【YouTube配信中】相模人形芝居特別公演オンライン
国指定重要無形民俗文化財「相模人形芝居」を受け継ぐ「林座」と「長谷座」。江戸時代から郷土芸能を守り続けてきた両座ですが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、稽古も思うように出来ず、公演の機会も失われてしまいました。
そこで、厚木市教育委員会では、貴重な郷土芸能を後世に繋ぎ、皆様が伝統文化に触れる機会を創出するため、公演映像の収録配信を企画しました。
ぜひ、ご自宅で「相模人形芝居」の世界をお楽しみください。
相模人形芝居
神奈川県を代表する郷土芸能の1つです。相模地方に伝承される人形芝居で、近世、上方・江戸で流行した「三人遣い」の人形浄瑠璃がこの地方で民間に伝承されてきたものです。
視聴方法
厚木市のYouTubeチャンネル「あつぎ文化芸術・生涯学習発信チャンネル」において、無料で公演映像を公開中です。下の演目名をクリックすると、YouTubeで公開中の動画をご視聴いただけます。
公演内容
傾城阿波の鳴門 順礼歌の段
出演
太 夫 朝倉 輝美
三味線 竹本 土佐子(国指定重要無形文化財「義太夫節」総合認定保持者)
人 形 相模人形芝居 林座(国指定重要無形民俗文化財)
あらすじ
お鶴(左)とお弓(右)
十郎兵衛とお弓の夫婦は、盗まれた主君の刀を探すため、大阪で盗賊となって、暮らしていました。そこへ届いた内通の手紙により、刀を探すための悪事が露見して罪科が降りかかっていることを知ります。
そこへやってきたのは順礼の娘 お鶴。
はるばる阿波から両親を探しにやってきたと語りますが・・・
子を思う親の心が胸を打つ物語です。
生写朝顔話 大井川の段
出演
太 夫 入江 敦子
三味線 竹本 土佐子(国指定重要無形文化財「義太夫節」総合認定保持者)
人 形 相模人形芝居 長谷座(国指定重要無形民俗文化財)
あらすじ
深雪(朝顔)
生写朝顔話は、すれ違いを重ねる深雪と宮城阿曽次郎の悲恋を描いた物語です。
2人は、宇治川の蛍狩りで出会い、恋に落ちました。再会を約束し、離れ離れとなりますが、そんな中、深雪の知らない内に、深雪と駒澤次郎左衛門との縁談が進められてしまいます。
深雪は、恋い慕う阿曽次郎を求め、家出をしてしまいますが、実は、駒澤次郎左衛門は改名した宮城阿曽次郎でした。そして、そのことを知らない深雪は、流浪するうちに盲目となり、瞽女(盲目の旅芸者)として朝顔と名乗るようになります。
その後、2人のすれ違いは続き、深雪(朝顔)が雨の大井川へ駒澤次郎左衛門(阿曽次郎)を追いかけてきたところから、大井川の段が始まります。
相模人形芝居教室 鉄砲ざし編
出演
相模人形芝居 林座
相模人形芝居 長谷座
解説内容
林座の葉山座長
林座の葉山座長と長谷座の井上座長が、相模人形芝居の特徴の1つ「鉄砲ざし」を解説します。
「鉄砲ざし」は、鉄砲を撃つような構えで人形の首を持つ独特の操法で、高い舞台からでも人形の顔がよく見えるようにこの形になったといわれています。
ここを観て聴いて「相模人形芝居」
三人遣い
「文楽」と同様に1体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの3人が協力して操ります。この操作技法は、世界でも日本のみの大変珍しい技法で、3人が息を合わせることにより、細やかな所作が生み出されます。
義太夫節-太夫・三味線-
太夫(左)と三味線(右)
太夫
物語の語り手として、物語の一部始終を語ります。登場人物になりきって、武士、町娘、老爺等、様々な立場、人柄、感情、意思を細やかに語り分け、ドラマを演出します。
三味線
義太夫節では、重厚な低音から繊細な高音まで幅広く豊かな表現力を持つ太棹の三味線が用いられます。単なる伴奏ではなく、音楽的な旋律、さらには、一音で情景や人物の感情を表現することもあります。太夫と呼吸を合わせ、太夫の「語り」の力を最大限に引き出し、助ける役割を持ちます。
もっと詳しく「相模人形芝居」のことを知りたい方へ
もっと詳しく、相模人形芝居や両座のことを知りたい方は、それぞれの解説ページをご覧ください。
また、両座では、新たな座員を募集中です。稽古の見学を希望される場合は、文化財保護課までお気軽にお問い合せください。
伝統を繋ぐために
様々な郷土芸能の団体が、コロナ禍に負けまいと映像配信に取り組んでいます。
無料の映像配信だからといって侮るなかれ、実際の舞台とは違った視点で、伝統文化が楽しめる内容となっています。
「相模人形芝居特別公演オンライン」と併せてお楽しみください。
市指定無形民俗文化財 相模里神楽 垣澤社中 映像作品「KAGURA」
この記事に関するお問い合わせ先
産業文化スポーツ部 文化魅力創造課 文化財保護係
〒243-8511
厚木市中町3-17-17
電話番号:046-225-2509
ファックス番号:046-223-0044
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2022年09月27日
公開日:2022年03月04日