令和7年度 第2回 青少年教育相談センター運営協議会議事録

更新日:2025年12月10日

公開日:2025年12月10日

会議概要

会議主管課

青少年教育相談センター

会議開催日時

令和7年11月21日(金曜日)13時15分から15時

会議開催場所

厚木市役所第二庁舎4階 教育委員会会議室

出席者

青少年教育相談センター運営協議会会長及び委員6人、 青少年教育相談センター所長、副主幹、主幹(兼)指導主事1人、主査(兼)指導主事2人

説明者

青少年教育相談センター所長、主幹(兼)指導主事1人、主査(兼)指導主事2人

会議の経過は、次のとおりです。

開会

案件

会議に先立ち、「会議録に発言者の氏名を記載しない」、「発言内容は要約した形式にする」ことを確認した。

1.青少年教育相談センター運営事業について
ア 令和7年度上半期青少年教育相談センター運営事業報告について
イ 令和8年度青少年教育相談センター運営事業計画について

 

質疑

上記、案件1.アについて、事務局(青少年教育相談センター)から説明

委員

青少年教育相談事業において、小学校のスクールカウンセラーによるコンサルテーションの件数が増えたとの報告があったが、何か戦略や狙いがあったのか、または、たまたま増えたものなのか。

事務局

青少年教育相談センターとして、コンサルテーションは力をいれているものの一つである。現状では各学校にスクールカウンセラーを派遣するのは月に2回、重点校においては月に3回となっており、限られた時間の中で、多くの支援をするためにもコンサルテーションに力を入れさせていただきたいということを学校にも伝えているとともに、スクールカウンセラーにも伝えているので、数値が増加したことは良かったことだと感じている。コンサルテーションとともに、行動観察も昨年度の上半期と比べると87件の増加となっている。コンサルテーションと行動観察をセットで見ていただくことで学校としても、アンテナを高くしている。対象の児童にとってどんな支援が必要なのか、早く支援を届けたいという視点から、先生の視点だけではなく、心理相談員の視点も必要だと考えて、行動観察、その後コンサルテーションとなっていることからも、校内においても相談体制をしっかりと作っていただいていると実感している。

委員

スクールカウンセラーとして派遣している心理相談員に研修などは行っているのか。

事務局

行っている。心理相談員の中に研修担当の役割をつけさせており、月に1度はそれぞれの抱えているケースについて報告をしながら、ケースの見立てや方向性について共有をしている。また、年間に5回程度スーパーバイザーの先生をお呼びし、月例ケース研究会を行っている。

これらをコンサルテーション力の向上として学校にも役立てていけるようにしている。

委員

コンサルテーションの件数の増加は、全体的なのかそれとも学校によって差があるのか。

事務局

全体的に増加しているが、学校間の差があることは否めない。また、保護者のニーズによっても変わってくるものではある。

委員

資料の中で相談には継続相談と単発相談あり、単発相談にはメール相談があるが、継続相談にはない。昨今、メールでのやり取りが主流だと思うが、今後の見通しについてはどうか。

事務局

メール相談は継続相談では扱っていない状況である。継続相談は来所していただくか、または都合がつかないときには電話での相談となっている。メール相談はセンターのホームページの入力フォームに入力をいただいているが、来所や電話だとハードルが高いと感じている方やメールだと相談しやすい、また、匿名で伝えたいというときに活用いただいている。センターとしては、メール相談から継続相談につながるためのきっかけになると良いと感じている。メール相談だけで終わるものもあれば、メール相談から電話相談につながり、電話相談から継続相談や学校に繋がり、保護者が学校と相談できるようになることもある。今、メールやライン、SNSなど、発信するためのツールが、主流になっている中で、電話や対面では難しいが、オンラインならできるなどということもあることから今後、検討していかなければならないと感じている。

委員

課題改善ケース研究会への出席者が少ないように感じるが、何か背景や理由があるのか。また、参加できなかった学校に対して、研究会の内容をどのようにフィードバックしているのかを伺いたい。

事務局

市内には小・中学校併せて36校あるが、隔年で研修会を実施している。今年度は対象の学校が小学校で12校、中学校6校となっており、対象の18校には必ず参加していただいている。また、出席者においてもセンターとしては教育相談コーディネーターを育成したいことから、ケース会議を回していく立場にある先生を対象に行っている。対象の18校から一人ずつ参加をいただいているが、出席者が28人となっているのは、対象となったケースの担任も参加を希望される場合は出ていただいていることによる。

2回目については1回目の課題改善ケース研修会を受けてどのような対策や取組がされているのかについて、学校に出向いてケース会議を行っているところである。それを隔年で繰り返しながら36校行っている状況である。今年度対象にならない学校については、資料7ページの5にある児童・生徒支援推進アドバイザー派遣もしており、必要であればアドバイザーから助言・指導をいただける体制を整えている。

委員

センターがコーディネーターの育成に力を入れていることは承知しており、自分としてもそれが大事であると思っている。小学校の教育研究会では児童指導の部会はあるが、コーディネーターの部会はなく、コーディネーターの部会はできないのかという声も上がっている。新たな部会の設定が難しい中にあっては、市が行っているコーディネーター連絡会議にその役割を担ってもらいたい。しかし、教育相談コーディネーター会議においては経験年数も様々、ノウハウも学校によって違っているが、当校のコーディネーターからは情報交換がしたい、自分たちが本当にやりたい情報交換をする時間が取れていないとの声が上がってきている。連絡会議においては、今困っているものだけではなく、レベルアップという視点から参加コーディネーターのニーズに応えられるような情報交換の場を設けられるよう、もうひと工夫をお願いしたい。

事務局

今後もさらに工夫していきたい。

委員

自分は子どもにかかわる仕事を四半世紀ほどやってはいるが、コロナ禍以降、感染防止対策として人と交わらないことを前提とする4年間が与えた影響が今の子どもたちの問題に出ているのではないかと感じている。

あの4年間で相談のあったご家庭のお子さんの問題について、自分たちだけで、単独で解決することを求められるようなことはとても厳しいことだと思う。

先ほどの委員からあったお話も、学校や青少年教育相談センターだけで苦しむのではなく、子どもと交わる機関がきちんと情報を共有すべきである。今は個人情報、プライバシーの保護などで情報の共有がしづらくなっている。それで問題が解決すればよいが、問題が解決しないと苦しむのはお子さん自身であり、ご家族自身となる。教育分野、福祉分野、保健医療分野などの垣根を越えて共有できると良い。今はテーマごとに相談先が分類されており、不登校なら教育、虐待なら児童相談所というように、抱えているテーマや症状で相談先がコロコロ変わってしまうことは、子どもにとってとても負担になるものである。子どもや家族のためにどのような支える体制があるといいのか、市の中でも考えられると良い。児童福祉の分野で言えば基礎自治体にこども家庭センターが設置されているが、やはり子どもの育ちは地域で支えていくものであり、地域の中にある機関が当たり前のように連携を取り、それが子どもや家族に理解してもらえるような体制づくりに取り組んでいければ、問題の発生予防になると思う。問題が発生してから考えるのではなく、先ずは予防を考えることをしていただきたい。ここだけの話に留めず、市の内部の他の分野の子どもに関する機関と議論する、または実績を発信していただきたい。

委員

青少年教育相談センターはこういった機関のハブ機能を持っているところであるので、今後の会議の在り方や必要な発信について検討して欲しい。

委員

青少年非行防止活動事業について、最近は非行傾向のお子さんの相談が増えてきた印象がある。子どもたちはSNSなどを通じて、表には出ていないが水面下で、しかも広域につながっている傾向にある。非行が見えにくくなっているという話が出たが、本当に実感している。街頭パトロールは一定の抑止力はあると思うので続けていただきたいが、それとともにまた違うアプローチを考えていく必要がある。

相談を受ける中にあって、育ちの経過の中できちんと育まれなかった子どもが非行に走る傾向が強いことも感じている。被虐が非行に繋がってしまうことからも、やはり児童福祉分野と教育分野の連携は大切である。

委員

非行だけでは学校は家庭に入っていくことができないので、法的に入ることのできる児童相談所やこども家庭センターに関わっていただくことに学校は助けられている。資料12ページにあるように保護者セミナーも実施しているが、参加者が少ないと感じる。確かにこちらから参加を投げかけても、うちは結構です、関わらないでくださいと言われてしまうことも多い。児童福祉の分野との連携は必要だが、どのように連携していったらいいのかと感じる。

委員

青少年非行防止活動事業で社会教育指導員の声掛け数は多いが、青少年相談員のパトロールは数字的に見ればだが、低調な感じがするが現状はどうなのか。

事務局

青少年相談員には地区の指導をしていただいており、パトロールの時間は夜の7時から9時頃までである。しかし、昔と違って今、地区においてこの時間に出歩いている青少年は少ないので、地区指導はするが声掛けはしていないという現状である。また、街中においても、夜の時間よりも高校生の下校時刻帯の方が多く、煙草を吸っているところを指導することなどがあるが、夜の時間帯に青少年が出歩いていない。やはりSNSの影響で会わなくても連絡が取れる、どこか店の中に入っていて連絡を取り合って会うなどということによるものだと考えられる。

青少年相談員を引き受けていただいている方の中には仕事をされている方も多く、下校時刻に合わせたパトロールをお願いするのは難しいと思っている。

今後、青少年相談員にやっていただくパトロールは今のやり方で良いのかどうか、ご意見があれば伺いたいところではある。

 

案件1イについて、事務局(青少年教育相談センター)から説明

委員

集団体験活動について、年間計画を出し、参加したい方はどうぞという感じで募集をしているのか。

事務局

教育支援教室運営事業の集団体験活動については、年間計画を出すほか、学期ごとにチラシを作り、学校に来ることが困難なご家庭に配布してもらうよう教育相談コーディネーターに発信をしている。

内容についても講師を引き続きお願いできるところにはお願いするとともに、新しく繋がりが出てきたら取り入れている。

委員

参加人数についてはどう感じているか。

事務局

昨年度よりは少ない。毎回10人から15人くらいが体験活動に参加してくれると良いと感じる。

ご家庭にもよるが、小学生の場合は送迎が必要であるとか、発信はしても保護者まで届いているか

など、見えない部分もあるため、教育相談コーディネーターからの発信を改めてお願いしたいと思っている。

委員

参加するその一歩がなかなか難しいのだと思う。ただ、社会とつながっていくためには集団体験活動はとても貴重であり、それをきっかけに開けていくと思う。集団体験活動がより充実していくと良い。コーディネーターからの発信は届いているとは思うが、そこから先は、家庭での話とかイメージによるので、とにかく一度参加してみて、エネルギーを貯めることに繋がればいいのだが。

委員

アプローチがあっても家庭に届かないことは多々ある。ほかにも連絡が取れない家庭に対してはどのように対応しているのか。

委員

もっと入り込まなくてはという思いはあるが、どういった方法がいいのかが分からないところではある。

委員

先ほど委員からあったコロナの3、4年間が子どもたちに与えた影響はとても大きいものであったと自分も感じる。本来であれば接しながらいろいろなことを学んでいく時期に、接してはいけない、給食も黙食で、くっついてはいけないということであった。命に係わる感染症なので、仕方がないことはわかっているが、子どもたちに与えた影響は大きかった。私たちにできることは新たな不登校を生まないという予防の視点を持つことであると感じる。他機関、他職種との連携が重要である。学校が家庭に入れなくなっているという話があったが、児童調査票の記載事項も昔ほどプライベートなことは書かなくていいようになっているので本当に見えない。その辺はスクールソーシャルワーカーや生活保護の家庭であればそのワーカーといった家庭に入れるワーカーがリサーチし、見立ててくれると良いのだが、要対協のケースでないと情報共有ができないこともあり、学校も苦労し、疲弊してしまうという声も聞く。やはりいろいろな機関が一丸となって子どもたちを支えていかないといけない。

委員

これからは予防と連携がキーワードとなって事業を作っていくことになるのだろう。

多様な児童・生徒の対応には時間とお金がかかると言われるが、それでは議論が止まってしまうので、時間とお金に頼らずに知恵をしぼってアイデアが出てくると良いのだが。

委員

これまでのつながった事例の中で不登校や問題が改善した事例を共有する機会はあるのか。相談機関に繋がらないお子さんの対策強化はもちろんだが、繋がる意志があるのに方法が分からない、自分がどのように繋がったらいいのかというイメージがつかない、わからない子もいれば、繋がる意志のない子もいる。医療のトリアージではないが、繋がる意志がある子は確実に繋がれるような工夫があるといい。

例えば、過去のうまくいった事例からヒントが得られるのではないかと感じている。いろいろな会議の中はもちろん各校のコーディネーターやアドバイザーさんの中で、横断的に共有されると良いのではないか。実績として改善した事例、成功体験を積み上げることも効果的である。また、子どもの意見を聞くことも良い。大人が考えていることと子どもが捉えていることは違うと思うので、何か変われるきっかけがあったとかインタビューするのも良いのではないか。

事務局

教育支援教室運営事業の中でご説明した「思い出の会」にお母さんになり、赤ちゃんを連れてきた参加者がいた。通室生であった彼女にとってなかまルームや教室が居場所であり、戻ってきたい場所であり、温かい場所であったという話をしてくれた。委員のご意見を参考にしながら思い出の会のように卒業生の声を聞く機会を設け、また、今の通室生の意見を聞きながら次年度以降の方向性を決めていきたいと思っている。

委員

青少年非行防止活動事業で夜間のパトロールの話が出た。パトロールは非行防止の抑止力になってはいるものの、特に各地区で実施している夜間パトロールにおいては声掛け数も減っているということから、時代や状況に合わせていくべきという声もある。何かお考えがあれば聞かせて欲しい。

委員

パトロールをやっていただいている方からは必要性などについて声はあがってきているのか。

事務局                                                 

夜間にパトロールしても人がいないなどの声は聞かれる。もともとが非行傾向のある青少年に声を掛けるところから始まり、自分たちのやってきたことにはもちろん意味がないわけではなく、それを継続してきたことによって今、街の中や地域に声を掛ける子がいなくなったので、その在り方自体を青少年相談員自身もどうして行こうかという声は聞こえてくる。

委員

青少年の健全育成のための夜間パトロールは役割を終えたのかとも思うが、地区における夜間の防犯のパトロール等は続いていくと思われるので、それと一緒に実施するのもよいのではないか。

事務局

青少年相談員の初期の目的は青少年の非行防止で始まったものであって、地区の防犯パトロールとは主旨が違うことになる。非行の未然防止で何か他にアイデアをいただければ、今後、青少年相談員協議会と話をしていきたい。

委員

青少年相談員さんが、夜間パトロールではなく、朝の小・中学校の挨拶運動に加わっていただき、もっと早い段階から関係性を作っていだだくと、何かあったら声掛けができるということにもなるのかもしれない。

会長

全体を通して何かご意見はあるか。

委員

魅力ある学校づくりということが言われており、学校が見方を変えなければならないこともある中において、学校がどうあるべきだということや今学校に関わっていらっしゃる中で見える学校の姿、子どもたちに感じていることなどを他機関の委員に伺いたい。

委員

公民館、地区市民センターといった地域を巻き込んだ活動をもっとしていくのが良い。また、年配者ばかりよりは定年を終えたばかりの方などに協力をいただけると良い。

委員

外部機関が学校に協力する体制を作っても、学校が授業や学校行事をこなすことに精一杯で外部機関を受け入れる体制を作れないのではないか。

自分の団体でも体験型の薬物乱用防止教室を昨年度市内の中学校で開催した。劇団員が演じるワークショップ形式で行い、団体組織の中でも評価が高く、補助金をもらえることになった。その補助金を使って今年度は2校で実施できた。しかし、その一方で準備や実施において、学校に迷惑をかけているのではないかと心配もしていた。ただ、学校に実際に行ってみて、先生方が一生懸命に子どもたちのために頑張っている姿を目の当たりにして、やはり何か協力したいと感じている。学校側に受け入れ体制を作ってもらえるのなら、できるだけ協力したい。

委員

魅力ある学校づくりについて、何が必要かという同じ質問を私が以前に担当していた学校の校長先生からされたことがあった。その時に私がお答えしたのは、学校の外で児童・生徒さんを見ていただくと良いということと、地域の方々から聞こえてくる生徒の評判が一つの目安になるのではないかということだった。その学校の校長先生は早速、地域の方にアンケートを取って結果を学校内の先生をはじめ、PTAや生徒にも発信した。4年間その学校を担当し経過を見ていたが、問題は劇的に減った。学校にも活気が出てきた。学校と地域が一緒になって変わっていった例である。

学校は地域の中で子どもを支える一番身近な存在であるので、先ほど学校は家庭に入りづらいという話もあったが、そのような不断の努力が学校に対して家庭の敷居を低くすることにもなるのかと感じている。子どもを支え、育む家庭と学校が両輪となっていくためには、地域の中で学校がしっかりと根付くことが必要なのではないかと思っている。

事務局

令和8年度の委員の改選について

 

閉会

長時間にわたり、様々な角度から貴重なご意見をたくさんいただき、ありがとうございました。いただいた意見や課題を来年度の事業の方向性やその先の見通しに活かしていきたい。今まさに来年度の予算編成に取り掛かっているところであり、思うようにはいかないこともとあるが、いただいたご意見を上手に工夫しながら活用していきたい。

来年は改選期となるが、ご縁があったら厚木の子ども達のためにまた、お力を貸していただきたい。

 

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ファックス番号:046-223-9525

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