第6回厚木市新たな交流拠点検討委員会の会議録について
会議概要
| 会議主管課 | 行政経営課 |
| 会議開催日時 |
令和8年7月6日(月曜日) |
| 会議開催場所 | 厚木市役所 本庁舎4階 大会議室AB 及び オンライン |
| 出席者 |
厚木市新たな交流拠点検討委員会委員 15人 基礎調査機関(株式会社日本総合研究所2人) |
| 説明者 | 基礎調査機関 |
| 傍聴者 | 1人 |
第6回厚木市新たな交流拠点検討委員会
案件
(1) 防災機能の考え方について
資料1に基づき、事務局(新たな交流拠点づくり担当主幹)より説明。
(玉田委員)
これまで本委員会では、多くの防災に関する意見があった。近年気候変動の影響で、気象による災害が激甚化している。厚木市では1923年関東大震災により大きな被害を受けたほか、相模川も度々洪水を起こしている。
本アリーナの防災機能としては、物資供給・集積拠点としての活用を見込んでいると認識しているが、東日本大震災時に物資が行き渡らなかった反省から、被災地側の要請を待たずに物資を送るプッシュ型支援がスタンダードになってきており、大量の避難物資を集積してさばいていく拠点として本アリーナが有効活用されると考えている。避難所機能は学校が担うという役割分担には賛成である。
国の方針としては、広域物資輸送拠点の選定に関して大きく7つの基準がある。1新耐震基準に適合しているか、2屋根があるか、3フォークリフトが利用できる床強度があるか、412m級トラックが敷地内に侵入できるか、5非常用電源が備えられているか、6津波浸水地域外である、7避難所などではないことである。これらの要件を満たすことで、物資輸送拠点としてふさわしいアリーナになると考える。
また、本日の資料には、能登半島地震の際の石川産業館の写真が資料に掲載されている。同施設は大型車両やフォークリフト使用には非常に適した施設だが、課題もあり、まず県職員が20名規模で対応したが、混乱したため、自衛隊職員が支援し仕分け作業を行った。そしてその後、民間物流業者のマネジメント支援も受けて円滑に行われた。直近の事例を基に改善を加え、厚木市における対応方針を決定するのがよい。
資料には、現在周辺にある帰宅困難者用一時(いっとき)滞在施設ではピーク時に収容力が不足するとあり、イベント開催中の災害発生に伴い、観覧者が帰宅困難者になる可能性が高いことも踏まえ、本アリーナは、帰宅困難者用一時滞在施設には最適とされている。本アリーナを物資集積拠点として活用するならば、車両と帰宅困難者が交わらないよう動線や諸室配置を注意していただきたい。ハザードマップでは相模川氾濫時に最大3mの浸水が予想される土地のため、そのような際に集積所として機能するかも確認していく必要がある。
非常時と日常時のどちらでも役立つよう設計されることをフェーズフリーと言うが、昨今ではモノだけでなくサービスやアイデアにも幅広く使われている。非常時のためのスペースを日常時にも活用することで、利便性の高さや快適さ、賑わいの創出につながるほか、日常時から非常時のことを考えるきっかけを提供し、来訪者の防災意識を高めることにつながる。
具体的な防災設備としては、太陽光発電や蓄電池、貯水槽や非常用発電装置、スターリンク(衛星インターネットサービス)などがある。2011年の東日本大震災時に帰宅困難者が溢れた原因は、企業側が帰宅を促したということが挙げられているが、家族と連絡が取れない不安さによる心理的な原因もあった。大災害時にもスマートフォンの電波が通じて連絡が取り合える環境にあれば、帰宅困難者を抑制できるのではないかという考えがあり、その対策としてスターリンクは有効であり、国の交付金活用でスターリンクを整備することも可能である。他にも、採光・遮熱、物販・マルシェ・レストラン・地域交流の場などのコミュニティスペース等にフェーズフリーの概念を反映させてほしい。
地震だけではなく、複合災害なども起こる最中で、富士山の噴火も考慮いただきたい。富士山の噴火による厚木市への一番の被害は灰である。その灰の仮置き集積所としての活用も考えていただきたい。また、降灰時に雨が降ると荷重がかかることから屋根荷重も考慮する必要がある。
(若菜委員)
当社は能登半島地震の際に、通信企業と協定を結び、スターリンクをヘリコプターで輸送するなどして無線環境の構築を行った。追記できるなら、施設計画の中に、通信キャリアに関わらず、自営無線や衛星通信などの通信環境の整備などの必要性を記載してはどうか。
(上林委員)
防災については、要求水準書を作るという視点で考えると、厚木市の公共施設一般の視点に加え、スポーツ施設としてどう対応するかという視点もある。普段から仲間を集められるというスポーツの特徴を生かすのはどうか。宮崎県延岡市では、ゴールデンゲームスという陸上大会のスポーツボランティアと日常的に連携していたことで、竜巻被害の際、他の自治体と比べて早くボランティアが集まり、災害対応活動に取り組めたという事例がある。基本的な考え方に当たる部分に、スポーツボランティアの施策も盛り込んではどうか。
(花内委員)
大規模な災害が発生した場合は、厚木市だけでなく、広域的に被害が発生している状況が想定されるが、本アリーナは、大きな屋内空間であり、物流拠点として使うために避難者を受け入れないとなると、反発があるのではないか。情報の出し方には注意が必要である。
(長井委員)
指示系統が市の総合防災計画にどのように盛り込まれているか確認すべきである。その指示系統の中での行政とボランティア団体が連携していくにあたり、スポーツは親和性がある。
(2) 日常利用を促す機能及び付帯施設の併設等の事例について
資料1に基づき、基礎調査機関(株式会社日本総合研究所)より説明。
(上林委員)
厚木中央公園等の周辺環境と一体的な整備は重要な視点である。一方、人々が訪れる目的となるような機能の検討について考え方を整理しておきたい。資料にあるような本アリーナを訪れる目的となる機能を導入した場合、日常的に利用をするのは、その機能やサービスを利用したい人に限られてしまうことが懸念される。誰でも使えるパブリックスペースも併せて整備することを考えると、限られた敷地の中で、目的となる施設と周辺のパブリックスペースの接続部分も設計することを事業者に要求しないと、両者の関連性が薄く独立してしまうのではないか。提案者側に目的となる施設とパブリックスペースの間を取り持つ工夫を提案させるべきである。
(事務局)
指摘のとおりである。日常利用を促すために、興行がない日も建物内部を開放することを事業者に求めるのであれば、警備費などの運営費の増加につながるため、運営費増加分を市が負担していく必要がある。日常利用を促すことができる空間についてのハード面の検討に加え、そのような空間を実現させるための運営上の工夫など、ソフト面も併せて検討できればと考えている。
(上林委員)
建物のセキュリティラインの引き方は様々であり、まずはハード面の施設計画の提案をさせたうえで、実現に向けたソフト面の工夫を考えていく形が進めやすいだろう。
(若菜委員)
通信の観点では、コミュニティの幅を広げるための工夫として、現地に来られない方でも興行を楽しめるよう、アリーナを他地域と繋ぐような通信技術を整えることも検討の余地がある。
(花内委員)
本委員会で日常利用を議題としているのは、アリーナ以外の機能の導入について議論するためだと理解しているが、「日常利用」の定義を改めて整理する必要がある。本アリーナは、「みるスポーツ」のための施設であるが、資料にある事例は「するスポーツ」の施設の機能の事例だと思われる。本アリーナに必要な日常利用を促す機能は、交流拠点の役割を興行が無い日も継続的に発揮することを目的とした、まちの回遊性を高めるようなものだと思われ、その考えを事業者に対して明示する必要がある。資料で取り上げている事例では、趣旨が誤解される可能性がある。
(大竹委員長)
同意見である。本アリーナは「みるスポーツ」の拠点として、市民利用も「するスポーツ」以外の新たな形でスポーツに触れる機会を市民に提供するという考え方をしており、あくまで「みるスポーツ」の視点で、事業者の提案を募るのが良いと思われる。
(上林委員)
GLION ARENA KOBEでは、海に面する位置にレストランがあり、スポーツ興行の開催有無関わらず、利用できるようになっている。そのような滞在価値を高めるような機能が好ましい。
(長井委員)
厚木市における生活のハブになることを目指すのであれば、地域の健康医療・医学の拠点にするというのも一案である。カシマスタジアムにはリハビリセンターなどの医療施設が設置されているように、本アリーナに健康医療・医学のハブ機能を設け、厚木市の健康医療政策の中に本アリーナを位置付けていくことも考えられる。商業機能よりも基本的な生活を支える機能であり、地域の課題解決につながる可能性がある。
(花内委員)
改めて本アリーナの役割を考えると、本議題で検討すべき機能を「日常利用」と表現するのはあまり適切ではない可能性がある。厚木市の外部に対する顔となる施設であり、興行の有無に関わらず来たいと思わせる施設でなければならない。例えば、アニメ等のコンテンツとコラボレーションすれば、世界中から人を呼ぶことができる。
(千葉委員)
「日常利用」という表現は修正を検討した方がよいと思われる。事例でアリーナ内のランニングコース等が紹介されているが、興行が無い日も準備等でアリーナ内に入れない時間帯も多く、日常的に使えるとは言えないと思われる。子ども向けの施設については、スポーツ興行はファミリー層をターゲットとしているため、設置すべきと考えている。その際、あくまで興行時に利用する子ども向け施設が、興行のない日も使えるというような考え方をするのが良いと思われる。
(石塚委員)
子どもの遊び場の事例が紹介されているが、近隣にあるアミューあつぎに、子育て支援センター「もみじの手」という0歳から中学前の子供を対象とした保育士駐在の施設があり、現在全面リニューアルし、育児相談や遊び場としても利用できるよう検討している。酷暑対策として、子供たちの健全な発育を確保するためにも遊びの場が必要だが、近隣施設と重複するため、本アリーナでは大規模な施設は不要だと思われる。
(大竹委員長)
私見だが、子どもの遊び場施設は、地域全体に散らばって設置されていることが重要だと考えている。そのため、本アリーナでは観戦に来た時に使える程度のあまり規模の大きくない施設を設置するのが良いと考えている。厚木市全体における子どもの遊び場空間の整備の視点から、適切な規模や役割の設置を検討するべきである。
(吉村委員)
市民の視点からは、当然近隣に多様な機能があれば好ましいが、厚木市にとって本当に必要な本アリーナの役割を明確化する中で、どのような機能が必要かを考えるべきであると理解できた。市民に本計画を示す際にも、本アリーナが厚木市のどのような課題を解決する役割があるかを明確に示すことで、理解促進につながると感じる。
(村岡委員)
本アリーナは、あくまで「みる」ための施設であるという前提で、市民利用を考えると、興行を観に来た人だけが使うカフェスペースではなく、普段でも使える憩いの場になるとよい。子供向けのスペースについてもカフェの中にキッズスペースがあるような形が良いのではないか。
(上林委員)
「日常利用」の機能としては、例えば、アリーナに音楽スタジオが併設されているようなアイデアも考えられる。事業者の提案の幅を狭めないような書きぶりにすべきである。
(3) 官民の役割及び機能の整理について
資料1に基づき、基礎調査機関(株式会社日本総合研究所)より説明。
(花内委員)
「交流拠点」という言葉は、市外から来る人のための施設だと市民に受け止められやすい。使い方を考えてはどうか。交流人口を増やすことと、まちの魅力やプレゼンスを高めるために新たな体験価値を公共サービスとして提供することの関係性として、まちの魅力を高めるために本アリーナを設置し、その魅力によって外から来た人を含め交流が生まれるという順序であることを明確にしないと、外から人を呼ぶために施設を作ったと誤解される。厚木市の魅力があり、その魅力をアピールするために市民のシンボルとしてアリーナを整備し、外から人が来る場所になるという流れで整理したほうがよい。
(上林委員)
官民連携の方向性として、「PFI事業ほどの性能規定は設定しない」とあるが、具体的な考え方を知りたい。
(事務局)
主に諸室の要件設定において、具体的な性能規定をしないということである。アリーナ部分の性能はバスケットボールやバレーボールなどのプロスポーツができるという表現になると想定しているが、収益策は民間事業者の提案に委ねるものであり、PFI事業ほど具体的な要求水準を設定しない方が自由な提案を阻害しないと考えている。
(上林委員)
そのような考え方であれば問題ない。別件のコンセッション事業で、施設の性能のほとんどを事業者提案に委ねるような方向性で、要求水準の具体的な議論なく委員会を進めようとしており、制止したことがある。事業者が運営権対価を計算するのに、発注者が求める標準的な施設の性能の提示が必要である。
(長井委員)
「交流人口」という言葉はよく使われているものだが、市外から人を呼ぶということなのか、市民の活動を活発にするということなのか、複数の解釈があるため、整理したほうがよい。また、「公共サービスとして提供する」とはどういう意味かも説明するべきだと思われる。厚木市では定住人口を増やすことも課題だと思われ、その課題解決のための施設という位置付けも考えられるかもしれない。
(花内委員)
本厚木駅周辺エリアは、人の往来も多く、ポテンシャルが高いと考えている。人口はそう多くないが、関係人口を含めると商圏は100万人を超えていると思われる。他のアリーナとは、立地のポテンシャルが異なるという前提で、検討するのが良い。
(斎藤委員)
本アリーナは、毎日開ける想定か。「日常利用」を考えるにあたっては、開館日の考え方が前提にあると思われる。IGアリーナは、興行日以外は開館していないようである。
(事務局)
一般的なアリーナでは興行日以外は開けないというのが基本であるが、本アリーナは公共施設として整備する中で、どこまで開館日を増やすかという議論が必要である。アリーナに設置される飲食店を毎日営業させるとなると採算が厳しい事例が多く、一概には言えない。事業者募集の際に、開館日の要件設定をせず、民間事業者の提案に任せるのも一案である。
(花内委員)
公共機能として、まちのプレゼンスを高めることと、交流人口を増やすという2つの目的があることを踏まえると、「日常利用機能の設置を求める」という表現ではなく、「2つの目的を達成するためにできる限り日常的に拠点として機能することを求める」という表現が分かりやすいのではないか。
(上林委員)
GLION ARENA KOBEは民設民営であるが、港湾法の関係で、敷地を常に開放しておかなければならない。IGアリーナには大階段があるが、実際には開催日以外は登れない。アリーナは地域のシンボルとなる施設であり、パブリック部分はオープンにすることなどを要件として明示しておいた方がよい。
(4) 基本計画(原案)に向けた基本的な考え方について
(長井委員)
コンテンツの創出・誘致は、厚木市として財政投資をする姿勢だという理解でよいか。
(事務局)
検討中ではあるが、総合計画の中で本厚木駅周辺の人流創出も掲げており、全てを事業者に任せることはしないと考えている。官民の役割分担の中で、市が負担すべき部分については、財政投資をすることになるため、基本計画で考え方を整理する必要がある。引き続き踏み込んだ意見をいただきたい。
(長井委員)
ここは重要なポイントである。文化・エンタメやスポーツ等の各種興行が開催されるかどうかは、使用料等のコストに対して、十分な収益を確保できるかが判断のポイントとなる。コンテンツの創出・誘致の支援としては、使用料の減免などが考えられるが、財政投資をするとなった場合に備え、官民連携の費用分担のロジックを固めておくべきである。
(若菜委員)
維持管理・運営の視点を重視するのであれば、整備コンセプトに、維持管理・運営の視点で留意すべき点等の考え方を記載しておいたほうがよいのではないか。当社は建物の維持管理業務も実施しているが、デジタル技術の実装も目指すのであれば、維持管理・運営段階の視点を含めるべきと感じる。
(千葉委員)
器具庫は、ポータブルフロアだけでなく、開催を想定している各種スポーツ興行に必要な設備を収納できる広さを確保するという考え方を記載した方が良いだろう。
(大竹委員長)
それでは全ての案件が終了したので閉会する。
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更新日:2026年08月12日
公開日:2026年08月12日