防火管理者の業務の委託を認める場合の運用基準

更新日:2021年07月09日

公開日:2021年07月09日

基本方針

本運用基準は、※1 政令第3条第2項の規定に基づき、防火管理者の業務の委託を認める場合の基準を定めたものである。

防火管理の基本は、自主防火管理体制により防火管理業務を推進していくことにあることから、本運用基準による取扱いは、「防火管理上必要な業務を適切に遂行することができない」と認められる防火対象物に限り、適用できるものであること。

用語の意義

本運用基準における用語の意義は、次のとおりとする。

1 委託選任

防火管理義務対象物の管理権原者(※2 法第8条第1項に規定する「管理について権原を有する者」をいう。以下同じ。)が、当該対象物の防火管理者の業務を、当該対象物の他の管理権原者に委託すること又は当該対象物において管理権原を有しない第三者に委託することにより、防火管理者を選任することをいう。

2 内部選任

委託選任のうち、管理について権原が分かれている防火対象物において、当該対象物の管理権原者が、当該対象物の他の管理権原者に防火管理者の業務を委託し、他の管理権原者が選任した防火管理者を、共同の防火管理者として選任することをいう。

3 外部選任

委託選任のうち、防火対象物において、当該対象物の管理権原者が、当該対象物において管理権原を有しない第三者に防火管理者の業務を委託し、当該第三者が指定する者を防火管理者として選任することをいう。

4 重複選任

同一の防火管理者が、二以上の防火対象物において重複して選任されることをいう。

防火管理者の業務の委託を認める場合の要件

次に掲げるすべての事項に適合する場合は、防火管理者の業務の委託を認めることができるものとする。

1 防火対象物の種類、適用範囲等に関する事項

(1)防火対象物の種類

次のいずれかに該当する防火管理義務対象物であること。

ア ※1 政令第3条第2項で規定する共同住宅(以下「共住対象物」という。)

イ ※3 規則第2条の2第1項第1号で規定するもの(以下「1号対象物」という。)

ウ ※4 規則第2条の2第1項第2号で規定するもの(以下「2号対象物」という。)

エ ※5 規則第2条の2第1項第3号で規定するもの(以下「3号対象物」という。)

(2)適用範囲

前(1)の防火対象物における適用範囲は、次のとおりとする。

ア 共住対象物

政令別表第1(5)項ロに掲げる共同住宅である防火対象物を適用範囲とする。

イ 1号対象物

1号対象物で、管理権原者が同一となる個々の防火対象物を適用範囲とする。

ウ 2号対象物

2号対象物のうち、※4 規則第2条の2第1項第2号イ及びロで規定する部分(以下「小収容人員事業所」という。)を適用範囲とする。ただし、所有者自らが主体となって防火対象物全体の施設及び設備の管理、防災センターを中心とした自衛消防活動体制の運営管理等が実施される防火対象物において、次のすべてに該当するものは、適用範囲とすることができる。

(ア)管理権原者の権原に属する部分の床面積の合計が、※6 政令第3条第1項第2号に規定する基準に該当する事業所であること。

(イ)防火対象物の所有者が選任した防火管理者を内部選任するものであること。

(ウ)防火対象物全体としての防災センター管理計画が作成されており、その内容が協議事項、消防計画等に反映され、防火管理上必要な業務が適正に遂行できると認められるものであること。

エ 3号対象物

3号対象物又は※5 規則第2条の2第1項第3号に規定する特定資産若しくは不動産特定共同事業契約に係る不動産に該当する防火対象物の部分を、適用範囲とする。

(3)適用の重複

ア 一の防火対象物が、第3、11の防火対象物の種類において重複する場合は、それぞれの種類の防火対象物として取り扱うこと。

イ 政令別表第1(5)項ロの共同住宅の用途に供される部分が存する複合用途対象物は、2号対象物で取り扱うものとする(共住対象物又は2号対象物(政令別表第1(5)項ロの共同住宅の用途に供される部分に限る。)を、以下「共住対象物等」という。)。

2 防火管理者の選任が困難な事由に関する事項

管理的又は監督的な地位にある者のいずれもが、次のいずれかの事由により、防火管理上必要な業務を適切に遂行することができないと認められるものであること。

(1)勤務場所

神奈川県外に勤務していること。

(2)その他の事由

ア 身体的事由が存すること(高齢、病気等)。

イ 日本語が不自由であり、防火管理上必要な業務の遂行が困難であること。

ウ 所有者又は占有者が頻繁に変わるため、防火管理者の選任が困難であること。

エ 従業員がいないか、又は極めて少ないため、防火管理者の選任が困難であること。

オ その他、消防長が防火管理上必要な業務が適切に遂行できないと認める事由があること。

3 委託される防火管理者に関する事項

次のすべてに適合するものであること。

(1)権限の付与

防火管理者の責務を遂行するために、管理権原者から次に掲げる権限が付与されていること。

ア 消防計画の作成、見直し及び変更に関する権限

イ 避難施設等に置かれた物を除去する権限

ウ 消火、通報及び避難訓練の実施に関する権限

エ 消防用設備等の点検・整備の実施に関する権限

オ 不適切な工事に対する中断、器具の使用停止及び危険物の持込みの制限に関する権限

カ 収容人員の適正な管理に関する権限

キ 防火管理業務従事者に対する指示、監督に関する権限

ク その他防火管理者の責務を遂行するために必要な権限

(2)管理権原者からの文書の交付等

管理権原者から次に掲げる「防火管理上必要な業務の内容」を明らかにした文書を、交付されており、かつ、当該内容について十分な知識を有していること。

ア 消防計画の作成、見直し及び変更に関すること。

イ 避難施設等の管理に関すること。

ウ 消火、通報及び避難訓練の実施に関すること。

エ 消防用設備等の点検・整備の監督に関すること。

オ 火気の使用等危険な行為の監督に関すること。

カ 収容人員の適正な管理に関すること。

キ 防火管理業務従事者に対する指示及び監督に関すること。

ク その他防火管理者として行うべき業務に関すること。

(3)防火管理上必要な事項に関する知識等

防火対象物の位置、構造及び設備の状況その他防火管理上必要な事項について、当該防火対象物の管理権原者から説明を受けており、かつ、当該事項について十分な知識を有していること。

なお、「防火管理上必要な事項」は、次に掲げる事項であること。

ア 防火管理体制、自衛消防組織の編成等従事者の配置等に関すること。

イ 従業員等に対する防火上必要な教育の実施体制に関すること。

ウ 消火、通報及び避難訓練の実施状況に関すること。

エ その他防火管理上必要な事項

(4)防火管理者の種別

委託選任される防火管理者は、※7 政令第3条第1項第1号に該当する者であること。(内部選任される場合で、事業所の収容人員の合計が、※8 規則第2条の2の2に該当するものを除く。)

(5)管理する拠点等

防火管理者の業務の受託者は、神奈川県内に管理する拠点を有し、かつ、防火管理上必要な業務が適切に遂行できるものであること。

4 防火担当責任者に関する事項

委託選任の対象とされる防火対象物又は事業所には、防火担当責任者(防火管理者の業務を補佐する者をいう。)が指定されていること。

重複選任の取扱い

第3の要件に適合し、かつ、次のいずれかに適合するもので、防火管理上必要な業務が適切に遂行できるものは、重複選任を認めることができるものとする。

1 内部選任に係るもの

共住対象物等に係るもので、次のいずれかに該当する場合とする。

(1)同一団地内において、一の共住対象物等で内部選任される防火管理者が、他の棟の共住対象物等で委託選任される場合

(2)共住対象物等(賃貸用に限る。)の所有者が自らを防火管理者として選任する場合

(3)共住対象物等に居住する者が、当該対象物等の防火管理者として内部選任され、かつ、他の棟にある自己が所属する事業所の防火管理者として選任される場合

2 外部選任に係るもの

一の防火対象物において、外部選任される防火管理者が、他の棟の防火対象物の防火管理者として外部選任される場合

附 則

この基準は、平成17年7月26日から施行する。

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