令和2年度決算

更新日:2022年08月27日

公開日:2021年09月03日

1 決算の背景等

令和2年度の我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、GDP(国内総生産)の実質成長率は、前年度比4.6%の減となり、リーマン・ショックがあった平成20年度を超える、戦後最大の落ち込み幅となったものの、消費税率引上げの影響や海外の景気回復の影響を受けた企業業績が底堅かったことなどから、国の税収は、過去最高になる見通しとなりました。

こうした中で、本市の税収は、法人税割の税率引き下げや新型コロナウイルス感染症による影響を受けながらも、市民税は、個人は前年度比1.0%の増となったほか、法人も当初予算額を上回り、市税全体として、ほぼ前年度並みの水準を維持しました。

また、歳出面では、市民の皆様の命と生活を守ることを最優先に、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策に積極的に取り組むとともに、最終年度を迎えた第9次厚木市総合計画「あつぎ元気プラン」第4次実施計画「総仕上げ実行プラン」に位置付けた事業についても、長期的な視点の下、着実に推進した1年となりました。

2 決算の概要

令和2年度における一般会計及び四つの特別会計(病院事業会計及び公共下水道事業会計を除く。)の決算は、歳入総額が1,645億7,989万1,664円、歳出総額が1,586億9,931万2,158円となり、歳入歳出の差引額は58億8,057万9,506円となりました。このうち、翌年度へ繰り越すべき財源6億4,736万4,064円を差し引いた実質収支額は52億3,321万5,442円とな りました。

第9次厚木市総合計画「あつぎ元気プラン」の最終年度である令和2年度は、基本構想に掲げる将来都市像「元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市 あつぎ」の実現に向け、第4期実施計画「総仕上げ実行プラン」に位置付ける施策を着実に推進しました。

一般会計では、これまで育ててきたまちづくりの種が「あつぎ元気プラン」の集大成として大きく花開くよう、市民の輪をもって笑顔が咲き誇るまちを築く『あつぎの元気大輪予算』を編成し、「人口の将来展望を実現する地方創生の推進」、「誰もがいきいきと生活できる地域包括ケア社会の実現」、「将来にわたって活力あるまちであり続けるための都市基盤整備の推進」、「防災・減災対策の強化による安心・安全の推進」、「2020年オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーの創出」、「中心市街地の魅力や利便性の向上」の六つの重点プロジェクトを中心に、将来を見据えた長期的な視点や市民ニーズを踏まえた事業の実施に取り組みました。

重点項目別に見ますと「人口の将来展望を実現する地方創生の推進」については、第2子目以降を対象としていた紙おむつやおしりふき等の支給に新たに第1子目を加え、子育て世帯の日常生活支援の充実を図りました。また、奨学金を利用して幼稚園教諭の資格を取得し、市内の私立幼稚園に勤務する方に対する返済金額の一部助成や、市内の私立幼稚園に就職する又は勤務する幼稚園教諭に対する転入経費の一部助成、市内の私立幼稚園に復職した方に対する就職準備金等の一部助成などにより、幼稚園教諭の確保、定着を強化しました。

「誰もがいきいきと生活できる地域包括ケア社会の実現」については、障がい者や高年齢者の継続雇用奨励金を交付し、多様な人材の活躍推進を図りました。また、迷惑電話防止機能付き電話機等の購入に対する購入費の一部補助を行い、振り込め詐欺等の特殊詐欺被害の防止策を強化しました。

「将来にわたって活力あるまちであり続けるための都市基盤整備の推進」については、新たな産業拠点の創出に向け、森の里東地区については、事業の施行者である厚木市森の里東土地区画整理組合に対して支援を行い、令和2年6月にB工区の整備が完了したほか、酒井地区についても、厚木市酒井土地区画整理組合に対して支援を行いました。

「防災・減災対策の強化による安心・安全の推進」については、公民館などの指定緊急避難場所で、電気自動車から給電設備に電力の供給を受けるための整備を行い、停電時の非常用電源の確保を図りました。また、救命ボートについて、各消防署所に配備済みの9艇に加えて、消防団にも8艇を追加配備し、水害時の市民の皆様の命と生活を守るための対策を強化しました。

「2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシーの創出」については、ホストタウン相手国であるニュージーランドとオンラインや動画配信を用いた交流事業を実施しました。

「中心市街地の魅力や利便性の向上」については、本厚木駅南口地区において、魅力ある駅周辺の顔づくりを目指した駅前広場や地下2階地上22階建ての再開発ビルを整備した市街地再開発事業が完成し、交通結節点の機能強化や商業・業務・居住など複合的な都市機能を強化しました。

また、中町第2-2地区周辺整備事業において、複合施設の基本設計等業務の事業者選定を公募型プロポーザル方式により開始しました。

その他、「あつぎ元気プランの着実な推進」については、利用者の方々のニーズや最新の情報通信技術に対応させるために市ホームページの全面リニューアルを行い、市民サービスの向上を図りました。また、市役所業務の一部にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、業務の効率化や生産性の向上を図りました。

また、補正予算を19回編成する中、市の独自の新型コロナウイルス感染症対策として、市内の中小企業等に対し、売上減少への支援や休業・短縮営業への協力金、家賃の助成など、様々なメニューで事業継続を図るための支援をしたほか、経済的影響を受けた市内で一人暮らしをしている学生等に対しても支援を行いました。また、1人10万円の特別定額給付金を支給し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている全世帯への支援を行うなど、市民の皆様の命と生活を守る様々な取組を行いました。

3 市財政の現況と課題

令和2年度末の市債現在高(病院事業会計及び公共下水道事業会計を除く)は585億6,840万9,810円で、前年度と比較して35億110万5,530円の減となりました。内訳は、一般会計が557億8,522万1,709円、公共用地取得事業特別会計が27億8,318万8,101円となっています。

また、令和2年度末の積立基金については、事業の財源として活用を図る一方、将来の財政需要に備え、財政調整基金や一般廃棄物処理施設建設基金等に積み増しをしたことなどにより、現在高は264億4,037万2,635円となり、前年度と比較して38億7,490万8,421円の増となりました。

一般会計の歳入面では、前年度比較で法人市民税は3.5%の減となりましたが、個人市民税は、1.0%の増、固定資産税は、1.9%の増となり、市税全体で0.4%の増となり、ほぼ前年度並みに推移しました。

一方、歳出面では、新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金などにより補助費等が著増となったほか、子育て世帯への臨時特別給付金給付事業などにより扶助費も4.8%の増となりました。

今後も、歳出面では、新型コロナウイルス感染症対策が必要になるほか、将来を見据えた都市基盤整備などの財政需要が見込まれるほか、歳入面においては、引き続き新型コロナウイルス感染症による影響を注視していく必要があります。

これらの見通しを踏まえ、中・長期の視点からの財源確保等への取組、徹底した行政改革の推進による事業の見直しや経常的経費の削減を引き続き行うとともに、社会情勢の変化を柔軟に捉え、最優先に取り組まなければならない事業を精査し、重点的かつ効率的な行財政運営を推進する必要があります。

4 主な財政分析指標

令和2年度の主な財政分析指標は、実質収支比率が9.1%(前年度7.4%)、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、83.5%(前年度89.3%)となり、財政力の強弱を示す財政力指数(3か年平均)が1.264(前年度1.213)となりました。

また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき公表している本市の四つの健全化判断比率の状況は、実質赤字比率がマイナス9.06%(早期健全化基準11.25%)、連結実質赤字比率がマイナス16.59%(早期健全化基準16.25%)、実質公債費比率が2.5%(早期健全化基準25%)、将来負担比率が39.7%(早期健全化基準350%)となり、いずれの比率も早期健全化基準を大きく下回っています。

本市の財政は、歳入に見合った効率的な財政運営を行うとともに、将来を見据えた事業を推進することにより、各指標がおおむね良好な数値を示しており、令和2年度も、健全性が維持されています。

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