厚木市火災予防査察規程
(趣旨)
第1条
この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づく査察について必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条
この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 査察 立入検査、違反処理及び火災予防のために必要な措置をいう。
(2) 立入検査 法第4条又は法第16条の5の規定により消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況又は危険物の貯蔵若しくは取扱いについて検査又は質問を行い、法及び火災の予防に関係する法令(以下「火災予防法令」という。)に基づく火災の予防、災害の発生及び拡大の防止に関する不備事項等の事実を確認し、関係者に指摘することで、その是正を促す行為をいう。
(3) 違反処理 火災予防法令の規定に違反が認められる事項及び火災予防に直接関係しない消防法令の規定の不備事項(以下「違反等」という。)について、警告、命令、告発、代執行その他の方法により、違反等の是正若しくは予防又は出火危険、延焼拡大危険若しくは火災に係る人命危険の排除を図るための行政上の措置をいう。
(4) 査察対象物 査察を執行する必要のある消防対象物をいう。
(5) 関係者等 法第2条第4項に規定する関係者(以下「関係者」という。)及び査察対象物の防火管理者、危険物保安監督者、防災管理者その他の責任のある者をいう。
(6) 定期査察 査察実施計画に基づき消防長又は消防署長(以下「署長」という。)が実施するものをいう。
(7) 査察実施計画 査察を実施するために必要な事項を示す計画をいう。
(8) 追跡査察 査察によって発見した違反等について、その是正を促すこと及び是正状況の確認を行うことをいう。
(9) 特別査察 消防長又は署長(以下「消防長等」という。)が必要と認めた場合に行う立入検査であって査察対象物又は地域を定めて実施するものをいう。
(10) 査察員 査察業務に従事する消防職員をいう。
(11) 本部査察員 査察員のうち消防本部職員をいう。
(12) 署査察員 査察員のうち消防署職員をいう。
(13) 違反対象物 査察対象物のうち違反処理が必要なものをいう。
(査察の主体)
第3条
査察は、消防長等が主体となって行うものとする。
(責務)
第4条
消防長等は、査察員を指揮監督し、適正な査察の執行に努めなければならない。
2 消防長等は、常に査察対象物の実態の把握に努めなければならない。
(査察対象物の区分)
第5条
査察対象物は、用途及び規模に応じて別表のとおり区分する。
(査察員の責務)
第6条
査察員は、査察を通じ、関係者等による防火管理、若しくは防災管理の適正化又は保安体制の強化がされるよう指導するとともに、査察対象物における消防活動の関連について認識を深めることにより、消防活動時の安全性及び円滑性の向上を図り、住民生活の安心・安全に寄与するよう努めなければならない。
2 査察員は、消防法令及び行政手続法(平成5年法律第88号)その他の関係法令に精通するとともに、防火、防災及び保安管理並びに火災及び火災以外の災害の実態等を研究し、査察能力の向上に努め、適正な査察業務の推進を図り、査察に対する信頼を高めなければならない。
(査察の執行)
第7条
署長は、管轄区域(厚木市消防本部及び消防署の設置等に関する条例(昭和40年厚木市条例第38号)第2条第2項に規定する消防署の管轄区域をいう。以下この条において同じ。)内の査察を執行しなければならない。ただし、署長が認めた場合は、この限りでない。
2 消防長は、必要があると認める場合は、予防課長及び署長に対し査察の執行を指示するものとする。
3 署長は、査察を執行しなければならない査察対象物を把握するため、情報収集等を行い、調査するものとする。
(査察執行管理責任者の責務)
第8条
予防課長及び副署長(以下これらを「査察執行管理責任者」という。)は、査察員の実施する査察を指揮監督し、業務管理の適正を期さなければならない。
(査察執行管理者等の指定)
第9条
査察執行管理責任者は、査察を円滑に執行するため、査察員のうちから査察執行管理者及び副査察執行管理者を指定し、消防長等に報告するものとする。
(査察執行管理者等の責務)
第10条
査察執行管理者は、査察業務を管理するものとする。
2 副査察執行管理者は、査察執行管理者を補佐し、査察執行管理者が不在の場合は、その職務を代行する。
(査察技術員の指定)
第11条
査察執行管理責任者は、立入検査及び違反処理に係る事務を適正、かつ、効果的に実施するため、署査察員に対し実務的な助言及び指導等を行う者として、署査察員のうちから査察技術員を指定し、署長に報告するものとする。
2 署長は、前項の規定により報告を受けた場合は、消防長に報告するものとする。
(査察技術員の責務)
第12条
査察技術員は、査察執行管理者及び副査察執行管理者と協力して、査察を適正かつ効果的に実施するものとする。
(査察基本方針及び査察実施計画)
第13条
消防長は、査察を効果的に執行するため、年度ごとに査察基本方針を示し、予防課長及び署長に通知するものとする。
2 予防課長及び署長は、査察を効果的に執行するため、前項の査察基本方針に基づき査察実施計画を策定し、消防長に報告するものとする。
(執行状況の報告)
第14条
予防課長及び署長は、査察の執行状況について、四半期に消防長に報告するものとする。
2 消防長は、特に必要があると認めるときは、予防課長又は署長に査察の執行状況について報告を求め、又は査察に関し必要な指示をするものとする。
(執行方針及び査察の執行体制の見直し)
第15条
消防長は、査察基本方針に基づく査察の執行状況を管理し、年度ごとに執行方針及び査察の執行体制の見直しを行うものとする。
(査察証の管理)
第16条
査察員は、厚木市消防査察証規則(昭和56年厚木市規則第52号)第3条の規定により交付された消防査察証について、汚損、紛失等に留意し、管理しなければならない。
(派遣要請)
第17条
署長は、査察の執行において特に必要があると認める場合は、消防長に本部査察員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項の規定により要請があった場合又は特に必要があると認める場合は、その状況に応じて本部査察員を派遣するものとする。
(資料の提出)
第18条
消防長等は、火災予防上必要があると認める場合は、関係者等に対し、資料(消防対象物の実態を把握するために必要な既存の文書等をいう。以下同じ。)の提出を求めることができる。
2 消防長等は、前項の規定による資料の提出がされず、法第4条第1項又は法第16条の5第1項の規定により資料の提出を命ずる場合は、資料提出命令書を交付するものとする。
(報告徴収)
第19条
消防長等は、資料以外のもので、火災予防上必要があると認められる事項について、関係者等に対し任意の報告を求めることができる。
2 消防長等は、前項の規定による報告がされず、法第4条第1項又は法第16条の5第1項の規定により報告を求める場合は、報告徴収書を交付するものとする。
(資料等の受領及び返還)
第20条
前2条の規定により、資料提出命令書又は報告徴収書を交付し、関係者から資料等の提出をさせる場合は、資料提出書に必要な資料等を添えて提出させるものとする。
2 消防長等は、前2条の規定により資料等が提出された場合において、提出者がその資料等の返還を求めないときは資料等受領書を、返還を求めるときは資料等保管書を提出者に交付しなければならない。
3 前項に規定する提出者が返還を求める資料等について、適切に保管しなければならない。
4 前項の規定により保管された資料等を返還する場合は、資料等保管書と引換えに提出者に返還するとともに、返還資料受領書を提出させるものとする。
(危険物の収去)
第21条
法第16条の5第1項の規定により、危険物又は危険物であることの疑いのある物を収去しようとする場合は、厚木市危険物の規制に関する規則(昭和51年厚木市規則第5号)第14条の規定により処理するものとする。
(関係行政機関との連携)
第22条
消防長等は、立入検査において知り得た事実が火災予防法令以外の法令の防火に関する規定に違反しているおそれがある場合は、関係行政機関と十分に連携し、その改善指導に努めるものとする。
2 消防長等は、火災予防法令以外の法令の防火に関する規定に違反している対象物の違反処理等を行う場合は、関係行政機関と十分な情報共有及び連絡調整を行うとともに、違反事実の把握に努め、法第35条の13の規定に基づく照会を行うほか、適切な措置を講ずるよう相互の連携に努めるものとする。
3 消防長等は、関係機関から防火に関する情報提供等を求められた場合は、協力するものとする。
(定期査察)
第23条
消防長等は、別表に定める査察対象物について第13条第2項の査察実施計画に基づき定期査察を行わなければならない。
(特別査察)
第24条
消防長等は、特別査察を実施する場合は、実施に関する計画を作成しなければならない。ただし、次の各号のいずれかの事由による場合は、この限りでない。
(1) 広聴事案があった場合
(2) 関係者等から立入検査の要請があった場合
(3) 消防対象物で火災が発生した場合
(4) 前3号に掲げるもののほか、消防長等が緊急に特別査察を実施する必要があると認めた場合
(事前準備)
第25条
査察員は、立入検査を実施する場合は、査察対象物について、事前に次に掲げる事項の確認及び検討を行い、立入検査を効率的に実施しなければならない。
(1) 概要
(2) 防火管理等の状況
(3) 消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置状況
(4) 違反処理の経過
(5) 防災管理等の状況
(6) 過去の火災等の発生状況及び原因
(7) 前各号に掲げるもののほか、消防長等が立入検査の実施上必要があると認めた事項
(事前通告)
第26条
査察員は、立入検査を実施する場合は、事前に関係者等に対して通告を行うものとする。ただし、効果的な立入検査を実施することができないと認める場合は、この限りでない。
(立入検査時の留意事項)
第27条
査察員は、立入検査を実施する場合は、法第4条及び第16条の5の規定によるもののほか、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 関係者等の立会いを求めること。
(2) 言動に注意し、関係者等に不快の念を与えないようにすること。
(3) 感電、転落等の事故防止を図ること。
(4) 機器の操作については、関係者等に操作を求めること。
(5) 関係者等の民事的紛争に関与しないこと。
2 査察員は、立入検査の結果、違反等を確認した場合は、その内容を関係者等に十分説明し、違反事項に対する是正の促進を図らなければならない。
3 査察員は、正当な理由がなく立入検査を拒否し、妨害し、又は忌避する者があった場合は、立入検査の趣旨を説明し、協力を求めるものとする。
4 査察員は、前項の規定による協力を求めても関係者等が立入検査に応じない場合は、当該関係者等にその理由を確認し、その旨を査察執行管理責任者に報告して指示を受けなければならない。
(検査事項)
第28条
立入検査は、査察対象物の用途、規模、構造等に応じ、火災予防上又は人命安全上必要な検査事項について行うものとする。
(立入検査結果の通知)
第29条
査察員は、関係者等に対し、立入検査の結果を立入検査結果通知書により通知するものとする。ただし、違反事項がない場合は、通知の交付を省略することができる。
2 立入検査結果通知書で指導を行った事項については、改善計画又は改善状況について改善(計画)報告書により報告を求めるものとする。ただし、違反事項がない場合は、報告を省略することができる。
3 改善(計画)報告書による報告がない場合は、関係者等に対して督促するものとする。
(立入検査結果の報告)
第30条
査察員は、立入検査を行った場合は、その結果を立入検査結果報告書により消防長等に報告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、火災予防上又は人命安全上猶予することができない場合は、立入検査の結果を口頭により消防長等に報告することができる。この場合においては、事後速やかに立入検査結果報告書により報告しなければならない。
(是正の促進)
第31条
消防長等は、立入検査の結果、確認した違反事項の是正について、あらゆる機会を活用し、積極的に是正の促進を図るとともに、関係者等に対し、指導、違反処理その他必要な措置を講じなければならない。
2 消防長等は、査察により確認した違反事項是正の履行確保のため、査察員に追跡査察を行わせなければならない。
(火災予防に直接関係しない不備事項等の確認)
第32条
法第4条の規定に基づく立入検査の際に、併せて法第36条に規定する防災に関する規定その他の関係規定(以下「法第36条関係規定」という。)に関する不備事項等の確認を行おうとする場合は、関係者等の任意の協力に基づき行うものとする。
(火災予防に直接関係しない不備事項等の是正指導)
第33条
前条の確認の結果、法第36条関係規定に関わる不備事項を認めた場合は、関係者等に対し通知し、不備事項が是正されるまで、違反処理その他必要な措置を講じなければならない。
(違反処理)
第34条
消防長等は、火災予防上必要があると認めるときは、厚木市火災予防違反処理規程(平成15年厚木市消防本部訓令第1号)に基づき、速やかに違反処理を行わなければならない。
(資質の向上)
第35条
消防長等は、査察員の知識及び技術の向上のために、随時、査察に関する研修及び教養を実施するものとする。
(情報の管理等)
第36条
消防長等は、この規程において定める査察に関する事務処理について、消防情報支援システムに入力、出力及び保存が設定されている事項については、当該システムにより処理しなければならない。
2 消防長等は、査察により知り得た情報が適正に管理されるよう努めなければならない。
附 則
この規程は、平成14年9月1日から施行する。
附 則
この規程は、平成15年7月1日から施行する。
附 則
この規程は、平成15年11月1日から施行する。
附 則
この規程は、平成16年8月2日から施行する。
附 則
この規程は、平成18年10月1日から施行する。
附 則
この規程は、平成20年4月1日から施行する。
附 則
この規程は、令和3年4月1日から施行する。
附 則
この規程は、令和3年6月30日から施行する。
別表(第5条関係)
査察対象物区分表
区 分 |
用 途 ・ 規 模 等 |
|
定期点検報告査察対象物 |
消防法施行令(以下「政令」という。)第4条の2の2に規定する防火対象物 |
|
1種査察対象物 |
A |
政令により防火管理者の選任及び自動火災報知設備の設置が必要とされる特定防火対象物 |
B |
政令により防火管理者の選任及び消防用設備等の設置が必要とされる特定防火対象物(A欄に掲げるものを除く。) |
|
2種査察対象物 |
A |
政令により防火管理者の選任及び自動火災報知設備の設置が必要とされる非特定防火対象物 |
B |
政令により防火管理者の選任及び消防用設備等の設置が必要とされる非特定防火対象物(A欄に掲げるものを除く。) |
|
3種査察対象物 |
A |
1種査察対象物及び2種査察対象物以外の政令対象物で、政令により自動火災報知設備の設置が必要とされるもの |
B |
1種査察対象物及び2種査察対象物以外の政令対象物で、政令により消防用設備等の設置が必要とされるもの(A欄に掲げるものを除く。) |
|
4種査察対象物 |
危険物製造所等 |
|
5種査察対象物 |
定期点検報告査察対象物及び1種査察対象物から4種査察対象物までの査察対象物以外の政令対象物、住宅その他消防対象物 |
この記事に関するお問い合わせ先
消防本部 予防課 予防査察係
〒243-0003
厚木市寿町3-4-10(消防本部2階)
電話番号:046-223-9370
ファックス番号:046-223-8251
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更新日:2021年07月09日
公開日:2021年07月09日