児童の解消を推進するため、民間の待機児童対策放課後児童クラブの施設整備に係る経費の一部を補助しました。
 また、子どもたちを安心して預けられる保育環境を整えるため、保育士応援手当助成金を創設し、保育士1人あたり年額60,000円を443人に「あつぎ手当」として支給し、市内で働く保育人材の確保や離職防止策を強化しました。
 「誰もがいきいきと生活できる地域包括ケア社会の実現」については、相談支援体制を強化するため、旧荻野埋蔵文化財展示・収蔵室及び旧依知公民館を活用し、荻野地区・依知地区それぞれの地域包括支援センターと障がい者相談支援センターの機能的連携を図りました。
 また、ごみ減量化・資源化推進事業では、家庭ごみの減量と資源化の推進やごみ出し負担の軽減を図るため、「もえるごみ」の戸別収集をモデル地区で試行しました。
 「防災・減災対策の強化による安心・安全の推進」については、防災に対する市民意識を醸成し、災害に強いまちづくりを推進するため、防災ポケットブックや地区別の災害リスク、その対応策などをまとめた地区別防災マップを作成しました。
 また、中心市街地の浸水被害を軽減するため整備を進めていたあさひ公園地下の雨水貯留施設が8月に完成し、台風19号などの大雨による浸水被害の軽減にも大きな効果を発揮しました。
 「将来にわたって活力あるまちであり続けるための都市基盤整備の推進」については、新たな産業拠点の創出に向け、9月に設立された酒井土地区画整理組合に対し支援を行うとともに、森の里東地区については、令和2年度のB工区・令和5年度のC工区の操業開始に向け、事業の施行者である土地区画整理組合に対して支援を行いました。
 「中心市街地の魅力や利便性の向上」については、中町第2-2地区周辺整備事業において、複合施設の建設及びその周辺環境の整備に向け、規模、機能、概算事業費、整備スケジュールなどの基本的な考え方を整理した厚木市複合施設等整備基本計画を策定するとともに、魅力ある本厚木駅周辺の顔づくりを目指し、交通結節点の機能強化や商業・業務・居住など複合的な都市機能の整備を促進するため、本厚木駅南口地区における市街地再開発事業について、令和2年度中の完成を目指し、事業を施行する再開発組合に対して、必要な指導・支援を行いました。
 また、自転車などを利用する方の利便性向上を図るため、旭町2丁目自転車等駐車場の整備を行いました。(収容台数自転車616台、原動機付自転車51台)
 「2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーの創出」については、ホストタウン相手国であるニュージーランドとの交流事業を実施しました。
 その他、あつぎ元気プランの着実な推進については、マイタウンクラブリニューアル事業において、情報通信技術の進展や利用者環境等の状況を踏まえて全サービスの見直しを行い、公共施設予約システム・講座予約システム等の再構築をしました。また、公園灯LED化事業では、環境負荷やライフサイクルコストの低減を図るため、市で管理している公園の全ての灯具をLED電球に更新しました。

3 市財政の現況と課題

 令和元年度末の市債現在高(病院事業会計を除く)は754億8,235万4,140円で、前年度と比較して17億3,061万7,363円の増となりました。内訳は、一般会計が525億7,662万1,966円、公共用地取得事業特別会計が24億9,068万2,314円、公共下水道事業特別会計が204億1,504万9,860円となっています。
 また、令和元年度末の積立基金については、事業の財源として活用を図る一方、将来の財政需要に備え、財政調整基金や一般廃棄物処理施設建設金に積み増しをしたことなどにより、現在高は225億6,546万4,214円となり、前年度と比較して11億5,925万6,700円の増となりました。
 一般会計の歳入面では、前年度比較で法人市民税は3.1%の減となりましたが、個人市民税は、1.7%の増、固定資産税は、2.2%の増となり、市税収入全体としては1.0%の増となり、当初予算額に対しても大幅に上回り、堅調に推移しました。
 一方、歳出面では、幼児教育・保育無償化の影響や高齢社会の進展などにより、扶助費は4.9%の増となったほか、台風15号及び19号の被害による公共施設の修繕費用が増加したことなどから、維持補修費は12.7%の増となりました。
 今後も、歳出面では、将来を見据えた都市基盤整備などの大型プロジェクトが予定されているほか、少子高齢化のさらなる進行による社会保障経費の増加など様々な面で多くの財政需要が見込まれるとともに、歳入面では新型コロナウイルス感染症による影響が顕在化してくることが予想されます。
 これらの見込みを踏まえ、中・長期の視点からの財源確保等への取組、徹底した行政改革の推進による事業の見直しや経常的経費の削減を引き続き行うとともに、事業の優先順位を検討し、重点的かつ効率的な財源の活用を図りながら、着実な施策の推進を図る必要があります。

4 主な財政分析指標

 令和元年度の主な財政分析指標は、実質収支比率が7.4%(前年度5.8%)、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、89.3%(前年度86.4%)となり、財政力の強弱を示す財政力指数(3か年平均)が1.213(前年度と同じ)となりました。
 また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき公表している本市の4つの健全化判断比率の状況は、実質赤字比率がマイナス7.37%(早期健全化基準11.25%)、連結実質赤字比率がマイナス11.68%(早期健全化基準16.25%)、実質公債費比率が2.6%(早期健全化基準25%)、将来負担比率が38.9%(早期健全化基準350%)となり、いずれの比率も早期健全化基準を大きく下回っています。
 本市の財政は、歳入に見合った効率的な財政運営を行うとともに、将来を見据えた事業を推進することにより、各指標が概ね良好な数値を示しており、令和元年度についても、健全性が維持されています。

(デジタルブック版)表紙をクリックしてください

令和元年度 厚木市一般会計特別会計歳入歳出決算書及び附属書類
令和元年度 決算に係る主要な施策の成果に関する説明書 厚木市

(新しいウィンドウを開きます)
(公開日 令和2年9月9日)

関連ファイル

関連ページ

この記事に関するお問い合わせ先 inquiry

財務部 財政課 財政係
〒243-8511
厚木市中町3-17-17
電話番号:046-225-2170
ファックス番号:046-223-4058

メールフォームによるお問い合わせ