「超高齢社会に対応したごみの収集方法等に関するワークショップ」から提言書をいただきました。

更新日:2021年04月01日

公開日:2021年04月01日

超高齢社会に対応したごみの収集方法等に関するワークショップについて

 市では、様々な機会を通じて、市民の方から「年をとって、自分でごみ出しができなくなったらどうしようかと心配で…」とのお話をいただくことから、ワークショップによる意見交換会を開催しました。
 ワークショップには、環境関連団体さんや地域で活動されている団体さんのほか、公募の6人の方が加わり、将来のごみ対策について16人のメンバーで意見交換を行いました。

ワークショップに参加してくださったみなさん

  • 厚木市ごみ対策協議会
  • 厚木市自治会連絡協議会
  • 厚木市環境保全指導員連絡協議会
  • 厚木ゴミを生かす街づくり会議
  • エコ・アップ・あつぎ
  • あつぎ環境市民の会
  • 市民ふれあいマーケット実行委員会
  • 厚木市地域婦人団体連絡協議会
  • 厚木市老人クラブ連合会
  • 厚木市食生活改善推進団体
  • 公募(6人)

ワークショップで意見交換したテーマ等について

平成28年8月から平成29年7月まで、9回のワークショップを開催しました。

第1回 平成28年8月29日(月曜日) テーマ「快適なごみ出し」

第2回 平成28年10月3日(月曜日) テーマ「ごみの減量と資源化」

第2回 平成28年10月3日(月曜日) テーマ「ごみの減量と資源化」

第3回 平成28年12月5日(月曜日) テーマ「高齢化とごみの収集方法」

第4回 平成29年1月23日(月曜日) テーマ「グループ発表」(第1回から第3回まで)

第5回 平成29年3月13日(月曜日) テーマ「ワークショップまとめ」(第1回から第4回まで)

第6回 平成29年4月20日(木曜日) ディベート「ステーション収集・戸別収集」

第7回 平成29年5月11日(木曜日) ディベート「ごみの収集に係る有料化」

第8回 平成29年6月15日(木曜日) 提言書の作成

第9回 平成29年7月25日(火曜日) 提言書の作成・確認・提出

「超高齢社会に対応したごみの収集方法等に関する提言書」(全文)平成29年7月(超高齢社会に対応したごみの収集方法等に関するワークショップ)

 平成28年8月から平成29年7月まで、9回のワークショップを実施し、平成33年度を始期とする「厚木市一般廃棄物処理基本計画」における超高齢社会に対応したごみの収集方法について討議を行った結果、現行のステーション収集を維持しつつ、高齢や障害等でごみ出しが困難な世帯について、「愛の一声ごみ収集事業」を拡充して支援することが望ましいとの結論に至った。
ワークショップでは、超高齢社会に対応するごみの収集方法を検討する過程で、本市のごみの減量化・資源化の現状と課題、次期計画における推進の方法及び戸別収集と有料化について討議を行った。
 まず、ごみの減量化、資源化を更に推進していくうえで、一人一人がごみを出すルールを守り、責任を持って集積所の清掃や管理を行い、街をきれいにしようという自覚を持つことが重要である。
 ごみの減量化については、市民の無駄のないライフスタイルへの意識改革や、積極的にごみの減量に取り組んでいる地区や個人への表彰制度等を検討し、更なる推進を図る必要がある。
 資源化については、特に紙類の分別について、更なる推進を図る必要がある。
 次に、戸別収集について、戸別収集とは戸建て住宅は自宅前(道路に面した敷地内)にごみを出し、集合住宅は敷地内に設置されたごみ集積所にごみを出す方法である。効果としては、戸建て住宅では、ごみ集積所までごみを運搬する手間が省けることから、高齢者のごみ出しの負担を軽減することができる。また、自宅前(道路に面した敷地内)にごみを出すことから分別の意識を向上させることや、事業者によるごみ集積所への不法投棄を防ぐことができる。課題としては、集合住宅は、敷地内に設置されたごみ集積所まで運搬する必要があることから、エレベーターが設置されていない集合住宅については高齢化対策とならない。また、現在、ごみ集積所が敷地内に設置されていない集合住宅は、新たにごみ集積所を設置する必要があるが、ごみの内容物検査では、単身・学生アパートの適正排出率が低い傾向にあり、戸別収集に伴う集合住宅へのごみ集積所の増設が、適正排出率の低いごみ集積所の増加につながる恐れがある。
 次に、有料化は、各世帯がごみの排出量により応分のごみ処理手数料を負担する方法であることから、公平な受益者負担を確保することができる。ごみを少なく排出すればごみ処理手数料を安く抑えることができるため、ごみ減量の推進に効果がある。更に、資源の収集を無料にするなどの工夫で、ごみの適正排出を推進する効果も期待できる。一方で高齢者がごみ処理手数料を負担することに対する経済的な懸念がある。
 これらのことを検討するなかで、次期計画について、ステーション収集を維持することが望ましいとの結論に至った。
 市民が安心して暮らせる魅力ある環境とは、地域での助け合いが充実したまちであると考え、現在、地域を中心に進められている災害時における助け合いシステムを、災害時に限らず平常時においても機能するよう進めることが肝要であると考える。この一環として高齢者の見守りやごみ出しなどの生活支援を行い、地域の支援が困難な世帯に限り、行政が直接的な支援を行っていくことが望ましい。
 また、ごみの減量化、資源化は更に推進するべきであるが、ステーション収集を維持しつつ、市民の適正排出に対する意識を高めていく方法の検討や、集合住宅について、管理業者・家主と連携してごみの適正排出を徹底していくことが望ましい。
 以上のことから、次期「厚木市一般廃棄物処理基本計画」における、超高齢社会に対応するごみの収集方法は、現行のステーション収集を維持しつつ、それが困難な世帯については「愛の一声ごみ収集事業」を拡充し、行政による支援を行っていくとともに、社会動向に注視し、新たな取組についても引き続き調査、研究を進める。具体策として、戸別収集の有効性を検証するため、モデル地区を定めて試行することが求められる。

超高齢社会に対応したごみの収集方法等に関するワークショップまとめ

1 ごみの出し方について

課題

 市内では、適正排出が進んだ地区と、例えば単身者向けの集合住宅における不適正排出が目立つ地区が混在している状況にある。

改善の方向

 全市的に適正排出を推進するためには、一人一人が街をきれいにしようという自覚を持ち、モラルを向上させることが重要である。

改善案
  1. 不適正排出の目立つ集合住宅について、不動産関連の協会や管理業者・家主にごみの適正排出に係る指導及び管理の協力を依頼する。
  2. 集積所の管理状況を把握し、管理の悪い集積所の分析と効果的な改善方法を研究する必要がある。
  3. 環境保全指導員及び環境美化部長の認知度を高め、適正排出の指導を行う。
  4. 集積所への立て看板や張り紙の掲出又は排出品目ごとに専用の箱を設置する。
  5. 分別の徹底が優れた集積所の取組や不徹底な集積所の悪い事例などの内容を広く市民に紹介する。
  6. 希望する市民にスマートフォン等で排出日や品目を配信する。
  7. 外国籍の市民に外国語などでルールを周知徹底する。

2 集積所の管理

課題

 集積所を清潔に管理できている場所と、収集日を守らない、収集後にごみを出す、指定されたごみ以外のものを出す、指定された場所以外にごみを出すなど、ルールが守られず、集積所が汚れている場所が混在している。
 また、自宅から集積所までの距離に差があり、雨の日などに快適なごみ出しができない場所がある。

改善の方向

 ごみ出しのルールを徹底するとともに、自治会加入の有無に関わらず、市民全員が責任を持って集積所の清掃や管理することが必要である。

改善案
  1. 集積所の管理体制及びごみ出しの個々の責任を明確にする。
  2. 自治会加入の有無に関わらず、利用する人が当番制で集積所を清掃するシステムを構築する。
  3. 集積所に指導ボランティア等を配置して、集積所が清潔に保たれるよう地域での指導を行う。
  4. 全ての集積所にネットや蓋つきの籠等の設置を推進する。

3 ごみの減量について

課題

 ごみ処理費の削減及びCO2排出量の削減が迫られているなか、市民の無駄のないライフスタイルへの意識改革が必要である。

改善の方向

 減量化は更に推進するべきであり、無駄のないライフスタイルへの意識改革や先進的な地区や人の育成が必要である。
 また、社会動向に注視し、引き続きごみの有料化について検討していく必要がある。

改善案
  1. 商品に付随する廃棄物について、販売店に対してはスリムストアー拡充の推進と、販売店での回収を促進するとともに、市民に対しては、スリムストアーの利用促進と購入店に戻すことを意識付ける。
  2. 生ごみの減量を推進し、家庭用コンポストの普及や水切りの徹底を推進する。
  3. 学校教育の中で、ごみの減量に係る教育を継続して行う。
  4. 学校給食から発生する生ごみの資源化を検討する。
  5. 市民一人一人が、ゼロウェイスト(ごみを出さない社会の構築)を目指す。
  6. 地区ごとのごみ量を把握し、一人当たりのごみ量が少ない地区に懸賞金を出すなどの制度を導入する。
  7. ごみの分別マイスターや事業者がエコを提案するエコマイスターなどの制度を導入する。

4 ごみの資源化について

課題

 特に紙ごみの分別が不徹底であり、資源化を徹底していく必要がある。
 一方で、紙ごみは分別が細分化しているため、分別の仕分けが複雑である。

改善の方向

 販売店の資源回収を有効に利用することが必要である。
 紙ごみの資源化については、誰もが容易に分別できる方法を見直す必要がある。

改善案
  1. 紙ごみについて、分別を徹底する。一方で、現行の分別方法は複雑すぎるため、一目で理解できるような周知方法を検討する。
  2. 家庭や学校教育の中で、ごみの資源化に係る教育を継続して行う。
  3. 転入者に対してきめ細やかな説明を行う。
  4. 生産者や販売店が紙資源の簡易な分別のための技術の開発、普及等を推進するよう国や県を通して働きかける。

5 望ましいごみの収集方法

課題

 「愛の一声ごみ収集事業」の認知度が低く、対象となる世帯の基準も厳しいため、ごみ出しが困難であっても制度が利用しにくい状況にある。また、日常生活が困難な世帯を自治会や民生委員などが把握していても個人情報保護のため、外に繋げることが困難な状況にある。
ごみの適正排出の観点では、一部の集合住宅における不適正排出(曜日や排出する品目を守らない)や、事業者によるごみ集積所への不法投棄が見受けられる。

改善の方向

 戸別収集や有料化についても検討を行い、長期的に検討していく課題であると考えるが、現段階では、ステーション収集を維持しつつ、市民の適正排出に対する意識を高めていく方法の検討や、集合住宅について、管理業者・家主と連携してごみの適正排出を徹底していくことが望ましい。その中で、集積所が少なく自宅から集積所が遠いエリアについては、設置箇所の増設を検討する必要がある。
 また、社会の中で高齢者の支援ができる環境づくりを進め、自治会を中心に高齢者の見守りや孤独死の防止などの有効なシステムを地域の中で確立をさせるとともに、地域の助け合いの中でカバーできない部分について行政に繋げるため、愛の一声ごみ収集を拡充し、ごみ出しについて困っている人が、抵抗なく困り感を外に出せるシステムを確立することが望ましい。

改善案
  1. 集積所が少なく自宅から集積所が遠いエリアについては、必要に応じて設置箇所の増設を図る。
  2. 自治会長・民生委員・地域のケアマネジャーなどと連携して、介護認定を受けていなくても状態に応じてサービスが受けられるよう、愛の一声ごみ収集事業を拡充するとともに、制度を積極的に周知し、利用することができる環境を整える。
  3. 2.に加え、地域包括ケアシステムと連携し、高齢者の生活全般を支援するシステムの確立を進める。
各収集方法のメリットとデメリット

収集方法

メリット

デメリット

ステーション収集

  • 一箇所に集められるので作業面、経費面で効率的である。
  • 動物の被害を受けにくい。
  • 近隣交流を図ることができる。
  • ごみ出し時に姿を見かけたり、声をかけたりすることで安否確認ができる。
  • 一部の集合住宅で不適正排出が目立つ。
  • 集積所からの距離や天候による負担、交通量の多いエリアにおいて危険がある。
  • 集積所の清掃が必要である。
  • カラス対策が必要である。
  • 地区外からの不法投棄がある。

愛の一声ごみ収集

  • 安否確認ができる。
  • ごみ屋敷の発生を防止できる。
  • 個人のプライドを尊重しながら実施する必要がある。
  • 分別などの作業をする介護者が必要になる場合が多い。

戸別収集

  • 集積所まで運ばなくてよいので、高齢者や0・1・2歳の子育て世帯が楽になる。
  • 排出者責任が明確になるため、ごみの減量と分別が進む。
  • ごみの散乱が少なくなり、まちの美化につながる。
  • ごみに対する意識が高まる。
  • 集積所に係るトラブルがなくなる。
  • マナーの向上が図られる。
  • 集合住宅の不適正排出の課題が残る。
  • エレベーターが設置されていない集合住宅において高齢者対策の課題が残る。
  • 費用の負担増により、有料化が必要となる。
  • 高齢で分別が困難になっている人へのフォローが必要になる。
  • 動物の被害が心配である。
  • 収集時間にタイムラグがあるため、ごみが散乱する。
  • 有料化とセットで実施しないと減量の効果は少ない。

提言書について

 市では、提言書をもとに、将来のごみの収集方法やごみの減量、資源化などについて検討し、次期「厚木市一般廃棄物処理基本計画」の策定に生かしてまいります。

関連ファイル

関連ページ

この記事に関するお問い合わせ先 inquiry

環境農政部 環境事業課 資源循環係
〒243-0807
厚木市金田1641-1(厚木市環境センター1階)
電話番号:046-225-2793
ファックス番号:046-224-0920

メールフォームによるお問い合わせ